SCP-XXXX-JP - 靴紐の綻びは足を引っ張る

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 靴紐の綻びは足を引っ張る
著者: ©︎Snma
作成年: 2023

新品の靴に通され活性化したSCP-XXXX-JP

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは運用上の理由から、財団本部および様々な支部の、指定されたサイトで機密収容ロッカーに保存されます¹。SCP-XXXX-JPの持ち出しには書類提出による審査が必要です。

説明: SCP-XXXX-JPは蛍光緑色の靴紐です。SCP-XXXX-JPは同一の規格で製造されており、ポリエステル製で、全長1.20m、幅0.008m、厚み0.003mです。現在は124,667束が現存しています。

SCP-XXXX-JPは靴に通され、靴を履いた人物(以下、着用者と呼称)に蝶結びの状態に結ばれることで活性化します²。靴に通されている間、SCP-XXXX-JPは完全な破壊耐性を持ちます。以下、結ばれた際のSCP-XXXX-JPの中点³の位置を出発点と呼称します。着用者が移動を始めると、SCP-XXXX-JPの中点と出発点の間のユークリッド距離が丁度144.018m(157.5ヤード)になった瞬間、SCP-XXXX-JPに位相幾何学的変化が発生し、綻んだ状態になります。

SCP-XXXX-JPに変化が発生した直後、着用者はSCP-XXXX-JPを結ばなければならないという強迫観念に囚われます。強迫観念に囚われている間、SCP-XXXX-JPの中点の移動は出発点を中心とする半径144.018mの球面上のみに制限されます。この強迫観念は無視できる程度のものであり、無視しない場合でもSCP-XXXX-JPを結び直すか靴の着用を止めることで治まります。

SCP-XXXX-JPは1970年代に米国で発見されました。「すぐに解けてしまう靴紐」として新聞などで取り上げられたことが財団の目に止まり、その後、製造元に残っていた在庫や既に購入されていたものが回収されました。SCP-XXXX-JPの製造元自体には異常性は確認されませんでした。

収容後に行われた諸実験により、SCP-XXXX-JPに起きる変化のトリガーは着用者の存在する座標系や力学系に完全に適合⁴しうることが判明しました。このことはSCP-XXXX-JP自身の破壊耐性の高さを考慮すると、財団の持つ様々な技術と組み合わせることによりSCP-XXXX-JP自身が多種多様な異空間に対して、"完全なメートル原器"として機能しうることを示唆していました。有用性⁵と唯一性⁶が評価されSCP-XXXX-JPのThaumiel指定が行われました。

補遺: SCP-XXXX-JPは有用性が確認されて以降、従来の方法での測定が困難な様々な異空間の測定に用いられてきました。特に、異空間研究を主導していた米国の財団本部の下で主に使用された歴史を持ちます。

運用の初期、SCP-XXXX-JPによって測定される単位距離の換算がメートルよりもヤードの方が比較的容易であること、当時米国においてヤードが慣用的に使われていたことから、本部による実地運用において、SCP-XXXX-JPはヤード原器としての側面を強く持つようになりました。

そのため、異空間用装置の多くはヤード法の下で設計、製造されてきました。この技術の一部がフロント企業などを通じて一般社会にも公開されたことを考慮し、SCP-XXXX-JPを米国におけるヤード法の部分的な存続⁷の遠因であるとする指摘がなされています。

Footnotes

1. 指定されたサイトの一覧については別資料を要参照

2. 他の結び方、例えば片結びや二重結びでは活性化しない

3. SCP-XXXX-JPの内部の、端から長さで0.60m、幅で0.004m、厚みで0.0015mの位置にある点

4. この場合、任意の座標系や力学系に対し、活性化条件である144.018mという距離が正確に計測されているという意味

5. 財団の興味の対象である異世界の殆どは財団世界と同一の力学系であることが少ないため

6. 異常性を持たない力学的対象(物質やエネルギーなど)の位相情報は座標系や力学系と独立ではない(ウルムント=ベッケンハイムの定理)ことが知られている

7. 現在でも米国では航空機製造などにおいてヤード法が慣用的に用いられている

付与予定タグ: scp jp thaumiel 異次元 感覚 国外収容 装飾品 道具 破壊不可能

+ 批評される方へ

アイデア: 絶対157m歩くと解ける靴紐、ヤード法が現在でも使用されている諸悪の根源
靴紐が有用なThaumiel + ヤード法の諸悪の根源 = 面白い！！！
気になる点

• 言い回し
• UV or NV or DV
• 補遺は蛇足ではないか(ごちゃごちゃしすぎてないか)

Q＆A

• どうやって運用するの

義足に靴及びSCP-XXXX-JPをくっつけて射出します。
そこからの換算などは財団の設備でどうにかなるものとします。

よろしくお願いします！

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ファイルページ: 靴紐

ソース: flickr
ライセンス: CC BY 2.0

タイトル: Brightly colored green ASICS running shoes
著作権者: Marco Verch
公開年: 2018
補足: Snmaにより加工

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  発想は良いが、Thaumielとは思えないのでNV

  sotabon 05 Jan 2023 05:03

  壊れないのはさておき、157m歩くとほどけるというのは確かに完璧なメートル原器として使えて便利ですが、それだけでThaumielなのは違う気がします。そもそもThaumielクラスのオブジェクトの扱いはオブジェクトクラスのガイドによると

  ---

  Thaumielクラスのオブジェクトは存在そのものが財団における最高レベルの機密であり、その所在、機能、現在の状態はO5評議会以外では非常に限られた職員にのみ知らされます。

  ---

  と述べられているので、最高レベルの機密になるべきものを標準収容ロッカーへの収容で済ますのはおかしい気がします。
  それに、一定の距離で必ずほどける”だけ”では、個人的にはAnomalousアイテムに分類されるべきだと思ってしまいます。

  sotabon 05 Jan 2023 05:04

  壊れないのはさておき、157m歩くとほどけるというのは確かに完璧なメートル原器として使えて便利ですが、それだけでThaumielなのは違う気がします。そもそもThaumielクラスのオブジェクトの扱いはオブジェクトクラスのガイドによると

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  Thaumielクラスのオブジェクトは存在そのものが財団における最高レベルの機密であり、その所在、機能、現在の状態はO5評議会以外では非常に限られた職員にのみ知らされます。

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  と述べられているので、最高レベルの機密になるべきものを標準収容ロッカーへの収容で済ますのはおかしい気がします。
  それに、一定の距離で必ずほどける”だけ”では、個人的にはAnomalousアイテムに分類されるべきだと思ってしまいます。

  sotabon 05 Jan 2023 05:05

  すみません。間違えて二回送ってしまいました。

  批評ありがとうございます！

  Snma 05 Jan 2023 05:40

  多重送信の件、把握しました。Wikidotずっと調子悪いですよね…

  確かにThaumielにしては扱いが雑だな、と自分も感じたので、もう少し待遇を良くする方向に改善しようと思います。

  このアイテムのAnomalousっぽさについてなのですが、ヘッドカノンとしてAnomalousは扱いが雑な印象があるので、こちらも前述の通り、脱却できるように努めようと思います。

  ありがとうございました！

  Kajikimaguro 05 Jan 2023 10:25

  拝読致しました。

  リビジョン12時点の批評です。

  説明:

  靴紐の素材も記載した方が良いと思います。現代ではウレタン(製造が楽で大量生産し易いが寿命が短い)なども存在しますので…出来ればで良いのですが画像か説明などでどの様な形状の物なのかがあると嬉しいです。スポーツ目的のものなど靴紐と言っても種類はありますので…。また、製造実験などの試みについての記載もあった方が良いかもしれません。財団が異常を製造しようとするという矛盾が発生し得ますが距離の測定という点において非常に有益であるのには変わりありません。

  協議の末了承されました。

  協議の末に了承されました。の方が宜しいかと、融合した1単語の様に見えてしまいます。

  個人的には面白い観点であり、UVではあるのですがsotabonさんも仰られている様にThaumielクラスへの分類には薄い気がします。流石にAnomalousアイテムとまでは行きませんがもう少し捻りが欲しいと思います。この捻りに関しては異常性はそのままに、何らかの出来事を絡める事により意外性などが付与されるのではないかなと思いました。

  「SCP-XXXX-JPを完全に解いてる状態¹で装着する事によって"靴紐が解けている靴を履いている人"と言う強固な現実性、神格の付与が発生する事が財団現実改変部門と財団戦術神格共同研究により判明しました。これによって"靴紐が解けている靴を履いている人"と言う強固な現実を保つ事が可能となり、低現実性領域に於いても希釈現象の低速化/対現実改変効果を得る事が出来、一時的神格の付与により神格的存在に対しての有効打を発生させる事が可能です。これは"靴紐を結ぶ"という行為により有効性が消失する為、実質的にこの副次効果を目的とした場合ユークリッド距離で157mを移動する事が出来ません。」「現在サイト-8101を含めた財団の重要施設警備担当に対し装着させるか否かを協議中です。」みたいな？これはちょっと思いついた案程度なので無理に取り入れずとも問題ありません。

  記事作成頑張ってください。

  Footnotes

  1. この際、SCP-XXXX-JPの大部分は靴底以外で拘束されている状態であってはならない。

  最後の編集 05 Jan 2023 10:26 by Kajikimaguro さらに表示

  批評ありがとうございます！

  Snma 05 Jan 2023 10:39

  表記について、ご指摘の通り直されていただきます。

  また、お二方に指摘されたThaumielへの説得力が足りないという点について、もっとアイデアを練り、立派なThaumielにできるよう努力します。

  ありがとうございました！

  EianSakashiba 11 Jan 2023 09:29

  読ませていただきました。現状ですとnvかな…とは思います。

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  個人的に気になった点が2つあります。
  最初に話の構成が少しストレートすぎるなと思いました。Snma様はスポイラーで「こんなオブジェクトがThaumielになるのかという拍子抜け感が狙い」であるとと仰っていましたが、オブジェクトクラスが最初に表示される報告書のフォーマットですとその驚きと拍子抜け感がどうしても削がれてしまいます。「こんな大きな機械でもなければ現実改変能力も持たない靴紐がそうはならないだろう」という偏見も、ある程度財団で記事を読んできた読者は抱くことはないと邪推します。大変申し訳ないのですが、個人的には157mという具体的な数字が出てきた時点でメートル原器というThaumielとしての利用法までピンと来てしまいました。(ここは完全に個人の所感だとは思いますが)

  2つ目は、他の方も仰っている通り大変申し訳ないのですがまだThaumielとしての説得力に欠けるというものです。「SCP-XXXX-JP自身が多種多様な異空間に対して、"完全なメートル原器"として機能しうることを示唆していました。」ということはこれは異空間オブジェクトの探索時に着用するということですよね？常に危険が存在する未知の空間にて「靴紐を結ばないと気が済まない」という致命的な隙を作るこのオブジェクトは、財団の機動部隊は進んで使用しないのではないかと思いました。ただ2点目はここまで考えなくてもいいかもなとは思いますが…

  長文失礼致しました。個人的になるほどと思ったアイデアでしたので、拙文を全部参考にするのではなく取捨選択をお願いします。投稿をお待ちしております。

  批評ありがとうございます！

  Snma 11 Jan 2023 11:32

  • 1つ目のご指摘について

  確かにそうですね。参考になるかと思っていくつか短いThaumielを読み返したのですが、評価されているのは拍子抜け感ではありませんもんね。展開について再度考えてみようと思います。

  • 2つ目のご指摘について

  やっぱりそうですよね。皆さんから頂いている問題点なので、1度時間をかけて改善を試みたいと思います。特に強迫観念の下りは実用面において普通に危ないですね……。改善させていただきます。

  アイデアを褒めていただいて嬉しいです。何とかこのアイデアを活かせるよう頑張ります！

  ありがとうございました！

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