Tale-JP 下書き「知識は爆発なり」

ああ、自分は夢を見ているのだと思った。
不明瞭な意識の中、状況を把握する。
油の様な匂いがする。工場か、作業場か、何にせよそれに類する場所に居るのか?
いや、違う。私は今空を…登っている?うまく身体は動かせないが、空の上に居る事は確かなようだ。殆ど垂直に近い角度で高度を上げている。まるで大砲か何かで打ち上げられたようだ。
それにしては不思議な事に、地に足が着いている感覚がある。それにやけにハッキリとしている。私は立ったまま寝てでもいるのだろうか?
それとは別に、妙な安心感もある。確かに恐怖も感じてはいる。だが、何か私の中で確信が…自分は決して死ぬ事は無いという、この状況に対する妙な信頼もある。夢だと自覚しているからだろうか?例えるならこれは…ジェットコースターに乗っているような、そんな感覚に近い。約束された恐怖、約束された安全。そういえば、日本に垂直なジェットコースターがあると聞いた事がある。私は日本に来ていたのか?
その時ふと、違和感を感じた。最初は気のせいかとも思ったが、違和感は次第に大きくなり、確信に変わった。
そうだ、次第に重力を感じる。減速しているのだ。
これで夢が終わる、等と考える事は出来なかった。夢の中では自分の考えた事が本当になるというのはよくある話だ。そして、私はさっき何と言った?"ジェットコースターのよう"等と抜かしてはいなかったか?
ジェットコースターで一番恐怖を感じるのはどのタイミングか、登っている時か?違う。減速が始まった時?違う。それじゃあ一体?
加速度が徐々に0に近づいていくのを感じる。目を見開き、頬をつねり、あらゆる覚醒の為の手段を試みるが、どれも不発に終わった。
さて、諸君。私は最初に何と言ったか覚えているかな?私は"垂直に登っている"と言ったんだが、ここで簡単な物理の問題だ。垂直に打ち上げられたものが途中で外部から何も力を加えられていないと仮定すると、落下する時の角度は幾つになるか?
答えは出たかね?それではそろそろ答え合わせの時間だ。
運動の向きが逆転するその瞬間を噛み締めつつ、私は今更ある事を思い出した。
私は、ジェットコースターが嫌いだ。


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