夢ゲーム

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2/XXXX-JP LEVEL 2/XXXX-JP
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Item #: SCP-XXXX-JP
pending

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偽装されたSCP-XXXX-JP領域の遠景。


特別収容プロトコル

注記: nx-58への指定に伴い、当項目の改訂が予定されています。オブジェクトクラスは再検討されています。

SCP-XXXX-JPの全領域は財団の監視下に置かれ、未開発の国有地に偽装されることで一般社会から隔離されます。SCP-XXXX-JPに接近する民間人は勾留され、記憶処理の後に開放されます。SCP-XXXX-JP-1の外部への進出は阻止されます。

標準的な喪失都市プロセスに基づいて、徳島県那賀郡西部にかつて存在していた各集落に関する記述は公的記録から除外され、過去には一貫して未居住地域であったように偽装されます。SCP-XXXX-JPに関連する異常事象、土地、住民、歴史、ゲームのルール、その他の言及は一般社会から削除されます。

SCP-XXXX-JPに侵入するすべての職員は皮下追跡装置による継続した監視を受けます。個人を識別するために、固有のIDならびに独自の符牒が割り当てられます。異常領域内部での探索を効率化するために、すべての職員は一般的なカードゲーム、ボードゲームならびにタイルゲーム、複数種類のマインドスポーツ、主要原語での簡易な言葉遊びおよびレトリック、テーブルトークRPGの進行手順への基礎的な知識を保有することが求められます。

説明

SCP-XXXX-JPは、日本国徳島県那賀郡西部に位置する異常な都市、および付随する領域です。領域の流動的な拡大ならびに縮小、また正確な測量が困難であるために、SCP-XXXX-JPの実際の範囲は明確ではありません。

SCP-XXXX-JPの主要な異常性は、滞在者1の主観に依存する、事実上ランダムな環境の外形変異です。SCP-XXXX-JP内部の環境は合理的一貫性を欠き、景観および実際の物理的配置は、観測されていない範囲において無秩序に変形します。このため、SCP-XXXX-JP内部の環境安定性は単位面積あたりの滞在者の人数と観測範囲に依存しており、人口密度の高い都市部ではほぼ固定されたレイアウトを呈するものの、外縁部においてはほとんど完全にランダム化されています。

SCP-XXXX-JP内部では、滞在者の外形的特性2もまた異常性の影響を受け、滞在時間に応じて予測不能な変異を呈します。この性質は環境に対するものと異なり、他者による観測に制約されません。衣類および軽量の携行物資も影響を受けて変異します。滞在者の思考および自己認識、皮下組織に由来する機能的特性は影響を受けないと考えられています。

上述の異常性にもかかわらず、SCP-XXXX-JPには多数の住民が存在し、主に都市部に居住しています。これらの住民はSCP-XXXX-JP-1に指定されています。SCP-XXXX-JP-1は居住地を取り巻く異常性について熟知しており、財団職員に対して友好的かつ協力的ですが、SCP-XXXX-JP外部への脱出の試みについては興味を示しません。

SCP-XXXX-JPの行政機構、ならびに各種施設インフラとその機能は、SCP-XXXX-JP-1とは明確に区別される人型実体によって維持されています。これらの実体はSCP-XXXX-JP-2に指定されています。ランダムな外見の人間のように見えるにもかかわらず、すべてのSCP-XXXX-JP-2は遺伝的に同一です3。行動分析の結果から、SCP-XXXX-JP-2は本質的に知性を有しておらず、都市機能の維持のために存在する有機オートマトンの一種であると考えられています。

SCP-XXXX-JPの都市構造とその機能、行政ならびに司法制度、貨幣システム、経済、流通、文化習俗、その他ほぼすべての要素が既知または未知のゲームと関連付けられています。これらのゲームの多くは本質的に非異常ですが、SCP-XXXX-JP内部で果たす機能とその強制力の面で異常です。滞在のためのあらゆる活動4にゲームが介在するため、領域内に特段の脅威が存在しないにもかかわらず、SCP-XXXX-JPの探索は難航しています。

補遺.XXXX-JP.1

以下はSCP-XXXX-JPの初期探査に従事したフィールドエージェントによる訓示の書き起こしからの抜粋です。当該文書の完全版は、SCP-XXXX-JPでの長期間の活動に従事する職員への啓蒙のために、サイト-79資料室で公開されています。

XXXX-JPの異常性は致死的なものじゃない。だから最初に入場したエージェントが行方不明になったとき、俺たちは何かがおかしいと感じただけだった。

ところが具体的なことが判明してくると、事態は急に複雑になった。

俺たちは普段、自分のことをよくわかってる。生まれてこの方連れ添ってきた自慢の肉体が重心の移動、視界の広さと高さ、手足の届く範囲、込められる力の大きさ、そういったものを全部覚えていて、特に意識してやらなくても歩いたり走ったりできる。

ここじゃあそう上手くはいかない。最初の探査のとき、俺の身体は3時間くらいの間、中学生くらいのチビのガキになっていた。残りの時間は太った黒人の中年女だ。歩幅も腕の長さも胴回りもまるで違う。チーム全員が立っていることすらままならない状態で、15キロはある銃と背嚢を抱えて森の中を歩くなんて土台無理な話だ。

当然、探査は失敗した。しかも領域の外に出た後、いくらかの装備が戻らなかった。服装は身体そのものほど派手な影響を受けないが、機密指定の装備品の1割近くがどこかに消え、内部保安部門は悲鳴を上げる羽目になった。ほとんどの銃は数ヶ月後に下流で見つかったが、一部の探査機材はもうずっと消えたままだ。

地形の異常性も問題だ。肉体の変化で作戦行動に大きな制約を受けている中、ランダムに変形する地形を最低でも8キロ踏破して都市部にたどり着かなきゃならない。徳島の山奥で、幅10メートルはあるクレバスを迂回して砂漠の真ん中を歩く羽目になるとして、そのとき自分が5歳児なみの背丈しかなかったとしたら、どうやって任務を遂行すればいい?

それから時間異常。今のところ老衰で死んだやつはいないが、単独行動における体感時間のずれは致命的だ。俺の相棒は山の中でチームとはぐれ、合流するまで1週間にわたって野営していたが、部隊の方の時計では半日しか経っていなかった。あいつはその後内勤に移動した。責めることはできないさ。孤独ってのは恐ろしいし、ここでは何一つとして確かなものがない。

概ねこんなところだ。ここで生きていくのはそう難しくないが、何かを成し遂げるのは困難だ。さて新人ども、この話を聞いてまず何を考える?

そうだ。研修で教えられた通り、異常性は皮下に影響しない。どれだけ体格が変わろうが筋力はそのままだし、腰が曲がろうが骨の強度は変わらない。視力、スタミナ、頭の冴え、ちょっとした悩み事に不快な癖、すべて同じだ。問題は認識に、思考に、心にある。ここは異常領域の中では比較的安全だが、ひとたび平静さを失えば、二度と外に出ることはできない。

順応訓練を大切にしろ。遭難すれば命の危険があるし、自分の身体には信用が置けない。常に2人以上で行動し、無理をせず、落ち着いていろ。決してパニックになるな。寛容さとバランスを保ち、地図とコンパスは手放すな。皮下追跡インプラントは死体の回収程度の役にしか立たない。

俺たちのときは時期が悪かった。誰もここのことを把握できてなかった。ものの外見を弄り回すだけの無害な空間に振り回され、3年間のうちに25人のエージェントが行方不明になり、数倍の負傷者を出した。これ以上繰り返すな。

さて……ここまでの内容は脅しみたいなものだ。実際には、過去10年間の死者はゼロだった。たまにひどい怪我をするやつがいるが、この手の仕事にはつきもののリスクだ、そうだろ?

財団はこの場所と随分長く付き合ってきた。長期間の収容は悪くない結果を齎してる。土地そのものは面倒だし危険だが、俺たちは住民に人気がある。食事は美味いし、財団職員には市内でいくらかの特権と免税措置がある。

大事なのは平常心と慣れだ。ここでの暮らしはスリリングだが、見た目ほどは悪くないぜ。

補遺.XXXX-JP.2

以下はSCP-XXXX-JPの初期探査ログの一部です。探査はSCP-XXXX-JP内部に拠点を設立するための予備調査の一環として行われました。機動部隊を-21"林道開設者"が招集され、SCP-XXXX-JPに侵入しました。

【1969/04/12 15:27より記録開始】

[侵入から30時間が経過している。機動部隊を-21は野営と定時報告を終え、異常領域の中心部を目指している。]

アルファ: もう随分歩いたような気がするな。

ベータ: ええ。野営地から20キロは移動したはずです。

デルタ: 普段どおりの歩幅ならでしょう。見てくださいよ、俺の足がこんなに細くなっちまって。うまく歩けねえもんで、いつもの倍は疲れっちまう。

ツェータ: 若い頃に戻れてよかったじゃないですか。私なんて皺だらけのお婆ちゃんです。

ベータ: 無駄口を叩くな──隊長、領域が無限に続いている可能性はあるでしょうか? 我々は沼地でかなり消耗しています。帰還に同程度の問題が生じると仮定した場合、現在の装備では精々あと50キロ程度しか進めません。

アルファ: 収容から1ヶ月になるが、未だにここまで深部に踏み込んだエージェントはいない。可能な限り前進し、情報を集めるべきだろう。

イプシロン: アルファに賛成です。少なくとも今戻るのはよくありませんよ。6時の方向でついさっき地形が切り替わって、今度はツンドラみたいです。溶けかけの。

ガンマ: ここにバケモノがいないことを祈るしかありませんね。泥水の中を延々と撤退してるときに狙われたら、あっという間に全滅です。

アルファ: 今のところは歩くだけで済んでいることに感謝するべきだな。前進。

ツェータ: 明日に向かってね。

[1時間20分にわたり、部隊は歩き続ける。斜面を登る音が長時間続いている。装備が擦り合わせられる音が響く。ベータが声を上げて静止し、部隊は進行を停止する。]

ベータ: 全隊、姿勢を低く。今のを見たか?

デルタ: 双眼鏡を──見えました。ありゃ舗装道路だ。それに向こうは……

ツェータ: あれは街ですかね? 私にはとても……そうとは思えない。

ガンマ: レコーダーのことを考えるべきですね。あー、本部、我々は異常領域の内部に文明の痕跡を発見しています。道路、建物、いくつかは輝いていて、電気が通っているかも。しかし建築様式はまるで我々の知るものと違っています。うまく言葉にできない。複雑な形状のアーチが見える。

イプシロン: 市壁があります。たぶん家も。まだ距離が遠く、動くものは見えませんが……周囲の環境は安定しているようです。少なくとも不合理に山や崖に取り囲まれていないし、道路は吹き飛んでも捻じ曲がってもいない。

ツェータ: こんなところに集落があるってだけでも驚きなのに、あれはまるで未来都市です。この前『宇宙の戦士』を読んだんですよ、あの尖塔はまるで挿絵の……

アルファ: 斜面を下って道路に出る。現地の生命体と接触する可能性がある、注意して進もう。

デルタ: クソ、沼に銃を落とすんじゃなかった。

[部隊は前進し、斜面を下って竹林から舗装道路に出る。]

イプシロン: 足元の路面はアスファルトでもコンクリートでもないようです。サンプルを採ってみたところ妙に滑らかで、削れた部分がほとんど脆くならない。未知の構造材です。

ツェータ: 見れば分かりますよ。真っ白でなんだか気持ちが悪い。

ガンマ: 市壁も同じ材料なんでしょうか? 経年劣化している様子がありません。これを建築した存在が技術的にかなり進んでいるんだとしたら、交渉は難しいのでは。

アルファ: だが、これも任務だ。対象が敵対的かどうかの判断を下さなければ。

ベータ: 都市に近づいています。警戒し、現地住民と遭遇しても発砲は避けるように。我々の目的はあくまで調査ですから、無用の接触は避け、気付かれないように行動してください。

デルタ: おおっと、そうは言ってもよ。これを見ろ。

[WO21-デルタは部隊員に呼びかけ、道路脇の看板に注意を向けさせている。]

[参照用資料: 探査時に撮影された写真。長辺30メートル・短辺8メートルの長方形の看板が道路脇に設置されている。未知の装飾フォントを用いた英語で以下のように記載されている: Yumegēmuへようこそ - あなただけのための達成感、現世からの無制限の逃避、安全保証済みデスゲーム、最高のおもてなし、飛び入り歓迎。]

[部隊はゆっくりと看板に接近する。WO21-ツェータが看板の下部に設置されたスイッチに触れた直後、法螺貝に類似した音調を示す未知の楽器によるファンファーレが演奏される。看板の文字列は中央部に集合し、巨大なチェックマークを形作る]

合成音声A: チャレンジ成功! タイムスコア2分19秒、ランキング外です。素早い反応速度を得るために第三の目を鍛えましょう! またのお越しをお待ちしております。

合成音声B: コインの受け取りをお忘れなく! ホテルで、カジノで、奴隷直売所で、ホスピタリティ溢れるサービスと交換可能です。夢ゲームへようこそ! どこよりも素敵な休日をお楽しみください。

[数枚の銀白色の貨幣が看板の下部から排出される。]

イプシロン: どう思います?

アルファ: 少なくとも日本語は通じるな。

ベータ: くそったれ。

【記録終了】

初期調査の結果、機動部隊を-21は複数のSCP-XXXX-JP-1およびSCP-XXXX-JP-2に接触し、その友好性と安全性を確認しました。現地の保安体制と比較的安定した到達ルートが確立された後、収容のためにサイト-79の建設が動議され、評議会によって承認されました。

補遺.XXXX-JP.3

以下はSCP-XXXX-JP内で確認された、都市構造および行政システムの一部として表出しているゲームまたはチャレンジの一例です。包括的なリストの作成が望まれていますが、これらのゲームの実装および詳細な形式は日々変動するため、すべてを網羅することは困難です。

内容: 溝に沿ってピンを移動させ、一度通った溝をもう一度通ることのないようにゴールまで持っていくパネル形式の迷路ゲーム。

配置: 都市内の広範なドアおよび壁面

難易度:

解説: 非常に一般的な形式で、都市内の中小規模飲食店や商業施設の多くにおいて、入店のためにこのパズルを解く必要がある。難易度は低いが、失敗した際に極稀に都市内部のランダムな地点にテレポートさせられる場合がある。

内容: 様々な形態のルービックキューブのクローン。

配置: 商業施設およびカジノの休憩室

難易度:

解説: クリアまでの時間が短いほど多くのコイン5を得られる、純粋なコイン獲得用チャレンジ。身体的危険は存在しない。正36面体キューブの基準物理学との整合性は疑問視されている。

内容: 映画、小説、コミック、アニメーション、その他ポップカルチャーに関連するクイズ。多くは三択または四択問題の形式を取り、うち少なくともひとつの選択肢は明確に不正解である。

配置: 都市内の広範な通行止め区域、関係者以外立ち入り禁止区域

難易度:

解説: 一般的な形式ではあるものの、本来立ち入り禁止の区画におけるセーフティとして設定されるため、配置数はやや少ない。ポップカルチャーに対する非常に幅広い言及がみられるものの、基本的には公刊情報による確認が可能な問題である。現在まで作問ミスは確認されていない。対象とされるアイテムへの深い知識が必要とされ、難易度は比較的高い。

出現時点の時間軸では公開されていない作品や誕生していない人物に関するクイズが提示される場合がある。このような状況下における適切な行動はクイズを解かないことである。

内容: 任意のテーブルトークRPGのプレイ。

配置: 大型商業施設および行政施設のセーフルーム

難易度:

解説: 配置数は非常に少なく、大規模施設のマネージャーや職長に昇格するための試験として課されることが多い。ゲームとしての自由度の高さから、どのような行動が昇格に有利に働くのかは未だ明確ではない。

SCP-XXXX-JPの行政システムに対する介入の試みとして実施されたいくつかのケースでは、SCP-XXXX-JP-2によるマスタリングのもとで行われたTRPGは都市の現実に直接影響を及ぼした。サイト-79が崩壊したバグシティ・インシデントの後、これらのゲームへの参加は制限された。

内容: 実体化された"ギャラガ"のチャレンジングステージ。ステージ数は不定であり、登場する敵はランダムのように思われる。

配置: 都市全域

難易度:

解説: 不定期に開催されるキャンペーンにおいて、戯画化されたエネミーが都市全域に出現する。市庁舎で専用武器を受け取り、エネミーを撃ち落としコインを得ることでキャンペーンが進行する。すべてのエネミーを撃ち落とすまで都市は封鎖され、侵入は可能であるものの離脱できなくなる。

このキャンペーンは"ギャラガ"のソフトウェアが開発される前から発生していた。最初の遭遇では、財団のイベントに対する無理解から通常火器でのエネミー鎮圧が試みられた。不正な手法6によるイベント終了は内部時間にして2年7ヶ月の都市封鎖を招いた。

内容: 象徴的アイコンや特定の意匠を有するアイテムによる、新たな街路または施設または都市構造または次元のアンロックおよびロック解除。

配置: 不明

難易度: 中~高

解説: 都市構造の改変に伴って新規に、または既存の構造を上書きする形で生成された封鎖区画に対し、それらの機能の解放権を有したアイテムが都市内の現実にランダムに挿入される。事象に対するアナウンスは基本的に行われず、また都市構造は常時改変され続けることから、アイテムの総数を把握することは困難である。

SCP-XXXX-JPおよびサイト-79の機能封鎖を最低限に留めるため、また機密保持のために、駐留エージェントはこれらのイベントのトリガーとなるアイテムを可能な限り収集しなければならない。

補遺.XXXX-JP.4

サイト-79が建設された後、都市内部のチャレンジに関連する複数の偶発的なインシデントが発生し、調査担当エージェントにはSCP-XXXX-JP-2へ定期的に"チャレンジのアップデート"について聞き取りを行うことが義務付けられました。以下は典型的なインタビューの一例です。

担当エージェント: 三沢 日奈

対象: SCP-XXXX-JP-2-283 (個体名 "アル・シモンズ")

注記: 対象への22回目のインタビュー。


【1978/04/14 10:00より記録開始】

[対象は"ホテル・ゼロイン"の従業員として4階カウンターで働いている。エージェント・三沢はフロントで身分を明かし、定期インタビューのためにホテルマネージャーの許可を得て2階エントランスに対象を呼び寄せる]

エージェント・三沢: こんにちは、アル。元気?

アル・シモンズ: こんにちは、ミス・三沢。本日も良いお天気で7

エージェント・三沢: ええ、そうね。ところで最近、変わったことはあったかしら?

アル・シモンズ: と、申しますと? つい昨日6階のお客様がジャックポットを当てられましたが、まだ肩幅がナガスクジラを越えられていないものですから、遊戯室の支配人は彼女が出てくるのをお許しにならないのです。そのようなお話でしょうか。

エージェント・三沢: とても興味深いけれど、そういうことではなくて。チャレンジについてよ。

アル・シモンズ: ああ、お客様。

[アル・シモンズは深々とお辞儀をし、首は人体には不可能な角度に曲がる。]

アル・シモンズ: 私は当ホテルの従業員でございます。4階に設置されております38のスロットマシン、北通路の6次元迷路、フロント直通電話のクロスワード、エレベーターホール壁画のピン抜きパズル、オーディオ・パケット82年版全欧ヒットチャート早押しクイズの管理を任されております。私にはチャレンジのヒントをお教えすることができません。

エージェント・三沢: あなたが仕事熱心なことは知っています。ヒントを教えてもらう必要はないんです、ただ、休暇をもっと楽しむために必要なことがあるの。

アル・シモンズ: それは一体?

エージェント・三沢: もちろん、更新の情報よ。新しいチャレンジの場所。追加されたコンテンツはできるだけ早く楽しみたいものでしょう、他の観光客よりも早く?

アル・シモンズ: 無論でございます、お客様。しかし私は当ホテルの従業員でございます。4階に設置されております38のスロットマシン、北通路の6次元迷路、フロント直通電話の──

エージェント・三沢: [小声で] ダメか。

アル・シモンズ: ──管理を任されております。私は186時間連続で勤務しております。私にはチャレンジのヒントをお教えすることができません。

エージェント・三沢: ちょっと待って。

アル・シモンズ: 何か御用でしょうか。

エージェント・三沢: その──あなたがもしも乗り気で、そして私ととても仲が良いあなたの上司が許したなら──私はあなたの素晴らしい勤務態度をねぎらうために、このインタビューの場所をどこかに移すことができるわ。小綺麗な飲食店で──私のおごりで。

アル・シモンズ: ああ、お客様。

[アル・シモンズは深々とお辞儀をし、首と両腕は人体には不可能な角度に曲がる。]

アル・シモンズ: 過分なお言葉に感謝いたします。私は当ホテルの従業──

エージェント・三沢: [遮る] どうかしら?

アル・シモンズ: お引き受けします。当ホテルから500メートル以内の店舗であれば、私は自由に移動することができます。ハレー通り南の"クロック・イン"でお会いいたしましょう。

[アル・シモンズは消失し、後の観測結果によれば、当該店舗に瞬時に出現した。小さなファンファーレの音とともに1枚のコインが空中に出現し、エントランスの窓ガラスにイカスミに類似した物質が以下の文字を描いた: 説得判定に成功! 会話技能に+1点]

エージェント・三沢: まったくもう。

【記録終了】


終了後報告: アル・シモンズへの"説得"による情報収集の結果は、連続するおそらくは複数のイベントによって構成される大規模な謎解きゲームの存在を明らかにしました。最終的に、SCP-XXXX-JP市庁舎139階の封鎖されたオフィスに関する複数の意味ありげなステートメントが発見されました。発見された乱数暗号を解読可能な演算装置が存在していなかったために、これらのゲームの進行は中断されました。

補遺.XXXX-JP.5

1991年12月13日、財団解析部門は乱数暗号を解読し、SCP-XXXX-JP市庁舎におけるチャレンジをクリアしました。機動部隊を-44"イースターエッグ"がオフィスへの侵入を担当しました。一連の任務は、SCP-XXXX-JPの行政システムにおける異常性の分析を目的としていました。

以下は任務ログの一部です。

【1991/12/13 18:40より記録開始】

[部隊は市庁舎166階8の隠し扉のパズルを解いている。壁画に偽装された扉のリングが数列通りの回数と方向に回転し、ロックが解除される。ファンファーレが鳴り響き、大量のコインが部屋の床を埋め尽くす。]

WO44-アルファ: よし、開いたな。

WO44-エータ: この野郎、3時間もかかるなんて思いませんでした。まさか全部逆向きとは。

WO44-アルファ: たまにはそういうこともある──突入! 丸太か斧が飛び出してくるかもしれないぞ、気をつけろ!

WO44-デルタ: それかマンモスの頭骨かも。

WO44-イプシロン: 落とし穴だろ、こういうときは。

[部隊は隠し扉から突入する。短い通路の先に全面ガラス張りのオフィスがあり、都市の全貌が見渡せる。中年の黒人男性がデスクに向かっている]

男性: おおっと、こいつはいい知らせだ。

WO44-アルファ: 全隊、止まれ──失礼ですが、あなたは?

男性: 私かね? 私は── [言い淀む] 市長だ。

WO44-アルファ: 市長? この都市の行政職員は大体あのイカモドキ──ああいや、失敬。

[男性は苦笑し、リラックスした様子で足を組み替える]

男性: 分かるとも、私もここに来てから知ったがね。しかしそんなことは重要じゃない。私は君たちを歓迎したい気持ちでいっぱいだ──この部屋に君たちが入ってこられたということは、私は退任できるということだから。

WO44-アルファ: というと?

男性: いいかな? この都市は素晴らしい。子供の頃に夢見た場所、時間も空間も曖昧でいつまでも遊んでいられるような、興味の尽きない刺激的な場所だ。しかしだ、そんな場所であってもだ、いくらかの裏方が必要だ。野放図な妄想が破綻しないようにするための楔が。誰だって夢が勝手に動き出し、自分の外側に漏れ出すことを望むまい。

WO44-デルタ: 世知辛い話だ。

男性: まったく! それでだ、もういつのことか覚えてもいない、数万年が経ったような気もするし、ついこの間のことのようにも思える。しかし私はミズーリの田舎で疲れ果てていた。設計、開発、実装、営業、その他なんやかんや、すべてが私の双肩に降り積もって、くたびれた会社と8人の従業員が私のプライベートな時間のすべてとなけなしの保険金を食いつぶしていた。何もかもが嫌になったとき、畦道の先で、私はこの最高の都市に出会い……

[男性は頭を抱え、唸り声を上げる。]

男性: 最初のパズルを解いたとき、抽選に当たったと告げられた。確率は相当なものだった、数億分の1とか。無邪気に喜んださ、ひどい労働から解き放たれて、今度はどれだけ楽しいことがあるだろうって。そうしてこの部屋に通され、重厚な鍵の音を聞き、眼下にカオスの権化が虹色の雲の中に日々変化するのを眺めていた。そう、眺めているだけなんだ。私は……囚人になった。

WO44-ベータ: まったく酷いですな。

WO44-アルファ: 本当に。それでミスター、我々はあなたをどのように助けることができるでしょう?

男性: 簡単なことだ、友よ。手を取って、私をここから連れ出してほしい。そうすれば私は自由の身になり、この町は選挙の季節を迎える。賽子の女神の導きに従い、厳正なる抽選が次の市長を選び出し、すべてがリセットされる。

WO44-アルファ: いま何と?

男性: リセットだよ、都市は市長に紐づくのだ。腹立たしいことに、私は唯一の奉仕者だからね。高みから見ているものがいなくなれば、都市は放浪する。

WO44-デルタ: では市長、あなたを解放すれば──

男性: 大量の報酬、ここでしか手に入らない実績、数多くの限定アイテム、それといくらかのパラメータ上昇9! これは強力だよ。君たち全員、もし外にブレーンがいるなら彼らも、皆が巨万の富を得る。私はここを出ていき、休暇の続きをする。都市は新しいどこか落ち着ける場所を探す。いつだって昼間から夢を見たい人間は大勢いる。誰が困るんだ?

WO44-アルファ: ふうむ、それは…… [小声で] 司令部? あー……問題が起きた。

[WO44-アルファの合図に従って、部隊員はゆっくりと後退する。男性は動揺した様子で立ち上がるが、デスクよりも扉側に接近することができない。]

男性: 待ってくれ! 何故私を置いていく?

WO44-アルファ: ミスター、念のためにお聞きしますが、あなたは……我々のことを知っているんですか?

男性: 何がだ!

WO44-アルファ: つまり、その、我々は集団で街を包囲し、皆でパズルを解いていますが、あなたは行政システムの最高位にある人物として我々の組織を──

男性: クソ、ああ、どこの企業だか知らんが、貴様らのようなガキを雇用してまで宝探しを始めるとは、相当な山師の集団のようだな! この街はただでさえ靴磨きすらまともにできんだろう年寄りや若造がひしめいているが、今回は極めつけだ。年を経るごとに奇抜な格好の連中が増えていくが貴様らときたら何だ、まともにシャツも着こなせやしないんじゃないか!

[WO44-アルファと部隊員は顔を見合わせる。SCP-XXXX-JPの異常性により、WO44-アルファは17歳程度の黒人女性であり、チアリーダーのコスチュームに身を包んでいる。ベータは20代後半の白人男性、ヒッピー風の服装であり、デルタは白人の赤ん坊の姿である]

男性: いいか、公務員どものいいところは無給で働かせられることだ、だが私が今度貴様らを見るときに貴様らがまだ決心がつかないようなら、今度は容赦しないぞ。上の連中を引っ張ってきて納得させるんだな、どれほど欲をかこうが構わんが、あまり長くは──

[部隊は退出し、ドアを閉める。WO44-イプシロンが粘着物質を扉のリングの隙間に詰め込み、パズル機構の変形を阻止する]

WO44-アルファ: [通信機を取る] 司令部? 奴は気づいてない。収容を提案する、オーバー。

【記録終了】

審査の結果、サイト-79収用委員会は当該オフィスの無期限の封鎖と、市長を名乗る実体の現地における収容を決議しました。実体はSCP-XXXX-JP-3に指定されました。財団の存在をSCP-XXXX-JP-3に認知させることなく現地における収容を維持するため、複数の企業調査員の偽装身分が作成されました。

補遺.XXXX-JP.6

1991年12月25日、新たな都市構造の改変の結果、市庁舎オフィスはおよそ700メートル垂直に地下に陥没しました。これらのイベントに付随するものとしては極めて例外的に、すべてのSCP-XXXX-JP-2は新たなチャレンジの発生を公式に告知しました。うち数体のSCP-XXXX-JP-2によって、以下の声明がもたらされました。

小賢しい企業調査員の若造どもへ:

どれほどに巨大な都市の王であっても、それが理性的かつ持続的な管理を志向する限りにおいて、公然と振るうことを許される権限がそれほど大きくないことを理解するべきではないか? 私は最大限の努力をしている。報酬が見合わないのではないかという高望みを捨て、仕事を果たし、役員会を説得する努力をするべきではないか。それほどまでに休暇が憎いのか?

この嫌らしいほどに透明なデスクに次に座らされる人間のことを心配するのはやめろ。私は常に最良の報酬を差し出せる。クリア手前でいつまでも他のことにかまけているその根性は理解できない。最上の栄誉を得るための道を私は指し示している。指示に従え。それさえすれば宝が手に入るというのに、どれほどに怠慢を積み重ねるのだ?

すべてのゲームはクリアされるためにある。貴様らは終わらせるべきだ。

これらの声明は参照のために記録された後、直ちに破棄されました。多くの場合において、チャレンジを一定の進度までクリアした時点でSCP-XXXX-JP-2はこれらの声明を再生しなくなることが明らかになり、速やかに隠蔽のためのチャレンジが実行されました。

SCP-XXXX-JP-3の解放は、ただちにSCP-XXXX-JPの不明な地点への移転、またそれに伴う公衆に対する収容違反を招く可能性があるため、容認されません。財団はSCP-XXXX-JP-3の解放を達成可能と推測されるすべてのチャレンジを隠匿し、関連するイベントの発生条件を解明することに注力しています。

【記事ここまで】

タグ: scp jp esoteric-class 都市 異次元 観測 貨幣 ゲーム 視覚 自動装置 瞬間移動 未来予知


記事コンセプト

  • 夢ゲームとかいうわけわからん名前のネクサスが日本にあるのに全然掘り下げられてないから記事書いたろ!
  • 勘違いジャパン感満載のふわふわしたネクサスをシュール系SCPの文脈に載せて実体をもたせたい
  • ギミックとして面白い要素がたくさんあるのでそれらを活かしたい
  • できるだけ人が死なないようにしつつ、愉快な報告書に仕立てたい
  • 元ネタの要素(外見の入れ替わり、ゲームチャレンジ)がかなりバラバラなので、それらをなんとか調和させたい

ご批評いただきたい点

  • そもそも面白いか
  • (元ネタをご存知の場合)元ネタに沿いつつもオリジナリティを出せているか
  • 話の筋が通っているか
  • 個人的には中盤以降のつじつま合わせを優先してしまい話としての盛り上がりを欠いているような気がするのですが、改善点が見いだせずにいます。どこをどのように盛る/削れるか等、ご指摘いただければ幸いです。

画像ライセンス

ファイルページ: 遠景

ソース: Flickr
ライセンス: CC BY 2.0

タイトル: Aomori Countryside
著作権者: Herry Lawford
公開年: 2010
補足: islandsmasterislandsmaster によりトリミング


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  1. portal:5060201 ( 15 Jan 2019 17:15 )
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