SCP-XXX-JP 水面下

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP周辺の海域はSCPS"よねしろ"が定期的に巡回し、一般船舶が接近する場合には適切なカバーストーリーを用いてこれを阻止してください。探査計画実行後、オブジェクトクラス及び特別収容プロトコルは再協議される予定です。

説明: SCP-XXX-JPは北緯40°██′██″東経135°██′█″の海面に存在するおよそ7㎡の円形領域です。

初期調査においては以下の異常性を持つことが判明しています。

• 海面に接触した物体がその機能に関わらず沈降し、垂直・水平方向に一切の自発的移動が不可能となる。
• 水中から領域内に侵入した場合は異常性が発現しないが、そのまま海面に浮上すると上記の影響を受ける。
• 領域外からの観測では、沈降する物体が海底をすり抜けるようにして消失することが確認されている。

現在、詳細な異常性を調査と危険性の精査を目的とした探査計画を実行中です。詳細は下記の探査記録を参照してください。

SCP-XXX-JPは、該当海域沿岸の漁業者が話した「日本海のバミューダ」の噂を、現地に居合わせた休暇中の財団エージェントが聞き取り、財団に通報したことで収容されました。この際、エージェントは報告まで4日間もの間独断かつ単独で調査を行っており、後に処罰を受けています。このことについて当該エージェントは「純粋な興味から調査を行った。発見に至るまでは宝探しのような気分だった」と証言しています。

+ 探査記録XXX-JP-1

探査方法: SCP-XXX-JP外縁にSCPSよねしろを派遣し、D-5243を搭乗させた潜水艇をSCP-XXX-JP内部に投下する。潜水艇には引き揚げを試みるためのワイヤーケーブルが接続されていた。

結果: 水深12███mまで沈降した後、潜水艇は水圧により圧壊・喪失した。3███mに存在する海底をすり抜け、異常空間への侵入が確認される。潜水艇の投下と同時に、海中に向かってケーブルが急速に繰り出され始めた。「これを放置すればSCPSよねしろも伴って沈降する危険性がある」とする現場担当者の判断によってケーブルは切断され、この時点で潜水艇の引き上げは不可能となった。また、沈降の間は内部の人員が硬直し潜水艇の操舵が不可能になるほか、外部からの干渉も不可能になることから、水平方向への移動と海面への浮上が不可能になることが判明した。搭乗していたD-5243からは、熱帯域に似た生態系が目視できたとの証言が得られた他、不自然に通信が終了した。詳細は下記の交信記録を参照のこと。

分析: 初期調査にて報告された異常性の確認が目的だったが、複数の新たな異常性が確認できた。次回の探査では今回の探査結果の確認と搭乗員の状態の確認、交信途絶から散発的に記録されていたノイズについて検証したいと思う。

——██博士

+ 交信記録XXX-JP

交信記録XXX-JP:

<録音開始>

██博士: 潜行・記録を開始した。D-5243、ひとまず

D-5243: [遮って]おい博士、体が動かねぇぞ。どういうことだ！？

██博士: 少し待て。

[██博士は通信を中断し、ケーブルの異常な繰り出しについて背後の職員から報告を受ける。端的にケーブルの切断を指示し、通信を再開する]

D-5243: おい博士！

██博士: すまない、こちらのトラブルだ。体が動かせないと言ったか？

D-5243: そうだ。指一本動かせねぇぞ、ク、クソッ！

██博士: 落ち着け。対象アノマリーの影響と考えられるが、体が動かせない以外に異常はあるか？

D-5243: [沈黙]いや[沈黙]それ以外にはない。

██博士: なら問題はないだろう。一時的な影響の可能性も十分にある。

D-5243: 本当か？

██博士: あぁ。

[重要性が低い為中略]

D-5243: なぁ博士。

██博士: どうした、何か異常か？

D-5243: いや、もしかしたら俺が知らないだけかもしれないが、このあたりにも熱帯魚っているのか？

██博士: この辺りは潮目に近い。少しなら浅い海にいたかもしれないな。何故だ？

D-5243: じゃあやっぱりおかしいな。今俺にはサンゴ礁が見えてる。

██博士: 詳しく教えてくれ。

D-5243: 潜り始めたばっかの頃から、なんかカラフルな魚がチラホラ見えてたんだ。沖縄の海にいるようなやつ。それが深くなるにつれてだんだん増えてきて、今は岩ばっかだった岩壁が全部サンゴで埋まってる。絵本の竜宮城か？ ってくらいだな。

██博士: [沈黙]了解した。そろそろ海底の筈だが、その調子だと下に見えるのか？

D-5243: は？ かいて

██博士: [沈黙]D-5243？

[微細なノイズ]

██博士: D-5243？

[微細なノイズ]

[この後、30分の間交信の試みがなされたがD-5243からの返答はなく、散発的に微細なノイズが記録されるのみであった。水深12███mまで沈降した時点で潜水艇からのデータ送信が途絶え、潜水艇そのものが水圧により圧壊・喪失したものとみなされた。]

<録音終了>

+ 探査記録XXX-JP-2

探査方法: ワイヤーを使用しない潜水球にD-6354を搭乗させ、SCP-XXX-JPに投下する。D-6354には通信機器とバイタルチェッカーを装着させ、海上から記録を取る。また、潜水球からは投光器・カメラ・水深測定器・搭乗席以外の機器を取り外し、代わりに耐水圧強度を強化する加工を施している。

結果: 水深17███mまで沈降、潜水球は水圧により圧壊・喪失した。探査開始から海底に至るまで、D-6354は徐々に増えるサンゴ礁の海の景色を証言し続け、海底を抜けた直後にバイタルサインが途絶。死亡したものと推測されるが原因は不明。同時に、投光器は正常に作動しているにも関わらずカメラの映像が暗転、以降は何も映らなかった。また、海底を抜けて以降散発的にノイズが録音され、その頻度は水深が深くなるほど増加した。潜水球の圧壊直前のノイズはやや明瞭なものになり、解析班はこれを人の肉声であると結論付けた。

分析: わずかだが、音声らしきものを記録できた。前回の探査で記録されたノイズはこれだろうか？ 知的存在が関与している可能性がある。より注意深く探査する必要があるだろう。

——██博士

+ 探査記録XXX-JP-3

探査方法: 第2次探査に使用した観測球に更なる強化を施し、SCP-XXX-JPに投下する。なお、今回以降はマイクのみを搭載する。

結果: 水深24███mまで沈降、潜水球は水圧により圧壊・喪失した。より鮮明かつ高頻度の音声を記録。

録音された音声の抜粋: いらして[不明瞭]た方々のの[ノイズ]な今日は[不明瞭]ぐ喜ばし[ノイズ]なた[ノイズ]とこちらへは[不明瞭]いでと[ノイズ]ぐうじょう[ノイズ]うれ[不明瞭]へ来て[不明瞭]さいま

分析: 次回は超常工学部門にも声を掛けてみよう。それにしてもこの声、我々を呼んでいるのか？

——██博士

+ 補遺2

補遺1: 異常ミーム対策部門より、探査計画の中止が提言されました。計画の可否は現在審議中です。 審議の結果、探査の続行が決定されました。

+ 探査記録XXX-JP-4

探査方法: 超常工学部門と共同で潜水球を大幅改修、より急速な潜降を行う。

結果: 水深53███kmまで近づけた。

録音された音声の抜粋: 耳にしても賭ける馳走。から良いでしょう[不明瞭]に突き刺すなど体つまり本能です？ 渦でも妨げないには指に嫌いで[ノイズ]のいは喜ぶのでいきり来ると[不明瞭]の掴むとですか

分析: 呼んでる。

+ 補遺3

補遺2: ███サイト管理官の提言により、第5次探査は中止されました。 探査の中止決定は取り下げられました。

+ 探査記録XXX-JP-5

探査方法:

結果: 水深123082km

録音された音声の抜粋: わずかな頼む機材ただし良いのです。目玉という頑張りのある食卓しかし連日掲げろと、嗅ぐと大きな赤の掬わない私からとのー弛もうか管は企んでも毛穴もしもは憂いとはなめる？ たろ逆巻く。それでも胆汁とは嬉しさが岩壁ますわむさぼるの情痴、卵管でも苦いものは昨夜も辛いのでは細くとも可能、沢山と思う薄さって飲まないでしょう

分析:

+ 補遺4

補遺3: 第6次探査の計画は、日本支部理事会-升により中止の決定がなされました。 日本支部理事会の決定により、第6次探査計画が実施されます。

+ 探査記録XXX-JP-6

探査方法:

結果:

録音された音声の抜粋: [断続的に船体に手が触れる音が記録されている]

分析:

+ 補遺5

補遺4: 第7次探査はO5-1の決定により中止されました。現在、探査計画の可否がO5評議会によって審議中です。

▲記事ここまで▲

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▽以下メモなど▽

タグ: scp-jp safe ミーム 感覚 観測 物理法則 ポータル メタ

+ 目的

+ 書きたかったあらすじ

オブジェクト本体は日本海上の海面型ポータル(？)。海面に触れると浮力・移動能力を失い、どこまでも沈む。
ポータル内深海には、人間の興味を異常誘発するミーム知性体(？)がいて人間を海底に引き込もうとする。
影響を受けた職員たちは自分たちも海底に向かい、日本支部の指揮系統・収容体制は崩壊。影響は本部にも及ぶ。

+ 書く上で気を付けていたポイント

・「潜れば潜るほど報告書がおかしくなっていく急転直下感」を出したい。
　・後半に行くにつれて指揮官が潜ることに執着し、潜ること以外考えられなくなっていく。または、心酔しきった者のみが指導者に就任して行く。
　　・説明:セクションでの説明が中途半端なのもこのため。
　・深くなるにつれて情報量を減らす（深海感が出るか？）
　　・逆に序盤の情報量を増やす(？)
　・徐々に探索許可を出す人物のクラスが上がって行く。
・手遅れ感は「19歳のジェシカ(略)」を、勢いは「001よい子」を参考にしたい。
・潜降、潜水、沈降とかの表記ブレはないか。

+ 貰った批評要約

自己注意: 指摘を理解したうえで要約すること・理解できなくても全文コピーして読み返すこと
声は日本語なのかと身内から指摘アリ: 日本海だし、日本語がしっくりくるかと思う。勢いで乗り切れれば良いが……。ミーム系とすれば本人が勝手に母国語に補完するってのもありか？深海に関する逸話か神話でもあればそちらの所在国に寄せても良いかもしれない。国外収容にすると日本支部理事会が登場できなくなるか……？闇の心臓のワードサラダを参考にできるか？
好
悪

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