なお、可憐に、凛として。

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「ありがとうございましたー。」

終礼の掛け声を棒読みで終わらし、私  中尾 薫は机横のフックにかかった通学鞄を手に取った。
今日は時間割変更で珍しく5限で学校から解放されるとあってか、いつもよりクラスが騒がしく思える。そんな声々をBGMに、私は目的地である隣のクラスへ向かった。

「あっ、来た来た。おーい、こっちこっち。」

「叫ばなくっても聞こえてるって、穂香。」

隣のクラスの前には、私を待っていたのであろう加藤 穂香と林道 祥子が私を見て話していた。

「悪い、ちょっと終礼が長引いちゃってさ。」

「うーむ、それじゃあ今日のマクドは薫が奢りね。これでおあいこよ。」

「流石にひどくないか!?不可抗力じゃん…。」

「穂香、薫をいじめないの。この子当たればすぐ死ぬ小動物なんだから。」

「お前もさらっと毒を吐くなよ祥子…。」

私達は他愛のない話をしながら靴箱へ向かって行った。私達3人はいわゆる幼馴染というやつで、幼稚園入園当初からの長い付き合いだ。
穂香が意地悪をし、祥子がそれを咎めながら毒を吐き、私がそれを受け止めさせられるという、何とも悲しくなるような関係を昔から変わらず続けている。といっても、これが私達のスタイルなので苦痛ではないのだが。

「冗談よ、じょーだん。…そういえばさ、面白そうな事聞いたんだけど興味ある?」

ふと、穂香が私たちにある提案を持ちかけていた。

「面白そうな事って、どんな事だ?」

気になった私は穂香に尋ねてみた。

  2人はさ、未来の自分の姿を知りたくない?」

その言葉を皮切りに、穂香は面白そうな事である噂話を話し始めた。

曰く、町のはずれにある一軒家に芸術家が住んでいたと。
曰く、その芸術家はある芸術品のみを残して失踪したと。
曰く、その芸術品は鏡であり、その鏡をのぞくと未来の自分の姿が映ると。

「それ、ただの噂話なんじゃないのか?」

「どころがどっこい、実際に見た人が居るらしいのよ。」

「へぇ。で、その見た人って誰なの?」

「ええっと、確か隣町の高校の3年生の弟の同級生だったはず。」

「…その情報信用できるのか?」

私、穂香、祥子、穂香、私の順にその噂について話していく。気が付けば私たちは校門前まで移動していた。

「さぁ?だけど、実際に行ってみて確認してみるのもいいかも。その噂が本当かどうか。」

「勝手に家に入るのはまずいんじゃない?」

穂香の提案に祥子が不安を口にする。確かに勝手に入るのは犯罪として咎められる事だろう。

「良い事教えてあげる。…バレなきゃいいのよ、バレなきゃ。」

「バレなくてもダメなんじゃないかなぁ。」

そんな問答を数回繰り返していく内に、私達の目的地はマクドから噂の一軒家へと穂香の手によって半ば強制的に変更になった。


制服のまま歩くこと1時間程、私達は噂の舞台である一軒家の前に来ていた。目の前にある一軒家はやや古さを感じるものの、廃墟とは呼べない程手入れがされているように見えた。

  なぁ、ホントに入るのか?もし誰か住んでたら大問題だぞ。」

私は穂香に問いかける。だが穂香は右人差し指を3回振り、あまいなぁ薫ちゃんと笑いながら言った。

「ほら見て、ここの家のポスト。郵便物がはみ出てるでしょ?だからこの家はしばらくの間無人だったって事になる。それに  。」

そういいながら穂香は溜まった郵便物の中から1枚の郵便物と取り出す。それは水道料金の催促状だった。

「少なくとも1ヵ月は居ないっぽいし、さっと入って出れば大丈夫でしょ。」

  お前、その賢さをどうして勉強に向けないんだ?」

穂香がいわゆるドヤ顔で披露した推理に対し、私は呆れた返答しか出来なかった。

「なによ、私が馬鹿って言いたいの?ってあれ、祥子は?」

私に対し文句を言う穂香であったが、祥子の姿が見えないことに気が付いた。私もどこに行ったのだろうと思いながら探すと、不自然に空いた一軒家の玄関が目に入った。

「先に入ったね。」

「間違いなく入って行ったわね。」

「いつか猫に殺されるわよ、あの子。」

そこは猫のように殺されるのではないか?と思ったが、口に出したところで玄関に入って行く穂香には聞こえないだろうと考え、大人しく後を追った。


中に入った私たちは家の中をくまなく探していた。だが噂にあった芸術品の鏡は見当たらず、どうしたものかと言葉を交わしていた。

  全然見当たらないな、やっぱり噂は噂だったんじゃないか?」

「おっかしいなぁ、聞いた話だとマジっぽかったんだけどなぁ。」

私が呟いた言葉に穂香が反応する。これ以上探しても何も無いだろうと思い、帰ろうと2人に促そうとした時。

「薫、穂香、こっち来て。」

祥子の声が聞こえてきた。


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