SCP-XXXX-JP - 争奪戦

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの存在する山梨県北都留郡丹波山村██山周辺へと続く全ての通路は土砂流災害による通行不能を名目に封鎖、立入禁止区域に指定し一般人の侵入を防止します。

説明: SCP-XXXX-JPは山梨県北都留郡丹波山村██山付近の山林に存在する面積約254.46 ㎡、最大水深約4.2 mの沼池です。SCP-XXXX-JPはやや汚濁し水底に複数の投棄物が確認されるものの、成分的には同地域における一般的な池沼との明確な差異は確認されていません。

SCP-XXXX-JPの水面を継続的に視認した場合、視認した対象(以下、被影響者と表記。)はSCP-XXXX-JP水面上から何かが見ているような感覚に陥る実体的意識性1を体験します。被影響者が実体的意識性を体験するまでに要する時間には個人差が存在し、記録上の最短時間は視認開始直後、最長時間は19分程度です。これらの実体的意識性は被影響者がSCP-XXXX-JPの周囲に存在する山林を脱するまで継続します。これに加え、全体の約4%の被影響者には特異な幻視例が観察されます。これらの幻視内容はある程度共通しており、「SCP-XXXX-JP水面から上部のみを浮上させた顔面」であると報告されます。この幻視は後述の被影響者に共通して観察される特異な幻視症状の前駆的なものであると考えられています。SCP-XXXX-JPの影響は映像を介しても発現しますが静止画像による発現は現在まで確認されておらず、SCP-XXXX-JPによる影響は継続的観察によって引き起こされるものであると考えられています。

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SCP-XXXX-JP曝露者による幻視内容のスケッチ

被影響者はSCP-XXXX-JPを視認してから数日以内に、水と関連づけられる状況下において「何かに見られている」という実体的意識性を頻繁に体験します。これらの体験は経時的に悪化し、一週間程度で「眼前を人が通り過ぎたような感覚」「視界の縁に人の影がちらついているような感覚」といったより顕著な実体的意識性を体験します。これらの体験は精神的負担をもたらし、被影響者は不安障害的傾向を示します。その後、症状の進行に伴い特異的(個別的)恐怖症に類似した水に関連づけられる状況、対象への明確な不安感、恐怖感の増大が観察されます。またこの状態の被影響者は水に関連づけられる状況下において頻繁に鮮明な幻視を経験します。この幻視の内容は全ての被影響者でおおよそ共通しており「全身が泥に塗れた男女の集団」と表現されます。被影響者は一様にこれらの幻視に対しても激しい恐怖感を示します。これらの幻視、恐怖感は水と関連づけられる状況から物理的に離れることにより改善されます。物理的に離れることが困難な状況下において被影響者は全身が泥に塗れた男女の集団によって取り囲まれる幻視を経験し、激しい恐怖感によって恐慌状態に陥いることが確認されています。こうした状況から被影響者は入浴設備や水道設備を忌避する傾向があり、多くの例で著しい衛生環境の悪化と健康への影響が観察されます。これらの症状に対する認知療法には目立った効果が見られず、曝露療法は却って被影響者の錯乱を招きます。ベンゾジアゼピン系抗不安薬薬等による若干の症状改善が認められていますが、幻視症状の鎮静化には至りません。視覚への認識阻害による幻視症状の除去は可能ですが、実体的意識性と恐怖症の悪化が確認されています。

2004_04_07(████)

東京都港区████の防犯カメラに記録されたSCP-XXXX-JP-A。(█████氏殺害直前のもの)

被影響者がSCP-XXXX-JPを視認してから18日以上が経過した不定期なタイミングで、SCP-XXXX-JPの水中からSCP-XXXX-JP-Aに指定される存在が出現します。SCP-XXXX-JP-Aは外見上身長154cmの40代後半から50代前半のアジア人女性であるように観察される人型の生物的実体です。SCP-XXXX-JP-Aは一般的な女性用下着にデニムパンツ、ライラック色のセーターを着用した状態で出現します。出現時、SCP-XXXX-JP-Aは全長30 cm頭型2.7 cmのネイルハンマーを左手に保持しています。SCP-XXXX-JP-AはSCP-XXXX-JP-Aの底の泥中から起き上がるように出現することが判明していますが、出現のプロセスは不明であり出現以前にSCP-XXXX-JP底部からSCP-XXXX-JP-Aを事前に発見する試みは成功していません。

SCP-XXXX-JP-Aは不明な手段によって被影響者の位置を知覚しているものと考えられ、出現後、即座に被影響者を目指して移動を開始します。SCP-XXXX-JP-Aは移動に際して公共交通機関の利用、ヒッチハイク、タクシーの利用、車両の窃盗等をすることが観察されており一定の知性、社会性を示します。SCP-XXXX-JPは日本語を理解し、発話することが可能であり、基本的なコミュニケーションが可能です。しかしながらその発言内容にはしばしば一貫性がなく、支離滅裂な言動を取ります。SCP-XXXX-JP-Aは接触した対象に選択性健忘的な限定的な記憶障害を引き起こす能力を有しているものと考えられ、SCP-XXXX-JP-Aと5分程度接触した対象はSCP-XXXX-JP-Aに関連する記憶が欠落するか曖昧になります。この症状は記憶補強剤の使用によって一時的に回避することが可能であることが確認されています。

SCP-XXXX-JP-Aは被影響者を発見すると追跡や先回り、家屋への侵入や潜伏等の行動を取り、被影響者が人目につきにくい環境下で孤立する機会を伺います。SCP-XXXX-JP-Aは被影響者と接触すると、直ちに所持しているネイルハンマーによって攻撃します。攻撃は主に被影響者の頭部に重点的に加えられ、被影響者が死亡した後も明確な頭部挫滅2に至るまで継続されます。被影響者への攻撃が第三者の介入によって妨害された場合SCP-XXXX-JP-Aは即座にネイルハンマーによって妨害者を無力化、殺害します。

SCP-XXXX-JP-Aに攻撃を加える、拘束するなどして行動不能にした場合、SCP-XXXX-JP-Aはその場から瞬間的に消失します。SCP-XXXX-JP-Aの消失した後には成分的にSCP-XXXX-JPと合致する組成の少量の液体が残されます。消失から2〜174分後、SCP-XXXX-JP-AはSCP-XXXX-JPから損傷等を回復させた状態で再出現します。再出現時の振る舞いから、SCP-XXXX-JP-Aは消失以前の記憶を保有しているものと推測されています。この消失と再出現はSCP-XXXX-JP-Aが被影響者を殺害するまで継続します。SCP-XXXX-JP-Aが被影響者の殺害に成功した場合、SCP-XXXX-JP-Aはその場から行動不能時と同様に消失します。被影響者が複数存在する場合、殺害後に消失することなく別の被影響者の元へと移動を開始する例が確認されています。なお、SCP-XXXX-JP-Aは出現から被影響者殺害までの過程で一切の睡眠と食事を必要とせず、生理的影響を受けていないように観察されます。

SCP-XXXX-JP-Aは2004年7月頃から関東圏で発生していた複数の殺人事件の警察による捜査中に発見されました。これらの事件の捜査初期から目撃情報、防犯カメラの映像等からSCP-XXXX-JP-Aの存在が判明していました。当初これらの事件は通常の殺人事件であると判断されていましたが、被害者の殺害現場に遭遇した一般人、制圧に成功した巡査からの対象の消失に関する報告、現場状況の異常な点から財団の関心を惹きました。その後の財団の調査により被害者に共通して不安障害、幻視等があったことが確認され、生活歴の縦断調査によってこれらの被害者がSCP-XXXX-JPを訪れていたことが判明しました。検証実験を経て、正式にSCP-XXXX-JPとSCP-XXXX-JP-A出現の関連性が確かめられました。

補遺1: SCP-XXXX-JP-Aの外観について、様相及び骨格と歩容から行方不明となっていた関崎三江氏に酷似していることが確認されました。関崎三江氏は1992年に精神分裂病3であると診断されており、1994年2月の殺人未遂、傷害事件をきっかけとして山梨県甲州市の医療法人████病院の精神科病棟に措置入院していました。入院中、関崎三江氏は自傷他害に及ぶ可能性が高かったことから身体拘束下にありましたが、1998年7月12日午前2時頃に病棟の見回りをしていた看護師にベッド上で目撃されたのを最後に行方不明となりました。ベッド上には外された痕跡がない拘束具が存在しており、病室の鍵もかかったままでした。この事案は地元紙で報じられたものの病院側の管理体制の杜撰さが原因であるとされ、特に一般社会の関心を集めませんでした。

観測例

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