承認されました。報告書を出力します。
本報告書はSCP-1840-JPの認識災害の効果を調査するために行われた下記の基部調査1840-JP-4実行時にD-392876に取り付けられたα-型思考解析装置から発信された信号を文章化したものになります。
調査記録1840-JP-4 - 201█/11/26
対象: SCP-1840-JP-1
調査員: D-392876 (ヘリコプター操縦経験 有)
調査方法: █████地区から2.5km離れた位置よりD-392876がSCP-1840-JP-1を確認した後に、一人乗りヘリコプター(特定の信号により外部から破壊可能)に搭乗し、SCP-1840-JP-1の500mまで接近し帰還する。
結果: 帰還後、D-392876はSCP-1840-JP-1の基部は手前のビルに隠れており確認できなかったこと、またSCP-1840-JP-1を観察しているとき、終始SCP-1840-JP-2がこちらを見ていたことを報告した。調査終了後、D-392876にはクラスC記憶処理が施された。D-392876は2週間後に消失した。
201█/11/25 16:00 記録開始
-201█/11/25 (記録 0日目) -
今日から俺はSCP-1840-JPの担当職員となった。
どうやら、先日にSCP-1840-JPに関して重大なインシデントがあり、その調査を兼ねた実験を明日行うそうだ。
実験では、進路を逸れたら自爆するという条件が付いているが、俺がヘリを操縦できるらしい。
事件を起こしてから何年も乗っていない。正直、楽しみでしょうがない。
-201█/11/26 (記録 1日目) 11:10-
調査の拠点となるビルの屋上に到着した。ビルには今回の調査に用いられるだろうUH-1がヘリポートに着陸している。
インシデントの事前報告から、今回の調査はかなり危険を伴うらしいが、自分としては東京上空をUH-1で優雅にクルーズしたら調査完了になるご褒美のような任務だと思った。
ヘリに乗る前に他の職員とSCP-1840-JP-1を確認した。
ここから見たSCP-1840-JP-1は、なんてことの無い普通の白い高層ビルに見える。しかし、数十名の職員の消失を招いたオブジェクトであることは変わりなく、油断は禁物だ。
俺はUH-1に乗り込んだ。本来UH-1はパイロット含め13名人間を載せられるが、今回の任務では俺一人しか搭乗せず、残りは調査用のよく分からない機械と逃走防止用の爆弾が積まれていた。
拠点のビルからSCP-1840-JP-1に向かって前進する。
SCP-1840-JP-1から1kmの地点で現状を報告した。
『SCP-1840-JP-1の基部は確認できず、異常は確認できません。』
報告の後、本部より500mまで接近して状況を報告するように指示された。
SCP-1840-JP-1から500mの地点に向かって前進する。
前進している途中からSCP-1840-JP-1に違和感を感じるようになった。たしかにSCP-1840-JP-1は他のビルと同様に〘建って〙いるはずなのだか、SCP-1840-JP-1だけ極めて鮮明に作られたハリボテでないかという感覚に陥ってしまう。
SCP-1840-JP-1から500mの地点に到着し、SCP-1840-JP-1の様子を双眼鏡で観察したとき、背筋が凍った。
何十階あるSCP-1840-JP-1の窓辺にいるすべての人間❨SCP-1840-JP-2❩が自分を見ていた。
数秒の間ぼーっとしてしまったが、本部からの応答要請を聞き、我に返って現状を報告した。
その後、ヘリをUターンさせ、SCP-1840-JP-1を一度も見ずにそのまま拠点のビルへ戻り、記憶処理を受けた。
とにかく、早くSCP-1840-JP-1、SCP-1840-JP-2のことを忘れたかった…
-201█/11/27 (記録 2日目) -
前日にBクラス記憶処理を行ったため、前日に自分が何をしていたのか思い出せない。
しかし、担当の伏見博士より任務の達成が告げられた。
そして達成の褒美として、監視付きではあるが東京都内を3日間観光して良いことになった。
Dクラス職員としてはこの上ない待遇であると思う。
私はすぐに観光の計画を立て、実際に観光した。
-中略-
(渋谷、六本木、浅草、お台場、東京、上野等を観光)
-201█/12/1 (記録 6日目) -
観光が終わり、またサイト-XXXXに戻るときが来た。
俺はサイトへ向かうマイクロバスに乗り込み、窓から景色を眺め、東京を惜しみつつサイト-XXXXへ向かった。
サイトに向かう途中、八王子IC付近において、違和感に気がついた。
マイクロバスの車窓からゆっくり流れる景色の中に、月のように全く動かない建物があった。
白い高層ビルであり、八王子辺りにあるような高層マンションではなく、オフィスビルに近い感じだ。
流れる風景に対してそのビルだけが動かない以外特に異常はないが、そんな現象ははたしてあるだろうか。
まもなく大月ICに差しかかる。あの白い高層ビルが異常な存在であることを確信した。
周囲が山に囲まれているにもかかわらず、山の陰からぽつんと一棟ビルが建っている。
多分、記憶処理を受ける前に、何かこいつの影響を受けるような行為をしたのだと思う。
今、この異常なビルについて他の職員に言ったほうが良いだろうか?
しかし、もし今の状態がとてつもなく深刻な事態であり、報告後に自分が終了措置される可能性もある。
今はまだ報告しないでおこう…
中略
-201█/12/9 (記録 14日目) -
今、俺はサイト-XXXXの自分の部屋に篭っている。
結論を言うと、多分昨日他の職員へ異常ビルのことを報告するべきだった。
サイト-XXXXに到着してから分かったことだが、あのビルは他の流れる風景に対して留まっているだけでなく、目を離す度に徐々に近づいていく性質を持っていた。
それに気づいたのは、サイト-XXXXへ到着して3日後、サイト-XXXXを囲む壁よりも内側に白いビルが現れたからだ。
ここまで近づいたことで、白いビルの中の様子を肉眼でも見えるようになった。
白いビルの窓にはびっしりと人が並びながらこちらを見ていた。
俺は怖くなり、逃げるように自分の部屋に篭った。Dクラス職員の部屋に窓が無いことを感謝したのは今が初めてかもしれない。
これから先、どうすれば良いか全く分からない。
絶望を感じながら部屋に篭っている自分に対して職員から声がかかった。
『D-392876、ここ数日何も食べていないが大丈夫か?』
その声に俺も返答する。
『大丈夫ではないが、白いビルが迫っていて外に出られそうにない。』
自分で言っておいて何だか、まともな返答でない。
それに対して職員は割と丁寧に回答してくれた。
『君は今から約2週間前にSCP-1840-JPの調査を行い、その後記憶処理を受けた。その迫ってくる白いビルはSCP-1840-JP-1であり、もう一度記憶処理を行えば、SCP-1840-JP-1の接近を抑えることができるかもしれない。
だから、扉を開けてくれないか。』
もはや、記憶処理しか自分には手段がないことを何となく自覚していたため、俺はフラフラと扉に向かい、扉を開けた。
扉の向こうはビルだった。
201█/12/09 19:47 記録終了
基部調査1840-JP-4に対する伏見博士のレポート
本調査はSCP-1840-JP-1の基部の調査に加えて、SCP-1840-JP-2群に凝視された後の認識災害に対する記憶処理の効果を調査する実験であった。
基部の調査については残念な結果となったが、認識災害に対する記憶処理後の効果に関してはとても貴重なデータを得ることができた。調査を実行したD-392876に感謝している。
本調査で確認できた点を簡潔に挙げると
①:SCP-1840-JP-2に凝視された場合、記憶処理を行ってもSCP-1840-JP-1が消失しない
②:一方で記憶処理を行うことで、SCP-1840-JP-1の接近を抑えられる
の2点が挙げられる。
①については上記の記録データより自明であるが、②に関しては不明な点が残る。記憶処理後にSCP-1840-JP-1がD-392876に接近した場合、観光中の11/27〜12/2(記録2〜6日)の間に消失するはずである。
しかし、実際にSCP-1840-JP-1が接近を開始したのは記録6日目の大月IC頃である。したがって、SCP-1840-JP-1の接近開始はSCP-1840-JP-1が異常なオブジェクトであると知覚することがトリガーとなっている可能性が非常に高い。
そのため、今後SCP-1840-JP-2に凝視された職員はSCP-1840-JP-Aと定義し、記憶処理の後に、SCP-1840-JP-1が発生しても異常ではないと認識可能な地域へ移動させる必要がある。
また、SCP-1848-JP-Aによる本報告書の閲覧はSCP-1840-JP-1の接近を誘発する恐れがあるため、本報告書の閲覧には担当職員の承認を必要とすること。
拝読しました。あまり面白くありませんでした。
おそらく意図しない改行をしてしまっていると思います。(そうでなければ第一文の主述の関係がおかしくなります)。
また、声帯の振動から思考を解析するというのは少し突飛すぎると思うので、もう少し説得力のある別の機器を用いたほうが良いと思います。
内容面について、発生している現象が基本的に元記事(SCP-1840-JP)にある異常性ほとんどそのままであり、あまり面白いと感じませんでした。また、展開的にも緊張感やどんでん返し、感情を動かされるようなドラマなどが欠けていると思います。
報告書の内容を応用したオブジェクトの活用法や、起承転結の展開を意識して、一からプロットを考え直してみる必要があると思います。
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k-cal 様
貴重な感想をいただき、ありがとうございます。
改行を無くしました。ありがとうございます。
私もこちらのtaleでの出来事が元記事に近いと言うことは感じておりました。
しかし、実は一つだけこの記事にはどんでん返しがあり、それを発信したいために、今回のtaleを書きました。
それはSCP-1840-JP-Aの存在になります。
確かに「記憶処理を受けた人物が再度異常性の対象になる」こと自体は元記事にはない新しい解釈だと思います。ですが、これがどんでん返しだとはあまり思いませんでした。
どんでん返しというのは「不可能だと思ったことが(何らかの方法で)達成される」「信じていたあることが、実は間違っていた」などの展開のことです。必要なのは読者の予測・事前知識を裏切ることであり、読者が何らかの予測を持っていることが重要です。この予測・事前知識という点について、二つほど問題があると思います
1. 何が重要かわからない
物語の目標などが提示されていないため、読者はどの情報が重要なのかわかりません。重要でない予測や事前知識がひっくり返されても、読者は「ああ、そんな情報があったな」としか思わないでしょう。
物語の目標を設置し、「記憶処理を受けた人物は異常性から解放される」という情報の真偽が物語の目標の達成に大きく関係するようにすれば、その情報の真偽の重要性は上がっていきます(物語の筋から書き直していく必要がありますが)。
もしくは力業的に、「記憶処理を受けた人物は異常性から解放される」ことを何度も繰り返して読者に強く認識してもらうという手もあるとは思いますが、それだけではどうしても質は低くなってしまうと思います。
2. Dクラス職員が被害に遭うことが最初から分かっている
実験結果のところで最初から被害に遭うことが明確にわかっているので、記憶処理を受けたところでオブジェクトの影響から抜け出せないだろうことが初めからわかってしまっており、どんでん返しが機能していません。
次いで、オチの部分についてですが、おっしゃるような狙いを達成するにあたって、二つの問題があると思います。
1. 読者が重要な情報を忘れている
Taleの最後まで行ったところで、読者は自分がSCP-1840-JP-Aだということを忘れていると思います(そもそも最初の時点で意識できていないかもしれません)。私もオチの時点でこの情報はすでに意識から外れていました。オチに必要な情報は、さりげなく何度も登場させるなどで、読者の意識にしっかりと刻みつける必要があります。
2.日常的なリアリティに欠ける
このようなホラーでいう「お前だ!」オチ、すなわち読者を巻き込んだオチは、読者がその内容に日常的なリアリティを感じている必要があります。もっと正確に言えば、「自分にも起こるかもしれない」「明日は我が身」と不安に思うからこそ、ぞっとするわけです。
このTaleの内容はテーマ・設定の時点で読者の日常からかけ離れた内容になってしまっているため、「あなたも異常性の対象だよ」と言われても、「いやーそんなことないけどな(現実にSCP-1840-JPはないため)」と思ってしまい、感情が動かされません。
それならば、物語の主人公を明確に設定し、読者には主人公へ感情移入をしてもらったうえで、最後に主人公がSCP-1840-JP-Aだったことが明らかになる、といった展開の方が、感情を動かすことができると思います。読者がSCP-1840-JP-Aになることは絶対にありえませんが、物語の世界の中にいる主人公ならば、SCP-1840-JP-Aである可能性があるからです。
全体的に考えると、挙げられているどんでん返しや狙いを達成するためには、一度物語の筋を作り直していく必要があると思います。
批評に対するご意見・ご質問で返信が必要なものにつきましては、ディスカッションで返信の形で投稿いただいたうえで、PMにご一報ください。SB3のフォーラムは追っていませんので、ディスカッションへの投稿だけだと気づけない場合がございます。
非常に具体的なアドバイスありがとうございます!!
個人的に、本taleで伝えたい内容としましては
下記のような内容になります。
しかし、私自身の文章力が無く、今の文章となってしまいました。
①∶SCP-1840-JP-1 が異常なビルであると認識していると、SCP-1840-JP-1が徐々に接近してきて最終的には連れ去られてしまう
②∶SCP-1840-JP-1 が異常な存在だと認識しなければ、①の接近が行われないため、記憶処理はSCP-1840-JPに対して一定の効果がある。
(SCP-1840-JP-1自身は存在し続けるが、本人はSCP -1840-JP-1を普通のビルと認識するため接近して来ない。)
そのため、①の状態となった職員には原則記憶処理を行う。
③∶一方で①の接近状態後に記憶処理を行っても、環境によってはSCP -1840-JP-1を異常なビルと再度認識してしまい、再度接近フェーズに移行してしまう場合がある。
④∶記憶処理を行っても自分とSCP-1840-JP-1との距離は維持される。(最も接近してきた位置で固定される。)
⑤∶あまりにもSCP -1840-JP-1と距離が近すぎると、記憶処理後にすぐに異常に気づいてしまい消失してしまう。
⑥∶①〜⑤の情報は有用である一方で、①後に記憶処理を受けたSCP-1840-JP-Aにとっては、③の状態になる可能性があるため情報クリアランスを設ける。
上記の6点を元に再度作り直そうと思います。
個人的にはこの記事を読んだ人が、自分の身の回りに不審なビルが無いか調べたくなるようなtaleを書きたく思っております。
不要だと思う点や追加した方が良い点がありましたら何卒ご連絡ください。
この度は批評していただきありがとうございました。