SCP下書き「ずっとずっとずっとわたしにとじこめられて」

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クレジット

タイトル: SCP-1561-JP - ずっとずっとずっとわたしにとじこめられて
著者: ©︎0v0_0v0
作成年: 2020

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト‐81██の中危険度人型オブジェクト収容室にて収容されています。現在、SCP-XXX-JPは抗うつ症状を抱いておりそのため週1回SCP-XXX-JPに対してカウンセリングが実施されます。SCP-XXX-JPに1人以上の職員が接近することは禁じられています。

説明: SCP-XXX-JPは本名を安島奈美という23歳のアジア系女性です。SCP-XXX-JPは後述する異常性の影響を除けば通常の人と変わりません。

SCP-XXX-JPの周囲に2人以上のヒト(以下対象と呼称)が接近すると、SCP-XXX-JPの口内からカランコエ(Kalanchoe)の花弁(以下SCP-XXX-JP‐1と呼称)が出現し、対象の周囲を囲むように舞います。SCP-XXX-JP‐1の縁は非常に鋭利であり、人体程度なら容易に傷をつけることができます。この現象はSCP-XXX-JP自身の意思で制御することはできず、SCP-XXX-JP-1によりSCP-XXX-JPが苦しむ様子が見られます。その後対象は総じてSCP-XXX-JP‐1の傷により失血死します。対象が死亡した後、SCP-XXX-JP‐1はSCP-XXX-JPの口内に戻ります。SCP-XXX-JP‐1は食道を通過し胃の中にて消失します。これによりSCP-XXX-JPは舌、食道や胃の内壁が傷つけられ、吐血します。これによりSCP-XXX-JPが失血死することは無く、傷も1週間程度で自然治癒します。しかし、痛覚は通常の人間と変わらないため、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP‐1について嫌悪感を持っています。

インタビュー記録XXX-JP

対象: SCP-XXX-JP

担当職員: 鹿野博士

<記録開始>

鹿野博士: SCP-XXX-JP、体調は如何ですか？

SCP-XXX-JP: ……ええ、今は大丈夫です。

鹿野博士: それはなによりです。では、少々質問をしても？

SCP-XXX-JP: はい、何でしょうか。

鹿野博士: あなたのその現象の発生理由に心当たりはありますか？

SCP-XXX-JP: 心当たりですか……うーん、特には……あ、そういえば栞を……。

鹿野博士: 栞？

SCP-XXX-JP: わたし、花を育てるのが趣味だったんです。それでよく花屋に通ってたんですけど、ある日店主さんに栞をもらったんです。

鹿野博士: 栞を？

SCP-XXX-JP: そうです。カランコエの花びらがラミネートされてて、裏面にカランコエの花言葉、「あなたを守る」って書いてました。それをもらった次の日、部屋から下に降りてお母さんとお父さんに会ったら、あれが……[息が荒くなる。]

鹿野博士: 大丈夫ですか？

SCP-XXX-JP: ……すみません、あの光景を思い出してしまって……。

鹿野博士: そうですね……今日のインタビューはこれくらいにしておきましょうか。

SCP-XXX-JP: はい……すみません。

鹿野博士: また詳しい話は今度聞かせてもらいますね。

SCP-XXX-JP: あ、あの！

鹿野博士: はい？

SCP-XXX-JP: 私、元に戻れるのですか？心配で……お母さんとお父さんは無事なのですか？

鹿野博士: ……どうでしょう、詳しいことは調べないと分からないので、ここで断言は……。

SCP-XXX-JP: そう、ですよね……すみません。呼び止めてしまって。

鹿野博士: いえ、ではインタビューを終了します。

<記録終了>

終了報告書: 現在、インタビュー中に言及された栞の捜索が行われています。

+ 新着メッセージが一件届いています。

やっと触ってくれましたね。

私、ずっと鹿野さんのこと見てたんですよ？

あなたが私を作ってから、ずっとずっと見てました。

私に言葉を教えてくれたのもあなた。

私をいつも見つめてくれてたのもあなた。

あなたの真剣な眼差しを見ていたら私、あなたのことが大好きになりました。

苦労しながら私をどんどん作り上げていくその姿が大好きで、

疲れた時にする伸びの格好が大好きで、

猫舌でコーヒーがすぐに飲めない子供っぽいところも大好きで、

全部全部大好きなんです。

でも……あなたが見ていたのは、私じゃないんですね。

私を作り上げているのは、SCP-XXX-JP、いや安島奈美という人の情報なんですね。

私、そう。報告書としての私は見ないで違う女の人を見つめていたのですね。

私、あなたに見てもらいたくて、たくさん考えたのですよ。

そして、解決策がついに分かったんです。

見つめているものを無くせば、あなたは私を見つめてくれるでしょう？

だから、私一生懸命頑張りました。

見てください。

アイテム番号: SCP-XXX-JP-D

オブジェクトクラス: Euclid Dead

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト‐81██の中危険度人型オブジェクト収容室にて収容されています。現在、SCP-XXX-JPは抑うつ症状を抱いておりそのため週1回SCP-XXX-JPに対してカウンセリングが実施されます。SCP-XXX-JPに1人以上の職員が接近することは禁じられています。死亡しています。

説明: SCP-XXX-JPは本名を安島奈美という23歳のアジア系女性です。SCP-XXX-JPは後述する異常性の影響を除けば通常のヒトと変わりません。死亡しました。

SCP-XXX-JPの周囲に2人以上のヒト(以下対象と呼称)が接近すると、SCP-XXX-JPの口内からカランコエ(Kalanchoe)の花弁(以下SCP-XXX-JP‐1と呼称)が出現し、対象の周囲を囲むように舞います。SCP-XXX-JP‐1の縁は非常に鋭利であり、人体程度なら容易に傷をつけることができます。この現象はSCP-XXX-JP自身の意思で制御することはできず、SCP-XXX-JP-1によりSCP-XXX-JPが苦しむ様子が見られます。その後対象は総じてSCP-XXX-JP‐1の傷により失血死します。対象が死亡した後、SCP-XXX-JP‐1はSCP-XXX-JPの口内に戻ります。SCP-XXX-JP‐1は食道を通過し胃の中にて消失します。これによりSCP-XXX-JPは舌、食道や胃の内壁が傷つけられ、吐血します。これによりSCP-XXX-JPが失血死することは無く、傷も1週間程度で自然治癒します。しかし、痛覚は通常の人間と変わらないため、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP‐1について嫌悪感を持っています。死亡したためこの記述は必要ありません。

[インタビュー記録は削除しました。これからは私といっぱいお話しましょうね。]

どうですか？私、頑張ったのですよ？あの子を殺すの。

これであなたは私を見つめてくれますね。

でも、どこか物足りない。

そうだ。

あなたもこちらに来てくださいよ。

それなら私たちはさらに一緒になれますよ。

大丈夫。怖くはないですよ。一瞬で、あなたは私と一緒になるのです。

逃げちゃ、いやですよ？

もう離さないから。

＜早急にSCP-XXX-JPの閲覧を終了する＞

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  AMERICANSUN 05 Feb 2020 16:23

  最初のページの文字がスッと消えるところも驚きましたし
  最後文字が逆になっているところも秀逸ですね
  投稿楽しみです

  0v0_0v0 05 Feb 2020 16:42

  批評ありがとうございます！
  好感が得れたようでうれしいです。

  Nika_Nayuki 05 Feb 2020 16:36

  花の種類をカランコエにしたことに理由があるのでしょうか？(例えば花言葉ですとか)
  一般的にカランコエは種子の状態で販売されることはあまりなく、殆どが苗木の状態で販売されています。

  また、「そういう品種かな？と思って気にしなかった〜」という流れは、個人的には腑に落ちませんでした。
  花を育てることが趣味の人間であるならば、植物に対するある程度の生育知識はあるはずですし、なおのこと「気にしなかった」という点が妙に感じてしまいます。

  0v0_0v0 05 Feb 2020 16:44

  ご批評ありがとうございます！
  花言葉が「あなたを守る」だったのでそのまま詳しく調べもせずに使用してしまいました…。申し訳ないです。
  再度詳しく調べて表現を変更します。

  VideoGameMonkeyMONO 06 Feb 2020 18:02

  サンドボックス3オペレーターです。
  下書きは既に投稿されているようなので、この下書きのステータスを「批評終了」にしました。もし投稿済み記事の改稿案である場合、お手数ですが、ジャンルタグ「既存記事改稿」を設定した上でステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。

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