そばにいてあげて
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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-jpは低危険物収容ロッカーに保管されます。未収容のSCP-XXXX-jpが発見された場合担当研究員、もしくは担当研究員の指示を受けたエージェントが回収を行い、関係者には記憶処理と適切なカバーストーリーが適用されます。SCP-XXXX-jp利用のための実験は担当研究員の許可の元行われます。

説明: SCP-XXXX-jpは小型のぬいぐるみが付属した金属製のキーホルダーです。付属するぬいぐるみはうさぎもしくはそれらをモチーフとしたものです。金属部の組成に異常はなく、異常性があるのはぬいぐるみ部分だと推測されています。ぬいぐるみ部分は実体ごとに多少の差異がありますが、例外なく著しい劣化や汚れなどによって触れることが躊躇われる状態にあります。

SCP-XXXX-jpを拾得した人物はSCP-XXXX-jp-a(以下”被影響者”)となり、人間の怪我を治癒する能力を獲得します。被影響者ごとに能力にも差異がみられますが、法則性は明らかになっていません。また、能力の使用回数に応じてぬいぐるみ部分に変化が生じます。
以下被影響者一覧

被影響者 発見状況・時期 ぬいぐるみの特徴 備考
████(24) 近隣の子供の怪我を治して回っていた。監視カメラにその様子が記録されたことにより発見 -2015.10.14 濃い桃色、目が片方破損している 財団によって最初に発見された事例。
█████(12) 所属していた小学校内で怪我を治してくれる生徒として噂になっていたため発見 -2016.06.08 薄いピンク、頸部の破損により頭部が前方に傾いている 治癒力は微弱な物だったが弱い鎮痛作用がある
████(34) 勤務していた病院内で不自然な快復が多数見られたため発見 -2017.02.26 左右で茶色とピンクが縫い合わさっている 回収の際嫌悪感を示した。回収後、休職している
███星愛(17) 事案記録████により発見 -2019.06.03 ピンクがかった紫色、汚損が激しく判別が難しい 回収に対して強い抵抗を示した。現在財団の収容下にある詳細は後述
███(22) 財団のエージェント、自己申告 -2016.12.09 限りなく白に近い茶色1、他の実例に比べて損傷が多い 異常を発見した際に逡巡したが報告したと述べた

実験記録XXXX-JP - 日付████/██/██

対象: エージェント██,D-10459

実験目的: 能力を使用した場合の未知の影響についての調査。負傷は軽度な切り傷

実施方法: 被影響者となったエージェントに負傷したD-10459を治療させる。

結果: 問題なく回復された。

分析: エージェントにも異常は見られませんでした。引き続き同様の職員で実験を行います。-██研究員

実験記録XXXX-JP-2 - 日付████/██/██

対象: エージェント██,D-10459

実験目的: より大きい負傷に対して能力を使用した場合の影響についての調査。負傷は深刻な切り傷。

実施方法: 被影響者となったエージェントに負傷したD-10459を治療させる。

結果: 問題なく回復された。エージェントは不明な喪失感があると答えた。

分析: 診断では喪失感についての明確な回答を出すことができませんでした。次回はより大きな精神影響への対処が必要になるかもしれません。-██研究員

実験記録XXXX-JP-3 - 日付████/██/██

対象: エージェント██,D-10562

実験目的: より大きい負傷に対して能力を使用した場合の影響についての調査。対象は以前の事故によって左腕を肩から喪失している。

実施方法: 被影響者となったエージェントに負傷したD-10459を治療させる。

結果: 回復までに20分を要した。D-10562は回復した左腕をぎこちなく動かして見せた。エージェントは実験後から精神状態の著しい悪化を訴え始め、数日で徐々に悪化していった。また、ぬいぐるみ部分が僅かにくすみ、色が暗くなる様子が見受けられた。

分析: SCP-XXXX-jpは被影響者の精神に何かしらの影響を及ぼしていると考えられます。D-10562の再生した左腕には軽度な筋組織の損傷が見られました。大きな損傷の正確な修復は難しいと思われます。また、実験後の調査の結果エージェントは不安障害に類似した症状を呈していることが明らかになりました、改善次第インタビューを行います。ぬいぐるみの変化に関しては追加実験を申請しました。-██研究員

実験記録XXXX-JP-3 付属インタビュー

対象: エージェント██

インタビュアー: ██研究員

付記: エージェントは継続的なカウンセリングと投薬によって比較的落ち着いた状態にあります。

<録音開始>

██研究員: 先日の実験の際感じたことをなるべく詳しくお願いします。

エージェント██: えーっと、まず猛烈な不安に襲われました。何か具体的に不安な事物があったわけじゃないんですけど…

██研究員: どういう感覚の不安だったかはわかりますか?何かに追われるような不安のような。

エージェント██: なんとなくですけど…周りの人…同僚とか友達に見放されるような、そんな不安だったかもしれません。

██研究員: あの時に周りの職員がそのような反応をすることもなかったので、見放されたように錯覚したということでしょうか。

エージェント██: そうだと思います。カウンセリングを受けて安心したのもありますし。

██研究員: ありがとうございました。症状が治まり次第業務に復帰してください。

<録音終了>

終了報告書: SCP-XXXX-jpは異常性の副作用、もしくは精神、脳内物質の未知の方法による返還によって対象に強い精神ダメージを与えるようです。状況によっては利用することも考えられると思いますが使用後の影響を考えるとDクラス以外の職員で利用するのは推奨されません。-██研究員

実験記録XXXX-JP-4 - 日付████/██/██

対象: D-10359,D-10328

実験目的: 精神影響の確認のための実験。条件を前回の実験と同条件で行う。

実施方法: 被影響者となることができたD-10359にD-10328を治療させる。D-10328は左腕をD-10459に近い形で失っている。

結果: 回復までに22分を要した。D-10328は動かしにくいと述べた。D-10359は精神状態の悪化を訴えたがエージェント██と比較すると落ち着いた様子だった。また、ぬいぐるみ部分がD-10593に渡される前日に変化していた。

分析: やはり完全な再生とはならないようです。精神状態の悪化は使用回数にも影響を受けるようです。ぬいぐるみの変化は所持者と使用回数に応じて変化していると思われます。-██研究員

事案記録SCP-XXXX-jp

2019/06/29

概要: SCP-XXXX-jpとその被影響者である██星愛氏が発見されるきっかけとなった事案。被影響者の母親である████氏が殺害されました。

発見経緯: 近隣住民の通報によって発見されましたが、████氏の死亡状況が「階段から落ちたような体勢のまま外傷無く死亡している」という異常な物だったことで財団の目に留まりました。

詳細: 検査の結果、████氏の脳の一部が欠落していることが明らかになりました。死亡現場に流血が見られたことや被影響者の存在により、直接の死亡原因は階段から落下したことによる脳挫傷だと思われます。また、████氏の服の背中部分から██星愛氏の皮脂が確認されました。

発見時██星愛氏(以降‘彼女‘)は収容に対して抵抗し飛び降りを図り、一命は取り留めましたが

補遺: ██星愛氏の非公開のSNSアカウント内で確認された発言(抜粋2)

今日はママやさしかったんだよね~! ─2018/11/13

帰ってくるからかな ─2018/11/13

当たってから泣くのやめてほしい ─2019/01/19

嫌いなわけじゃないけどさ ー2019/01/20

かわいいhttps:/█████████████████ -2019/01/25

えなにこれ -2019/02/05

みてすごくない?https:/███████████████ -2019/02/05

@██████ 加工とかじゃないって ─2019/02/05

こないだ言ってたやつ治してあげよか ─2019/02/06

初めてママの役に立てたかもしれない[祝う様子の顔文字] ─2019/02/27

ケガ自体珍しいし ─2019/03/16

人の役に立てるのがうれしい必要とされてるかんじがして ─2019/03/24

誰かケガしてない ─2019/03/26

切っちゃった ─2019/02/27

あの子ほんとにうれしそうでうれしかった ─2019/04/03

しんどい ─2019/04/09

だれもわたしを必要としてない ─2019/04/13

消えたい ─2019/04/16

左手がちゃんと動かなくなってきたんだけど ー2019/05/17

(涙を流す顔と血の絵文字) ー2019/05/30

怒鳴られた こないだあんなにやさしかったのに ─2019/06/03

あ ─2019/06/03


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  1. portal:5046472 (05 Jul 2019 15:44)
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