アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準収容ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JP-1は██村をカバーストーリ―「致死性のガス発生」によって封鎖し、サイト-81██を建設することによって収容します。SCP-XXX-JP-1は発見次第終了されます。SCP-XXX-JP-1を認識した人物には、記憶処理を施した後、周囲の人物にはカバーストーリ―「統合失調症」を適用し、幻覚を見た旨を説明します。
説明: SCP-XXX-JPは100cm程度の銀製の洋弓です。
SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JPが存在する組織内にて、異常性が発現します。SCP-XXX-JPが存在する組織内にて不定期1に、コーカソイド系女性の容姿をした身長30cm程度の人型実体(以下、SCP-XXX-JP-1)が所持している人物の所属している組織2の人数と同数、組織内のランダムな箇所に出現します。外見的特徴として、緑色の髪色をしていて、背中にはウスバキチョウ(Parnassius eversmanni)のような羽が生えています。
SCP-XXX-JP-1は出現と同時に攻撃を開始します。これは主に洋弓を用いた攻撃であることが確認されています。███高等学校においてはこれを「恋愛成就の矢」と称し、その矢に射抜かれた者の恋愛は必ず成就するものとされていました。3SCP-XXX-JP-1の矢に射抜かれた人物は、「恋愛」に対し積極的になり、あらゆる事象において「恋愛」を優先するようになります。
██村に存在した資料によると、SCP-XXX-JPは文化8年に渡来したものであり、ロシア船ディアナ号に積載されていたものであると記述されています。██村の領主であった人物がこれを入手したものであると想定されています。
SCP-XXX-JPは自身に対する認識を阻害する性質を有しています。██村在住の「妖精の存在を信じている」人物にしかSCP-XXX-JP-1を認識出来ず、SCP-XXX-JP-1は██村において一般的なものであるとの認識を流布します。
███高等学校においては、「弓道部は部員数が0であっても顧問1人で活動を行わなければならず、妖精が出現した場合、風紀の乱れを考慮し、弓道部によって処理を行う。」という校則が存在しており、███高等学校弓道部はSCP-XXX-JP-1が出現すると、和弓にてSCP-XXX-JPを射抜くことによって処理をしていたことが確認されています。SCP-XXX-JP-1は和弓によって射抜かれた場合、その場から消失します。SCP-XXX-JPは和弓によってのみ殺傷することが可能です。
SCP-XXX-JPは特殊な校則がある高等学校として、██村を調査した際に███高等学校弓道部にて安置されているところを発見されました。
以下は、███高等学校弓道部員へのインタビュー記録です。
対象: 塚本 賢二氏
インタビュアー: エージェント・██
<録音開始>
エージェント・██: 「恋愛成就の矢」について教えてもらえますか?
塚本氏: うちの高校の伝統ですよね。毎年弓道部が駆除しちゃうけど俺も射抜かれてみたいなあ。
エージェント・██: 矢で射抜かれるのは怖くないですか?
塚本氏: そりゃ怪我するのは怖いですけど、別になんともないですし。
エージェント・██: なんともないとは?
塚本氏: うーん、別に痛みも出血もないですし。
エージェント・██: 怪我がないことには不思議に感じませんか?
塚本氏: 不思議ですよね。さすが妖精だなあ。
エージェント・██: 妖精と意思疎通はできますか?
塚本氏: 射抜き合いをしてるとき嬉しそうですし。楽しいのかなーって。
エージェント・██: 妖精の起源についてはなにかご存知ですか?
塚本氏: さあ…。あ、噂ではロシアの水の精霊とかいうのが関係してるとか。
エージェント・██: 妖精の存在については疑問は抱かないのですか?
塚本氏: え、だって普通にいますよね。妖精。
<録音終了>
以下は、SCP-XXX-JPを用いた実験記録です。
実験記録01 - 日付1971/05/01
実験参加者: D-84516
実施方法: D-84516をSCP-XXX-JP-1の矢に射抜かせる。
結果: 担当職員である、██研究員に恋をしたとの発言をし、██研究員に対し愛の告白をする。また、職務に対し、極度に勤勉になったことが確認されている。これにより他オブジェクトの実験中、両足を失っている。インタビューの結果、██研究員のためであるとの証言が得られた。
分析: 想定以上の結果が得られた。勤務態度の粗悪なDクラス職員の態度改善に利用できるかもしれない。
実験記録02 - 日付1971/05/04
実験参加者: D-58514、D-54908
実施方法: D-58514とD-54908を同室にてSCP-XXX-JP-1の矢に射抜かせる。
結果: D-58514とD-54908がその場で性行為を開始した。D-58514とD-54908は男性である。
分析: 同性であっても対象となるようだ。
実験記録03 - 日付1971/05/05
実験参加者: D-58514、D-54908
実施方法: D-58514とD-54908に記憶処理を施した後、引き合わせる。
結果: 前世からの巡り合いだと主張し、涙を流す。その後、性行為に及ぶ。
分析: 一定の効果はあるようだが、完全に記憶処理を施すことは不可能なようだ。
実験記録04 - 日付1971/05/10
実験参加者: D-40688
実施方法: SCP-XXX-JP-1に2度射抜かせる。
結果: D-40688は恋愛や性的な事象に対し、嫌悪するようになった。
分析: 3度以降も同様の結果となった。
実験記録05 - 日付1971/06/01
実験参加者: なし
実施方法: SCP-XXX-JPを所有者のいない状態にし、SCP-XXX-JP-1が出現するまで放置する。
結果: SCP-XXX-JP-1が大量に発生した。正確な総数は不明。
分析: 「所有者」の範囲を拡大解釈されたようだ。おそらく「所有者」を「人類」として解釈されたものと想定される。
上記実験結果をもって特別収容プロトコルが制定されました。また、オブジェクトクラスについてEuclidに再分類されました。
追記: 実験後に発生した第二次ベビーブーム及び、現在における人口爆発と今回の実験の関連性は不明です。
- portal:4549537 ( 09 Nov 2018 03:31 )

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