不眠と鯨とサンテリア
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初めて不眠症と診断された時、精神科医から人間は不眠で死ぬことはないと聞かされた。

言い渡されたのが財団内の医療施設だったのでクリームの曲みたいに駅の近くにはなかったが、それを彷彿とさせるこざっぱりした部屋だった。

白い部屋で、黒いカーテン。

担当の精神科医の名前は北縄と言って、恰幅が良く特に悩みの無さそうな好々爺だ。財団の産業医として25年間働いていて、近い将来財団を辞めたら車中泊を繰り返して本州を沿岸伝いに周りたいと話していたことがある。測量でもするんですかと訊いたら海と漁村を見るのが好きだから単なる観光のつもりだと言った。

黒い屋根の国、金色の舗道はなく、くたびれたムクドリ。

精神科の部屋に通されてすることというのは案外世間の想像通りなもので、まず前回の診察から調子はどうだったか、ぼくの場合は眠れたかどうかということになるが、とにかく調子を尋ねられる。そこで良かったと言えばそうか、じゃあ薬は変えない方がいいねと言われ、だめだったと言えば原因と思われることを尋ねられて返答次第で薬を変えたり増やしたりする。あとは時間が来るまでの雑談、その後薬を渡されてぼくは野に放たれる。これをひと月に一回やるプロトコルになっている。

ここで出された薬は空振りもあったり多少は効いたものもあった。漢方は体質に合わなかった。独特な味があって最初は慣れないと思うが日を追うごとに効き始めるという触れ込みで処方されたぼくにとって初となる東洋医学からの使者だったが、飲み始めたその日から比喩ではなく一歩踏み出す毎に階段を一段踏み外す感覚に見舞われた。名前からして肝臓を爆散させそうというイメージがぼくを不安にさせたのがいけなかったのかもしれない。とにかく漢方はその日で辞めた。北縄氏にその旨を伝えたら特に残念そうな素振りも見せず毎月のメニューから外してくれた。

その後運良く効果のある錠剤にありついて3ヶ月前から先月までは一定時間睡眠を確保できるようになっていた。先月までという文言からお察しのとおり、今は眠れていない。ぼくが3ヶ月以上前に眠れなかった原因がぼく個人の内部的な要因だったとするならば、今回は紛れもなく外部的でしかも政治的な要因だったりする。ぼくは今、洋楽での比喩が許されるならば、パヴァロッティが耳元で誰も寝てはならぬを1秒たりとも欠かさず朗唱しているような状況に置かれている。しかもそのパヴァロッティが他ならぬ財団そのものとあれば、ぼくの不眠は確定したも同然だ。ぼくは財団の意思によって眠れなくさせられている。今のぼくはある嫌疑が晴れるまで監視付きの生活を過ごしている。いや、嫌疑が晴れるまでというのは同胞への慰めで、もしかしたらぼくはこのままずっとここに留め置かれるのかもしれない。

白い部屋で。カーテンはない。

その間ぼくはやることもないので眠気を殺すのと精神統一を兼ねてここまでの経緯を誰のためにとかではなく振り返ろうとしている。

白い部屋で、さよならの窓もない。

発端は北縄氏の提案だった。いや、その前にぼくはまた眠れなくなっていたのだ。ぼくは処方された薬に耐性がついたのか、2ヶ月ほど前から段々と眠れなくなっていった。この変化はぼくに小さな恐慌をもたらしたが、北縄氏は流石精神科医といった具合で想定内だと断じた。薬の量と種類を変えることに同意してあっさりと雑談の時間がやってきたのだが、ここで北縄氏は話の流れでああそうそうと机に置いてある腕時計を持ち上げた。

「万一次眠れなくなった時につけてもらおうと思ってたんだ。レム睡眠とノンレム睡眠を測る機械だよ。一般でも流通してる」

北縄氏がぼくに有無を言わさず手渡そうとするものだからぼくは施しを受けるように両手で器を作った。時計は収まりよくぼくの掌に落ちた。

「診療報酬には含まれないが君とは長い付き合いだしあげるよ。両手のどちらにでも良いから着けて寝てみなさい。次の診断の参考にさせてもらうよ」

初診からくれなかったことに疑問を持ちつつも物を貰う立場なのでぼくは異議を唱えることなく了承した。その後寝る相手もいないぼくは腕時計を道連れに眠りを獲得しようともがく日々を送った。眠れたり眠れなかったりが続いた。幸いぼくの財団での仕事というのは非常事態に招集のかかるエージェントなので、平和なうちは眠れる眠れないはさほど問題にはならない。しかしどうにも眠れないと起きている間は寝ることについてが思考のほとんどを占有し、日常業務に手がつかない。エージェントとして非番の時ぼくはサイトの調達部門で物品の購買担当として働いている。職員食堂の洗剤や、記憶処理に使う用の注射針、更には人型オブジェクトの手慰みになるような色紙を近所の文房具屋から買いに出かけることもある。とにかくなんでもござれという感じ。不眠によって発注業務の効率は悪くなって、事務プロパーの職員に頭を下げつつもぼくはなお自分の眠りについて考えていた。今日こそ30分連続で眠れるだろうか。

家に帰ってからやることは一つ。眠るだけだ。最近食事と入浴はサイトで済ませている。後片付けが億劫なのもあるが、家に帰ってあとは寝るだけの体勢にしておくことで寝る作業に専念できると考えたからだ。万年床と化した布団と合体しようとするようにぼくは身体をこすりつける。ガンジス川の底に滞留するヘドロのように布団の奥底へと沈むようなイメージで意識を最下層の方へと押しやるのだ。その過程で腕時計は時に寝返りを打つぼくの身体にのしかかられたりするものの、忠実に職務を遂行し、北縄氏を唸らせるデータを提供し続けた。

寝付く、或いは知らぬ間に気を失うまでの時間、ぼくは努めて自分が今いる場所がぬかるみの底のような単身者用住宅ではなく、ファーストクラスのシートであると想像する。搭乗機はアルバ、ジャマイカ、バミューダ、バハマ、キーラーゴ、モンテゴ、とにかく観光客という選民向けに神が創りたもうたような白砂のビーチを擁する陽気な南国に降り立つところだ。最近はベタだがハワイに行くことにしている。ハワイならなんとなく身近で想像しやすいからだ。ぼくは地上に着くなり花言葉はおろか品種も分からない花の首飾りをいかにもハワイらしい装束の半裸の女性から受け取り、そのやり場に困りながらも税関まで辿り着く。

「よろしければレイはこちらで預かります」

見ると屈強なアフリカ系の職員が無愛想な感じで腕を差し出している。関節の間にある筋肉の塊一つ一つがまるでスイカのようだ。ぼくは渡りに船とばかりにレイを手渡す。そしてこの人は1日で何個のレイを受け取るんだろうかと想像する。そうすることで眠気が脳漿に染み込むのを待つ。結局今回は失敗したので、更なる時間稼ぎに出ることとした。

「目的は?」
「観光です」

いつもなら学校で習ったとおりの定型文のやりとりを経てそのまま空港を飛び出して砂浜に繰り出すのだが、今夜は眠れる気分がしなかったので時間を稼ぐことにした。周りに順番待ちの客がいないことを見計らってぼくはその職員に話し続ける。

「仕事を忘れるためにここに来たんです」
「仕事が目的ではないんですね?」
「ええ」
「ご職業は?」
「翻訳者です。英語の文章を日本語に訳すんです」
「翻訳者ですか。外国に来たんじゃ、却って休養にならないんじゃないですか」
「そうでもないですよ。ここにいる間はホテルにこもってるだけですから……」
「それはそれでもったいないですよ。そうだ、明日ハワイ大学オアフ校の野球チームが本土の大学と対戦するっていうので、観に行ったらどうです。相手はカリフォルニア大学のサンタモニカ校だったか、サンタクララ校だったか、とにかく前売りの指定席はもう売り切れたかもしれないが当日券はもしかしたら手に入るかもしれない。もし観れなかったとしてもホテルからレス・ムラカミスタジアムに行くまでに太陽を浴びられるしいい運動になります」

ぼくはアメリカの大学野球が券売を行うのかは知らないがそういうことにしておいた。

「そりゃいいですね。行きますよ」
「ええ、是非」

こうしてぼくは強面の職員と打ち解けかけたところで税関を発った。キャリーケース一つの身軽な格好で。想像上のハワイの太陽は殺人的な輝きを放っていたが見かけほど暑くない。さっきのワシントンとかいう職員が言っていたムラカミスタジアムを先に見てからホテルへ行くか、或いはその逆にしようか迷っているうちに意識が飛ぶ。そして気づけば30分経ってまた寝床だ。このサイクルを後5回ほど続けて朝日を迎える。この反復を反復し反復を繰り返す毎にまた新たな反復が生まれる。

そんなある日だった。

ぼくが有休を取ってなんとかまとまった睡眠時間を確保しようと四苦八苦しているところにドアのインターフォンが響いた。ぼくの住まいは勤務先まで歩いていけるほどの場所にあり、一時期は終電を逃した同僚の溜まり場になっていたこともあったが去年の人事異動により散り散りになって以降、インターフォンが鳴ることはなかった。寝床から這って画面まで向かうとそこに職場で見知った保安部門の人間がいた。ポケットに手を突っ込み貧乏ゆすりをしていてよく見ると後ろには黒い公用車も待ち構えていた。ただならぬ事情を背後に認めたぼくはインターフォンを介さず扉を開けて応対しようと思った。ドアを開けるとやはり保安部門の三島だった。ついでに脇を同僚の原と梶谷で固めていた。目礼を交わした後、三島は後ろの車を目顔で示した。艶のある車体はテレヴィジョンのマーキー・ムーンに出てくる墓場からやってきたキャディラックを想像させた。そして三島は歌詞のとおりに

「乗れ」

と言った。

原と梶谷に挟まれる形でヤニ臭い後部座席に埋もれたぼくは訊いた。

「非常事態ですか。電話してくれればお迎えなんて必要ないのに」

運転席ではしばらく沈黙があった。きっとその間どこまで話しても良いか思案していたのだろう。ようやく三島は口を開いた。

「君は収容対象である可能性がある」

夢現のぼくをその言葉が揺り起こした。ぼくは努めて平静を保とうとしながら訊いた。

「ぼくが?」

久しぶりに味わう緊張感にぼくの声は震えた。ぼくの反応を窺っているのか、その場にいた他3人は押し黙ったままだ。この反応も報告書に記載されるのだろうか。しかしそもそもぼくは何も後ろめたいところなどない、不眠症を患っているだけの哀れなエージェントだ。一方で財団職員の中である日突然オブジェクトに指定されて監禁されることが昔からあるのは事実として見聞きしている。最近聞いたのは低ヒューム値の環境下で長年作業をした結果として現実改変者になってしまったとかの類だった。一度オブジェクトに指定されれば二度と娑婆に出てくることはないだろう。ぼくの混乱をよそに三島は続ける。

「今のところはまだ疑い止まりらしいがね。君がどういうオブジェクトなのか、あるいはどういうオブジェクトの影響下にあるのかはこれから尋問で言い渡されるだろう」

「疑い止まり……」

たった今心に生じた困惑をやり過ごそうと外の景色を眺めようとしたが、何らかの遮蔽物によって窓は塞がれていた。もしぼくの収容が決まれば人生で最後に見る外の世界だったかもしれないのに。そう思うや否や車体は左に傾いた。そういえば乗る時にシートベルトをつけていなかったが、両側の二人のおかげで吹っ飛ばずに済んだ。今曲がった交差点を右に行けばぼくの職場だ。しかし左に曲がったということは、土地勘のない場所にあるサイトで尋問が行われるようだ。万一脱走してもすぐ捕まるように。しかしここで当然疑問が湧いてくる。ぼくは職業柄たまらず訊いた。

「沈静はしないんですか?」

脱走防止のために知らない土地へ連行されるにしても、ぼくらエージェントは誘拐されることを想定して出発地からの距離や方角を測る訓練を受けている。サイトによって訓練の内容は違うだろうが、そのおかげで現に車の走行速度、停止と曲がった回数からこの車が隣町との境目あたりに来ていることが分かってしまっている。言い終わってから藪蛇だったと後悔したが想像とは裏腹に3人とも落ち着き払った態度でいた。

「上からは覚醒状態で護送するよう言われている。他のことは知らない」

原が会話を引き継いだ。どうやらぼくの意識によって異常性は発動するらしいということは飲み込めた。ぼくはもっと詳しく説明をしてもらえないかというような視線を寄越したが、3人はこれ以上喋ることはないといった雰囲気を発して押し黙ってしまった。結局話すことのなくなったぼくらは黙ったまま目的地に到着した。

サイトに着いたぼくは儀礼的に目隠しをされて車を降ろされ、手も後ろに縛られたうえで建物内に連行された。自分のサイトと似たような消毒液の臭いと足音がよく響く床。何回も曲がり角を歩かされた。それによりある一点に収縮していくような感覚に捕らわれて落ち着かなくなった。ドアを開く音が聞こえ、ようやくここが聴取室だと思った矢先にこれまた固い椅子に予告もなく座らされた。おかげで尻を強かぶつけて痛かった。

「インタビューを行う前に薬剤を注射します。腕を楽に伸ばしてください」

目の前に座っているであろうインタビュアーが言うや否や冷たい針が腕に忍び込んだ。ぼくはこの薬の中身を知っている。自白剤や眠気覚ましの混合物だろう。針が抜ける感覚がし、やっと目隠しが解かれた。見るとぼくの目の前には小学生みたいな背格好で髪がつやつやの白髪の女の子が着席していた。何かの冗談だと思った。

「私は月村博士という。今回のインタビュー役だ。よろしく頼むよ」

月村は見た目に反して落ち着いた声色で言う。目上の立場らしいのでぼくは心持ちシャンと背筋を伸ばして応じた。

「君がここに連れてこられた理由は分かるかな」

ぼくは頷いた。

「それなら話が早い。状況が状況だから君には残念ながら黙秘権はない。オブジェクトや異常性に関して知っていることは洗いざらい話してもらう。今回は君にとってとんだ災難だと思うが、これもエージェントの責務だと思ってインタビューに応じてくれよ。あともう録音は始まっているからね」

はあ、とぼくは気の抜けた返事をした。ぼくは初めてインタビューの対象になる。前にも述べたとおりぼくは待機要員みたいなもので、現場での収容業務には直接関わらない。なので通常インタビューとは軍法会議みたくもっとしゃちこばった感じで進むものと思っていたが、なんとも間延びした空気だ。月村博士は身内だからこんなにフランクな口調なのだろうか。それともこのインタビューは日頃の診察の延長線上にあって、ぼくを特別緊張させないように配慮した措置なのだろうか。しかし不眠の頭であれこれ考えたところで答えは出ないので質問を待ち構えていると、月村はペンを弄び始めた。歳の割に鷹揚な態度に苛立つどのろか、何だか愉快になってきた。全くみに覚えのない罪状について、これから尋問を受けるのだ。こうして自分が置かれている状況を捉えるとひどく滑稽に思えてきた。果たして彼女の足は床に届いているのだろうかと、無性に気になり始めた。ぼくの注意は駅の床からこそぎ落とされたガムみたいに、現実から遊離している。

「オランダ領キュラソーに聞き覚えは?」

不可解な質問がぼくを現実に引き戻した。ぼくはじっと月村博士の目を見据えた。黒目がちの瞳はぼくの反応を観察する実験者のまなざしを注いでいる。この時エージェントらしく動揺を見せまいと思っていたが、ぼくはその時は?と無意識に訊き返してしまっていたかもしれない。オランダ領キュラソーとは何のことだろう。かろうじて中米の島であることしか思い出せない。月村博士は更に続ける。

「中米に浮かぶ島だよ。その様子じゃ心当たりはないみたいだが」

予期していたことではあったがまるで見当がつかない。ぼくは謝意を示すために肩をすくめた。キュラソー?ぼくは担がれているのだろうか?相手はなんとも不服そうな面持ちで身を乗り出して僕の顔を覗き込んだ。体が小さいためか上半身を支えるために両腕を目いっぱい机に押し付けている。月村は質問する。

「本当に身に覚えがないのかな。例えば旅行に行ったとかそんな直接的なものでなく、テレビの広告で映像を見たとか偶々旅行用のパンフレットを見ている時にその文字列を見たとか」

そんな重箱の隅をつつくような物言いをされるとなんだか強く否定できないので、腕を組んで考える姿勢を示した。相手が根負けするのを待つためしょうがなくこちらが唸ってみたが、結果は同じで全く思い浮かばない。

「混乱させているみたいだね。すまない。余計混乱させるかもしれないがキュラソーは置いとくとして今度は鯨はどうかな」

「鯨……」

今度は鯨ときた。あまりに質問の矛先の転換が急だったものだから、今度は動揺を隠せていなかったと思う。ぼくの反応を見て手持無沙汰な感じでペンを回していた月村博士の右手は今日初めてノートに何かを書きつけた。

「もちろん鯨のことは動物としては知っていますが、ぼくと関わりがあるかと訊かれたら怪しいところです」
「そっか、ふーん」

月村博士の態度を見て途端にぼくの心の余白を急に苛立ちが占め始めた。いいだろ。もうそっちの手札を見せなよ。これ以上ぼくが知ってることと知らないことの分類作業を続けるなんて不毛だ。こういう類のものは北縄先生の診察室でやる方がお似合いだ。ぼくがその変なオブジェクトと関わっているのはあんたらの事前の調査で証明がされているんだろ。このインタビューは裏を取るためのインタビューではなく、書類手続き上必要だからただ形だけやってるものなんだろ。早くぶちまけろよといった具合に。ぼくはできる限り慇懃に、不平不満を相手にぶちまけようと試みた。

「あの、先ほどからの質問の意図がよく分かりません。一般的な語句を聞かされてそれに心当たりがあるか、そしてその都度知ってる知らないを書きつけているようではこれではまるで知能テストを受けさせられるチンパンジーになったような気分です。こんな迂遠なやり方じゃなくて、ぼくがどんな廉でここに連行されてきたのかを教えてください。そうすればこちらとしてもより協力がし易くなる。そうは思いませんか」

語調が幾分激しくなり慇懃にとはいかなかったがとりあえずぼくの言い分は話せた。これを聞いた月村博士は気圧された訳でもなくただ無感動にため息を吐いた後、

「じゃあ率直に言おうか」

と腕を組みふんぞり返ってぼくを見返した。以下の台詞を、ミッションインポッシブルに出てくるような事務的な口調で捲し立てた。

「キュラソーの首都ウィレムスタットの海岸で鯨が暴れ回っている。それも海の中ではなく砂の上でだ。尾ひれを人間の足のように使って二本足で人間を襲っているとのことだ」

ぼくはハワイの時の要領でキュラソーを想像してみた。パラソルが所々に立っていて、白人の、おそらく本国オランダからの観光客がレジャーシートを敷いて寝っ転がっている。そんな平和な海岸に突如、ノルマンディー上陸作戦もかくやというくらいの数の鯨が二本足で水族館のアシカショーのような体勢で浜に押し寄せ、観光客の逃げ惑う中腹這いになってのたうち回るのだ。おおよそ現状起こっている現象はこんなものだろう。しかしその怪現象とぼくに何の関わりが?ぼくとキュラソーはおろか、そこの鯨たちとは仲良くしている覚えがない。財団はぼくとそれらとの接点は一体どこからほじくり出してきたのだろうか。

君の睡眠の周期と高い相関性が出た訳だ。だから今日、ここに出馬を願った。
君が眠っている間活性化するみたいだ。偶々精神科医の北縄氏が

だてに25年財団で働いてないなとぼくは思った。

「疑似相関ではないんですか?」

さて、これで原稿用紙20枚分は喋れただろうか。ぼくが知り得ることの顛末はこれくらいだ。

「疑似相関ではないんですか?」

そう問うのはやめにした。

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