SCP-7000 - 偽典 (1ページ目)

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通達: 以下のファイルは現在発生しているK-クラスシナリオについて過去に記述された文書であるため、現在の情報と異なる箇所が存在する場合があります。

関与していると思われるファイルはSCP-7000収容チームZ7K-Aへ提出される必要があります。

— マリア・ジョーンズ管理官,RAISA

4/7000 LEVEL 4/7000
CLASSIFIED
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Item #: SCP-7000
Apollyon

Z7Kcaptured.jpg

通常のカメラ(左)と開発初期の烏終観測機(右)での撮影の比較。烏終観測機で撮影した場合では建物の前にSCP-7000-Aが映っている。

特別収容プロトコル: 現時点においてSCP-7000はその性質における不明瞭な領域、並びに異常性の対象の範囲から収容、並びに無力化は不可能です。

SCP-7000への対抗策の開発のため、収容チームZ7K-Aが世界各地にて結成されています。

現在、SCP-7000の影響下にある関連ファイルを捜索する作業が進行中です。提出されたファイルは追跡の後に分析、記録されます。

説明: SCP-7000はZ7K-クラス現実混沌シナリオとも呼称される、現在進行形で発生してるZK-クラス現実終焉シナリオです。SCP-7000の影響は物体・実体・現象・概念・情報等、あらゆる存在が対象となっていると推測されており、それらはSCP-7000-Aに指定されています。

SCP-7000-A実例は現実における存在が不安定になり、大半の時間において存在、並びにそれを示す情報が抹消されます。そのため、消失時において観測者はSCP-7000-Aの認識や想起が不可能になりますが、消失しなかった関連情報における不自然な欠落からその存在を推定することは可能です。

SCP-7000の影響範囲は少なくとも全宇宙に及んでいると考えられており、正確な影響の同定は極めて困難です。少なくとも、財団が管理、認識している資源・オブジェクト・情報の内、約40%はSCP-7000-Aに変化していると推測されています。また、SCP-7000の発生起源は不明ですが、情報の欠落の傾向から2010年代に入って発生し始めたと推定されています。


補遺7000-1 - 発見


SCP-7000は、SCP-2000におけるセキュリティの点検とアップデートの際に財団記録・情報保安管理局(RAISA)スタッフの烏終圭(Ushu Kei)が2022/06/25に実行した際、SCP-2000の関連ファイルに多くの欠落が確認されたことで発見されました。発見当初はデータベース上の致命的なエラー、または外部からのサイバー攻撃によるものだと考えられていましたが、烏終圭がその後経験したと主張する異常現象からSCPオブジェクトとして登録されました。

以下はSCPオブジェクト指定前に行われた烏終圭へのインタビュー記録です。

インタビューログ7000-1:

日付: 2022/06/28

インタビュアー: アルフレッド·モーゼイ博士

インタビュー対象: 烏終圭RAISAスタッフ


[記録開始]

モーゼイ博士: それでは、貴方が体験したことについて最初からお願いします。

烏終圭: はい、元々私はSCP-2000のセキュリティシステムにおけるアップデート前後の性能比較のために財団内から仮想の不正アクセスを行う様指示されていました。それに関してはRAISAからの文書が残っているはずです。

モーゼイ博士: その件についてはRAISAから確認が取れています。その試験的なアクセスの際にセキュリティの損傷が見つかったと。

烏終圭: はい。その時からどこかおかしかったんですよね。その事を別のスタッフ何人かに伝えた時に、2人くらいがそれを認識できてなかったみたいようなんですよ。画面で結果を見せているのに。その後気づいたようではありますけど。

モーゼイ博士: ふむ、セキュリティの損傷については何か特徴や印象はありますか?

烏終圭: そうですね……。「損傷」と言っているのですが、コードを見た所でバグでもミスでもなく損傷だと言える感じでした。何かが無理やりコードを引っ掻き回して傷つけたというか、セキュリティを無理矢理突破しようとしたという感じでした。詳細や実際の原因については分かりませんけどね。

モーゼイ博士: 情報の欠落もその時に発見されたんですよね?

烏終圭: そうですそうです。少し騒ぎになりましたね、あの時。その時にも何か不正アクセスとかが無いか関連ファイルを片っ端から調べてたんですけど、私ばかり欠落のあるファイルを見つけて。念のために他のスタッフが既に検査済のファイルも調べたらやはりいくつか見つかって。

モーゼイ博士: ありがとうございます。それ以来、貴方の言う「現象」が発生し始めたわけですね?

烏終圭: そうなんです!あれからもいくつかの文書整理を行っているのですが、どうにもあれから時々文書にエラーを見るようになって。それで、同僚や上司に欠落について伝えたんですけど、皆口を揃えて「何も見当たらない」と!おかしくないですか!?私だけが認識してて、他の誰も認識できない。私が送ったファイルの欠落、確認できました?マーカーもつけたのですけど。

モーゼイ博士: 送られたファイルですが、私にはどれも確認できませんでした。マーカーのついた場所もありませんでした。

烏終圭: (ため息)

モーゼイ博士: 一旦話に戻りましょう。起きた現象はそれだけでは無いのですよね?

烏終圭: ああ、はい。実生活でも支障が出始めたんです。いくつかの物が職員が消えたり現れたりしているようで、目の前で会話している人のことが見えなくなって誰なのかも分からなくなる時があって。まるで、ノイズが走るような、歪み?これは言葉で表しにくいのですが、そんな感じで。そして……自分のことすら思い出せない。自分がどこで生まれたかとか、何してたかとか、酷い時には自身の名前を。正直に言うと、今も自分が存在しているのかに不安があって、意識がちゃんとしているのか分かりません。私はちゃんと喋れていますか?

モーゼイ博士: 大丈夫です。ここまでちゃんと筋道を立てて話せています。

烏終圭: 良かった。

モーゼイ博士: 他に何も無ければここでインタビューを終了しますが、どうですか?

烏終圭: あるとすれば、今後の私の処遇ですかね。

モーゼイ博士: 恐らくですが、一旦全ての業務を解かれた後に検査に回され、そしたら安静にしてもらうと思います。この現象を知るのは貴方だけですし。現象を止める手がかりを得られるかもしれません。

烏終圭: 分かりました。ありがとうございます。

モーゼイ博士: これにてインタビューを終了します。

[記録終了]

以下はインタビュー記録時点における、烏終圭によって確認されているSCP-7000-Aと思われる実体、並びに情報の一例です。

番号 説明
SCP-7000-A-00001 SCP-2000のセキュリティシステムの損傷。SCP-2000に何らかのプログラムを実行した形跡がある。
SCP-7000-A-00005 修復不能レベルの損傷に備えたSCP-2000の複製計画に関する文書。不明な原因で中止にされており、"管理者"の署名がある。
SCP-7000-A-00008 杖状の物体を用いて現実改変を行う人型実体。日本語での意志疎通が可能なことを示している。
SCP-7000-A-00010 約数千年前から存在する、独立した自我を持つ知性概念。当概念を有することで一部言語能力の活性化が見られると推定。

補遺7000-2 - 烏終圭に関する調査


SCP-7000の影響を当補遺執筆時点において知覚する唯一の人物として烏終圭についてのファイルの調査を本人付随で行った結果、当人についても情報の欠落が複数発見されました。以下は烏終圭に関する人事ファイルの概略です。

氏名: 烏終圭 (Ushu Kei)

セキュリティクリアランスレベル: 5

役職: 財団記録・情報保安管理局(RAISA)スタッフ

職務: サイト-817におけるデータベースのアクセス、並びにセキュリティの管理と点検

人物と来歴: 財団職員の両親の元、日本にて誕生。[両親、並びに財団正式入団前に関する情報はSCP-7000によってデータ欠落]その後財団に入団し、[長期間におけるデータ欠落]。データ処理とバイリンガルを買われてサイト-817に異動。以降現在の職務、並びにSCP-7000の発見に至る。


特筆すべき点として、以上におけるデータ欠落について烏終圭自身も記憶を有していません。
Z7Kgraph.jpg

烏終圭(左)とサーバー周辺(右)での時間の歪曲の比較。

また、烏終圭について物理学・生物学的な検査を実施した結果、当人を中心に微弱な時間と空間の歪みが確認されました。特筆すべきことに、この時空の歪みの記録された波形がSCP-2000のセキュリティシステムを内蔵するサーバーの周辺からも記録されました。


補遺7000-3 - SCP-7000の感知に関する開発


烏終圭を同伴しない方法でのSCP-7000の発見を目的として、確認されている全SCP-7000-A実例における比較の結果、実体においては烏終圭周辺で確認される時空の歪曲の波形パターンに類似するものが、データベース内のデータ欠落においては共通するノイズパターンが発見されました。この時空歪曲のパターン、並びにノイズパターンから、これらを検出する烏終観測装置(Ushu Observation Device、UOD)とA-Z7K.aicが開発されました。それぞれの機能は以下の通りです。

烏終観測装置: 当機器は現実世界におけるSCP-7000の影響を感知し、SCP-7000-Aの復元することを目的としています。内部に配置された、二方向に広がる光の反射と衝突を計測する機器を始めたとした5つの機器から微小に検知される時間/空間を検知し、波形パターンからSCP-7000を発見します。附随するカメラはSCP-7000の影響を取り除いて影響前のSCP-7000-Aの撮影を行います。現在、100台以上のUODが製造され、世界中に配布されています。

A-Z7K.aic: 当人工知能は財団データベース上におけるSCP-7000-A文書の発見と復元を目的としています。A-Z7K.aicはファイルを順次スキャンする際に読み込みの時間差やノイズからSCP-7000を発見し、ノイズ除去やその詳細なデータから可能な限りの文書のサルベージを行います。現時点で25のA-Z7K.aic(A-Z7K-01.aic~A-Z7K-25.aic)が稼働しています。

補遺3執筆時点においてはUOD、A-Z7K.aic共に多くのSCP-7000-A実例の発見に大きく貢献していますが、復元に関しては成功率が低い(約14.7%)です。

以下はUODやA-Z7K.aicによって確認されたSCP-7000-Aと思われる実体、並びに情報です。

番号 説明
SCP-7000-A-00562 ある財団職員の墓地に発生する、周期的な霊的実体の発生現象。各実体は当職員と生前何らかの関わりがあったと示唆されるが、詳細不明。
SCP-7000-A-01348 財団職員の雇用に関する規定とその経緯をまとめたファイル。何らかの特定不明な異常現象によるとされている。
SCP-7000-A-01477 常に移動し続ける物体。速度にはある程度の法則性があり、時に甚大な被害をもたらす。
SCP-7000-A-02879 原理が不明だが民衆に既知である発光現象。マーシャル・カーター&ダーク株式会社の干渉を示している。
SCP-7000-A-03009 スクラントン現実錨の構造における問題を示唆するアノマリー。K-クラスシナリオとの関連性がある。
SCP-7000-A-03838 組織において部門という形態で寄生する概念。財団内の他、米航空宇宙局においても確認されている。
SCP-7000-A-04528 別個の要注意団体を雇用することで成立したと思われる内部部門。除染作業に特化しているとされている。上述のSCP-7000-A-03838と合わせて怪奇部門等異常な内部部門との関連性が推測されているが、信憑性は低い。
SCP-7000-A-05551 財団によって建設された装置。[編集済]の管理と運用に対して何らかの干渉を行っている。

補遺7000-4 - 更なる研究


以下の記録はSCP-7000の強い影響を受けたと思われる財団のサイト施設(SCP-7000-A-06131)に潜入、複数の人員の回収を施行した機動部隊アルファ-70(“抗う者達”)の隊長へのインタビュー記録です。

インタビュー記録7000-11

日付: 2022/07/19

インタビュアー: マルティン·ナムソン博士

インタビュー対象: 機動部隊アルファ-70(“抗う者達”)隊長

備考: 他の機動部隊メンバーの証言や機器に記録された僅かな情報から信憑性は高い。尚、潜入した際に記録されたログはほとんどが破損しており、現在解析中である。


[記録開始]

ナムソン博士: 回収された僅かな資料によりますと、機動部隊Α-70は2022/07/16にイタリアのサイト-77を出て問題のサイトに行ったとのことですが、合っていますか。

Α-70隊長: そこは問題ない。正確にはサイト-19から飛行機でサイト-77を経由してそこに行ったって感じだな。印象としては、77からそこは近かった。数時間くらいか?下手に怪しまれないよう、必要な物資の補給とアノマリーの直接調査いう名目があった筈だ。

ナムソン博士: 建物や名前に関して覚えてることは?具体的なサイトの名称が分かってないのでそこを知れれば大きな躍進になるとは思うのですが。

Α-70隊長: 名前は覚えてないというか……確か、サイト内の案内を見てもそこだけスッポリと抜け落ちかのような……いや、うまく認識できなかったのか?一切分からん。ただ、数字ではなかったはずだ。内装はかなり綺麗で、常日頃手入れがされているような形だった。

ナムソン博士: 収容しているアノマリーの方はどのような様子でしたか。何か、SCP-7000に関連していそうなこととかあれば。

Α-70隊長: 手がかりは全く。他の巻き込まれたと思われるアノマリーとは……いや、あそこのサイトのアノマリーはどれも動物や植物みたいなヤツが多かった。

ナムソン博士: SCP-7000の影響の方は?

Α-70隊長: 中はあんまり。……そうだけども、なんというか、所々記憶は抜け落ちてるが、それでも鮮明にあった。実際にあのサイトを見る前はもっと酷かったが、この目であのサイトを見てから、あれを見る時のノイズらしい何か……消えてったんだよ。俺がZ7Kに順応したというよりは、まるであっちと俺達が混ざりあった気がした。

ナムソン博士: なるほど。物資補給以外には何かしましたか?

Α-70隊長: 「あちら」側からはZ7Kどのように見られているのかに関して調べるために管理官と副管理官と幾ばくか話を聞いた。名前については入念にメモしたハズだが……(メモ用紙を取り出す)このザマで、抜け落ちちまった。ただ、記憶が確かなら最初の文字はPとFだった。

ナムソン博士: 反応としてはどうでしたか?

Α-70隊長: あっちはZ7Kについては全く知らないようだった。日々の業務においての支障はなく、SCP-7000対象外の所ともトラブルは発生していないそうだ。後は[データ欠落]。他に記憶にあることがない。

ナムソン博士: 分かりました。それから人員を何人か連れて帰還したとのことですが、何かありましたか?

Α-70隊長: ああ、この件で使えそうな研究員を3人、それとは別に実験用でDクラス職員を5人連れ帰ろうとしたんだが、途中で研究員が1人、Dクラスが2人消えた。ずっといるかどうか確認してたんだが、気がついたらいなくなってた。誰かが消える瞬間を目撃したって言うのは無かった。気がついたら消えてた、ずっと見張っていたのに。一応例のサイトに確認取ったんだが、消えた件の研究員やDはそもそも連れ出された記録がなくて、ずっとそこにいたと言っていた。分けが分からん。一応他は連れて帰れたから、今検査に回っていると思う。

ナムソン博士: ありがとうございます。帰還してから後遺症みたいな予後影響を受けていたり、自覚したりはしていますか。

Α-70隊長: そうだな……。あれから数日、別に体に異変は無いが、何か、不安だな。何か足を突っ込んではならないことに足を突っ込んでる気がする。それくらいかな。

ナムソン博士: 分かりました。そちらから最後に何も無ければインタビューを終わりますけど、どうでしょうか。

Α-70隊長: 無い……と思う。いや1つあった。[データ欠落]に関してだが、まるで[データ欠落]だった。認識が[データ欠落]。

ナムソン博士: それは大きな手がかりになりそうです。最後にありがとうございます。

[記録終了]


終了記録: 途中のデータの欠落は復元不可能であり、インタビュアーもインタビュー対象もその内容を覚えていなかった。

また、上の記録における様に、SCP-7000-Aの実物の回収やデータ分析の進行によって、SCP-7000の影響の際に検出される波形パターンが複数種類に別れていることが判明しました。SCP-7000の影響によって発生する時空歪曲とデータ上のノイズには基本となる波形があり、何らかの要因によって種類別に更なる歪曲・ノイズが少量加えられていると考えられています。現在、少なくとも15種類のパターンが確認されていますが、更に他のパターンも存在すると予測されています。
烏終圭から検出されたSCP-7000による時空歪曲はパターン8に分類されており、それを起因としてか今までに確認されていたSCP-7000-Aは約4割がパターン8に分類されています。
以下はこの発見によるUODとA-Z7K.aicのアップグレード後に更に確認されたSCP-7000-Aの一例です。

番号 説明
SCP-7000-A-07236 人類に敵対的な機械群によって構成された組織。壊れた神の教会とは敵対関係であることは判明している。収容チームはアンダーソン・ロボティクスとの関連を予想しているが、現在までに回収された5件のファイルにはそのような事柄を示すデータは存在していない。分類: パターン11
SCP-7000-A-07780 毎年特定の期間に発生する、恐竜の発生現象。ブラジル全域で発生している。分類: パターン12
SCP-7000-A-08925 非異常性であり、今までに異常存在との関連が確認されていない一方で、潜在的にそれらについての重要な情報を多数保持していると思われる人物。分類: パターン3
SCP-7000-A-09062 並行世界を出自であると主張するアンドロイド。この並行世界では機械によるSK-クラス支配シフトシナリオが発生しており、このアンドロイドはその世界において人類の復興を目的として活動していた。この並行世界に関する情報は、少なくともSCP-7000-Aでないデータからは確認されていない。分類: パターン9
SCP-7000-A-09364 特殊条件下で神格実体を抹殺できると推測される機械。制限が課されているが、神格実体に対する既知の対抗方法よりも容易であると思われる。分類: パターン8
SCP-7000-A-10003 同情を示した人物を最終的に死に至らしめる人型実体。反社会性パーソナリティ障害保持者はこの影響に抵抗を持つ。回収されたデータは当実体がサイト-15に収容されていることを示しているが、サイト-15ではそのような異常存在は確認されていない。後日確認。理由は不明。分類: パターン6

補遺7000-5 - 分析とインシデント


その影響範囲からSCP-7000の調査や研究は更に大規模なものとなっている上、財団の内部組織やアノマリーを中心として影響が大きく現れていることから、SCP-7000に関する会議は短期間中に多く実施されています。
特筆すべき要素として、元々会議に不参加であった烏終圭がSCP-7000の影響に由来すると考えられる体調不良で会議中に倒れる事案が発生しました。
以下の資料はその会議記録の抜粋です。

会議記録7000-9

日付: 2022/07/26

メンバー

  • アルフレッド·モーゼイ博士
  • エリザベス·パルセム博士
  • キウ·イクシウ管理官
  • マルコ·ヨウセン博士
  • キム·ユソン博士
  • マーガレット·レイ博士
  • エージェント·モリゼクセフ(途中参加)
  • O5-10
  • 他多数(全45名)

[記録開始]

[一部会話を省略]

パルセム博士: それで、現在までに確認されているSCP-7000-A実例の内情としてはどのような感じでしょうか?

モーゼイ博士: 現在までに報告されている実例数は13147、その内、財団内の部門が103、要注意団体が小規模なものも含めて969、並行世界が89、職員数は2062ですが、おそらく職員のみ全体の内の10%にも満たないと思います。

イクシウ管理官: まだ確認されていない職員のほとんどはDクラスだろう。データが回収しにくいのは情報の少なさもあると思う。

モーゼイ博士: 一応ここ数日の報告件数は減少傾向にあるので、他はかなり網羅されているとは思います。

O5-10: 判明しているならば聞きたいのだが、SCP-7000-Aになっている並行世界は、その並行世界の観測ができないだけか、それとも並行世界自体が影響を受けて存在が不安定化しているのか?

モーゼイ博士: はっきりしていませんが、後者が有力です。並行世界にもよりますが、後者が正しいと仮定すると、不安定度は最小で約62%、最大で約99.1%です。これでも我々の世界が一番SCP-7000の影響を受けておらず、その理由についての分析が今後の課題です。

イクシウ管理官: 課題といえば、前回と前々回の会議ではパターンごとの傾向に関しての分析が課題だと言っていたが、その進捗はどうだ?また「分析中」か?

モーゼイ博士: そこに関しても、半日弱前に大きな成果をやっと得られたとの情報が入っています。担当はヨウセン博士だった筈です。

ヨウセン博士: はい、現在判明している、SCP-7000の影響による時空歪曲やノイズにおける15パターンの分析において、それぞれのパターンを持つSCP-7000-A実例の出現傾向が判明しました。実例は各パターンごとに出現する地域が大きく分かれていることが判明しています。例えばですが、パターン1の実例はロシア、パターン2実例は韓国、パターン3の実例は中国という風に分かれています。一方でアメリカ大陸では様々なSCP-7000-A実例が他と同様に確認されてはいるもののどれかのパターンが特段多いというのわけではありませんでした。

イクシウ管理官: アメリカ外では大きく傾向が強まると。パターン毎に国も対応しているということか?

ヨウセン博士: そうとも言えないパターンもあるようでして、例えばパターン6はメキシコやコロンビア、スペイン等の約20国での傾向が強かったです。

ユソン博士: 質問ですが、ドイツではどのパターンが多いか判明していますか?

ヨウセン博士: パターン9です。

ユソン博士: そのパターン9ですが、もしかしてオーストリアでも傾向が強いのでは?

ヨウセン博士: 合っています。

ユソン博士: とすると言語か……。言語圏ごとにパターンが異なるみたいですね。これはSCP-7000の原因を解明する上ではかなり大きいのでは無いでしょうか。こちらの方をより優先的に考えるべきであると私は考えます。

イクシウ管理官: 言語がSCP-7000の起因の1つとなっているのは、これだけでも信憑性がかなり高いだろう。

ヨウセン博士: ユソン博士の所の言語部門の動員が大きく必要になるでしょう。一先ずその方向で分析を進めようかと思います。

[一部会話を省略]

パルセム博士: にして、烏終本人が今この場にいないのが残念ですね。今回も体調不良ですか?

モーゼイ博士: はい。前回に引き続き頭痛と幻覚が止まらない様です。さらに、前よりも影響による時空の歪みが大きくなっているようです。

イクシウ博士: そもそも、会議の度に欠席者が出てないか?Α-70の隊長はどうした?

レイ博士: 頭痛だそうです。

イクシウ管理官: ここ最近ゴタゴタしてたから気づかなかったが、似た理由での体調不良者が増えてないか?これもSCP-7000の影響か?

ヨウセン博士: それに関連してですが、SCP-7000-Aに特に接触が多かったり、そもそもSCP-7000-Aになったと自覚している人物での体調不良者が多いようで、多くの人物での症例や主張が共通していますね。具体的には不安や恐怖が多く、「関わってはいけないものに関わっている気がする」という人が多かったです。

イクシウ管理官: それは―

(エージェント·モリゼクセフが会議に乱入する。)

エージェント·モリゼクセフ: すみません、本件について緊急の情報が入ってきましたので伝えます。烏終圭が周囲に大きな時空の歪みを発生させた状態で倒れました。一応病室に運びこまれましたが、状態は安定していないようです。意識はあるようです。

(研究者中にざわめきが起きる。)

モーゼイ博士: 本人からは何か言葉は?

エージェント·モリゼクセフ: 色々と言っていますが、まとまった文章を言えていないようです。

モーゼイ博士: ……少し心配なので、今のうちに会議を抜けさせていただきます。

イクシウ管理官: 嫌な予感がするぞ。

[一部会話を省略]

[記録終了]

以下の文章はこの会議の数時間後に烏終圭が記した書き置き(修正済)です。

取り乱してしまってすみません。ですが私はもう冷静でいられることはないでしょう。今さらの後悔でどうしようもないのですが、せめて私だけでもどこかで関わるのをやめて立ち止まるべきでした。
私の中で育っていた不安はいつしか私を覆い尽くしました。今や私は、これに関わったことが、何か大きなタブーを犯しているような気がしてならないのです。私は自分が本当に生きているのか分からない。私の行動一つ一つが本当に自分の意思で行われているのか自信がない。恐らく本当は[データ欠落]なのでしょう。
私の他にも7000に苦しむ人がいると思います。私の様にならないために彼らを最優先で業務から外して休ませてください。こんな思いをする[データ欠落]は私だけで十分です。

— 烏終圭

以上を受けて、烏終圭は全ての業務から外されました。当該人物は今後休養と同時に定期的な観察が行われます。
その他、SCP-7000に関して不安感を訴える人物は状況に応じて業務を外される予定です。


補遺7000-6 - SCP-7000-AでないデータにおけるSCP-7000の影響


UODとA-Z7K.aicにおけるSCP-7000の検出の解像度の強化によるデータベース上の再スキャンの結果、明確にSCP-7000-Aではない(存在が安定している)実例・データにおいて微弱な時空歪曲・ノイズが確認されました。
以下は更新によって更なる情報が発覚したSCP-7000-A実例と影響が確認されている非SCP-7000-A実例です。

SCP-7000-A-00001(更新) セキュリティシステムへの損傷が可能である情報実体。SCP-3519の無力化後にSCP-2000のセキュリティを突破し、起動した形跡がある。分類: パターン8
SCP-3790 一部記述にSCP-7000の影響反応あり。詳細な調査の結果、関連が示唆されているSCP-7000-Aのデータが1件発見された。(SCP-7000-A-14201に指定)分類: パターン5
SCP-6777 一部データ、並びに関連職員からSCP-7000の影響を確認。分類: パターン8
神秘主義終焉のための無神論者協会(SAPHIR) 当要注意団体に関するデータからは全てノイズが検出された。分類: パターン4
SCP-206SCP-1138SCP-2195SCP-2470SCP-5240 SAPHIRに同じ。ただし、SCP-2470、SCP-5240における反応が特に強い。分類: パターン1
SCP-179SCP-2104 SAPHIRに同じ。分類: パターン6

補遺7000-7 - 人員の喪失


2022/08/01、定期観察を兼ねたインタビュー中に烏終圭が大きな時空歪曲の波を放出しながら消失しました。以下はその際の記録です。

インタビュー記録7000-124

日付: 2022/08/01

インタビュアー: アルフレッド·モーゼイ博士

インタビュー対象: 烏終圭


[記録開始]

(烏終圭の周囲でかつてない時空歪曲が発生している。)

モーゼイ博士: 烏終さん、容態の方は……。

烏終圭: (無反応)

モーゼイ博士: (大声で)烏終さん!

烏終圭: ああ、モーゼイ博士。すみません、騒音が強くて聞こえませんでした。ええ、分かってます。この騒音は私の脳内で流れているので貴方には聞こえませんね。

モーゼイ博士: 烏終さん、その、容態の方は……。

烏終圭: 博士、心配してくれるのは嬉しいです。……ですが、私には、私も貴方も自分の本心からそれを言っているようには思えない。誰かが我々にこんなことをさせているとしか思えないのです。これは疑いではなく、[データ欠落]です。貴方が本当に助けてくれるのか分かりません。[データ欠落]の中では助けてくれない。

モーゼイ博士: 烏終さん、大丈夫です。気を確かに。

烏終圭: ええ、私が今頭がおかしいのは分かっています。ですが、私には見えるんです。私の手足を、[データ欠落]の手足を、みんなの手足を、体中を繋がれる糸。[データ欠落]。それを動かしてるのは1人じゃない。何人もの人が好き勝手に私を弄くっている。貴方も。でも、これが答え。

モーゼイ博士: 答え?SCP-7000のですか?

烏終圭: はい。[データ欠落]が見ている。ただ、ある人々は私を知らず、私を動かすことはない。ある人々は私を知っていて私を動かす。[データ欠落]が7000の大元なんです。[データ欠落]が大きなショーだと知った[データ欠落]は知らずして破壊者となってしまいました。私は不良品だ。

(時空歪曲が増幅する。烏終圭が発光する。)

モーゼイ博士: 烏終さん、一旦落ち着いてください!

烏終圭: でも、貴方達はまだこれを直すことができる。破壊者にならずに済む方法を既に知っている。[データ欠落]を断ち切ることはできずとも、彼らに知らせることができる。今までを通して。

モーゼイ博士: 烏終さん!

烏終圭: [データ欠落]

モーゼイ博士: (周囲に向かって)全員退避してください!

烏終圭: 認識だ。

(烏終圭が閃光を放ちながら、上に引っ張られるように消失する。)

[記録終了]


終了記録: この事案において、烏終圭と共に周辺の記録装置が一部消失しましたが、その他の物品や人員に被害は出ていません。

モーゼイ博士の覚書

どうやら、喜ばしくない形でSCP-7000を知るピースが全て揃ってしまったようだ。


SCP-7000の全容の解明に伴い、当報告書は大幅に更新されました。最新版はこちらから閲覧してください。(要5/7000クリアランス)

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構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。

中編

短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。

長編

構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。

事前知識不要

特定の事前知識を求めない下書きが該当します。

フォーマットスクリュー

SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。


シリーズ-JP所属

JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。

シリーズ-Other所属

JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。

世界観用語-JP登場

JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

世界観用語-Other登場

JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

ジャンル

アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史

任意

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利用ガイド

  1. portal:5018858 (05 Jun 2019 10:46)
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