現在このページの批評は中断しています。
☆[[include :scp-jp:credit:start]]
タイトル: 発掘三景
著者: hallwayman
作成年: 2023
☆[[include :scp-jp:credit:end]]
1. 2019年5月16日、発掘現場作業員用プレハブにて昼休憩中に交わされた会話の書き写し
「越谷さんお疲れ様ですぅ」
「加藤君もお疲れぇ」
「宮根さんもお疲れ様でした」
「おう、大丈夫だったか?」
「いやー何かやってるうちに暑くなっちゃって大変で大変で」
「あー、ま若いんだから経験だよ経験」
「はいありがとうございます」
「でも5月なのにこれだと8月とかどうなっちゃうんですかねこれ?気が滅入りそうっすよ」
「そやねえ」
「ところで何ですけど今日のA区の居住区3面、何か出ましたか?C区の清掃ばっかやってたんで聞かなかったんですけども……」
「あー、井戸でたよ井戸」
「うん出てたね」
「完掘は来週になるかもね」
「えマジですか?いいっすね、自分も断面図とりたいっす」
「でもさ加藤君、井戸とか出てくると色々お祓い、とか、地鎮祭、みたいなことせなあかんから面倒なんだよねぇ」
「確かにそういった遺構が検出したら神事を行わなければいけない感じですよね」
「昔も今も井戸を埋める時には神主さんだかを呼んで井戸の神様だとかを鎮めなきゃいけない、ていうしね」
「井戸とかならまだいいでしょうよ?これが墓とかだったらもっとえげつないことになっているよう」
「お墓ですか?いつぐらいのですか?」
「三好さん、墓域やったことあるんでしたっけ?」
「えぇとな、前の現場でな」
「凄いじゃないですか、どんな感じでした?」
「だからろくなモンじゃないよ?俺がやったのは江戸時代の木槨墓だか何だかでまだ中が残ってて臭いが酷いの何の」
「あ、大学の弥生時代の先生も脳が残ってて保存処理が七面倒だのって愚痴ってました」
「そういうのって確か独特の臭いが酷いと」
「それだけじゃなく、たまにうるさいのがあるんだよね」
「それに当たったけど嫌で嫌で二度とやりたくな」
「え、うるさい?」
「臭いんじゃないんでしたっけ?」
「腐った臭いもキツかったんだけどさ」
「何かその墓はさ周りと違ってお寺の跡とかと離れた場所にあってな、掘っていくと多分一人入ってたんだろうなって痕があったのよ」
「骨とかはもう残ってなかったんだよ、江戸時代の墓じゃあまり無いんだけどローム層、酸性の土壌で溶けたんだよ」
「え、それなら遺存体とか腐ってる物はもうないんじゃ」
「いやさ、その通りのはずなんだけどさ、居るんだよ」
「何が?いるって何?」
「何も残ってないはずなんだけどな、半裁している間体に何かがぶつかり続けてんのよ」
「ずっと右足とかをな、なんて言ったらいいかわかんねぇけど、あ、そこに人がうずくまって手をバタバタさせてたらこう当たってるんだろうな、てのが半裁終わるまで続いてたのさ」
「最初は気のせいだと思ってたんだが、最後にはばんばん叩かれて痛くてな」
「他にもその現場は人手が足りなくなった、とか主任が愚痴ってたしな」
「まあ知ってるやつにも次の週には来なくなった人もいたし、現に俺もすぐ辞めたから何でもない話なんだけどな」
「すまんね、食事時に気色の悪いこと言って」
2. 2017年1月20日、作業員Aから同僚へ送られたラインメール内容



3. 2022年11月4日、███建設株式会社に送られた苦情電話の内容の書き写し
えーと、ごめんなさい、今██の貴方達がやっている工事現場のすぐ近くを通っているんですが、ちょっといいですか、ちょっ、貴方達の教育とか管理ってどうなっているんですか?
今さっき工事現場の前を通ったんですよ。中で馬鹿騒ぎしてるじゃないですか?あと中で暴れているか分からないんですけどガラスが割れたり物が崩れたりしてうるさい静かにしてください!
え、嫌明かりなんて付いている訳ないじゃないですか暗いのにうるさくて怖くてそれどこ、やめて下さいってば。
何処かって?ですから███の駅のところですすぐそこの。
警察に電話するって、何言ってるんですか後で言い聞かせて下さいよ。
今何をしているか、ですか?今歩いて国道沿いを、痛、引っ張らないで下さいって、え?
あ、誰で
通話終了
※注:非通知電話のため、掛けた人物は不明。███建設株式会社は発掘現場を中心に行なっている企業で、担当していた発掘調査現場において盗難や器物破損が確認されたという情報は一切ない。
以上が、私が東京都の埋蔵文化財センターに勤務してから6年間のうちに異なる人々、例えば1.は当時大学3年だった男の子、2. は20年以上発掘調査に参加して頂いている元学芸員のおじいさん、3.は埋蔵文化財センターの上司、から聞いたり実際に見せてもらった情報をまとめたものです。
勿論これらの話は今までの研究・調査経験の中で聞いたある種の怪談的とも言える話を挙げただけであり、実際に起こっている(いた)出来事なのか、怖がらせようとして作って下さっただけなのかを考えずに載せました。この作品も純粋に「発掘に関する怖い話」として書いただけの面が強いものです。
ただ、書き進めていくうちにどうも私には、もちろん正確な詳細はぼかさざる得ませんが、全ての話に出てくる遺跡や遺物がなぜなのか港区の虎ノ門一帯の再開発で行われている、ある1箇所に関係しているといるのではないかということが分かってしまいどう判断すれば良いのか分からずじまいにいます。
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:5212270 (04 Mar 2019 14:06)
コメント投稿フォームへ
批評コメントTopへ