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秘匿人員輸送計画、釜山発遠野行、2020
"人造妖狐" (赤斑蛇の手),
SCP-2953 (看守たち),
新玉藻 (IJAMEA),
御狐様 (穴熊).
概観
釜山からの秘密輸送を手配してほしいと半島の手から要請を受けた時、難しい問題になると直感した。顔も知らない曽祖父が犯した罪の精算が70年過ぎた今になって突然降りかかるとしたら、少しばかり面倒が起きたって仕方のないことだろう。
これは歴史の話であり、同時に未来の話でもある。俺たちは哀れな戦争の犠牲者を助けたけれど、それは始まりに過ぎなかった。誰もが過去と向き合い、前に進まなければならない。
観察と物語 — 事前協議
- AO
- 始めよう。資料はもう回っていることと思う。忌憚のない意見を求める。
- U.K.N.
- 大将、最初に聞いておくけど、これは必要なことですか? 理性のない人造妖狐、そうだね。資料を見る限り、こいつは人間を喰う、敵対的な存在だ。私たちが保護するべきなのですか?
- R.円
- 随分と過激な物言いですね、ユウキ? 貴方がホヤと同意見とは驚きだ。
- U.K.N.
- 茶化さないで。純粋に倫理性と安全性の観点からの疑問です。クリスマス、どうなの?
- C.X.
- 妖狐は元人間であり、現時点ではともかく将来的に理性を恢復する可能性がある。人間喰いの前例に関して、半島の手はその倫理的価値観と人間的思考の欠落によるものと結論づけた。彼女は、いわば野生なのだ。殺人者ではなく、捕食者に過ぎない。
- R.円
- であれば、話は簡単だ。蛇の手は人道を求め、自由意志と尊厳を認めます。彼女の罪が意図せぬものならば、たとえ妖狐だとて受け容れ、共生の道を探るべきでは。
- Shr.
- 実現できるならの話だろう。なぜ我々のような未熟な組織に? いかにも巣が好みそうな話だが。
- C.X.
- 半島の同志たちは妖狐を安全に匿っておけないと訴えている。チャンサンボム"萇山の虎"捕獲作戦における彼らの行動は世界オカルト連合の注目を浴びた。今や釜山は焚書者の尖兵で溢れかえり、主だった"道"は彼らに監視されている。もはや蛇の巣が軽々に動ける状況ではない。
- AO
- 妖狐には禁制の呪術がかけられていて、自力での移動は不可能だそうだ。朝鮮半島に保護態勢が整っている場所はない。ムジン霧津は彼女の身体への相互作用の危険があり、大陸は遠すぎる上に財団の勢力が強い。ホヤは日本が最大の候補だと言っている。
- Deck.
- 大仕事になるな。組織の陣容を整えたばかりの俺たちに務まるかどうか。
- U.K.N.
- 不確実な要素が多すぎる、技術責として反対します。これは皆と、もしかすると何も知らない一般人を危険に晒す行為になる。手としては彼女に同情するけれど、それとこれとは別の問題だよ。
- AO
- 妖狐は犠牲者だ。戦争と、かつてのこの国が彼女を傷つけ、今のような怪物に変えてしまった。俺は個人的に、彼女を助けたいと考えている。そうするだけの理由があるんだ。皆にそれを押し付けるつもりはないが、俺は……
- R.円
- 僕はアオに賛成です。蛇の手として、彼女を救うべきと考えます。要請の受け入れに一票。
- Shr.
- 心情としてはともかく、ユウキの意見にも一理あるだろう。安全な行動指針が確定できるまでは保留する。ケー啓、君はどうだ。専門だろ。
- K.K.
- んあー、ちょいとお待ちを。いまチャットがいいところで……
- Shr.
- ケー。
- K.K.
- ああ怖い待って待って、看守にも焚書者にも感づかれず禁制の持続が必要となると選択肢はかなり絞れます、検査体制がキツいから空が無理で海を渡るか自然ポータル潜らせるかどっちにしろ正規の物流に乗んないから表の伝手を頼るのはヤバくて、とすると対馬伝いの密航か新潟海山か穴蔵、次点でGpロジスティクス、とにかく海をどう越えるかの勝負だけど国内も東海地方は陸路がボトルネックで、露見用にダミーを噛ませるから移送先とルート選択はセットで考えないと──
- Shr.
- 長い。できないのか?
- K.K.
- できます。ムズいけど。
- Deck.
- 物流責はこう言ってるが、どうする。俺は乗ってもいい、戦争の犠牲者というのは刺さるところがある。最悪の場合を考える必要はあるが、それは手の活動に常に付随する懸念だ。
- C.X.
- 現時点では実効性に疑問符がつくものの、検討には値すると考える。消極的賛成。
- AO
- ユウキ?
- U.K.N.
- リーダーは貴方だよ、大将。私たちは平等に一票を持ってる。集計して。
- AO
- …………わかった、ありがとう。クリスマス、決議を。
- C.X.
- "各々、自らの権利を行使せよ"。反対1、保留1……ケーもか、保留2。賛成3、アオを足して4だ。
- AO
- 決が出た。我々、青大将は妖狐を引き受ける。ただしユウキの意見はもっともだ──民間人を巻き込むような真似はしない。最悪の場合には人員を損失する前に撤退し、妖狐に対してはしかるべき措置をとる。いいな?
- Shr.
- 異議なし。
- U.K.N.
- 了解。気は進まないけど、やるべきことをやる。
- R.円
- それでは検討を始めましょうか。議題はそう、秘匿人員輸送計画で。
計画立案
前提: 輸送計画の詳細を隠し通すために、俺たちは総力を挙げなければならなかった。蛇がどれほど力を尽くそうとも、どこからか秘密の匂いを嗅ぎつけて灰色か黒ずくめの連中がやってくる。彼らの異常な嗅覚を掻い潜って海を越えることがどれほど困難か、おそらく俺たちが世界で一番詳しいはずだ1。
肝心要の妖狐について、半島の手たちは図書館経由で詳細な資料を送って寄越した。正直に言えばこれでも足りないくらいだが、彼らにとっても最大の努力だろう。禁制の式についての情報は敢えて要求しなかった。今回の場合、解除方法を知っていてもさして良いことはない234。
問題は移送先と、そのためのルート選定だ。必要な条件がいくつかあり、その一方で時間的猶予はあまり多いとはいえなかった。ホヤの仲間たちは攪乱作戦を展開していたが、焚書者は次第に妖狐の所在を掴み始めていた5。紛糾した数回の検討会議の結果、一応安全と思われる目的地が用意された。
討議: 狭い日本国内において妖狐を秘密裏に収容できるコミュニティは限られる6。彼女に人間性を取り戻させるという半島の手の意向を考慮して、自力で脱出できない僻地や異常空間は除外された。いくつかの選択肢が提示され、討議の俎上に上げられた。
- 図書館 : 最もナンセンスだが、最初に討議された場所。保養地としても移動経路としても最悪の選択肢だ。図書館は広く、驚異に溢れ、危険だ。自我を失った獣を通行させるのにこれほど不適切な場所を探すのは難しいだろう。アクセスの簡単さ以外に見るべきところはない7。
- 穴蔵 : 中国地方の地下に存在する広大なポケット宇宙。無数の入り口が西日本各地に点在していて、足がかりとして最適だ。焚書者と看守が常にエージェントを監視に充てていなければ、十分選択に値した。ついでに人が多すぎて、万一の際に取り返しのつかない誰かを巻き込む可能性が高い。"穴熊"の隣人たちが蛇の手に寛容なのは、ただ俺たちが危険じゃあないと思われてるからだってことは忘れちゃいけない89。
- 夢ゲーム : 徳島県の山奥にある異常都市。住人の外見と体感時間を周期的に書き換えてしまう危険な街だ。看守たちは仰々しいサイトを建てて街を隔離するのが精一杯で、イカれてしまった住民のリスト化すら覚束ない。潜伏先としては上質だが、問題は連中の建てた有形無形の壁を越える方法だ。妖狐を詰め込んだコンテナを運び込む上手いやり方が見つからず、リストから外された。
- リバース・トーキョー10 : 俺たちは単に"横浜の道"と呼んでるけれど、巣の連中の多くはあそこが東京に繋がってると信じてる。通り道にはなるし、一晩か二晩ならセーフハウスで夜を過ごしても安全だ。問題は最悪に近い治安状況にある。有村や鉄錆のゴロツキが歩き回っていて、いかにも貴重品が入っていそうなケースを少人数で持ち込むには危険すぎた。
- 遠野妖怪保護区 : おそらく最も穏当で、かつ面倒な選択肢。妖怪保護区には看守も焚書者も不干渉だが、それは俺達と同様に、ほとんど危険がないと判断されてきたからだ。妖怪たちは賢く一般社会から距離を取り、上手いこと近代を生き抜いてきた。有事に禁制を維持できる術者と一般人の少ない環境が揃っている代わり、俺たちは区長の日奉薮を説き伏せて、妖狐の入郷とおそらく長期に渡るだろう滞在の許可を取り付けなきゃならない11121314。
方針が決定した後、すぐに俺たちは妖怪保護区へ協力を要請することにした。輸送経路はまだ定まりきっていなかったが、箱がないうちに中身を入れる方法を考えるのは馬鹿げている。幸い、"穴熊"の蒐集院残党に保護区と渡りをつけられる渉外役がいた1516。彼女を通じての交渉は上首尾に終わり、輸送の一切を俺たちが担当することと保護区への危険が及ばないことを条件に、暫定的な入郷許可が得られた。
経路の問題は残り、時間はごくわずかだった。萇山での戦闘の影響で半島南部の財団サイトとGOCステーションが軒並み警戒態勢を取っており、大規模な現実性変異は即座に露見する可能性があった。そのため大がかりな空間跳躍が事実上使用できない上に、新型コロナウイルスの蔓延による減便の影響で対馬経由のフェリーによる密航は困難になり、日本海を小舟で渡る可能性すら真剣に検討されていた。
結局、ここでも俺たちは蒐集院に助けられた。猿ヶ洞に関する彼らの研究結果は大昔に先達の手たちによって回収されて以来、ほとんど埃を被って図書館の入り口近くに打ち捨てられていたが、半島の看守たちから盗み出されたなんてことのないボーリング調査報告書と付き合わせることで、慶州の海岸沿いの元軍事作戦区域に隠された侵入口の存在が明らかとなった17。
実行: 黒鉄地蔵、石猿、あるいはさとり覚とも呼ばれるあれらの生物がどんな思考をしているか、俺たちには分からない。ともかく、奴らは人の心を読み、俺たちの邪魔はしないだろう。問題は妖狐の方で、石猿たちが俺たちよりも妖狐の思考を優先して叶えるなら、すぐに惨劇が発生するに違いなかった。
猿ヶ洞のもう一つの問題は、本州側に看守の監視下にない安全な出口が存在しないということにある。これを解決するために相当骨を折った。結局、上手いやり方が思いつかず、古典的な手段に頼ることになった。蛇の手創立以来の伝統的な手法……つまり、図書館から2匹目18を呼び寄せることだ。メンバーの何人かが図書館を経由して秘密裏に慶州に入り、現実改変と大昔の呪符の合わせ技で即席の脱出口が構築できることが実験で確かめられた。
赤斑の術者たちが総出で禁制を強化していたので、妖狐にかけられた術の強度は短期的には十二分だった。計画が実行に移されたとき、焚書者の偵察部隊1920は最後のセーフハウスから20キロの地点まで追跡してきていた。老朽化した原子力発電所への攻撃の素振りを見せるという危険な陽動が功を奏し、敵の実働部隊が市街地の北部に引きつけられているうちに、コンテナはリョングル"龍窟"へ運び込まれてポータルを潜った。
その後のことはさして記述する必要もないように思う。石猿たちが海底に掘ったトンネルを直線距離にして約800km進むだけだった21。特段邪魔が入ることもなく、数回に及んだ遭難の危機の他には何事もなかった。移動用に持ち込んだ自動二輪の燃料が尽きかけた頃、俺たちは佐渡金山2223のかつての廃坑にあらかじめ設置した脱出口から、眠らされた妖狐のコンテナを引き揚げることができた。
観察と物語 — 事後協議
- M.
- まずはおめでとうと言わせて貰おうかな。蛇の巣は計画の成功を祝福しているよ。今や稀少となった世界の驚異、偉大なるdemon fox妖狐の血族が、人工とはいえ再び保存されたことは喜ばしい。
- Hx
- なぜこいつの同席を許したんだ? ただでさえ気分の悪いときに、このうえドラ猫の相手をしなきゃならんのか。
- R.円
- 図書館での会合である以上は仕方ないでしょう。何にせよ、すぐに終わります。日奉女史との約定にある通り、我々は妖狐の経過観察を続けなければならない。人手が足りていないのでね。
- Mrghn.
- 佐渡ヶ島から先のことは私も知らないけれど、上手くいったんだね? それは何よりだよ。
- R.円
- おおよそは。いくつか予想外の事態が発生しましたが、なんとか乗り切ったというところです。長期計画に多少の変更が加わりましたが、説明が必要ですか?
- Hx
- 聞けというなら聞く。そうでないなら、私は御免だ。
- M.
- ぜひお願いしたいな。巣の何人かは蘇った妖狐の結末に興味津々だから。
- AO
- では俺から。日本海を越えて酒田に入ったところまではよかったが、そこで五行結社に嗅ぎつけられ、連中の式神に追撃された。長期間の移動の後で全員が疲弊していた。おそらく沿岸の警戒網に掛かったんだろう。
- M.
- おいおい、待って。それじゃあ妖狐の存在が焚書者に知られてるのか? 話が違うよ。
- AO
- 話は最後まで聞け。本隊が来る前に式を全て処理して、痕跡も消した。問題は妖狐が目を覚まさないという確証がなく、市街地に紛れ込めないことだ。九尾の食人欲求が十分に抑制されているかどうか、まだ誰も試してなかった。再度の追撃があれば逃げ切れないが、一般市民は巻き込めない。五行結社の哨戒線を避けて進む必要があった。
- R.円
- 東北地方は3つの山地の合間を縫うように市街地が点在する地形です。車両が使える道は限られており、狐精の気配を感知できる術者が国道沿いに網を張れば簡単に妖狐を補足できる状況でした。
- Hx
- なんでもいいから早くしてくれ、私は計画自体に反対してたことを忘れるなよ。
- Mrghn.
- まあまあ、落ち着きなって。ここから盛り上がりそうじゃない?
- AO
- 選択が必要だった。焚書者や看守に状況を悟られるわけにはいかない。保護区に入るためには最低限花巻を越えなければならない。山野に潜伏するにも限界がある。だから4日目の夜明け前に全員で決を取り、俺は電話を1本かけて、それから──
- M.
- それから?
- AO
- 交番に駆け込んだ。
- Hx
- へええ? なかなか興味深い話になってるぞ、アオ。見てみろ、ミッドナイトのあの顔。
- AO
- 俺は楽しくもないけどな。とにかく、特事課とはそこそこの付き合いがあるんだ。蛇の巣は知らないかもしれないが、奴らは看守や焚書者に情報を流すのと同時に、俺たちにも多少の切れ端を渡してくる。同時に俺たちも不確かな噂を奴らに教えてる、もちろん注意を払って。昔の貸しのひとつを俺は取り立てて、運がいいことにそれなりの数の刑事とトラックが揃ってた。
- R.円
- 無能扱いを隠れ蓑にするだけの知恵が彼らにもあったことを喜ぶべきですかね。
- AO
- 尻尾の毛を使った即席のダミーで五行結社を撹乱して、ついでに刑事どもが奥州市でいくらか騒ぎを起こしてくれた。焚書者の目がそちらに向いている隙をついて俺たちは保護区に駆け込んで、めでたしめでたしというわけだ。
- M.
- ちょっと待って、それは──それは危険すぎる! 財団や連合と繋がっている国家組織の目に妖狐の身体を晒すなんて馬鹿げたことを君たちは決議したというのか? 軽率すぎる判断だ、地域全体の手の安全に波及しかねない問題になるんだから──
- Hx
- こいつを少しの間黙らせろ、モリガン。いい加減に静かに傾聴する習慣をつけさせるべきだ。
- Mrghn.
- そうは言っても……おや、消えた。どうせ"道"を作って聞いているだろうけれど。
- AO
- と言っても、もう話すことはない。日奉薮が九尾狐の人間性を取り戻すためにできる限りのことをしてくれる。彼女が人であったことを思い出せるかは、正直に言えば、そう願うしかない。
- Hx
- 私にだってそれは分からないことだ。私は狐の血を信じない。人間倫理やら愛情ってものがどのように形成されるかなんて知ったことじゃないからな。しかし……
- AO
- どうした?
- Hx
- いいや、何でもない。そろそろお開きにしようじゃないか?
疑念
結果的に俺たちは最善とはいえない程度の成果を手に入れた。最終目標は果たされ、人員の損失も、一般市民への被害もなく、少なくとも妖狐は誰も害することはなかった27。
それでも、依然としていくつかの問題が残っている。
- 妖狐の将来的な問題について。彼女は人間性を再び得られるのか?
- 他の組織による敵対的介入の可能性について。
- 五行結社は明確な脅威で、妖怪保護区とも敵対関係にある。
- 焚書者はまだ妖狐に気付いていないが、その知識は加盟下部組織である五行結社と連動している以上30、敵対の可能性がある。
- 看守もまた事態に気付いていないか、敢えて中立に徹しているように見える。
- 特事課は中立の不安定要素だが、今の所は秘密を守っている。
- 我々が保有する異常組織のリストのうち、妖狐に関連する可能性があるものは最新版に更新され、妖怪保護区にコピーが常備されなければならない。
- 我々の今後の活動について。
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観察と物語 — 追補
- AO
- 貴女に呼び止められるとは思っていなかった、ホヤ。
- Hx
- ミッドナイトにいちいち詮索されるのも癪だからな。単純に、我々の頼みをこれほど素直に聞き入れてくれるとは意外だったんだ。日本の手は昔から数が少なすぎるし、術者も未熟だ。今回の件も断られると思っていた。
- AO
- それは…………個人的な事情があるんだ。
- AO
- 妖狐は日本と関連が深い。俺ともだ。せっしょうせき殺生石を悪用した実験が彼女を生み出した。俺には直接の関係があるんだ、俺の血筋は旧軍の亡霊に……隠将軍の直系にあたる。
- Hx
- ほう?
- AO
- 曽祖父の顔を俺は知らないが、彼の"栄光ある"業績については散々聞かされて育った。内地でも、朝鮮でも、満州でも、彼は祖国のために屍の山を築き上げた。妖狐はその結末のひとつだ。逃げ出して蛇の手になった後も、ずっと気がかりだった。責任を果たすべきだと思ったんだ。
- Hx
- 責任ね。それは何に対してのだ? アオ、私は確かにお前と組織に助力を求めたが、それは贖罪の要求という意味じゃないぞ。
- AO
- 分かってる。すべての罪を追いかけることは不可能だ。でも、目の前に70年前の過ちが飛び出してきたなら、その精算くらいはしてもいい。俺はそうやって進みたいというだけのことだ。
- Hx
- …………ふん。そう思うなら、そうするといい。
- Hx
- 祖先による功も罪も、我々の意思とは無関係に継承されるものだ。我々は誰しも過去を背負っている。それを飲み下し、精算しなければならない。少なくとも私はそうしてきたし、お前もそうするというなら、覚悟して進め。
- AO
- ああ。誰だって、前に進むべきなんだ。
人物メモ(投稿時に削除)
AO : 通称アオ、または大将。正式には主席。主に本州で活動する蛇の手のサブグループ、通称"青大将"リーダー。IJAMEA隠将軍の血筋で、先祖のことを苦々しく思っているが、周囲からは常にそれを揶揄されている。ホヤが苦手。オリジナル
C.X. : 通称クリスマス。蛇の巣から送り込まれた副官。蛇の歯に近い。堅物。断定口調。おそらく魔法使い。蛇の手全体の利益を優先する。出典(同名の構成員)
U.K.N. : 通称ユウキ。技術責で相互連絡ネットワークの管理者。実務的で苦労人気味。丁寧語とフランクな口調が混じり合っている。オリジナル
R.円 : 連絡責。一人称は"僕"。飄々としていて何事にも茶々を入れる。丁寧口調だが煽り気味。出典(同名の構成員)
Shr. : 出奔した元蒐集院研儀官でメイド。200年くらい生きてるので顔が広い。一人称は"私"。男口調。神嫌いでセーフハウスから出ない。出典(大江山士郎研儀官)
K.K. : オタク。物流責。絶妙に気持ち悪い喋り方をするが有能。オリジナル
Deck. : 沖縄の蛇の手分派、通称"波布の手"からの移籍組。アフリカ系の日米ハーフ。筋骨隆々の運び屋。オリジナル
E. : 初老の男。強力な現実改変者。図書館から滅多に帰ってこない。出典(Jを図書館に連れて行った東洋人)
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任意A任意B任意C-
- _
注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。
- portal:5060201 (15 Jan 2019 17:15)
が〜が〜と連続するのを避ける為、「70年過ぎた今」としてもいいかもしれません。(そこまで気になるものでも無いですが)
「隣の手」がちょっとダサいので「隣巣の手」とかどうでしょうか。
略さずに正式名称でもいいかもです(朗読しながらチェックしてましたが、ロジで止めるよりロジスティクスの方が言いやすかったので)
鉄砲玉という用語は不適切な気がします。「ゴロツキ」とかでいいかなと。
これだけじゃピンとこない読者もいると思います。「性別が変わったからといって外に出られないわけじゃ無いだろう」的なツッコミを誰かにさせて、それに反論するような掛け合いを入れてもいいかと。
禁制ってどっかで解けてました?それとは関係ない?
シリーズ物として、ここまでの韓国での話から日本へのバトンタッチという視点で非常によく書けていると思います。
ご批評ありがとうございます。ご指摘いただいた点を修正しました。
Shrについて掛け合いの注釈を追加しました。食人欲求の部分は古い記述が残っていたので「問題は妖狐が目を覚まさないという確証がなく、市街地に紛れ込めないことだ。」としました。
Come_Dream さんの画像チャレンジに参加します。
画像ライセンス
ソース: https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%BC-%E9%9A%8E%E6%AE%B5-%E4%B8%8A%E6%96%B9-%E5%BB%BA%E7%89%A9-2359436/
ライセンス: CC0 (表記上はPixabay License)
タイトル: bunker-2359436_1920.jpg
著作権者: ilagam
公開年: 2017
補足: islandsmaster によりトリミング、縮小加工
彼が犯した過ち のリンクが-jpになってます。
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
魔法のオリエンテーションや図書館側のオリエンテーションによれば、放浪者の図書館の司書はほとんどが何らかのルール違反を犯した、あるいは必然的に犯すであろう者のなれの果てです。口か目がなかったり、本棚を登るのに適した節足動物めいた数の脚を持っていたりする異形の存在です(自発的に司書になった存在はこれを上回る異形だとか)。
一方蛇の手のメンバーは大抵図書館にアクセスできるだけの人間です。図書館は原則的に蛇の手によって管理・維持されている訳ではありません。
まず、シグマ-3の人員が送り込まれるぐらいなので一般の財団職員には広く認知されていない可能性が高いと思われます。カノンや解釈にもよりますが、フリーポートには含まれていない可能性を考えておくべきでしょう1。そもそも論として、蛇の手の人員が財団のテクニカルタームであるフリーポートというフレーズを頻繁に使うとも思えません。
第2に、屋根裏同様にそもそもの名前が日本語での通称が持つニュアンスを正確に反映したものではない可能性が高いです。
第3の問題として、ここで言っても詮無いことですが、穴熊がなんだかダサいです(特に2番目で言及した、「穴蔵」という単語がおそらくかなり不正確な訳語であろう"cellar"に由来しているという都合を考慮して欲しかった…)…
前述のように放浪者の図書館における司書は超常的な存在であり、1日に1体は遭遇するだろうと言われているので、若干無理を感じる記述です。
その他、図書館と蛇の手周りの設定に関する齟齬が多数あります。
詳細なご批評をありがとうございます。参考にさせていただきます。
蛇の手における情報取り扱い者というイメージで単語を当てたので、司書という用語自体が不適切でした。修正しました。
確かにフリーポートという単語は財団の用語なので、蛇の手は使わないでしょう。修正しました。また、エージェントの人数に関しての記述を削除し、含みをもたせました。
"中国地方の"という形容は私も格好悪く感じます(ので、ここでは使っていません)が、個人的に"穴蔵"という言葉自体はとても気に入っています。ですので、ここは残しました。訳語のニュアンスがおそらく間違っているというのは承知しています。
図書館の蔵書ではなく、図書館に蛇の手が勝手に持ち込んで置いてある昔の資料(つまり私物)という意味合いでしたが、伝わりにくい表現だったので修正しました。
これはヘッドカノンの違いでしょう。私はまったくそうは思いません。ある程度以上に人口が密集し、かつ独特の文化習俗を有する地域では、蛇の手の目的を達成するためにその地域に造詣の深い人々が必要になるでしょう。ついでに言えば、青大将は活動地域が近い構成員たちがそう名乗っている寄り合い所帯というだけであって、赤斑蛇の手のような確固とした思想基盤をもつグループではないと考えています。
むしろ司書が把握している蛇の手メンバーの数が200人というのは流石に少なすぎるのでは……ハブで財団が177人の所属を確認しており、また財団は蛇の手の全貌をほとんど知らないことから考えて、かなり多くの構成員がいると考えていました。
この部分は完全に私の読み違いだと思います。作品のプロットに関わる部分なので時間がかかりそうですが、改稿してみます。
人物メモでこそ団体が出ていますが、PAMWACに関しては仮の設定で本編内に存在しない要素です。IJAMEAと蒐集院に関しては確かに出禁になっていてもおかしくはないですね。ただ登場人物としては、前者は血筋というだけで所属したことはありませんし、後者も蒐集物の影響で出奔していますから蛇の手に所属できないわけではないでしょう。
批評を受けて一部改稿しました。具体的には会話ログを分割・改変し、蛇の手の人間主義的側面に沿った描写に変更した他、蒐集院の評価を修正しました。