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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedに再分類されました。収容を行う必要はありません。
説明: SCP-XXXX-JPは身長151.3cm、体重41.5kgの15歳程度と見られるモンゴロイド系女性であり、自身を「宮坂 さくら」と名乗っています。
SCP-XXXX-JPの頭髪にはソメイヨシノ（Prunus × yedoensis）の花弁が常に複数枚付着しており、これらは不定期に発生・落下している事が確認できますが、どのような原理で発生しているのかは判明していません。 また検査により、SCP-XXXX-JPのDNAの一部はヒト（Homo sapiens）のものからソメイヨシノのものに置換されていることが確認されています。
SCP-XXXX-JPは2019年3月21日、██県██市の██公園に突然出現した所を付近にいた一般人が目撃し警察へ通報、その後財団へと通報が伝わり収容されました。目撃者への記憶処理は問題なく完了しています。
SCP-XXXX-JPの証言を元に調査を行ったところ、██市に「宮坂 さくら」という人物が実在しており、SCP-XXXX-JPが出現する数分前に小児がんによって死亡していた事が確認されました。外見的特徴の一致や記憶の連続性から、宮坂氏とSCP-XXXX-JPは同一の存在だと考えられています。
インタビュー記録XXXX-JP-2 - 日付2019/03/23
対象: SCP-XXXX-JP
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: こんにちは、SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: こんにちは。……慣れませんね、その呼び方。██研究員: すみません、こちらの決まり事なもので。宮坂さんとお呼びした方がよろしければそうしますが。
SCP-XXXX-JP: いえ、構いません。そういう決まりなんですよね。私はSCP-XXXX-JP……、はい、大丈夫です。██研究員: ご協力ありがとうございます。
SCP-XXXX-JP: それで、インタビューでしたね。名前は宮坂 さくら。2003年4月18日生まれの15歳で……って、この辺りは一回話したのでもう大丈夫ですか？██研究員: そうですね。今日は、3月21日当日のあなたのことについて詳しく教えていただけたら、と。
SCP-XXXX-JP: 分かりました。……といっても、何もしてませんでしたよ？ 動けるような状態でもなかったですし。██研究員: 何を考えていたのか、といったことでも構いません。教えてください。
SCP-XXXX-JP: そうですね、その……やっぱり、分かってたんですよ。自分の体のことですし、そろそろダメなんだなって。……あの日、何日か前に桜の開花発表があったんですよね。私、こんな名前だし、昔から桜が大好きだったんです。毎年家族でお花見行ったりして、去年も「また行こうね」ってお母さんと約束して。だからせめて最期くらい、もう一度満開の桜を見たかったなぁって、そんな事を考えてました。██研究員: なるほど、続けてください。
SCP-XXXX-JP: 続けて、って……何も無いですよ？ ただ窓から見える桜の蕾を見ながら、残念だなぁ、死にたくないなぁって。……で、死にました。あんまり苦しくはなかったから、それは良かったんですかね。██研究員: それで、気づいたら██公園にいた、と？
SCP-XXXX-JP: まぁ、そう、ですね……。██研究員: SCP-XXXX-JP？ どうかされましたか？
SCP-XXXX-JP: ……ごめんなさい。ちょっと深く考えたくなくて、嘘つきました。死んだ後のこと、ちゃんと話しますね。その、死んでから公園で目が覚めるまでの間に、女の人の声が聞こえたんです。██研究員: 声、ですか。
SCP-XXXX-JP: はい。「あなたの願い、叶えましょう」って。多分、最期に満開の桜が見たいって思ってたことだと思います。で、こうも言ってました。「でも、あなたの命は桜の命。目覚めたとしても、共に散ることになってしまうわ。それでも良くて？」って。██研究員: それで、あなたはなんと？
SCP-XXXX-JP: 「はい」って、そう答えてしまいました。それで、気づいたらこんな体になって公園にいたんです。ごめんなさい、こんなわがままで色々迷惑をかけてしまって……。██研究員: いえ、お気になさらず。こちらも仕事ですので。あなたも収容に協力的ですし、問題は少ないですよ。
SCP-XXXX-JP: でも、大丈夫です。多分あと2ヶ月も持ちませんから。何となくわかるんですよ。なんというかこう、あぁ、私の命は桜の花と繋がってるんだな、って。何処かの木のとかじゃなくて、「桜の花」そのものと、って言えばいいですかね？ 多分、桜が散る毎に弱っていって、最後には死んじゃうんだと思います。だから、私のことはあんまり気にしないでください。迷惑はかけたくないですし、箒でもくれたら花びらの掃除くらいは自分でやりますよ。██研究員: そうですか……分かりました。担当者にはそのように伝えておきますね。では、以上でインタビューを終了します。
<録音終了>
SCP-XXXX-JP収容室内への清掃用具の持ち込みについては許可され、それに伴い特別収容プロトコルが一部変更されました。死亡後に聞こえた「声」については、情報が少なく詳細は不明です。これに対しては引き続き調査が行われます。
追記: 2019年4月3日、██研究員によるSCP-XXXX-JPのサイト内外出許可申請が行われ、承認。同日、問題なく再収容が行われました。また、SCP-XXXX-JPから発生する花弁が以前より増えていることが確認されました。これに対しSCP-XXXX-JPは「桜が満開になってるからだと思います。もうあんまり長くなさそうですね」と回答しています。
追記2: 2019年5月1日、日本全土で未だ桜の散花が始まらないことが異常な現象として報告されました。SCP-XXXX-JPとの関連が疑われますが、詳細は不明です。これに対し、SCP-XXXX-JPはインタビューへの応答を拒否しています。
追記3: 2019年5月4日、インタビュー記録XXXX-JP-2における発言、及び追加インタビューへの応答拒否等の理由から、上記の異常現象をSCP-XXXX-JPによるものだと断定。異常現象の収容が困難であることから、SCP-XXXX-JPの早期終了が計画されました。
追記4: 2019年5月5日、終了計画は問題なく行われました。同日、全国各地で桜の散花が確認されたことを踏まえ、SCP-XXXX-JPはNeutralizedに再指定されました。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:4577911 (01 Oct 2018 12:49)
短い追記で畳み掛けるような構成は面白いと思いましたが、行動がやや財団らしくないと思いました。
追記2の異常な現象として報告、SCP-XXX-JPとの関係を疑うというところまではまだ分かるのですが、3日後にSCP-XXX-JPが関係していると断定してその翌日に終了、というのは「確保・収容・保護」を謳っている財団にしては少々杜撰な気がします。
もう少し追記の内容に厚みを持たせるか、あるいはオブジェクトの設定を変えるなどして財団がSCP-XXX-JPを終了することについてより説得力を持たせてみてはどうでしょうか。
また、これは細かい点なのですが、インタビュー前と後で敬体と常体が切り替わっているのが気になりました。特に拘りがなければ敬体に統一してみてはいかがでしょうか？
私からは以上です。参考になれば幸いです。
批評ありがとうございます。
日本全土に広がる異常現象は収容が困難なうえ、内容的にも隠蔽も難しいため、オブジェクトひとつの(それも元々早いうちに死ぬと予測されていたオブジェクトの)終了で解決ができるなら財団がその選択をするのは不自然ではないことかと考えています。
そのため、追記にSCP-XXXX-JPとの関連を断定した理由、及び終了が早期に行われた理由を記述しました。
その通りに修正しました。
拝読しました。
アイデアは面白いですし流れも基本的には問題なさそうですがやはりオブジェクトと桜の異常を結びつける部分にあまり説得力を感じませんでした。
例えば、オブジェクトの体調に合わせて桜の散りが早まる/穏やかになるなどの描写を入れて、オブジェクトの体調が桜の開花状況ともリンクしてることが判明した、とするとかどうでしょうか。
批評ありがとうございます。
SCP-XXXX-JPの存在と桜に起きた異常現象の結び付きの甘さについては仰る通りだと考えました。追加案も良いと思ったのですが、如何せん桜が散らなくなる異常性なので、その代わりとして、本人の感覚による説明と頭部の花弁の量で結び付きを少し分かりやすくする形にしてみました。