データ削除済 - SCP-JPサンドボックスⅢ

データ削除済

SCP-JP SB3 » 徒然なる者の袋なきゴミ箱 » データ削除済

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP、およびSCP-XXXX-JP-1はサイト-██の低危険度オブジェクト収容ロッカーに収容されます。その際、劣化と破損を防ぐため温度および湿度が一定である必要があります。また、SCP-XXXX-JP、SCP-XXXX-JP‐1のロッカーからの搬出、閲覧はいかなる場合においても許可されません。

担当職員はセキュリティクリアランス３以上の職員の確認のもと、重量測定によってSCP-XXXX-JPのページ数の増減を確認してください。増加が確認された場合、即座に財団エージェントが回収に向かってください。

SCP-XXXX-JP、SCP-XXXX-JP‐1に記載された文章における消去、編集、または黒塗りなどによって秘匿されている領域の内容を財団が確認できた事例は存在しません。

説明: SCP-XXXX-JPは外見、物質ともに一般的な古本であり、現在のページ数は███です。████年に制作されたと考えられており、冒頭部に俗に言ういろは歌と思われる文章が記載されていますが、経年劣化などによる損傷により完全な文章の読解は不可能な状況です。

SCP-XXXX-JPの冒頭部以降には日本国内に存在する紙面による情報媒体の所在と所持者の情報が記載されています。これらは不定期で増加しており、減少した例は確認されていません。記載された物品はこれまでに例外なく後述するSCP-XXXX-JP‐1として指定されるに足る異常性を保持しており、この増加を抑制または停止する方法は発見されていません。

SCP-XXXX-JP‐1はSCP-XXXX-JPに記載された物品です。SCP-XXXX-JP‐1に記述された文章は、SCP-XXXX-JPに追加された時点で事実の確認または物語の読解に支障をきたさないと思われる程度の情報が抜け落ちるか、編集や黒塗りによって秘匿されます。またこの時、SCP-XXXX-JP-1の所有者、正当な閲覧者はこのことに疑念を持つことがありません。

回収されたSCP-XXXX-JP‐1の例

SCP-XXXX-JP‐1‐13
██県で回収された小説。登場回数が非常に少なく、その他のキャラクターから名前を呼称されることがなかったキャラクター数名の名前が黒塗りされていた。

SCP-XXXX-JP-1-44
██新聞社の朝刊のうち、██氏宅に配達されたもの。インタビュー対象となる芸能事務所関係者の名前が編集されていた。██氏は記憶処理ののち、カバーストーリー「乱丁本の交換」を適用済み。

SCP-XXXX-JP‐1‐89
██県で回収された発売前のコミック誌█月号。人気漫画シリーズの敵キャラクターによる殺人の回数を宣言するセリフが、これまでに食べたパンの枚数を答えるものに置き換わっていた。

SCP-XXXX-JP-1-138
ゴシップ誌。記事の全体が削除されていた。その後、本来記載されていた内容は誤報だったことが判明した。

また、SCP-XXXX-JP-1は、共通して紙への印刷や手書きによるものであることが判明しています。

補遺[20██/██/██]: 財団のすべての情報ページ、ファイル及び機密書類がSCP-XXXX-JPに記載されました。SCP-XXXX-JPの異常性から現在の特別収容プロトコルおよびその遂行への支障は軽微ですが、これを受けてSCP-XXXX-JPにおける該当ページを削除する試みが提案されました。これは現在も議論されています。

補遺のインシデント発生後に書かれた報告書にも多数の解読不能箇所が散見されるんだが……これは最悪の場合、プロトコル実施に支障が出始めるぞ。サーバーを移動するか何とかして対応してくれ。-██博士

それはできない。今のところ、プロトコルの実施に大きな問題は発生していないはずだ。-██技術担当

支障が起きなきゃ対処されないのか？それはおかしいだろう。上からは何も伝えられてないのか？-██博士

対応しないのが上の見解なんだ。-██技術担当

アクセス権限を提示してください。

認証

ようこそ、担当職員様。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Uncontained

特別収容プロトコル: プロトコル・トトの実行に際し、SCP-XXXX-JPの異常性保護継続のためSCP-XXXX-JPの内容の欠落、その他プロトコル・トトに支障をきたす可能性のあるインシデントは対処、修復される必要があります。

SCP-XXXX-JPの収容は不可能ですが、後述する理由によって収容されず、異常性の抑制、停止の試みが行われることはありません。

SCP-XXXX-JP報告書において、このページ以外のアーカイブ、リンクなどを存在させないでください。

説明: SCP-XXXX-JPは俗に「いろは歌」と呼ばれる文章です。SCP-XXXX-JPの異常性による正確な影響範囲は断定できていませんが、日本の識字率と義務教育の課程から少なくとも日本人口の80％、成人の90％以上に当たると考えられています。

意志および記憶の有無にかかわらず、紙媒体に記述されたSCP-XXXX-JPを閲覧した人間は、あらゆる媒体の日本語文章における婉曲表現、具体的な言及を避けた文章表現、描写されなかったシーンにおいて、自己の解釈や推測から本人が適当と考える文章や数値、当該文中に記述されない範囲におけるシナリオなどを補完しようとします。この異常性はテレビやラジオなどによるインタビュー映像の放送などによっても再現されます。これらは少なからず二次創作や陰謀論などとしてメディア上に散見されますが、前者は具体的な被害が存在せず、後者はそのほとんどが事実と異なる内容であるため、特別な対応は行われません。

SCP-XXXX-JPは一般的に弘法大師空海により作成された¹とされ、その後手習いの手本として急速に日本国内に広がりました。現在まで仏教に多数の宗派が存在していることは、SCP-XXXX-JPの影響を受けているものの一例であると考えられます。

梅野研究員の提案

SCP-XXXX-JPの異常性に関して私の考察は、SCP-XXXX-JPの影響を受けて秘匿された情報を「想像」し、特にそれらを声に出したり、小説や漫画の二次創作として出力するとき、陰謀論として論じるとき、瞬間的にもおそらく彼らはそれらが一人芝居のような一種の「幻覚」であることの理解を伴うのではないかということです。隠されているのだから何かあるだろう、何かあっただろう、はたまたこれから何かあるだろうという想像から動き始めているはずです。例えば私が他の報告書を読み、その説明に秘匿された情報があったとして、隠された内容がもしも取るに足らないくだらないものであったとしても、私はその裏側に隠された何かを想像するのです。そして、その予測はしばしば外れるでしょう。

また、SCP-XXXX-JPはその性質上、社会的立場によるものや知識として取り入れた事物までも「幻想」として切り捨てさせることはできません。先に例に挙げた件も、私が財団職員である限り、どれだけの情報が秘匿されていようと、そのオブジェクト自体の存在を否定することはできません。

これを有意に利用することが私の提案です。SCP-XXXX-JPの影響はすでに我々にも及んでいますが、基本的に特別収容プロトコルにおいてその影響を受けることはありません。オブジェクト説明などに関しても同様であり、それを考えればむしろ有用であるべきではないでしょうか？

この提案を受けて、梅野研究員主導でプロトコル・トトが策定されました。

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プロトコル・トト

プロトコル・トトは財団の存在と活動を完全に外部の人間と切り離すプロトコルとして策定されました。

現存するすべての報告書内において、不必要な要素の削除の名目でプロトコルおよびオブジェクト異常性の解読に支障がないことを想定した黒塗また編集済などの表記を利用した情報の秘匿処理を義務付けます。また本報告書を隠蔽するため、偽のSCP-XXXX-JP報告書を作成し、秘匿処理を異常性によるものとしてください。

SCP-XXXX-JP担当職員は前任者の退職または死亡などのやむを得ない機会にのみ交代されます。

SCP-XXXX-JP報告書の編集および閲覧は担当職員にのみ許可されます。本報告書に限り、秘匿処理は行われません。