怪異三課の日常

眼球、人の手首、落ち武者の頭部、長髪のカツラ、様々なものがこの倉庫には置かれており、それを俺は見渡しながら思案していた。今回の仕事からすると古典的なものがベストなのだが、落ち武者や手首などは先日二課が使ったばかりだった。またしても同じものを使ったとあってはまた同じものが出てきたと思われかねない。どうにも自分の好みにあったものが見当たらない。

倉庫の奥の舟箪笥を動かすと頭はオオカミ体はヒツジの人形が目についた。なんともシュールで俺好みだったが、同じ三課の竹妃ちゃんがねだるものだから気前よく譲ってしまった。人形をずるずるとひきずりだすのを横目で見ながら、舟箪笥が置かれている場所の近くで、檻籠につめられたネコ、拳銃、白衣をという怪奇とは程遠いものを見つけた。

執務室に戻ると課長が報告書に目を通しているとことであった。俺はその課長に向けて発砲してみた。弾丸はそのまま課長へ直進し、それをネコが瞬時に追いかける。何発かは課長に命中し、頭部から胴体まで穴をあける。ネコはすごい勢いで課長を覆い弾丸をつまみ出し、弾丸は巻き戻すように拳銃の銃口に戻っていく。それに伴い課長も元通りに戻っていく。

「いいんじゃないそれで。」

座ったまま課長が唐突に発言する。

「でもなんか怪奇とは違う気がするんですよね。もうちょっとアイデアの捻りというかオチを強めるというか。」

「そんなこといっても今更、手首だの目玉だのやってもしょうもないでしょ。あのなあ、そんなのでいちいち悩んでたら仕事にならないぞ。」

確かに眼球だの手首だの落ち武者だのじゃ普通過ぎるよなあ。俺は自席に戻り、過去の報告書を見ながら、自分を納得させた。

その翌日、俺はネコと拳銃と白衣でとある邸宅を襲撃し執務を執行した。

翌週、新たな報告書が作成されたことが報告された。「オオカミとヒツジのキメラ」「覗き込むとネコが見える井戸」「なんでも吸い込む漆黒の球体」それらの報告書に目を通し、最後のページに「死体を蘇生するネコを連れた白衣の拳銃男」が掲載されていた。

大体俺たちの起こす怪異なんて半分も載ればいいほうであるから結果オーライ、気分は上々である。だが俺の机に山積みにされた案件は1年かそこらで片付くような数ではない。

俺たち怪異三課の仕事はまだまだ続くのだ。

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  1. portal:4549537 ( 09 Nov 2018 03:31 )
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