記事下書き - 海ぽっかり

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 民間人による発見を防ぐため、SCP-XXXX-JPの周囲500mに進入する全ての船舶は厳重に監視されます。特に、領域内において民間人が深度3000m以深へ潜航する試みは防がれなければなりません。ソナーによる監視体制、財団エージェントによる諜報活動などによって、SCP-XXXX-JPの存在は一般社会から隠蔽されます。

SCP-XXXX-JPに関する新たな情報が確認された場合、まず認識災害部門が災害因子を精査します。その後クリアランスに応じた分類をしたのち、適切な形で研究チームに提供されます。現在、一部の情報は研究チームに対して意図的に隠蔽されており、これらの情報にアクセスしようとする事は懲戒・解雇の根拠となります。何らかの理由によって自身のクリアランスに対応しない情報を入手した場合、可能な限り迅速に適切な記憶処理を行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPはアリューシャン海溝に存在する、いくつかの超自然的な性質をもった空洞です。現在確認されている唯一の開口部は深度████m地点に存在しており、そこから少なくとも300m以上、あらゆる地層を貫通しておよそ垂直方向に続いている事が確認されています。しかしながら、SCP-XXXX-JPの全体構造は未だ明示されていません。

SCP-XXXX-JPは開口部から、常に一定量の海水を排出します。この作用によって、SCP-XXXX-JP内部の水棲生物や異物は物理的に排斥されます。開口部から100m程度までの領域では噴出の勢いが十分に強くないために生物の滞在が確認されていますが、奥へ進むにつれて水流は強くなり、それに伴って観測される生物の数は徐々に減少します。

またSCP-XXXX-JP内部において、観測装置並びに観測者は最大でゴルフ級対抗概念隠蔽に相当する反ミーム的影響を受ける可能性があります。この影響は認識の直接・非直接を問わず、奥へ進むほどその強度は増幅します。これまでに行われた実地調査では録音・録画機器や計器などが機能不全状態に陥り、再度上昇するまで効果が継続するという事態が発生しました。

この異常性はSCP-XXXX-JP内部の探査を妨げる最も大きな要因となっている一方で、具体的な条件・原理・もたらされる結果には現在も多くの不明点が存在します。そのためSCP-XXXX-JPの持つ情報隠蔽作用に対しては、反ミームという単一の視点に限らず、認識災害、超常物理学、超常心理生理学、霊体学などからの多角的な考察がなされています。

添付資料XXXX-JP:

調査報告書: 調査XXXX-JP


概要: 調査XXXX-JPはSCP-XXXX-JP研究の初期段階に行われた調査であり、オブジェクトの所在状況の確認と性質の解明を目的としています。調査では財団所有の遠隔操作式無人潜水機が活用され、周辺環境の観測が行われました。

本調査で使用された潜水機は、海中探査を目的に作られた汎用型ロボットに簡易的な改造を施したものです。SCP-XXXX-JP内部へ突入するために、降下能力の強化された垂直推進機が搭載されました。潜水機は母船とケーブルで繋がっており、操舵用の信号や映像・音声のやりとりを行います。また白色LEDライトによって限られた電源容量を効率的に使い、カメラの前方を照らして鮮明な映像を撮影します。

調査は以下の手順で行われました。

  • 潜水機の遠隔操作室などを備えた支援船が、SCP-XXXX-JPの位置する海上付近まで航行します。
  • 調査ポイント上で支援船を停止し、クレーンによって潜水機の着水を行います。
  • 潜水機を操作し、SCP-XXXX-JP周辺の状況を観察しながらSCP-XXXX-JPに接近します。
  • 潜水機のカメラからSCP-XXXX-JPを捉える事に成功した場合、まず開口部に接近し浅い部分の調査を行います。
  • その後、SCP-XXXX-JPの内部への潜航、及び深部の観察を試みます。

調査結果: 潜水機はSCP-XXXX-JPから約800m離れた地点に下降し、海底の観察を行いながらSCP-XXXX-JPの位置する方角へ進みました。移動中、SCP-XXXX-JPに関連した物体は見つかりませんでした。

着底から30分後、潜水機のカメラがSCP-XXXX-JPを捕捉しました。開口部は直径100m程度の巨大な円形であり、壁面の地質は周囲と同様の玄武岩質である事が確認されました。また既に報告されていた通り、開口部から水が排出されている様子も捕捉されました。

以下は潜水機がSCP-XXXX-JPへの進入を試みた際のタイムラインです。

00:00:00 潜水機がSCP-XXXX-JP上部へ移動し、SCP-XXXX-JP内部への潜航を開始する。

00:02:38 進入口から50m程度進んだ時点で一度下降を止め、潜水機は機体を回転させて周囲の様子を録画する。壁面に生えたタケサンゴの一種(Isidella sp.)や、北太平洋の深部にて生息が確認されているPseudoliparis1と思しき魚類などが確認出来る。

00:09:40 カメラがSCP-XXXX-JPの内壁を左手に映した状態で、再び降下を始める。下へ潜るにつれてカメラに映る生物の数は徐々に減少していく。

00:12:22 進入口からの深度が100mを記録する。

00:17:19 進入口からの深度が200mを記録する。これ以降カメラが生物を捉える事はない。

00:23:44 進入口からの深度が300mを記録する。

00:25:20 この時点から、録音される潜水機の駆動音や海水の流れる音が徐々に小さくなり、およそ10分後には完全な無音になる。

00:28:15 潜水機に搭載されているカメラの捉える輝度が、不明な要因によって急激に低下する。これ以降、潜水機が300m付近に上昇するまで映像は明確な物体を映さない。

00:30:06 進入口からの深度が400mを記録する。

00:32:41 スラスターの下降能力とSCP-XXXX-JPの水噴出速度がつり合い、潜水機の深度計がここで頭打ちとなる。

00:35:11 SCP-XXXX-JP内部調査の終了が宣言される。潜水機が上昇を始める。


総論: 今調査から得られた情報は少ないものの、SCP-XXXX-JPの性質について重要な知見を得る事が出来ました。潜水機が空洞の内部へと潜る最中、SCP-XXXX-JPは複数の観測装置に対し、何らかの方法で干渉しその機能を制限しました。これについて、SCP-XXXX-JPは自身への観測を妨げるという目的の下でこれらの干渉を行っている様に感じられます。SCP-XXXX-JPは自己秘匿性を有するオブジェクトであると判断して良いでしょう。

しかしながら、依然としてSCP-XXXX-JPの内部環境については調査の余地が大いに残されています。例えばSCP-XXXX-JPの排出する海水の由来、あるいは空洞自体の生成起源といった調査以前から提起されていた問いに対して、その回答となる様な情報は殆ど得られませんでした。また、SCP-XXXX-JPの抗言及性に関してもその存在を示唆されたのみに過ぎず、効果の厳密な分類、発生条件、対抗手段などは依然として未定義です。

私はこのSCiPが、地質学における歴史への考察で重要な意味を持つのではないかと疑っています。この空洞が後々になって掘削されたものだという事も否定できませんが、仮にその起源が人類の出現するよりも遥か前、更には地球に海が生成されるよりも前にまで遡るものだとするとどうでしょうか。いずれにせよ、SCP-XXXX-JPの性質の完全な解明からはまだ遠い段階にあると言えるでしょう。よって私はさらなる調査及び実験の試行が必要であると考えます。

――大井博士


tag: scp jp safe 感覚 観測 記憶影響 強制力 構造 国外収容 視覚 時空間 地質 聴覚 認識災害 場所 反ミーム


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