tale 「在る職員の休息」

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 長かった午前の任務を終え、かねてより楽しみにしていた定食屋に私は入った。この前の調査でこの辺りを訪れた時にたまたま此処を見つけた。任務中であることを不運に思いながら、古い食品サンプルが店先に並ぶこの店に目をつけていたのだ。財団で長いこと研究をしてきたが、最近の上の人間は部下の扱い方をまるで知らないようで、仕事場ではうんざりするようなことの連続である。そんな私の今の愉しみといえばこれなのだ、気の赴くままに昼飯を食べる。


 中へ入る。洒落た内装だ。所狭しと並べられた紙のメニューや油を感じるテーブルが、私は好きだ。昼時なので、客も結構いる。サラリーマンだろうか、職は違えど私のようにふらっと昼飯に訪れた同胞もいるのだろう。親近感をおぼえつつ席に座り、年季の入ったメニューを開き、すぐ決めた。醤油ラーメンにミニチャーハンのセットにしよう。

 思えば、財団に配属されてから危ないことの連続だ。突然レーザーに当たりそうになったし、部下は何故かサウスカロライナに飛んでいってしまうし…ああこれ以上考えると飯が不味くなる。なにか別なことを考えよう。ところで、料理はどんなもんだろうと他の客をちらと見たが定食が人気みたいだ。値段を見るとなるほど、リーズナブル。アジフライ定食だろう、それにしてもフライの一つ一つが大きい。あれも今度食べてみよう。何せ久しぶりの当たりだ、楽しみ尽くさせてもらう。


 そうこうしているうちに、先にチャーハンが来た。具材はチャーシュー、卵、ねぎといたって普通。でも、大きめに切られたチャーシューは嬉しい。それにしてもミニと書いてあったのに結構ボリュームがあるじゃないか。思った以上に腹いっぱいになりそうだぞ。

「いただきます。」

うん、豚肉がとろける、いい油だ。やはり私の感は間違っていなかった。肉がいいと、チャーハンもうまい。パラパラの米の触感は良好で、店主の年季を感じさせるいい具合だ。これはラーメンにも相当期待できるな、と思いながらもレンゲを動かす手は止まることがない。結局ラーメンが来る頃には私はチャーハンのほとんどすべてを平らげていた。

 お待ちかねのラーメンが来た。
 ふむ、昔ながらの中華そば。この感じを待っていた。大当たり、こういうのでいいんだよ。何の変哲もないメンマとなると、そして大いに私の舌を楽しませてくれたチャーシューが2枚乗っている。
 丼を持って分かっていたのだが、一口すすると、熱い!いや、ラーメンは熱い食べ物と言うが、私はそうは思わない方だ。第一、冷やしラーメンとかもある。とにかく、私としてはもう少しぬるくても良いのだが。全く、自分の猫舌を恨めしく思う。2口目に手を付けようとすると、



突然、私の前に彫像が現れた。最初は私も全く意味が分からなかった。




…そういえば話を聞いたことがあった。

次の瞬間、私の唯一の愉しみは憎らし気に微笑を浮かべる女に跡形もなく吹き飛ばされた。


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