3日で出来る!不死健康法(旧題:メメント・モリ)

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在までに発見されている全てを小型異常物品収容ロッカーに収容し、一日に一回SCP-XXX-JPの総数を確認してください。総数が減少している場合は担当職員に報告し、減少した分のSCP-XXX-JPが発見されるまで当該施設及び外部へと通じるインターネットを封鎖してください。現在のSCP-XXX-JP総数は57であり、この総数はSCP-XXX-JPの回収状況によって変動します。SCP-XXX-JPを無許可で使用した職員はだれであれ無期限の無力化の対象になり得ます。現在SCP-XXX-JP-2のみで構成された機動部隊わ-9"黄泉軍"が試験的に運用されています。

説明: SCP-XXX-JPは「3日で出来る!不死健康法」と題されたソフトカバー本です。表紙にはタイトルと「永遠の健康をあなたに!」「もう死を恐れなくていい!」などのキャッチコピーが書かれています。ページ総数は342ページであり、紙の素材やインクに異常性は見受けられません。また付録として30mlのメチル水銀1が同梱されていますが、こちらにも異常性は見受けられません。SCP-XXX-JPの内容は不死のメリット及びデメリット、そのデメリットについての反論や過去に不死を探求した人間の紹介や後述のSCP-XXX-JP-1等、全体的に不死へ賛同する内容が記されています。
SCP-XXX-JPの表紙を開いた対象はSCP-XXX-JPを読みたいという強い欲求に襲われます。この欲求は周囲の人が制止する事で止められます。対象はSCP-XXX-JPを読むとSCP-XXX-JPに記されている一連の手順(SCP-XXX-JP-1)を実行しようとします。こちらも周囲の人が制止する事で止められますが、対象は暴力的な手段を含む手段で抵抗を試みます。SCP-XXX-JP-1を実行し終えた対象はSCP-XXX-JP-2へと変化します。以下がSCP-XXX-JP-1の手順です。

1.メチル水銀30ml、手順を実行する者の血液30mlをそれぞれ用意する。

2.メチル水銀と血液を均等に混ぜ合わせる。

3.SCP-XXX-JPに付属している魔法陣が印刷されているプリントを広げ、その上に水銀と血液の混合液を置いて[編集済]。SCP-XXX-JPではこの作業を「聖化」と表現しています。

4.手順3を終えた液体2を朝晩の食事に10mlずつ加え、三日に分けて摂取する。

SCP-XXX-JP-2は体内外からの肉体損傷に強い耐性を持ち、殴打や刺突、服毒といった一般的な手段で肉体に損傷を与える事は不可能です。これによりSCP-XXX-JP-2は老衰以外の手段で死に至る事はないと考えられます。限定的な状況で死に至る事が判明しました。詳しくは補遺を参照してください。

補遺: D-43795へのインタビューの際、予期せぬ出来事が発生しました。以下がそのインタビューです。

対象: D-43795

インタビュアー: ███博士

<録音開始, 20██/04/18>

███博士とD-43795はガラス越しに対話している。

███博士: こんにちは、D-43795。

D-43795: ああ。

███博士: 気分はどうですか?

D-43795: 最高だよ。こんな事なら、もっと早くからやっておくんだった。

(D-43795は非常に晴々とした様子を見せる)

███博士: そうですか。その後体に不調などは?

D-43795: いや、全くないな。健康そのものって感じだよ。

███博士: 健康そのもの、ですか。

D-43795: ああ。俺、昔からお腹がちょっと緩かったんだけどさ。それもこの体になってからは改善されたし、いい事尽くめだ。

███博士: なるほど…。

(███博士は手元のメモ用紙に目を落として書き込む)

███博士:ありがとうございます。ところで、貴方が摂取したあれが何かは分かっていますか?

D-43795: あ、ああ。メチル水銀と俺の血を聖化したやつだろ?

███博士: ええ。メチル水銀がどれほど有毒かはご存知ですよね。

D-43795: そりゃ知ってるがよ、博士。聖化すれば安全になるから心配ないってあの本には書いてあったぜ?

███博士: あれは全て真っ赤な嘘です。あの儀式を終えても、メチル水銀と血液の組成は一切変化していませんでした。

(███博士はD-43795の前に混合液の調査結果が記された紙を差し出す。それを読むとD-43795は見るからに動揺し始める)

D-43795: …じゃあ、なんだ。俺はただ毒を飲まされただけだっていうのか?

███博士: ええ。あれは不死の霊薬ではありません、ただの毒です。

D-43795: そんな……嘘だ、じゃあ何で、あの本は………。

(D-43795は呆然とした後、突然意識を失う)

███博士: …どうしました、D-43795。

(███博士はD-43795を揺さぶるも、D-43795は反応を示さない)

███博士: おい、誰か医療班を!

<録音終了>

D-43795の遺体からは異常性は発見されませんでした。

以上の出来事より、SCP-XXX-JP-2は「SCP-XXX-JP-2自身が死に至る」と思い込んだ時にのみ死に至るのではないかと推測されています。

先のインタビューより考えられるのは、おそらくSCP-XXX-JP-2はプラシーボ効果4で成り立っているという事だ。SCP-XXX-JPに記載されている内容を正しいと信じ込み、SCP-XXX-JP-1を行えば実際に不死になると信じ込む。そうしてSCP-XXX-JP-2になった者は、「自分は死なない」と信じ込む事で実際に不死になる。「死んでしまうのでは」と信じ込む事で実際に死んでしまうのは、何とも皮肉ではあるが。
しかしこれはそう悪い事ばかりでもない、有効活用すれば他のオブジェクトに対抗する手段にもなり得る。少なくとも、我々がそう信じ込んでいる間は。
──███博士


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