つながっていたい

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不活性時のSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:

説明: SCP-XXX-JPは一般的な卓上時計です。背面には針合わせツマミや電池ホルダーは無く、代わりに白色の糸の巻かれたボビンが2つはめ込まれています。文字板には12の上部に「Relation」と小さく刻印されています。

SCP-XXX-JPは活性状態時に時針及び分針に巻き付いた状態で出現する糸(SCP-XXX-JP-1)の色によって対人関係を示します。SCP-XXX-JPは活性状態の間一定の破壊耐性を獲得します。また、SCP-XXX-JPは活性状態の間

SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPから半径1km内に存在する人間から一人を対象として、その人物(SCP-XXX-JP-1-a)と対人関係にある人物(SCP-XXX-JP-1-b)の2名の関係を表しています。この選択基準は不明ですがSCP-XXX-JP-1-bに選ばれる人物はSCP-XXX-JP-1-aが親しいと感じている人物が選ばれる傾向にあります。

以下は現在までに確認されているSCP-XXX-JP-1の変化後の色とSCP-XXX-JP-1-bとの対人関係の一覧です。

変化後の色 SCP-XXX-JP-1-bとの対人関係 備考
黄色 幼馴染であり良好な関係であった。 両者が親しい仲であると認識していた。
黄緑色 ██高校在籍時の後輩であり現在も交流があった。
カーキ色 ███研究助手をライバル視していた。 一方的な感情であっても反映されると推測される。
灰色 絶縁関係であった。 12時間後に黒色へと変化し24時間経過後SCP-XXX-JP-1は消失した。
紅色 婚姻関係であり良好な関係を保っていた。
紫色 性的な関係を持っていた。 SCP-XXX-JP-1-aは強制性交等罪により服役中。
桃色 交際関係であった。
藍色 絶縁関係であった。 灰色ではなく藍色に変化したのは心境の違いまたはSCP-XXX-JP-1-bが絶縁関係であると認識していなかったと推測される。
焦茶色 友人関係であった。 両者親しい仲であると認識していた。

SCP-XXX-JP-1-aとなった人物は、SCP-XXX-JPに関する情報を持ち合わせている、いないに関わらずSCP-XXX-JPを自身が最も多い時間を過ごす場所の見えやすい位置に設置しようとします。SCP-XXX-JPが移動できない場合、SCP-XXX-JP-1-a自身がSCP-XXX-JPの見える場所に移動し多くの時間を過ごすようになります。この特異性からSCP-XXX-JPの収容されているロッカーからSCP-XXX-JP-1-aが持ち出そうとする事例が多発したため特別収容プロトコルが改定されました。

以下はD-4150へのインタビュー記録です。

対象: D-4150

インタビュアー: エージェント・白波

付記: D-4150は、████氏を包丁で殺害し自宅の冷蔵庫に遺体を部位ごとに解体し遺棄していたため、殺人罪及び死体損壊罪、死体遺棄罪により無期懲役が言い渡されています。本人の同意のもとDクラス職員として雇用されました。

<録音開始>

エージェント・白波: それではインタビューを開始します。

D-4150: はい。

エージェント・白波: SCP-XXX-JPつまり、あなたの部屋に置かれたいた、卓上時計はどこで入手したのですか?

D-4150: ああ、あの時計ですか。あれは、フリマサイトで気になって購入したんです。

エージェント・白波: それは、いつ頃ですか。

D-4150: えっと、確か20██年の7月頃だったと思います。

エージェント・白波: なぜ、気になったのですか?

D-4150: 何となく、だた欲しいなって思ったから。

エージェント・白波: その出品者は、他にも出品していませんでしたか。

D-4150: どうだったかな。何せ数年前の事ですし、覚えてませんね。

エージェント・白波: 分かりました。次に、卓上時計の異常性質について何か知っていますか?

D-4150: はい、ある程度は。購入した後、ダンボールに梱包された状態で届いたんですけど時計と一緒に手書きの説明書が入っていたので。

エージェント・白波: 説明願えますか。

D-4150: えっと、確か付属のボビン2つに糸を巻き付けて背面の窪みにセットしたら自動的に現在時刻に合わせてくれるということと、巻き付けた糸で交友関係にある人物の対人関係を時計の針に巻き付いた糸で表してくれるって感じでした。

エージェント・白波: それを見てどう思いましたか。

D-4150: まぁ、冗談だと思いましたね。動力がないのに動いたり自動で調節されたり、特に交友関係を表すなんてって。つかまされたなって思いましたし。

エージェント・白波: 開封後どうしましたか。

D-4150: 一応、説明書通りにしました。騙されたからもう最後まで騙されてみようって、そんな感じですね。

エージェント・白波: 一連の作業後はどうでしたか。

D-4150: 説明書の通りでしたね。本当に勝手に時刻が合いましたし。

エージェント・白波: SCP-XXX-JP-1つまり針に巻き付いた糸はありましたか。

D-4150: はい。2日後くらいでしたけど。だけど、誰が選ばれたかなんて分からなかったし放置してましたね。

エージェント・白波: ████氏が対象であると分かったのはいつ頃ですか。

D-4150: 付き合い始めてからですね。

エージェント・白波: その時のSCP-XXX-JP-1の色は何でしたか。

D-4150: ピンク色でしたね。それも、濃い色のね。だから気づいたんですよ。██との繋がりを表してくれてるんだってね。

エージェント・白波: 何故、████氏の殺害に至ったのですか。

D-4150: 殺害だなんて物騒な。違いますよ、一緒に暮らすためです。僕がこんなに好きだと思っているのに、██は僕を避けたんですから。

エージェント・白波: こちらの調査資料では、あなたに対して禁止命令1が出されていることが分かっています。

D-4150: 僕も言われたときは驚きましたよ。██が僕にそんなことをするだなんて。だけど、僕にはちゃんと分ってたんです。██の本心じゃないって。██は照れ屋さんで、直接気持ちを伝えられないんだって。

エージェント・白波: 何の気持ちでしょうか。

D-4150: 決まってるじゃないですか。好きだってことをですよ。だから、██の家に行ってあげたんです。そしたら、██は嫌だ、来ないでってそういったんですよ。酷いと思いませんか。

エージェント・白波: だから、████氏を殺害したのですか。

D-4150: さっきも言ったでしょう。一緒に暮らすためだって。それにあの糸はずっと同じ色でしたから。だから、相思相愛だったはずです。そうに決まってます。

エージェント・白波: ████氏殺害後もSCP-XXX-JP-1あったのですか。

D-4150: ええ。

エージェント・白波: SCP-XXX-JP-1はどの程度の期間ありましたか。

D-4150: どの位って、無くなるはずないでしょう。だって、私がそう願って。そうしたんですから。

エージェント・白波: どういうことですか。

D-4150: ██が僕を愛してるように僕も愛してたんです。だけど、██は素直じゃないからすぐに暴れるんです。それじゃあ困るから暴れないようにしてたんです。なのに、██と暮らし始めて数日後ぐらいに警察が家に勝手に入ってきたんです。僕を捕まえて、██と切り離したんです。

エージェント・白波: まるで、████氏殺害後も████氏生きていたように話していますがそれはあなたの幻覚ではないのですか。

D-4150: 何を言ってるんですか。れっきとした事実ですよ。僕は██と暮らしてたんです。

エージェント・白波: 分かりました。インタビューは以上になります。

D-4150: あの。

エージェント・白波: はい、なんでしょうか。

D-4150: まだ繋がってますよね。

エージェント・白波: 何のことでしょうか。

D-4150: いえ、大丈夫です。

<録音終了>

終了報告書: D-4150のインタビューからSCP-XXX-JPの新たな異常性が示唆されましたが実験は倫理的な面から許可されていません。

補遺: D-4150の自宅からSCP-XXX-JPの説明書と思われる文書が発見されました。

この度はご購入ありがとうございました。

商品名: 繋がり時計(卓上時計型)
型番: ███-█████

説明
・時刻設定の必要はありません。自動で調節されますので時間のずれを気にする必要はございません。
・動作させるには付属①のボビン(2つ)に付属②の糸(白色)を巻き付け背面の窪みにはめ込んでください。
・時刻設定が完了するとご購入者の対人関係を自動的に判別し時針及び分針に巻き付く糸の色で対人関係を示す独自の技術を使用しています。
・動力としてご購入者の対人関係を消費いたしますが消費電力は軽微なものであるため不自然な対人関係の終了はありません。
・当製品を使用して生じた不利益に関しては一切の責任を負いません。
・当製品の転売や譲渡は行わないで下さい。
・当製品を意図的な破壊や分解及び改造は重大な欠陥をきたす恐れがあるので行わないで下さい。
・当製品は対人関係を示しますが確証性を担保するものではございません。
・購入後の破損や紛失等については一切の補償いたしませんのでご注意下さい。
※この説明書は処分せず保管してください。



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