カルキスト・イオン逮捕さる

記事カテゴリが未定義です。
ページコンソールよりカテゴリを選択してください。

rating: 0+x
blank.png

カルキスト・イオン 逮捕

「私はやってない」疑惑の食肉工場で御用


「価格の魔術王」の手品のタネがついに暴かれたようだ。アメリカ食品医薬品局(FDA)は1日、イオングループ創業者でありカルキスト・イオン株式会社会長のカルキスト・イオン容疑者(3850)を食品安全強化法違反の疑いで勾留したと明らかにした。

FDAによれば、イオン容疑者は1932年10月ごろから、イオングループ系列企業であるイオン・フレッシュ社(ルーマニア、ホイア)の複数の社員と共謀し、食肉安全基準に満たない品質の肉製品を大量に製造、同社系列店に流通させた疑いがもたれている。連邦食品安全検査局とマサチューセッツ州警察は、29日付でスルキスク=ポドフェル合同加工会社の保有する食肉加工工場に対して30日間の営業停止命令を発行し、近く立ち入り調査を実施する見込み。

食肉を始めとする生鮮食品と各種加工生産品で世界的シェアを有する同社は、ダエ―バイトグループを始めとした競合他社との競争において「魔術的」と称される低価格食品による価格破壊で優位に立ってきた。今回の逮捕劇を受けて同社グループ関連株は急落し、ニューヨーク証券取引所は同社株の取り扱いに関して異例の声明を……


「……………………なんですか、これは」

ロヴァタールは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のダエ―バイトグループを除かなければならぬと決意した。ロヴァタールには経営がわからぬ。ロヴァタールは、企業重役の令嬢である。バラを育て、ハチと遊んで暮らして来た。けれども営業妨害に対しては、人一倍に敏感であった──愛する夫にして駆け落ち相手であるイオンを目の敵にしている、己が両親率いるダエ―バイトグループともなれば尚更のことであった。

「出店競争に破れたからと言ってこの仕打ち。かくなる上は実力行使にて、あのお方を奪還するのみです! 待っていてくださいませ、わたくしが今、貴方をあの薄汚い牢獄から解放して──」
「お待ち下さい、ロヴァタール社長!」

カルバシュが叫んだ。イオングループを支える地域密着戦略の要たる基幹店舗の主、連続勤務記録を今なお更新し続ける献身的な部下の言葉に、さしものロヴァタールも足を止めた。

「なぜ止めるのですか、カルバシュ。私達の光、崇高にして偉大なるイオングループの創業者、お客様の慈悲を受けこの広漠の小売業界を革新したる魔術王、その彼が! いままさに冤罪によって捉えられ、司法の黒き火によって焼かれんとしているのですよ!」
「わかっております」

ロヴァタールは切々と訴えたが、カルバシュもまた沈痛な面持ちで首肯した。

「私もまた全身を引き裂かれ、精肉機に投げ出されるがごとき思いです。しかしここでロヴァタール社長、貴女様が警察署に直接向かっては逆効果です。腐肉に群がる蝿の如く悍ましき新聞記者たち、面白おかしくSNSでデマ記事を書き立てるGAWの無法者ども、それに血の通わぬFBI連邦警察の連中は、こぞって貴女様をも捕らえようとするでしょう」
「望むところです! 夫の無実を晴らすのは妻の務め、会長の冤罪を証明するのは社長の仕事ではないですか」
「警察署に出向く必要はないということです」

淡々とした声が緊迫した空気を切り裂いた。ナドックス、魔術王の片腕として価格破壊に至るコストカット製造レーンの構築を担った敏腕の副社長は、眼鏡をくいと押し上げるいつもの動作で己の冷静さを示した。

「カルバシュ君、ありがとう。ロヴァタールは少し落ち着いてください、イオンが逮捕された今、貴女は我社の最高責任者なのですよ」
「それは…………………」

思いがけない形で訪れた重責に、ロヴァタールの滑らかな白い頬に差した朱が引いていく。
会長婦人が我に返ったのを確認して、イオングループの縁の下を支える賢人は咳払いとともに提案した。

「ダエ―バイトグループが下手人とは限りません。なにかの誤解、あるいは別の競合他社が手を下した可能性もある。まずは報道を確認しつつ、記者会見の準備をしましょう。サアルンが当面の記者対応を行います。時間を稼ぎつつ、会長の無実を皆で証明するとしましょう」


ERROR

The islandsmaster's portal does not exist.


エラー: islandsmasterのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:5060201 ( 15 Jan 2019 17:15 )
layoutsupporter.png
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License