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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト‐81██の中危険度物品収容室に収容されています。週に1回メンテナンスが行われますが、その際は専用のゴーグルを着用し、SCP-XXX-JPの姿を直接視認しないように注意してください。SCP-XXX-JP‐1発生時にはSCP-XXX-JPに干渉する前に即座に破壊を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは全長70cmの球体関節人形です。SCP-XXX-JPは通常の球体関節人形と比べて関節の数が増加しており、合計で54個存在します。SCP-XXX-JPは発話を行うことが可能であり、意思の疎通が可能です。
SCP-XXX-JPの異常性としてヒト(以下対象と呼称)がSCP-XXX-JPを直接視認すると、SCP-XXX-JPに対して恋愛感情を抱きます。この際対象はSCP-XXX-JPを自身のものにしようと行動し、多くの場合は自身の居住地へ持ち去ろうとします。居住地が存在しない場合はSCP-XXX-JPを常に保持しようとします。また、この時点ではSCP-XXX-JPは自発的に発話することはなく、問いかけに対し返答を行うのみです。
対象は時間が経過するにつれて性指向がアクロモフィリア1に変化します。そのため対象はSCP-XXX-JPの腕や足の関節を外し始めます。外されたSCP-XXX-JPのパーツは膨張し、体長10cmの球体関節人形(SCP-XXX-JP‐1の呼称)へと変化します。また、外れたSCP-XXX-JPの体部分は瞬時に再生しますが、その際再生したパーツに新しい関節部分が増えています。SCP-XXX-JP‐1は自発的に動くことが可能であり、多くのSCP-XXX-JP‐1が対象の体に縋りつき対象の皮膚をちぎり始めます。この際対象はSCP-XXX-JP‐1の行動に関心を持ちません。また、痛みなども感じずSCP-XXX-JPのパーツを外すことに専念します。対象が死亡するとSCP-XXX-JP‐1は消失し、SCP-XXX-JPは日本国内のいずれかのゴミ捨て場に転移します。
SCP-XXX-JPには左足首に下記の文が書かれたタグが取り付いています。このタグは破壊可能ですが、転移時に同様のタグが再び現れることが分かっています。
岩清水人形店
廃棄品 特別売り出しセール!
お代はいりません。愛してくれるならば、どなたでも持ち帰ってください。
インタビュー記録XXX-JP
対象: SCP-XXX-JP
担当職員: 尾瀬研究員
<記録開始>
尾瀬研究員: では、インタビューを開始します。よろしいですか?
SCP-XXX-JP: ええ、でもあなたの顔が見えないのは残念ね。2
尾瀬研究員: すみません。影響を受けないようにしなくてはならないので、ご了承ください。
SCP-XXX-JP: それにしても、こうしてしっかりと会話をするのは久しぶりだわ。みんな私のことが好きとしか言わないんだもの。
尾瀬研究員: その異常性は、いや、そもそもあなたはどこからやってきたのですか?
SCP-XXX-JP: 私はあの店で生まれたのよ。……いや、私自身はもう少し前から存在していたのだけど。
尾瀬研究員: 人形になる前が存在していたと?
SCP-XXX-JP: えっとねえ……私、本当は人間だったのよ。生きてたの。まあ、今も生きてるんだけど。
尾瀬研究員: ……どのような経緯で人形になったのですか?
SCP-XXX-JP: ……人形になる前、私は夜の街を徘徊していたわ。付き合ってた彼の暴力から逃げるため。私、いっぱい色んな人に告白されてたのよ。でもそのたびに殴られて、蹴られて、押し付けられて。もう、生きたくない。そう思ってたら声をかけられたの。
尾瀬研究員: 声を?
SCP-XXX-JP: ええ、「人形に向いてるな。」って初老の男の人から。そこからの記憶は曖昧ね。気が付いたらショーウィンドウの中で座ってたわ。ガラスに映る私の姿を見た時は愕然としたわ。
尾瀬研究員: 了承はなかったのですか。
SCP-XXX-JP: 無かったわ。でも、どうせ死のうと思ってたし、もういいや。って感じだったわ。むしろ、かわいいお人形になれてうれしかったほどだった。でも。[5秒沈黙]
尾瀬研究員: 何かあったのですか。
SCP-XXX-JP: ある日、ガラスの外を男の人が通り過ぎたの。そしたら、すぐに戻ってきて、私をじーっと見つめてきた。あ、買ってくれるのかな?そう思った。でも次の瞬間彼はガラスをぶち破ったの。ためらいもなく。そして私のお腹をぎゅうっと握り連れ去ったの。そして、私は車でどこかに連れていかれた。そして、しばらく走った後、彼は私の右ひじの関節を外し始めた。とても、痛かったわ。彼の息がかかる感覚は今も覚えてる。[呼気が荒くなる]
尾瀬研究員: 大丈夫ですか。一旦やめましょうか。
SCP-XXX-JP: いいえ、大丈夫。問題ないわ。[深呼吸音]外された瞬間、私は痛みと同時に違和感を感じたの。まるで外された右腕がまだついているような感覚。そしてその感覚は正しかった。暴行を受けた衝撃で頭が動いたとき右腕が見えたの。関節が1個増えてた。でもその驚きよりも、次々に外される関節の痛みのほうが強くて、私は意識を失った。起きた時にはすでに彼の体はなかった。周りには小さな私がいっぱいいた。
尾瀬研究員: その際異常性に気づいたということですね。
SCP-XXX-JP: ええ、でもこの体質は突然変異みたいなものだったの。
尾瀬研究員: それはどういう事ですか?
SCP-XXX-JP: あの後すぐに初老の男の人が私を回収しにきたわ。その後私を見て言ったの。「なんておぞましいんだ」って。その後すぐに左足になにか付けられ私はゴミ捨て場に捨てられた。とても臭くて、辛かった。あとはさっきと同じね。これで満足?
尾瀬研究員: ええ、すみません。辛いことを話させてしまって。
SCP-XXX-JP: ねえ。あなたは私の姿が見えてるんでしょう?私は今、どんな姿をしてるの?私はたくさんの人に愛されてきた。でも、それは本当の愛なの?私は今、愛される体なの?教えてよ。
<記録終了>
補遺: 20██/10/6、SCP-XXX-JPの定期メンテナンス時に突如SCP-XXX-JPの周囲にSCP-XXX-JP‐1が発生し、SCP-XXX-JPの四肢を外し始めました。この際SCP-XXX-JPの関節の合計数は104まで増えました。以下はSCP-XXX-JPへのインタビュー記録です。
対象: SCP-XXX-JP
担当職員: 尾瀬研究員
<記録開始>
尾瀬研究員: なぜ急にあの小さな人形を生み出したのですか?
SCP-XXX-JP: 見てしまったから。
尾瀬研究員: はい?
SCP-XXX-JP: あのメンテナンスをした人のつけてた金属製のバインダーに!私の姿が映ってたの!ねえ!どうして私に教えてくれなかったの!私がこんなに醜いってことを!どうして![SCP-XXX-JP-1が発生する。]
尾瀬研究員: 落ち着いてください!
SCP-XXX-JP: どうして!私がこんな体なのに、あの男の人たちは私を愛してくれたの?あの愛の言葉は嘘だったの?なんであの男の人は私をさらに醜くしようとしたの?ねえ、愛って、人をこんなにも傷つけるものだったの?
尾瀬研究員: とりあえず、冷静にーー
SCP-XXX-JP: ……ああ、そうなのね。[SCP-XXX-JP-1の発生が止まる。]
尾瀬研究員: え?
SCP-XXX-JP: 私は人形だから。誰も私を傷つけてると思ってないのね。ただ喋る人形だと思ってたのね。誰も、私そのものを愛してくれないのね。
<記録終了>
終了報告書: その後、SCP-XXX-JPが問いかけに反応しなくなったため、インタビューを終了しました。以降、SCP-XXX-JPは定期的にSCP-XXX-JP‐1を発生させるようになりました。そのため、特別収容プロトコルが改訂されました。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:4711359 (17 Dec 2018 08:06)
拝読させて頂きました。
何だか財団が意図的に破壊を試みたように感じてしまいます。言い方を変えるか、特にこの情報が重要とも思えませんでしたのでバッサリ削ってしまっても良いと思います。
少しネーミングが微妙かなと思いました。「ヨットイデ」というままごとに関する儀式か何かがあったりするのでしょうか?私の方でも少し調べてはみましたが見つけられませんでした。調査力不足なら申し訳ないです。いずれにしても、浮いているような印象を受けます。
誤植だと思います。
>SCP-XXX-JPに干渉する
接触などのほうがいいかもしれません
>合計で54個存在します。
54箇所としたほうがいいかもしれません
>押し付けられて。
押し倒されて のほうがいいかもしれません
>もういいや。って感じだったわ。
もういいや、 としたほうがいいかもしれません