ようこそ、いらっしゃいませ弟の食料品へ
ここはお客様に特別な味を提供するレストランでございます。お客様には必ずや満足いただけますよう専用のメニューをご用意してございます。ここから先はお席についてからのお楽しみ。お客様にいただかれる食材もきっと歓喜に打ち震えていることでしょう。
弟の食料品は異常な方法で個人に対し料理を提供する団体です。約200万年前から人類は食物を調理し食べるという知識を身に着けてきました。旧石器時代の早い段階には、人類はすでに火を使うことを覚えており、当時は狩猟・採集中心の生活で、人々は石器を使って動物や魚を獲ったり、森などに生えている植物や果実、木の実などを採って食料にしていました。そう、この時代から彼らは「味」を追求していたのです。この時から現代においてまで味覚は甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つであるとされてきました。弟の食料品はそれらを超越し、新たな味覚の発見を目指しています。長い単身赴任から帰ってきて奥さんの作った料理を久しぶりに食べたらほっとする、お店のカレーは美味しいけどやっぱり家のカレーが一番、そんな経験はありませんか？弟の食料品はそんな味覚だけでは感じ取れない心の奥底にある感覚を「味」として提供します。
弟の食料品はどこにでも存在します。それはいつもは空き地だった街角、ショッピングモールのフードコート、はたまたあなたの夢の中まで、あなたの意志とは関係なく訪れます。あなたが弟の食料品を選択するのではなく、弟の食料品があなたを選択しているのです。それは何の音沙汰もなく現れ、音もなく去っていきます。
活動拠点は主に日本となっていますが、海外で活動が不可能なわけではありません。本拠地は東京となっており、その場所は隠匿されています。固有の店舗を展開しているわけではなく、各地を転々としています。財団による追随がうまくいっていないのもその影響となっています。また、主に個人の顧客ばかりを対象としており被害が少ないのも財団の目をかいくぐっている一因となっているでしょう。
弟の食料品の内部事情はヴェールに包まれており、ほとんどが開示されていません。どんなアノマリーを利用しているのか、従業員にどんな人物が存在しているのか、運営資金はどこからでているのか、全くの不明でありながら彼らは活動を続けています。現状、唯一ウェイター風の男が存在していることが確認されていますが、表立って活動しているのがその人物であるだけで他にも従業員は存在しているものと考えられています。
ご満足いただけたでしょうか。
またのご来店をお待ちしております。
ウェイター
店舗へ赴いた際、一番最初に遭遇する人物。自らも調理を行っている描写が存在するがあくまで彼の仕事はお客様へのもてなしである。ハリー・マッケンジーの偽名で活動をすることもある。
シェフ
調理担当。まれにフロアにも出現する。
東京都内某所、一見古びた洋風住宅に見えるこの建物がレストラン「弟の食料品」である。せっかく故郷の東京まで足を運んだのだ。有名店の料理は是非ともいただいておきたい。そう思った私は胸を躍らせながら店のドアをあけた。
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屋上に辿り着くと女性は手すりに捕まり風に靡いた髪をかきあげた。
なかなかに美人な女性である。しかしその横顔には独特の悲壮感が漂っていた。
嫌な予感がする。そう思った瞬間女性は靴を脱ぎ、手すりを乗り越えようとしていた。
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ぽつんと建っているこの建物こそ、老舗の道具屋「締縄」である。
今時の電光看板や電飾で彩られた看板とは違い、欅でできた看板がいかにも老舗という風格を漂わせている。
実際、昭和の初期から存在する老舗中の老舗なのだが。
今では自殺の名所となった富士の樹海であるが、その由来はこの「締縄」から始まったといっても過言ではない。
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これは、何の味だろうか。今まで食べたことのない食感だ。柔らかさの中に芳醇な味わいがある。臭みを消すためだろうか、スパイスがかなり効いてるようにも感じるが、それがまたいいアクセントになっている。また脂肪と赤身のバランスが最高であり、最高級A5ランクの松坂牛にも勝るとも劣らない肉質だ。しかし何かがおかしい。懐かしい味がするのだ。
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そう、なんだろうか。昨日見た夢のおかげかもしれない。
あの優しく、暖かい味を思い出す。
私がいつもより元気そうであることを感じたのか国都さんは嬉しそうだ。
なんだか私も嬉しくなる。こんなに余裕がある日は久しぶりだ。
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彼らの渇いた歓びが場を満たした。
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テーブルには次々と空いた皿が積み重なっていく。戸神は一心不乱に肉を喰らい続ける。
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子供の頃、特別な日は寿司にするのが我が家の定番だった。中でも一番特別だったのは雲丹で、その日の主役しか食べられなかった。誕生日、七五三、クリスマスさえ、いつだって俺は寿司と共にあった。師匠…いや親父、いつからあんなものに魅入られてしまったのだろうか。いつからか親父は変わってしまった。家族を蔑ろにするようになったし、店の評判をあげるためだったら何でもするようになった。インスタ映えとか言ってタピオカ寿司なんてものも作るようになった。最初は変わってしまった親父に驚いていた俺だけど、親父にまた認めてもらいたくて、また家族で寿司を囲みたくて、必死で親父についていった。お袋はそんな俺たちを見て、心労がたたり亡くなってしまった。
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信号が青になり女性はこちらに向かって歩いてくる。もう少しで顔が見えそうだと思った瞬間、横から迫る乗用車に気が付いた。車はまっすぐこちらに向かって走ってくる。ブレーキを踏んでもおかしくない距離だ。危ない、そう思ったときにはもう遅かった。1人なら避けることもできた。でも私の体は勝手に動いて──
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オフクロ……。若い頃に親父が蒸発して、それから女手一つで僕を育ててくれた、僕が最も尊敬する人物。胃に癌が見つかったのが半年前、それからはあっと言う間だった。孫が見たいって言ってたよな、浮気者の親父の子なのに、不甲斐ない息子でごめんよ。
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手錠をかけられ連れ出される。まだここでは抵抗すべきではない。もしかしたらこのまま解放してくれるのかもしれない。そんな甘い考えが頭をよぎったその時、川獺丸さんが走り出した。僕に飛びつき腕に噛みつく。歯は肉に深く食い込み血液が噴き出す。
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ハーマン・フラー主催: サグラダファミリア料理対決 
Ueh-S
本ポスターは██県██町に出現した“アンブローズ・レストラン”に関連する施設を調査した際に発見されました。施設内では1名のシェフとみられる人物が存在していたためインタビューが実施されました。
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弟の食料品様との共同開発によって完成した本メニューの材料は、貴方自身の感情です。
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SCP-1321-JPは酒瓶に保存された液体です。アルコールが60%含まれていることが判明していますが、それ以外は未知の成分によって構成されています。
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SCP-1175-JP-Jは当初特定GoIとの関連が疑われていました。しかしながら秘匿された発信源以外の異常性が判明しなかった事から、低優先度アノマリーとして職務上の怠慢から処分を受けていた西川博士が専属調査員として任命されました。
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エリア-81JHは、天陽元管理官により提言され、1988年に建築された大規模収容研究拠点です。20世紀中頃より世界的に増加傾向にある非友好的GoIを仮想対象とし、そのGoIにより産出されたオブジェクトの収容と研究を行い、異常性の解明に成功したオブジェクトを財団運営へ転用することを目的とします。
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今回私たちはSCP-2000深部、すなわち最も古く作られたであろう設備を改めて調査しました。そこで、おそらくSCP-2000が「最初に」構築された際の記録とともにシチューのレシピを多数発見しました。発見したレシピのうちいくつかはメールに添付しているので後程ご覧ください。驚くべきことにこのレシピによれば、財団が複数の要注意団体と団結し、一般社会にまで姿を現してシチュー造りに対する協力を呼びかけていました。
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弟の字を図案化しつつ、食料となる人への「弔い」の気持ちを示す。
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石榴倶楽部
弟の食料品は石榴倶楽部に対し、協力的な関係を築いています。石榴倶楽部の会員に対して料理を振舞うこともしばしばあるようです。
日本生類創研
弟の食料品は日本生類創研に対し、協力的な関係を築いています。日本生類創研に対して製品の開発依頼を行うこともあります。
ハーマン・フラー
弟の食料品はハーマン・フラーに対し、協力的な関係を築いています。ハーマン・フラー主催のショーに出演することもあります。
アンブローズ・レストラン
弟の食料品はアンブローズ・レストランに対し、一部友好的な派閥と一部敵対的な派閥がと存在します。アンブローズ・レストランとは共同で料理を開発することもありますが、一部職員は弟の食料品に対し怨恨があるようです。
闇寿司
弟の食料品のウェイターは闇寿司としても活動が確認されています。
弟の食料品を恐らくどんなカノンにも登場させることが可能です。機械しか存在しない世界であっても補給する燃料を提供するでしょうし、食事をしなくても生存できる世界であっても食事による悦びを提供することでしょう。
弟の食料品 ハブにおいては弟の食料品をメインに据えた作品が主体となりますが、弟の食料品以外の系列店を登場させることも可能です。ゲーデ・フィルムとは異なり「可哀そうな子が可愛そうな目に合う」ことにピッタリの作品を描けるでしょう。ただしこのような作品は世にあふれかえっており、高評価を得るためにはかなりの工夫が必要です。そのため「特別な味」を利用するのです。この味付けによって物語に深みを増し高評価を得ることも夢ではないでしょう。「特別な味」を表現するのに小難しい言葉や比喩表現などは必要ありません。（あってはいけないという訳ではありません。）言うならばこれは言葉の暴力です。あなたの暴力を執筆する記事に叩きつけてください。
弟の食料品はある意味、どこにでもいてどこにもいません。財団に発見されず犯行を行い続けることが可能であるのはそういった所以のあるものでしょう。ただし彼らであっても無敵の存在ではありません。必ずやいつか弱点が露見し制裁を加えられることもあるでしょう。どのような形であれ、それが訪れたときが彼らの終焉となるでしょう。ただし第二第三の彼らが現れないとも限りません。
方向性としては特に指定はありません。弟の食料品が優位に立って料理を提供する物語が主体となっていますが、弟の食料品を追い詰める作品があってもいいでしょう。しかし大事なことが一つあります。彼らの顧客は個人を対象としており、一度に大勢の顧客を「店舗に」呼び込むことはありません。社会への影響力は極めて低い団体なのです。時系列という概念もぶっ飛んでいます。いつかどこかで誰かが特別な味を享受するに至った。その物語を描きます。
アンブローズ・シガスタンは私ではなく
apodayさんの作品なので、おそらくシチュー造り ハブと混同されているかもしれません。
そこまで大きな問題ではないのですが、CSSの関係か、
が全く見えなかったので白文字などにしてはいかがでしょうか。今打っている文字もPreviewだと全く見えません。
シチュー造りと混同していましたね…。修正しました。
白文字に修正しました。
ここですが、この文は石榴倶楽部文脈での発言なので、同作品から引用するとしたら
の辺りが良いかと思います。
また、ここで示されていますように、アンブローズでも、弟の食料品と良好な関係の店舗もあるようなので、関連団体にもその旨書いて良いかと思います。
準要注意団体を記載しない方針でなければ、関連団体に闇寿司を入れてもいいかもしれません。
上記のように修正いたしました。
友好関係にもある旨追記しました。
闇寿司について追加いたしました。