コンセプト: このTaleは、タイトルの「冗談じゃない」に掛ける形で以下の2つの「冗談じゃない」について書きます。
1. ジョークを仕事の参考にするなんて冗談じゃない。
2. ジョーク(冗談)のように見えてジョークではない異常存在が存在する。
3. 読者には、作中でジョークとして知られているものが、ジョークじゃない異常であると理解することができる。
気になる点:
1. 紫文字職員の説得に違和感・無理やり感はないか。
2. 地の文がどうしても書けずこの形式にしましたが、読みづらくはないか。
[タイプ音・筆記音]
「そういえばさぁ」
「なんでしょう」
「この前渡したジョーク、どうだった? 参考になったか?」
「いいえ。まったく参考になりませんでした。冗談じゃありません」
「おっ、やっぱり?」
「……どういう意味ですか」
「いやさ、たぶん求めてるものとはズレてるだろうなぁ~……と思ってたのよ」
「そうですね。私は『私のクリアランスレベルで仕事の参考にできる文書が手元になくなってしまったので、何か良い参考文書はありませんか』と聞いたんです。実在しないことがわかりきっているジョークSCPでは参考になりません」
「まぁ言わんとすることはわかるけども、大変だったんだぞ? CL2以下で読める文書で、SCP報告書ではなく、仕事の参考になり得るモノ探すの」
「参考になりませんよ。枕を収容する財団の話と特殊拳法を振るう財団の話のどこが現実の仕事の参考になるんですか? いずれもタチの悪い創作にすぎません」
「いやいや、実在するSCP報告書と同程度には参考にできるってば」
「どう参考にするんですか。すべて作り話だとわかりきっているものを?」
「まぁまぁ……まずさ、この前まで何千種もSCP報告書を読んだ者から見て、事前に出現予測ができた異常存在なんて無かったろ?」
「それはもちろんです。異常存在の発生時期や異常性の予測なんてできません。だからこそ収容・確認済みアノマリーの報告を読み、遭遇時に適切な対処ができるように努めたいんです」
「そうだな。となると前提を崩すようで悪いが、『そもそも既存の報告書を読むことは新規異常存在の収容に役立たない』という見方もできるだろう」
「いいえ、発見されるのは未知のアノマリーだけではありません。事前に情報を得て対策を立てることは確実に有効です」
「そう、もちろん。既存の報告書を読むことは確かに業務上有益だ。が、フィールドエージェントである俺らが遭遇する異常の8割以上は新規のものだ。既存の異常の捜索や収容には、専用のチームだの機動部隊が対応するしな」
「しかし、収容済みアノマリーに遭遇する場合も確実にあります」
「でも見れる報告書は全部読んじゃったんだろ? となると『知識を蓄えて備える』形式の勉強はもう十分だ。昇進を待つしかない。その上で更なる勉強っていうと、ジョークがちょうど良いと思ったんだよ」
「そこがわかりません。何故ジョークなんですか?」
「知識を得たならあとは発展・応用だろ。「存在しない異常を見て、その対策を考える」ってのが実践に近い。収容手順講義でもやる形式だが、あっちと違ってもう登用済みの俺らには、ちょうど良い題材としてジョークがある」
「なるほど……ですが、仮想上の未知の異常としてジョークを利用するのは、実践的とは言えないと思います」
「えっ、なんでよ」
「内容がふざけすぎているからです。現実にあんなふざけたアノマリーは……」
「……あるだろ?」
「……」
「冗談みたいな異常存在」
「……」
「まぁそれ以外にも一応、理由付けはできる。ジョークSCPの多くは、読者を笑わせるために文法的に有効な法則性や傾向にもとづいて書かれてるわけだが、これは現実の異常存在にも言えることだ」
「……どういうことです?」
「異常存在には未知の異常性があって、後から補遺なんかで追記される場合があるが、報告書全体を俯瞰してみると異常性に何かの傾向を見いだせることが多い。まぁ、それは収容から日が経って初めてわかることで、初期収容の時点では意味不明だから被害が出るのが常だがな」
「……」
[足音]
「というわけで、ジョークを読んで、イメージトレーニングを積んでくだサーイ!」
[書類の束を置く音]
「……」
「本部といくつかの支部から、ジョークが苦手っぽいYOUにも読めるように、なるべくわかりやすいやつを選んどいたから!!」
「……」
「でっかいハム! が良いぞ!!」
「……」
「へーい?」
「……自分が好きなジョークを勧めたいだけでは?」
「さぁて!!!!小休止でも取るかなぁ!!!! 休むのも仕事のうちってなァー!!!!」
[足音]
[ドアの開閉音]
「……」
「……冗談みたいな異常存在」
「……」
「……冗談じゃない」
[書類をめくる音]
コンセプト: このTaleは、タイトルの「冗談じゃない」に掛ける形で以下の2つの「冗談じゃない」について書きます。
1. ジョークを仕事の参考にするなんて冗談じゃない。
2. ジョーク(冗談)のように見えてジョークではない異常存在が存在する。
3. 読者には、作中でジョークとして知られているものが、ジョークじゃない異常であると理解することができる。
気になる点:
1. 紫文字職員の説得に違和感・無理やり感はないか。
2. 地の文がどうしても書けずこの形式にしましたが、読みづらくはないか。
前回戴いた批評について: ※解決できた、または解決できてそうな物のみ記載しています。
・ジョークSCPが作中職員たちに受け入れられていることへの効果的な説明が欲しい:
作中のキャラクターが2615-Jをジョーク記事として認識していることから、このTaleは2615-J及び2615と同一の(または近似した)世界線のお話であると言えます。2615-Jの記事内で「ジョーク記事はすべて創作であり、それらは職員の手によって書かれた内輪のジョークである」と明言されているので、これをもって説明とできればなぁと思います。
また、「このTale中ではジョークを財団職員が普通に楽しんでるよ」ということをTale序盤で読者に理解してもらうため、序盤でジョークのネタを交えた会話を取り入れてみました。
・メタ的な表現が混ざっているせいで没入感を損なっている:
これについては執筆中無意識に入れた要素もあると思うので「メタ的な表現」がどこを指すのかイマイチ判断に困り、ひとまず「冗談みたいな異常存在」の一文字ずつをリンクにしてジョークっぽい記事を羅列した部分をなくす方向で調整してみました。
全体的に書き直してみましたが、没入感が増しているかどうか……?
[タイプ音・筆記音]
「そういえばさぁ」
「なんでしょう」
「ジョーク報告書って、どんくらい知ってる?」
「……どういうものかは知っています」
「ほーん? どういう風に聞いてる?」
「SCP報告書の形式をとる、コメディ小説のようなものですね。直轄の部下に報告書のフォーマットを教えるときに使うとか、歓迎会で紹介して新人職員をおどかすのに使うとか、ギャグとして仲間内で笑い合うためだとか、いろいろと書く理由はあると聞いています」
「読んだことは?」
「……一応、あります。ただ、私にはいまひとつ面白さが理解できなくて、前の部署で話題にしていたものをいくつか、概要だけ知っている程度です」
「共振パンチ!!!! とか?」
「有名なものですね。特殊拳法を振るう財団の話だったと思います」
「そうそう、そんなかんじ。あれが使えたら、俺ら現場職もかなり楽できるだろうになあ……」
「……それで、なぜその話を私にするんです?」
「んん……それなんだがな。このあいだ俺に聞いてきた話、あったろ?」
「ああ……先週『仕事の参考にできるような文書を教えてほしい』とお願いした件ですか?」
「そうそう、『私のクリアランスレベルで読める報告書がなくなってしまったので~』てやつ」
「……まさか、ジョークを参考にしろっていうんですか?」
「イエス」
「冗談じゃないですね」
「いやいや、最後まで聞けって」
「今確認したばかりでしょう? 『ジョークは創作』です。暇な職員の落書きにすぎません。それの何を仕事の参考にしろって言うんですか?」
「そうだなぁ、そこらへんについて説明しようか……と言っても、1番の理由は『俺がおすすめしたいジョークがあるから』なんだがな?」
「仕事の参考になる資料が欲しいんですが……」
「まぁまぁ続きを聞くんだ。例えばだな……『ジョーク報告書ではないけど、「なんだこれは、ふざけてるのか?」って思わされるような報告書』って、見た憶えない?」
「……たとえば何でしょう?」
「そうだなぁ、『自分のせいで誰かが転ぶのを見ていられないバナナの皮』とか『座るとアメリカまでブッ飛ばされるイス』とかかな? ジョークだったらかなり笑うところだ」
「たしかに、ジョークだと聞かされて読んでいたらそう信じていたかもしれません。しかし、あれらはジョークではありません」
「そう。ジョークはあくまで創作の冗談だが、あれらは冗談じゃない。実在する異常だ」
「なら、やはり比べるまでもありませんよ。創作であるジョークを仕事の参考にするのは現実的ではありません」
「いいや、使えるとも。ジョークと、ジョークみたいな実在する異常存在、このふたつには共通点があるからな」
「……それはなんです」
「異常性に傾向や方向性を見出せるってところだ。たとえば、さっき言ったSCP-1475-JP。あれは受験を重ねるうちに、まれに普段とは別の場所にも飛ぶことがわかっている。どんな場所だった?」
「……射出先は同じくアメリカですが、別の地点に飛ばされています。それらの地点にはすべて、方角に関する地名が付いていました」
「だな。そんなかんじで、収容してからいくつか実験を繰り返すと未知の異常性が発現したりするわけだ。それらは後から報告書を俯瞰してみた時、なんらかの方向性や類似点を持っていることが多い」
「……それがどう実際の収容活動の役に立つんですか」
「ああいう具合に、異常性に方向性や傾向があると考えれば、異常存在に遭遇した時に適切な行動がとれるかもしれんってことよ。例は少ないが、初遭遇時に少ない情報から異常性を予測することで難を凌いだって話もある」
「……」
「ジョーク報告書は、多くの場合読者を笑わせるために話題や趣旨を決め、それに沿った異常性・報告書の内容になる。それと同じことが、部分的ではあるが、実在の異常存在にも言えるんだよ」
「……」
「これを学ぶためであれば、ジョークもジョークじゃないのも同じことだ。むしろ実在しないと割り切れる分、ジョークでこそわかることもあるかもしれん」
「……」
[足音]
「と、いうわけでいくつかジョーク報告書を見繕ってみた」
[報告書の束を置く音]
「読んでみると良い」
「……」
「……」
「自分のおすすめのジョークを紹介したいだけなんですよね?」
「さぁ!! 小休止でも取るかなぁ!!」
[足音]
「まぁあれだ。ここまだガツガツ勉強したんだし、すこし肩の力を抜いて読んでみるといいだろ。どうせ『ジョークは創作』だしな?」
[ドアの開閉音]
[口笛・遠ざかる足音]
「…………冗談じゃない」
[報告書をめくる音]
[タイプ音・筆記音]
「そういえばさぁ」
「なんでしょう」
「ジョーク報告書って、どんくらい知ってる?」
「……どういうものかは知っています」
「ほーん? どういう風に聞いてる?」
「SCP報告書の形式をとる、コメディ小説のようなものですね。直轄の部下に報告書のフォーマットを教えるときに使うとか、歓迎会で紹介して新人職員をおどかすのに使うとか、ギャグとして仲間内で笑い合うためだとか、いろいろと書く理由はあると聞いています」
「読んだことは?」
「……一応、あります。ただ、私にはいまひとつ面白さが理解できなくて、前の部署で話題にしていたものをいくつか、概要だけ知っている程度です」
「共振パンチ!!!! とか?」
「有名なものですね。特殊拳法を振るう財団の話だったと思います」
「そうそう、そんなかんじ。あれが使えたら、俺ら現場職もかなり楽できるだろうになあ……」
「……それで、なぜその話を私にするんです?」
「んん……それなんだがな。このあいだ俺に聞いてきた話、あったろ?」
「ああ……先週『仕事の参考にできるような文書を教えてほしい』とお願いした件ですか?」
「そうそう、『私のクリアランスレベルで読める報告書がなくなってしまったので~』てやつ」
「……まさか、ジョークを参考にしろっていうんですか?」
「イエス」
「冗談じゃないですね」
「いやいや、最後まで聞けって」
「今確認したばかりでしょう? 『ジョークは創作』です。暇な職員の落書きにすぎません。それの何を仕事の参考にしろって言うんですか?」
「そうだなぁ、そこらへんについて説明しようか……と言っても、1番の理由は『俺がおすすめしたいジョークがあるから』なんだがな?」
「仕事の参考になる資料が欲しいんですが……」
「まぁまぁ続きを聞くんだ。例えばだな……『ジョーク報告書ではないけど、「なんだこれは、ふざけてるのか?」って思わされるような報告書』って、見た憶えない?」
「……たとえば何でしょう?」
「そうだなぁ、『自分のせいで誰かが転ぶのを見ていられないバナナの皮』とか『座るとアメリカまでブッ飛ばされるイス』とかかな? ジョークだったらかなり笑うところだ」
「たしかに、ジョークだと聞かされて読んでいたらそう信じていたかもしれません。しかし、あれらはジョークではありません」
「そう。ジョークはあくまで創作の冗談だが、あれらは冗談じゃない。実在する異常だ」
「なら、やはり比べるまでもありませんよ。創作であるジョークを仕事の参考にするのは現実的ではありません」
「いいや、使えるとも。ジョークと、ジョークみたいな実在する異常存在、このふたつには共通点があるからな」
「……それはなんです」
「異常性に傾向や方向性を見出せるってところだ。たとえば、さっき言ったSCP-1475-JP。あれは受験を重ねるうちに、まれに普段とは別の場所にも飛ぶことがわかっている。どんな場所だった?」
「……射出先は同じくアメリカですが、別の地点に飛ばされています。それらの地点にはすべて、方角に関する地名が付いていました」
「だな。そんなかんじで、収容してからいくつか実験を繰り返すと未知の異常性が発現したりするわけだ。それらは後から報告書を俯瞰してみた時、なんらかの方向性や類似点を持っていることが多い」
「……それがどう実際の収容活動の役に立つんですか」
「ああいう具合に、異常性に方向性や傾向があると考えれば、異常存在に遭遇した時に適切な行動がとれるかもしれんってことよ。例は少ないが、初遭遇時に少ない情報から異常性を予測することで難を凌いだって話もある」
「……」
「ジョーク報告書は、多くの場合読者を笑わせるために話題や趣旨を決め、それに沿った異常性・報告書の内容になる。それと同じことが、部分的ではあるが、実在の異常存在にも言えるんだよ」
「……」
「これを学ぶためであれば、ジョークもジョークじゃないのも同じことだ。むしろ実在しないと割り切れる分、ジョークでこそわかることもあるかもしれん」
「……」
[足音]
「と、いうわけでいくつかジョーク報告書を見繕ってみた」
[報告書の束を置く音]
「読んでみると良い」
「……」
「……」
「自分のおすすめのジョークを紹介したいだけなんですよね?」
「さぁ!! 小休止でも取るかなぁ!!」
[足音]
「まぁあれだ。ここまだガツガツ勉強したんだし、すこし肩の力を抜いて読んでみるといいだろ。どうせ『ジョークは創作』だしな?」
[ドアの開閉音]
[口笛・遠ざかる足音]
「…………冗談じゃない」
[報告書をめくる音]
[タイプ音・筆記音]
「そういえばさぁ」
「なんでしょう」
「ジョーク報告書って、どんくらい知ってる?」
「……どういうものかは知っています」
「ほーん? どういう風に聞いてる?」
「SCP報告書の形式をとる、コメディ小説のようなものですね。直轄の部下に報告書のフォーマットを教えるときに使うとか、歓迎会で紹介して新人職員をおどかすのに使うとか、ギャグとして仲間内で笑い合うためだとか、いろいろと書く理由はあると聞いています」
「読んだことは?」
「……一応、あります。ただ、私にはいまひとつ面白さが理解できなくて、前の部署で話題になっていたものをいくつか、概要だけ知っている程度です」
「共振パンチ!!!! とか?」
「有名なものですね。特殊拳法を振るう財団の話だったと思います」
「そうそう、そんなかんじ。あれが使えたら、俺ら現場職もかなり楽できるだろうになあ……」
「……それで、なぜその話を私にするんです?」
「んん……それなんだがな。このあいだ俺に聞いてきた話、あったろ?」
「ああ……先週『仕事の参考にできるような文書を教えてほしい』とお願いした件ですか?」
「そうそう、『私のクリアランスレベルで読める報告書がなくなってしまったので~』てやつ」
「……まさか、ジョークを参考にしろっていうんですか?」
「イエス」
「冗談じゃないですね」
「いやいや、最後まで聞けって」
「今確認したばかりでしょう? 『ジョークは創作』です。暇な職員の落書きにすぎません。それの何を仕事の参考にしろって言うんですか?」
「そうだなぁ、そこらへんについて説明しようか……と言っても、1番の理由は『俺がおすすめしたいジョークがあるから』なんだがな?」
「仕事の参考になる資料が欲しいんですが……」
「まぁまぁ続きを聞くんだ。例えばだな……『ジョーク報告書ではないけど、「なんだこれは、ふざけてるのか?」って思わされるような報告書』って、見た憶えない?」
「……たとえば何でしょう?」
「そうだなぁ、『自分のせいで誰かが転ぶのを見ていられないバナナの皮』とか『座るとアメリカまでブッ飛ばされるイス』とかかな? ジョークだったらかなり笑うところだ」
「たしかに、ジョークだと聞かされて読んでいたらそう信じていたかもしれません。しかし、あれらはジョークではありません」
「そう。ジョークはあくまで創作の冗談だが、あれらは冗談じゃない。実在する異常だ」
「なら、やはり比べるまでもありませんよ。創作であるジョークを仕事の参考にするのは現実的ではありません」
「いいや、使えるとも。ジョークと、ジョークみたいな実在する異常存在、このふたつには共通点があるからな」
「……それはなんです」
「異常性に傾向や方向性を見出せるってところだ。たとえば、さっき言ったSCP-1475-JP。あれは実験を重ねるうちに、まれに普段とは別の場所にも飛ぶことがわかっている。どんな場所だった?」
「……射出先は同じくアメリカですが、別の地点に飛ばされています。それらの地点にはすべて、方角に関する地名が付いていました」
「だな。そんなかんじで、収容してからいくつか実験を繰り返すと未知の異常性が発現したりするわけだ。それらは後から報告書を俯瞰してみた時、なんらかの方向性や類似点を持っていることが多い」
「……それがどう実際の収容活動の役に立つんですか」
「ああいう具合に、異常性に方向性や傾向があると考えれば、異常存在に遭遇した時に適切な行動がとれるかもしれんってことよ。例は少ないが、初遭遇時に少ない情報から異常性を予測することで難を凌いだって話もある」
「……」
「ジョーク報告書は、多くの場合読者を笑わせるために話題や趣旨を決めるから、それに沿った異常性・報告書の内容になる。それと同じことが、部分的ではあるが、実在の異常存在にも言えるんだよ」
「……」
「これを学ぶためなら、ジョークもジョークじゃないのも同じことだ。むしろ実在しないと割り切れる分、ジョークでこそわかることもあるかもしれん」
「……」
[足音]
「と、いうわけでいくつかジョーク報告書を見繕ってみた」
[報告書の束を置く音]
「読んでみると良い」
「……」
「……」
「おすすめのジョークを紹介したいだけなんですよね?」
「さぁ!! 小休止でも取るかなぁ!!」
[足音]
「まぁあれだ。これまでガツガツ勉強したんだし、すこし肩の力を抜いて読んでみるといいだろ。どうせ『ジョークは創作』だしな?」
[ドアの開閉音]
[口笛・遠ざかる足音]
「…………冗談じゃない」
[報告書をめくる音]
単に冗談という単語とジョークみたいなオブジェクトを並べただけで、あまり面白くありませんでした。
嘘要素も、コンテストの為にとってつけた感じがします。
見ていただきありがとうございます。
少し考えてみます……。
拝読しました。
コンセプト自体は面白いと思いますが、説得力に欠ける印象を受けました。作中では「ジョークSCPが財団世界に文字通りのジョークとして存在する」「それらが職員に認知されている」ことを前提としていますが、「何故それらが存在するのか」については効果的な説明がなされていないため、うまく読者を納得させられていません。
また、視点が中途半端にメタ的な(あるいは読者にとってそのように見える)ために没入感を損なっています。「財団職員にとってのジョーク的な報告書」としてジョークSCPを描くならば、当然私達創作者が認識するそれらとは異なった作成経緯や受け取られ方があるでしょう。しかし、作中ではそれらは描かれておらず、職員たちの認識に踏み込めていません。
総じて、表面上は『財団職員の視点』で書かれているようでありながら『読者の視点』から脱却できていないように思え、あまり楽しめませんでした。財団職員にとってのジョーク的な、仕事の合間に遊びで書き散らすような偽物の報告書とはどのようなもので、職員たちからはどういった扱いを受けているのでしょうか? ジョーク報告書を後輩に真面目ぶって勧めるなら、どんなふうに理屈付けをするでしょうか。そういった、『財団職員の視点』を意識して再構成されることで、より面白いものに仕上がると思います。
批評していただきありがとうございます。
執筆中どことなく違和感を感じながら書いていたのですが、違和感が言語化されたような気持ちです。
大変参考になりました。ありがとうございます。