産声になるはずだった

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mizukawa9912 2017/5/21 (日) 00:21:59 #18265591


晩酌中に母から聞いた話を思い出したので勝手に書いていく。

母がまだ高校二年生だったとき、当時の先輩に誘われて流されるように行為を致してしまった。4ヶ月後、体調の悪い母を祖母が病院に連れて行くと妊娠が発覚した。帰宅後に祖母が祖父にそのことを伝えると、祖父は激昂し、母の顔が腫れるまで何度も叩き叱責した。泣き崩れる祖母は、母に「堕ろしてくれ」と懇願した。その場で母は了承したが、精神の幼さからか本心では子供を産みたがっていた。

祖母と祖父に本心を打ち明けることができず、悩んだ母は相談する目的で先輩の家に訪問した。結論から言うと、母は最大の過ちを犯した。先輩は、母が先の話をするやいなや母を蹴り飛ばし、倒れた母に追撃するように何度も腹部を踏みつけた。母は「やめてください」と泣き叫ぶが、先輩がそれを止めることはなく罵声を浴びさせながら暴行は数十分にわたって続いた。その間、先輩の両親は後ろでその様子をじっと見守っていた。

母は激痛のあまりその場で意識を失い、目が覚めたら病室のベッドで寝ていた。腹部に妙な違和感を覚え、触ってみると先程まであった膨らみが無くなっていた。流産だった。母は、自分のせいで子供が死んでしまった罪悪感に苛まれ、突発的に近くにあったコードで自殺を図ったが、近くに居合わせた看護師によって阻止された。

2週間の治療により母の負った傷は完治したが、罪悪感は消えず心に残り続けた。退院した母は、学校はおろか外出すらせず部屋に籠るようになった。既に学校側には妊娠、流産のことがバレていたため、祖母と祖父の必死の訴えも空しく母は退学させられた。相手の先輩は、成績と部活共に優秀だったこともあって学校側を上手く言いくるめたようだ。何も咎められることもなく県外に引っ越して行った。

前置きが予想以上に長くなってしまったな。次から本題に入る。

Localname 2017/5/21 (日) 00:24:19 #82965128


あなたの母親はなかなか壮絶な人生を歩まれたようですね。

ですが私はそのような人並みの悪意ではなく、常軌を逸した、あるいは人以外のものを好みます。あなたが私を満足させてくれることを期待しています。

mizukawa9912 2017/5/21 (日) 00:33:41 #18265591


>期待しております。
ああ任せてくれ。

続き
退院してから半年ほど経ったある日のこと、母の耳元で泣き声がするようになった。嘆くような、責め立てるような、鼓膜が破れそうなほど大音量の赤ちゃんの声だった。昼夜を問わず、耳栓をしても防ぐことはできなかった。泣き声は母だけに聞こえ、母の心を蝕むかのように深く、強く響いた。祖母と祖父は、母が幻聴に苦しんでいると思い、心身共に疲弊しきった母を半ば強引に病院へ連れて行った。問診と検査の結果やはり幻聴だと診断され、何種類かの役に立たない飲み薬をもらうだけの徒労に終わった。だが母にはその声が我が子の怨みに思えてならなかった。その後も贖罪すら許されぬ地獄は続き、母は耳を押さえて必死に謝る他なかった。

それから1年ほど経過した頃、ある男が自宅に駆けつけた。その男は元同級生で母が退学させられたとき何も出来なかったことを悔やんでいた。人伝で母の様子を知った男は、気づいたら母の自宅前にいたそうだ。以前のことで男性に強いトラウマを抱いていた母は心底嫌って冷たく拒絶したが、男は諦めず家を毎日訪れ、途中で見かけたアイス屋のことや明日開催される地方イベントのことなど他愛ない話を毎日喋った。母の心は少しずつ解かれていき、2週間経った頃には男の話に相槌をうつようになっていた。そこから先は早く、母と男が惹かれ合って結婚を誓うまでにそう時間はかからなかった。

結婚してから数年後、レストランで母と父がハンバーグランチかおすすめランチかで悩んでいたとき、何の前触れもなくそれは起きた。何年も続いていたあの泣き声がピタリと止んだのだ。戸惑う母に、父は「成仏したんだね、よかったね」と泣きながら声をかけた。状況を理解した母も涙を流し、天を仰いで祈りを捧げた。その数日後、病院の定期検診で母が妊娠していることが発覚した。お腹に器具を当てられ、モニターに映し出されたエコー映像には2つの影が互いに寄り添うように映っていた。そのうちの1つは母の方をじっと見て、にっこりと柔らかい笑顔を浮かべていたそうだ。ご察しのとおり僕は双子ではない。

backless 2017/5/21 (日) 00:47:12 #58755219


「兄の分まで私は生きる」か、安っぽいドラマを観賞しているような気分だね。

断言できるがこの話は怪異でも何でもない。
>泣き声
君の母親の状況からすれば泣き声が本当に幻聴であっても何らおかしくない。幻聴が何年も続くのは奇妙なことではあるが、全くあり得ないわけじゃない。
>エコー映像
荒いエコーの映像を熟練の医者が誤認することは実際によくある事例だ。素人である君の母親であればなおさらだ。きっと数日前に幻聴が治ったこともあってそんなふうに錯覚したのだろう。

と散々言ったが、もし君がその泣き声とやらに苦しめられているのなら怪異の可能性もあり得る。そのときは先の発言を撤回するよ。

mizukawa9912 2017/5/21 (日) 00:50:33 #18265591


あなたの話はとても筋が通っている。
僕にはあなたの指摘を覆させるだけの反論を持ち合わせていない。きっとあなたの言うとおりなのだろう。この話自体、母の誤魔化しの嘘かもしれない。

>泣き声に苦しめられているなら
撤回させることは出来なさそうだ。
泣き声どころか、最初から何も聞こえないのだから。























予定タグ: パラウォッチ クリーピーパスタ tale-jp


オチについて

mizukawa9912がお腹の中にいたとき、「赤ちゃん」に耳元で泣き叫ばれ続けたせいで聴力が著しく低下した。

気になる点

・上記のオチが伝わったか
・伝わった上で面白いか


    • _


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