靴紐のヤード法のくだりあり

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - この靴紐すぐ解けンだけど？！
著者: ©︎Snma
作成年: 2023

新品の靴に通され活性化したSCP-XXXX-JP

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-57およびサイト-8157の機密収容ロッカーに細分されて保存されます。SCP-XXXX-JPの持ち出しには書類提出による審査が必要です。

説明: SCP-XXXX-JPは計124,667束の異常性を持った靴紐です。発見時は124,815束でしたが、72束は回収を前提としない作戦に使用され、76束は実験において消費されました。SCP-XXXX-JPは同一の規格で製造されており、ポリエステル製で、全長1.20m、幅0.008m、厚み0.003mで全体が蛍光緑で彩色されています。

SCP-XXXX-JPは靴に通され、靴を履いた人物(以下、着用者と呼称)に蝶結びの状態に結ばれることで活性化します。靴に通されている間、SCP-XXXX-JPは完全な破壊耐性を持ちます。着用者が移動を始めると、SCP-XXXX-JPの中点¹がSCP-XXXX-JPが結ばれた際の位置からユークリッド距離で丁度144.018m(157.5ヤード)移動した瞬間、SCP-XXXX-JPに位相幾何学的変化が発生し、綻んだ状態になります。

SCP-XXXX-JPに変化が発生した直後、着用者はSCP-XXXX-JPを結ばなければならないという強迫観念に囚われます。強迫観念に囚われている間、SCP-XXXX-JPの中点の移動は出発時の中点の位置を中心とする半径144.018mの球面上のみに制限されます。この強迫観念は無視できる程度のものであり、無視しない場合でもSCP-XXXX-JPを結び直すか靴の着用を止めることで治まります。

SCP-XXXX-JPは1970年代に米国で発見されました。「すぐに解けてしまう靴紐」として新聞などで取り上げられたことが財団の目に止まり、その後、製造元に残っていた在庫や既に購入されたものが回収されました。SCP-XXXX-JPの製造元自体には異常性は確認されませんでした。

██博士によって行われた諸実験により、SCP-XXXX-JPに起きる変化のトリガーは着用者の存在する座標系や力学系に完全に適合²しうることが判明しました。このことはSCP-XXXX-JP自身の破壊耐性の高さを考慮すると、財団の持つ様々な技術と組み合わせることによりSCP-XXXX-JP自身が多種多様な異空間に対して、"完全なメートル原器"として機能しうることを示唆していました。この有用性が評価されたことでSCP-XXXX-JPのThaumiel指定が行われました。

補遺: SCP-XXXX-JPは1970年代の収容後、様々な異空間の測定に用いられてきました。特に、異空間研究を主導していた米国の財団本部の下で主に使用された歴史を持ちます。

運用の初期、SCP-XXXX-JPによって測定される単位距離の換算がメートルよりもヤードの方が比較的容易であること、当時米国においてヤードが慣用的に使われていたことから、米国においてSCP-XXXX-JPはヤード原器としての側面を強く持つようになりました。

そのため、異空間用設備の多くはヤード法の下で設計、製造されてきました。この技術の一部がフロント企業などを通じて一般社会にも提供されたことを考慮し、SCP-XXXX-JPを米国におけるヤード法の部分的な存続³の遠因であるとする指摘がなされています。

付与予定タグ: scp,jp,thaumiel,異次元,感覚,数学,装飾品,道具,破壊不可能

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