クレジット
タイトル: SCP-XXX-JP - 誰
著者: ©︎
Mistertako
作成年: 2020/X/X
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを覆うようにして収容ユニット-8173を建設します。ユニット内に立ち入る場合は専用の遮光バイザーを装備してください。SCP-XXX-JPの周辺地域は、カバーストーリー「豪雨災害による道路崩落」を適応して民間人の立ち入りを禁じます。週に一度、SCP-XXX-JP-Aとのコミュニケーション試行が実施されています。
説明: SCP-XXX-JPは巨大な岩石です。おおむね円筒形の花崗岩であり、最大全高10.2m最大円周14.3mです。表面には複数の加工痕が見られますが、いずれも風化・摩耗が顕著であり、本来の加工の全容は不明です。側面には大きな亀裂が1つあり、内部からは常に光源不明の光が漏れ出ています。
亀裂からは常に強烈な光が発せられています。この光の強さは、亀裂から1m地点における計測では7█████luxですが、亀裂から距離をとるにつれて異常なペースで減衰し、3.4km地点では観測不可能な程に弱まります。内部の観測実験では、侵入した器材が溶解・蒸発する様子が確認され、内部に超高温の熱源が存在することが示唆されました。しかし熱による物理的影響は亀裂の外部では観測できず、音波による観測では内部が5.3m3の空洞であることが判明しており、熱源の詳細は不明です。
SCP-XXX-JPから3mの範囲内では、不明な知的存在(SCP-XXX-JP-A)とテレパシーを介した会話が可能です。SCP-XXX-JP-Aは20~30代程の女性の声で発話し、上代日本語を用いてコミュニケーションを行います。会話可能な範囲から、SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP内部に存在すると仮定されていますが、観測に成功した例はありません。
補遺XXX-JP-1: 発見経緯
SCP-XXX-JPは██県██群██山の地中に存在しましたが、2018/7/7に発生した土砂崩れに際して亀裂部分が部分的に露出しました。漏出した光を当該地域に居住していた財団職員が発見、財団に通報して収容しました。光を目撃した民間人に対してはカバーストーリー「被災者捜索のサーチライト」が適用されました。
補遺XXX-JP-2: インタビュー記録
以下のインタビューは、収容に際してSCP-XXX-JP-Aに対して行われたインタビュー記録の書き起こしです。インタビュアーはいずれもエージェント・██でした。また、SCP-XXX-JP-Aの発言は上代日本語から翻訳して記載しています。
インタビュー記録XXX-JP-1
日付: 2018/7/8
<記録開始>
エージェント・██: すみません、少しよろしいですか?
SCP-XXX-JP-A: [長い沈黙]なんでしょうか?
エージェント・██: いくつかおたずねしたいことがあるのですが、お願いできますか。
SCP-XXX-JP-A: 話すことなど何もございませんよ。ここから出ることもございません。[沈黙]放っておいていただけませんか。
エージェント・██: そこにいらっしゃるのには、何か理由があるのですか?
SCP-XXX-JP-A: [長い沈黙]昔、私はある男をかばったことがあるのです。その時には正しいことをしたと思っておりました。
SCP-XXX-JP-A: [長い沈黙]しかし、私はそれを強く悔いたのです。私があの男をかばったことで他の皆様にも失礼をいたしましたし、ここでしばらく反省させていただきたいのですよ。
エージェント・██: なるほど、反省ですか[黙考]よければ貴女のお名前をうかがいたいのですが、よろしいでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: [長い沈黙]いいえ、どなたかは存じ上げませんが、あなたが私を連れ出しに来たのではないという証拠はありません。[沈黙]申し訳ありませんが、そろそろお引き取りいただけませんか?
エージェント・██: いえ、こちらこそ長々と申し訳ない。今日はこれでおいとましますが、その前に私に言っておきたいことなどはありますか?
SCP-XXX-JP-A: [沈黙]2つほど、周りにいる方にもお伝え願えますか?
エージェント・██: [黙考]はい、なんでしょう?
SCP-XXX-JP-A: 少し明かりを弱めてほしい、と。 いくら外を照らそうと、今しばらく私が外に出ることはございません。以前のように宴に惹かれることもない、とも。お願いいたします。
エージェント・██: [沈黙]はい、承りました。これでインタビューを終了します。
<記録終了>
インタビュー記録XXX-JP-2
日付: 2018/7/9
<記録開始>
エージェント・██: すみません。少しお時間よろしいでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: [長い沈黙]またあなたですか。[沈黙]お話しすることなど、もうありはしませんよ。
エージェント・██: いえ、今回おたずねしたいのは先日あなたがおっしゃったことについてです。
SCP-XXX-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: あなたは先日、周りにいる方と仰いましたね。あれは誰のことでしょうか? あの時、周辺には誰もいませんでした。少し離れたところに私の同僚は待機していましたが、彼女のことでしょうか?
SCP-XXX-JP-A: [長い沈黙]いえ、それが真実ならば、先日のお願いは私の勘違いによるものです。外が明るいので、大勢でやってきてかがり火かたき火でも焚いているのだろうと思ったのですよ。[沈黙]あなた1人なのですか? では、わずらわしいので、火を弱めて下さいな。
エージェント・██: いいえ、火など焚いていません。今も先日も、周りにあるのは森だけです。
SCP-XXX-JP-A: そんな筈はありません。ならばこの光は何だというのです?
エージェント・██: こちらには今、太陽以外の光源はありません。太陽光ではありませんか?
SCP-XXX-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: どうかされましたか?
[発生する光が8█████luxまで上昇]
SCP-XXX-JP-A: [声を張り上げて]いえ、いいえ! そんな筈はありません。そちらは今、いいえ、ずっと夜のはずです! 太陽はそこにいないのですから! ここ数日、時間を置いて光を照らすのは、私があの時手を振りほどいたのをいまさらになって責めているのでしょう? 違いますか! そもそも太陽の輝きと
エージェント・██: そんなことはありませんよ。
SCP-XXX-JP-A: では
[およそ2分間の沈黙]
SCP-XXX-JP-A: 誰なのですか、あれは
<記録終了>
付記: 最後の発言以降、SCP-XXX-JP-Aは職員の呼び掛けに対して一切の反応を示していません。
クレジット
タイトル: SCP-2050-JP - 誰
著者: ©︎
Mistertako
作成年: 2020/05/06
アイテム番号: SCP-2050-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2050-JPを覆うようにして収容ユニット-8173を建設します。ユニット内に立ち入る場合は専用の遮光バイザーを装備してください。SCP-2050-JPの周辺地域は、カバーストーリー「豪雨災害による道路崩落」を適応して民間人の立ち入りを禁じます。週に一度、SCP-2050-JP-Aとのコミュニケーション試行が実施されています。
説明: SCP-2050-JPは巨大な岩石です。おおむね円筒形の花崗岩であり、最大全高10.2m最大円周14.3mです。表面には複数の加工痕が見られますが、いずれも風化・摩耗が顕著であり、本来の加工の全容は不明です。側面には大きな亀裂が1つあり、内部からは常に光源不明の光が漏れ出ています。
亀裂からは常に強烈な光が発せられています。この光の強さは、亀裂から1m地点における計測では7█████luxですが、亀裂から距離をとるにつれて異常なペースで減衰し、3.4km地点では観測不可能な程に弱まります。内部の観測実験では、侵入した器材が溶解・蒸発する様子が確認され、内部に超高温の熱源が存在することが示唆されました。しかし熱による物理的影響は亀裂の外部では観測できず、音波による観測では内部が5.3m3の空洞であることが判明しており、熱源の詳細は不明です。
SCP-2050-JPから3mの範囲内では、不明な知的存在(SCP-2050-JP-A)とテレパシーを介した会話が可能です。SCP-2050-JP-Aは20~30代程の女性の声で発話し、上代日本語を用いてコミュニケーションを行います。会話可能な範囲から、SCP-2050-JP-AはSCP-2050-JP内部に存在すると仮定されていますが、観測に成功した例はありません。
補遺2050-JP-1: 発見経緯
SCP-2050-JPは██県██郡██山の地中に存在しましたが、2018/7/7に発生した土砂崩れに際して亀裂部分が部分的に露出しました。漏出した光を当該地域に居住していた財団職員が発見、財団に通報して収容しました。光を目撃した民間人に対してはカバーストーリー「被災者捜索のサーチライト」が適用されました。
補遺2050-JP-2: インタビュー記録
以下のインタビューは、収容に際してSCP-2050-JP-Aに対して行われたインタビュー記録の書き起こしです。インタビュアーはいずれもエージェント・██でした。また、SCP-2050-JP-Aの発言は上代日本語から翻訳して記載しています。
インタビュー記録2050-JP-1
日付: 2018/7/8
<記録開始>
エージェント・██: すみません、少しよろしいですか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]なんでしょうか?
エージェント・██: いくつかおたずねしたいことがあるのですが、お願いできますか。
SCP-2050-JP-A: 話すことなど何もございませんよ。ここから出ることもございません。[沈黙]放っておいていただけませんか。
エージェント・██: そこにいらっしゃるのには、何か理由があるのですか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]昔、私はある男をかばったことがあるのです。その時には正しいことをしたと思っておりました。
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]しかし、私はそれを強く悔いたのです。私があの男をかばったことで他の皆様にも失礼をいたしましたし、ここでしばらく反省させていただきたいのですよ。
エージェント・██: なるほど、反省ですか[黙考]よければ貴女のお名前をうかがいたいのですが、よろしいでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]いいえ、どなたかは存じ上げませんが、あなたが私を連れ出しに来たのではないという証拠はありません。[沈黙]申し訳ありませんが、そろそろお引き取りいただけませんか?
エージェント・██: いえ、こちらこそ長々と申し訳ない。今日はこれでおいとましますが、その前に私に言っておきたいことなどはありますか?
SCP-2050-JP-A: [沈黙]2つほど、周りにいる方にもお伝え願えますか?
エージェント・██: [黙考]はい、なんでしょう?
SCP-2050-JP-A: 少し明かりを弱めてほしい、と。 いくら外を照らそうと、今しばらく私が外に出ることはございません。以前のように宴に惹かれることもない、とも。お願いいたします。
エージェント・██: [沈黙]はい、承りました。これでインタビューを終了します。
<記録終了>
インタビュー記録2050-JP-2
日付: 2018/7/9
<記録開始>
エージェント・██: すみません。少しお時間よろしいでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]またあなたですか。[沈黙]お話しすることなど、もうありはしませんよ。
エージェント・██: いえ、今回おたずねしたいのは先日あなたがおっしゃったことについてです。
SCP-2050-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: あなたは先日、周りにいる方と仰いましたね。あれは誰のことでしょうか? あの時、周辺には誰もいませんでした。少し離れたところに私の同僚は待機していましたが、彼女のことでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]いえ、それが真実ならば、先日のお願いは私の勘違いによるものです。外が明るいので、大勢でやってきてかがり火かたき火でも焚いているのだろうと思ったのですよ。[沈黙]あなた1人なのですか? では、わずらわしいので、火を弱めて下さいな。
エージェント・██: いいえ、火など焚いていません。今も先日も、周りにあるのは森だけです。
SCP-2050-JP-A: そんな筈はありません。ならばこの光は何だというのです?
エージェント・██: こちらには今、太陽以外の光源はありません。太陽光ではありませんか?
SCP-2050-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: どうかされましたか?
[発生する光が8█████luxまで上昇]
SCP-2050-JP-A: [声を張り上げて]いえ、いいえ! そんな筈はありません。そちらは今、いいえ、ずっと夜のはずです! 太陽はそこにいないのですから! ここ数日、時間を置いて光を照らすのは、私があの時手を振りほどいたのをいまさらになって責めているのでしょう? 違いますか! そもそも太陽の輝きと
エージェント・██: そんなことはありませんよ。
SCP-2050-JP-A: では
[およそ2分間の沈黙]
SCP-2050-JP-A: 誰なのですか、あれは
<記録終了>
付記: 最後の発言以降、SCP-2050-JP-Aは職員の呼び掛けに対して一切の反応を示していません。
クレジット
タイトル: SCP-2050-JP - 誰
著者: ©︎
Mistertako
作成年: 2020/05/06
アイテム番号: SCP-2050-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2050-JPを覆うようにして収容ユニット-8173を建設します。ユニット内に立ち入る場合は専用の遮光バイザーを装備してください。SCP-2050-JPの周辺地域は、カバーストーリー「豪雨災害による道路崩落」を適用して民間人の立ち入りを禁じます。週に一度、SCP-2050-JP-Aとのコミュニケーション試行が実施されています。
説明: SCP-2050-JPは巨大な岩石です。おおむね円筒形の花崗岩であり、最大全高10.2m最大円周14.3mです。表面には複数の加工痕が見られますが、いずれも風化・摩耗が顕著であり、本来の加工の全容は不明です。側面には大きな亀裂が1つあり、内部からは常に光源不明の光が漏れ出ています。
亀裂からは常に強烈な光が発せられています。この光の強さは、亀裂から1m地点における計測では7█████luxですが、亀裂から距離をとるにつれて異常なペースで減衰し、3.4km地点では観測不可能な程に弱まります。内部の観測実験では、侵入した器材が溶解・蒸発する様子が確認され、内部に超高温の熱源が存在することが示唆されました。しかし熱による物理的影響は亀裂の外部では観測できず、音波による観測では内部が5.3m3の空洞であることが判明しており、熱源の詳細は不明です。
SCP-2050-JPから3mの範囲内では、不明な知的存在(SCP-2050-JP-A)とテレパシーを介した会話が可能です。SCP-2050-JP-Aは20~30代程の女性の声で発話し、上代日本語を用いてコミュニケーションを行います。会話可能な範囲から、SCP-2050-JP-AはSCP-2050-JP内部に存在すると仮定されていますが、観測に成功した例はありません。
補遺2050-JP-1: 発見経緯
SCP-2050-JPは██県██郡██山の地中に存在しましたが、2018/7/7に発生した土砂崩れに際して亀裂部分が部分的に露出しました。漏出した光を当該地域に居住していた財団職員が発見、財団に通報して収容しました。光を目撃した民間人に対してはカバーストーリー「被災者捜索のサーチライト」が適用されました。
補遺2050-JP-2: インタビュー記録
以下のインタビューは、収容に際してSCP-2050-JP-Aに対して行われたインタビュー記録の書き起こしです。インタビュアーはいずれもエージェント・██でした。また、SCP-2050-JP-Aの発言は上代日本語から翻訳して記載しています。
インタビュー記録2050-JP-1
日付: 2018/7/8
<記録開始>
エージェント・██: すみません、少しよろしいですか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]なんでしょうか?
エージェント・██: いくつかおたずねしたいことがあるのですが、お願いできますか。
SCP-2050-JP-A: 話すことなど何もございませんよ。ここから出ることもございません。[沈黙]放っておいていただけませんか。
エージェント・██: そこにいらっしゃるのには、何か理由があるのですか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]昔、私はある男をかばったことがあるのです。その時には正しいことをしたと思っておりました。
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]しかし、私はそれを強く悔いたのです。私があの男をかばったことで他の皆様にも失礼をいたしましたし、ここでしばらく反省させていただきたいのですよ。
エージェント・██: なるほど、反省ですか[黙考]よければ貴女のお名前をうかがいたいのですが、よろしいでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]いいえ、どなたかは存じ上げませんが、あなたが私を連れ出しに来たのではないという証拠はありません。[沈黙]申し訳ありませんが、そろそろお引き取りいただけませんか?
エージェント・██: いえ、こちらこそ長々と申し訳ない。今日はこれでおいとましますが、その前に私に言っておきたいことなどはありますか?
SCP-2050-JP-A: [沈黙]2つほど、周りにいる方にもお伝え願えますか?
エージェント・██: [黙考]はい、なんでしょう?
SCP-2050-JP-A: 少し明かりを弱めてほしい、と。 いくら外を照らそうと、今しばらく私が外に出ることはございません。以前のように宴に惹かれることもない、とも。お願いいたします。
エージェント・██: [沈黙]はい、承りました。これでインタビューを終了します。
<記録終了>
インタビュー記録2050-JP-2
日付: 2018/7/9
<記録開始>
エージェント・██: すみません。少しお時間よろしいでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]またあなたですか。[沈黙]お話しすることなど、もうありはしませんよ。
エージェント・██: いえ、今回おたずねしたいのは先日あなたがおっしゃったことについてです。
SCP-2050-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: あなたは先日、周りにいる方と仰いましたね。あれは誰のことでしょうか? あの時、周辺には誰もいませんでした。少し離れたところに私の同僚は待機していましたが、彼女のことでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]いえ、それが真実ならば、先日のお願いは私の勘違いによるものです。外が明るいので、大勢でやってきてかがり火かたき火でも焚いているのだろうと思ったのですよ。[沈黙]あなた1人なのですか? では、わずらわしいので、火を弱めて下さいな。
エージェント・██: いいえ、火など焚いていません。今も先日も、周りにあるのは森だけです。
SCP-2050-JP-A: そんな筈はありません。ならばこの光は何だというのです?
エージェント・██: こちらには今、太陽以外の光源はありません。太陽光ではありませんか?
SCP-2050-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: どうかされましたか?
[発生する光が8█████luxまで上昇]
SCP-2050-JP-A: [声を張り上げて]いえ、いいえ! そんな筈はありません。そちらは今、いいえ、ずっと夜のはずです! 太陽はそこにいないのですから! ここ数日、時間を置いて光を照らすのは、私があの時手を振りほどいたのをいまさらになって責めているのでしょう? 違いますか! そもそも太陽の輝きと
エージェント・██: そんなことはありませんよ。
SCP-2050-JP-A: では
[長い沈黙]
SCP-2050-JP-A: 誰なのですか、あれは
<記録終了>
付記: 最後の発言以降、SCP-2050-JP-Aは職員の呼び掛けに対して一切の反応を示していません。
クレジット
タイトル: SCP-2050-JP - 誰
著者: ©︎
Mistertako
作成年: 2020/05/06
アイテム番号: SCP-2050-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2050-JPを覆うようにして収容ユニット-8173を建設します。ユニット内に立ち入る場合は専用の遮光バイザーを装備してください。SCP-2050-JPの周辺地域は、カバーストーリー「豪雨災害による道路崩落」を適用して民間人の立ち入りを禁じます。週に一度、SCP-2050-JP-Aとのコミュニケーション試行が実施されています。
説明: SCP-2050-JPは巨大な岩石です。おおむね円筒形の花崗岩であり、最大全高10.2m最大円周14.3mです。表面には複数の加工痕が見られますが、いずれも風化・摩耗が顕著であり、本来の加工の全容は不明です。側面には大きな亀裂が1つあり、内部からは常に光源不明の光が漏れ出ています。
亀裂から発せられる光の強さは、亀裂から1m地点における計測では7█████luxですが、亀裂から距離をとるにつれて異常なペースで減衰し、3.4km地点では観測不可能な程に弱まります。内部の観測実験では、侵入した器材が溶解・蒸発する様子が確認され、内部に超高温の熱源が存在することが示唆されました。しかし熱による物理的影響は亀裂の外部では観測できず、音波による観測では内部が5.3m3の空洞であることが判明しており、熱源の詳細は不明です。
SCP-2050-JPから3mの範囲内では、不明な知的存在(SCP-2050-JP-A)とテレパシーを介した会話が可能です。SCP-2050-JP-Aは20~30代程の女性の声で発話し、上代日本語を用いてコミュニケーションを行います。会話可能な範囲から、SCP-2050-JP-AはSCP-2050-JP内部に存在すると仮定されていますが、観測に成功した例はありません。
補遺2050-JP-1: 発見経緯
SCP-2050-JPは██県██郡██山の地中に存在しましたが、2018/7/7に発生した土砂崩れに際して亀裂部分が部分的に露出しました。漏出した光を当該地域に居住していた財団職員が発見、財団に通報して収容しました。光を目撃した民間人に対してはカバーストーリー「被災者捜索のサーチライト」が適用されました。
補遺2050-JP-2: インタビュー記録
以下のインタビューは、収容に際してSCP-2050-JP-Aに対して行われたインタビュー記録の書き起こしです。インタビュアーはいずれもエージェント・██でした。また、SCP-2050-JP-Aの発言は上代日本語から翻訳して記載しています。
インタビュー記録2050-JP-1
日付: 2018/7/8
<記録開始>
エージェント・██: すみません、少しよろしいですか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]なんでしょうか?
エージェント・██: いくつかおたずねしたいことがあるのですが、お願いできますか。
SCP-2050-JP-A: 話すことなど何もございませんよ。ここから出ることもございません。[沈黙]放っておいていただけませんか。
エージェント・██: そこにいらっしゃるのには、何か理由があるのですか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]昔、私はある男をかばったことがあるのです。その時には正しいことをしたと思っておりました。
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]しかし、私はそれを強く悔いたのです。私があの男をかばったことで他の皆様にも失礼をいたしましたし、ここでしばらく反省させていただきたいのですよ。
エージェント・██: なるほど、反省ですか[黙考]よければ貴女のお名前をうかがいたいのですが、よろしいでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]いいえ、どなたかは存じ上げませんが、あなたが私を連れ出しに来たのではないという証拠はありません。[沈黙]申し訳ありませんが、そろそろお引き取りいただけませんか?
エージェント・██: いえ、こちらこそ長々と申し訳ない。今日はこれでおいとましますが、その前に私に言っておきたいことなどはありますか?
SCP-2050-JP-A: [沈黙]2つほど、周りにいる方にもお伝え願えますか?
エージェント・██: [黙考]はい、なんでしょう?
SCP-2050-JP-A: 少し明かりを弱めてほしい、と。 いくら外を照らそうと、今しばらく私が外に出ることはございません。以前のように宴に惹かれることもない、とも。お願いいたします。
エージェント・██: [沈黙]はい、承りました。これでインタビューを終了します。
<記録終了>
インタビュー記録2050-JP-2
日付: 2018/7/9
<記録開始>
エージェント・██: すみません。少しお時間よろしいでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]またあなたですか。[沈黙]お話しすることなど、もうありはしませんよ。
エージェント・██: いえ、今回おたずねしたいのは先日あなたがおっしゃったことについてです。
SCP-2050-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: あなたは先日、周りにいる方と仰いましたね。あれは誰のことでしょうか? あの時、周辺には誰もいませんでした。少し離れたところに私の同僚は待機していましたが、彼女のことでしょうか?
SCP-2050-JP-A: [長い沈黙]いえ、それが真実ならば、先日のお願いは私の勘違いによるものです。外が明るいので、大勢でやってきてかがり火かたき火でも焚いているのだろうと思ったのですよ。[沈黙]あなた1人なのですか? では、わずらわしいので、火を弱めて下さいな。
エージェント・██: いいえ、火など焚いていません。今も先日も、周りにあるのは森だけです。
SCP-2050-JP-A: そんな筈はありません。ならばこの光は何だというのです?
エージェント・██: こちらには今、太陽以外の光源はありません。太陽光ではありませんか?
SCP-2050-JP-A: [沈黙]
エージェント・██: どうかされましたか?
[発生する光が8█████luxまで上昇]
SCP-2050-JP-A: [声を張り上げて]いえ、いいえ! そんな筈はありません。そちらは今、いいえ、ずっと夜のはずです! 太陽はそこにいないのですから! ここ数日、時間を置いて光を照らすのは、私があの時手を振りほどいたのをいまさらになって責めているのでしょう? 違いますか! そもそも太陽の輝きと
エージェント・██: そんなことはありませんよ。
SCP-2050-JP-A: では
[長い沈黙]
SCP-2050-JP-A: 誰なのですか、あれは
<記録終了>
付記: 最後の発言以降、SCP-2050-JP-Aは職員の呼び掛けに対して一切の反応を示していません。
ルクスは照度の単位です。つまり「光の強さ」ではなく、「ある面が単位面積当たりどの程度の光を受けたか」の値です。この書き方はよくないように思います。光の明るさはカンデラを使うことが多いですが、「異常な減衰」を考慮すると算出不可能(というか算出から矛盾が生じるので"異常")ですから、「亀裂からXmの地点で、光線に対し垂直な面が受ける照度(ルクス)」で表記してもいいかもしれません。
ある程度参考になるかと思います: https://www.diylabo.jp/column/column-121.html
数学とか物理がある程度わかる方なら、wikipediaに定義や単位の次元が書かれていますからそちらも参考にしてみてください。
㎡←これを使うのはやめましょう。上付き文字を利用し、m2とすべきです。また、空洞ですから、体積でm3が正しいと思います。
この辺はヘッカもあるかもしれませんが、一時的なカバーストーリですから現在進行形より過去形の方が良いかと。
僕なら、「光を目撃した民間人に対してはカバーストーリー「被災者捜索のサーチライト」が適用されました。」とするかなと思います。
改行が不自然な感じがします。印象付ける表現技法としては理解できますが…別のやり方を考えてみてもいいかなと思います。
内容ですが、すっきりとまとまっており、オチも印象的です。神話に絡めた記事はいくつかありますが、その中でもかなり綺麗なものだなと思います。
オチがバレないか…天岩戸だというのは気づきましたが、オチまでは想像できませんでした。むしろ天岩戸だというのは気づかせないとこのオチにならないので、あまり隠しても良くないかと思います。
修正しました。
が、私は本当に物理がダメでして、正しく認識できたか自信がなく……正直、まだダメかもしれません。わかんないです。
修正しました。この構文初めて見ました……。
私もそのほうが良い気がします。修正しました。
SCP-XXX-JP-Aの雰囲気を崩さず、かつあまり[沈黙]を多用するのも良くないかなと思ったので、直前の沈黙と位置を入れ替えてみました。たぶん、良くなったかと思います。
もしこれでマズくても、ちょっとよい案が浮かばないので現状維持でしょうか……。
好感触な批評がもらえるのはほんっとうに稀なので、喜びを噛みしめてます。ウレシイ……ウレシイ……。
書いてるときは「これは天岩戸(伝承では今は空っぽ) → でも中に女性(おそらく天照大神)がいる → じゃあ今ある太陽は何 → メタタイトルで感づく」流れで気付く人いそうだなぁ……マズいかなぁ……と思っていたので安心しました。
これでどうでしょうか?