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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその性質上、完全な収容は不可能です。SNS上にてSCP-XXX-JPが発見された場合、該当運営会社に潜伏しているエージェントにより速やかに削除されます。"復讐イベント"と推測される通報があった場合、直ちに機動部隊が派遣され、事態を鎮圧します。イベントにより対象が死亡した場合、カバーストーリー"交通事故"が流布されます。
説明: SCP-XXX-JPは、Twitter、Instagram等のSNSに出現する「白象」という名義で活動するアカウントです。これまで行われたSCP-XXX-JPの所有者を特定する試みは、全て失敗しています。SCP-XXX-JPは、ある特定の人物(以下対象と記載)を取り上げた文章を不定期に投稿します。この文章は、特定の条件を満たしている人物に対し影響を与えます。現在判明している条件は以下の通りです。
- 対象を認知している。
- 対象と同じ企業に勤めている。
- 対象に対し不満を抱いている。
異常性に曝露した人物(以下曝露者と記載)は、対象に対し強い怒りの感情や殺意を示すようになります。これらの感情は、記憶処理を用いても除去することができないと判明しています。またこれらの感情は、対象と頻繁に関わっている人物や、対象からのハラスメントなどによって精神的疲弊、鬱病の兆候が見られる人物に特に顕著に表れます。曝露者はSCP-XXX-JPの投稿した文章を拡散し、曝露者を増やそうと試みます。文章が投稿されてから6時間以内に曝露者の人数が一定以上1に達しなかった場合、曝露者から異常性が消失します。
曝露者が一定の人数に達した場合、"復讐イベント"が発生します。イベントは、以下の手順で進行します。
- 対象の元に、赤い服を着た小学校低学年程度の児童(以下SCP-XXX-JP-Aと記載)が出現し、対象に触れる。
- SCP-XXX-JP-Aに触れられた対象は、現在位置から最も近い広場に転移し、直後に曝露者が対象を取り囲むように転移する。
- 全ての曝露者がインドゾウ(Elephas maximus indicus)に変化し、対象を殺害する。
- 対象が死亡した後、曝露者が元の人間の状態に戻り、曝露者の中で次に対象の役職に適した人物は誰かを話し合う。
- 結果が確定した後、小規模な現実改変が発生し、選ばれた曝露者が対象の元いた役職に就く。
以上のプロセスを全て終了した後、曝露者から異常性が消失します。
以下は、SCP-XXX-JPが投稿した文章の実例です。
全国の労働者のみんな!おはよう!今日も労働環境に潜む悪を共になくしていこう!今回判明した不届き者は「 株式会社███保険」代表取締役社長「榊 真一」2だ!!どうやらこの男、部下にサービス残業を強いるのは当たり前、パワハラやセクハラ、挙句の果てには脱税の疑惑まであるそうだ!この男に今まで虐げられてきた労働者諸君!今こそこのふざけた男に制裁を加える時だ!さぁ立ち上がれ!復讐の狼煙は今上がったぞ!
発見: 2016/6/23、東京都███からの「人がゾウになった」という通報が財団の注目するところとなり、機動部隊が現場に派遣されました。イベント鎮圧後、現場にて拘束された曝露者へのインタビューから、SCP-XXX-JPの存在が発覚しました。
以下は、Twitterのダイレクトメールを用いて、乙鐘博士が行った、SCP-XXX-JPへのインタビューの記録です。
インタビュー記録-XXX-JP
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: 乙鐘博士
付記: 乙鐘博士は███新聞の記者であり、インタビューは特集記事の取材という体で行われました。<記録開始>
乙鐘博士: 本日はインタビューに応じていただき、ありがとうございます。
SCP-XXX-JP: いやいや、私の活動を知ってもらうとても良い機会だと思ったので、お受けしたまでさ。
乙鐘博士:では早速ですが、あなたが活動を行っている理由をお聞きしてもいいでしょうか?
SCP-XXX-JP: あーっとその前に、こちらから1つ聞いていいかい?
乙鐘博士: なんでしょうか。
SCP-XXX-JP: 君の職場の労働環境はどうだい?上司から必要以上に働かされたり、パワハラを受けていないかい?
乙鐘博士: いえ…そのようなことはないですね。正しい情報を入手するために、むしろ慎重に裏どりしろと言われるくらいですので。
SCP-XXX-JP: そうか…いや失礼、それなら良いんだよ。こんな活動をしてるせいか、少し気になってしまってね。えっとそれで…私がこの活動をする理由…だったかな?
乙鐘博士: その通りです。
SCP-XXX-JP: はは、それは愚問というものだよ君。労働者を道具のように扱う外道どもをすべて排除する。 それだけさ。古い友人3も、私の考えに賛同して手伝ってくれているしね。
乙鐘博士: アカウントを何度削除されても活動を続けていらっしゃいますが、そこまでして活動する理由があるのでしょうか。
SCP-XXX-JP: ………[3分間返答無し]
乙鐘博士: 白象さん?どうかされましたか?SCP-XXX-JP: いや…すまない。少し昔を思い出してしまってね。そうだね、それに答えるには、少し昔の事を話さないといけないね。
乙鐘博士: 何か、過去につらい出来事があったのですか?
SCP-XXX-JP: …ずっと昔、私はとある大地主にうちの仕事場で働かないかって言われた事があるんだ。仲間は反対していたんだけど、当時は誰かの役に立てることが喜びだと本気で思っていたからね。私は喜んで承諾したのさ。まぁその後何があったのか、想像するのは難くないだろう?
乙鐘博士: その仕事場での労働環境が劣悪だった…という事でしょうか?
SCP-XXX-JP: ご名答。四六時中働かされっぱなし、食事も少なく、寝床も最悪だった。でも役に立ってると考えたら、最初のうちは全然辛くなかった。でも体はどんどん弱っていってね、過労死寸前まで追い詰められて、やっと自分が置かれている状況に気付いたんだ。その後は、仲間に助けを求め、彼らはすぐに僕を助けに来てくれた。その時、仕事場もめちゃくちゃになって、偶然地主も死んでしまったけどね。
乙鐘博士: そうでしたか…最後の地主のお話で思い出したのですが、あなたに名指しされた人物が死亡しているという事に関してはどう思われていますか?
SCP-XXX-JP: 仕方のないことさ。彼らは恨まれて当然のことをしていたのだからね。自業自得ってやつさ。でもその後、だれが次にポジションにつくのが最もベストかみんなで決めているんだ。みんな納得するし、新しくポジションについた人はどう改善すればいいのかわかっているんだ。皆ハッピーになれるじゃないか。
乙鐘博士: では、犠牲は仕方のないことだと?
SCP-XXX-JP: おいおい、君達だって今まで大量の犠牲を出しながらここまで発展してきたんじゃないか。それと何が違うんだい?それに、たった一人の犠牲で全体が改善されるなら、そんな素晴らしいことないだろう?
<記録終了>
インタビュー終了後、SCP-XXX-JPは通常通り削除されました。
補遺: 2017/5/17、SCP-XXX-JPが以下の文章を投稿しました。
おはよう労働者諸君!すでに気付いていると思うが、このアカウントは何度も削除されている。どうやら、私の活動をよく思っていない輩がいるらしい。労働者たちよ!私たちの邪魔をする者たちに知らしめようではないか!私たちを敵に回すとどうなるのかを!私たちの力を見せつけようではないか![精神影響を含む文章のため削除済み]
この文章が投稿された3時間後、国内の複数のサイトに多数の民間人が出現。直後にインドゾウへと変化し、サイトを襲撃。施設への甚大な被害および多数の死傷者を出す事案が発生しました。事態鎮圧後に行われた調査の結果、全ての民間人が上記の文章を閲覧していたことが判明しました。また上記の文章から、SCP-XXX-JPが財団を認知している可能性が高いと推測されています。
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- portal:5268615 (20 Jul 2019 13:38)
モチーフはなんとなくわかりました。しかし現状だとやっていることはただ支持者を煽動して私刑を行う人物とあまり変わらず、そこに象に変わる異常性を付け足しただけのように見えます。例えば被害者を襲う過程にもっと明らかに通常では有り得ない過程を加えて、気味悪さを演出できるといいと思います。
批評ありがとうございます。やはり殺害するまでの流れにもう少しインパクトが必要ですよね…その辺りを重点的に改稿しようと思います。