赤道ギニア・ビオコ島が独立を宣言

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赤道ギニア・ビオコ島が独立を宣言

公開日 2019年11月22日14:24

赤道ギニアからの独立を問う住民投票を今月17日に実施したビオコ自治州で21日、アンヘル・ムアテテマ知事らが独立宣言に署名した。宣言は議会の承認後に施行される。

独立宣言は、「すべての国家にビオコ共和国を独立国家として承認するよう求める」と述べている。ムアテテマ知事は、演説で「赤道ギニア共和国は再び暗闇の中に戻った。ゆえに我々は、我々自身を暗闇から守らなければならない」と語った。一方でテオドロ・ンゲマ元大統領の国外追放が行われれば宣言を撤回するとも述べた。

ビオコ自治州は2005年4月のクーデターによるンゲマ元大統領の失脚後に制定された憲法でその地位が規定された。それから14年後の9月に二大陸正常回帰事件が発生。事件発生当時、ロペロ・トペテ大統領は大陸部のリオムニに滞在していたため事件に巻き込まれ行方不明となった。

正常回帰後のリオムニでンゲマ元大統領の存在が確認されると、ボニファシオ・ンフベア首相がンゲマ元大統領の大統領復帰を示唆する発言をしたが、民衆が暴動を起こしンフベア首相はリオムニに脱出した。ンゲマ元大統領は大統領復帰後には2005年憲法を無効化し1991年憲法を復活させるとしている。

この一連の動きを受けて、自治州政府と議会は10月1日に独立を問う住民投票実施を決議し、今月17日に政府の妨害を受けながらも住民投票を強行、投票率61%、その内賛成87%で独立は承認された。

なお、ンフベア首相はこの宣言について「意味不明な文字の羅列」、「どこの誰に向けたものかも分からない無教養が書いた文章」と述べて宣言を否定している。


財団は語る

「ビオコ島の主要民族であるブビ族とファン族はかつてのンゲマ政権下では対立していましたが、近年では両民族の融和が進んでいます。かつての赤道ギニアはファン族主体であり、ブビ族は弾圧されていました。そういうわけで、昔からブビ族の多いビオコ島は独立主張があったのです。今回の住民投票は賛成票がブビ族の人口を上回りました。これは両民族が過去の対立を乗り越えて、共に協力し未来へ進むという2005年憲法の精神を体現しているのかもしれません。ですが、この混乱が産業にダメージを与える可能性は否定できません」と財団職員の鳴尾文彦氏は語る。

鳴尾氏も述べたように、ビオコ島の独立は昔から主張されており、1998年には大規模な暴動を起こしている。そのため、独立運動家らはンゲマ政権の下で徹底的に弾圧されていたが、他国は石油ブームによって政権に好意的に振る舞うようになり、非難することはほとんどなかった。しかし、2004年に政権が一部油井の国有化を行うと、一変して各国は政権を非難するようになり、最終的には赤道ギニア亡命政府・ビオコ自治運動主導のクーデターにつながった。

2005年憲法でビオコ島は幅広い自治権を得たが、2019年に就任したンフベア首相が自治権の一部を削減しようとするなどして、ビオコ島民の不満は高まった。さらに、大統領不在の中での発言が不満に火を着け、今回の独立宣言に繋がったのだろう。しかし、赤道ギニア側もなんとかして引き留めたいのが事実である。同国輸出の68%はビオコ島沖の天然資源であるからだ。

また、独立を巡る危機の中で、一部企業は油田からの撤退を表明している。この一件が赤道ギニアを衰退させるのは言うまでもないだろう。


関連キーワード 赤道ギニア 二大陸正常回帰事件


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