現在このページの批評は中断しています。
アイテム番号: SCP-1147-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1147-JPはサイト-81██の低脅威物品保管庫に折り畳まれた状態で保管されます。
サイト-81██内で通常の段ボールを保管する場所は「段ボール集積所」に指定される保管庫に限定され、最低3枚以上の段ボールが保管されるよう維持されます。また段ボール集積所を除いて、サイト-81██内で段ボールが3枚以上重ねられる状況が無いよう常に警戒されます。
段ボール集積所には常に1人以上の管理人が配置されます。サイト-81██内で段ボールを使用する場合は段ボール集積所管理人の許可を得て下さい。また段ボール集積所管理人は、段ボールの使用許可を求める職員に対して代替品・代替手段で対応可能かどうかを確認し、代替可能であればそれを促して下さい。
SCP-1147-JPを用いた実験は担当職員2名以上の承認を得て下さい。この際起用される実験対象には事前に精神鑑定テストを受けさせ規定値以上を満たす者に限り、Dクラス職員の起用には更に許可申請書を提出して下さい。
説明: SCP-1147-JPは組み立てた状態の大きさが約300mmx300mmx250mmの無地の見た目をした段ボールです。SCP-1147-JPには製造元を特定できるロゴやデザインといったものは記載されていません。SCP-1147-JPは後述の条件下で使用しない限り、通常の強度を有する梱包資材としての使用が可能です。
SCP-1147-JPの異常性は、自身の荷物を梱包する際に当該オブジェクトに触れることで発生します。オブジェクトの見た目が段ボールという性質により、接触事例の多くが住居移転の作業時に発生します。他の梱包用段ボールに紛れたSCP-1147-JPに触れるとオブジェクトは瞬間的に組み上がり、粘着性テープで養生された一般的な荷姿となります。自動的に組み上がったSCP-1147-JPに対して被験者が違和感を感じることはありません。また組み上がった状態のSCP-1147-JPの重量は被験者に因らず5Kgとなることが判明しています。
SCP-1147-JPは梱包形態に変わった際、異常な破壊耐性を有します。実験ではSCP-1147-JPの耐荷重は10.0KNを越え、出現した養生テープは如何なる手段を用いても剥離出来ませんでした。
開封前のSCP-1147-JPの中身を問われた被験者は、一様にしてSCP-1147-JPの中には自身の「希望」若しくは「夢」が詰められていると証言します。被験者はSCP-1147-JPの中身を繰り返し問われたとしても具体的な言及を避けます。
SCP-1147-JPは被験者の転居先でのみ開封できます。この時開封したSCP-1147-JP内には不特定多数の物品が出現します。出現する物品は、ある未来の時点で被験者に必要とされる、あるいは被験者本人が強く望むと考えられる物が現れやすい傾向にあります。
SCP-1147-JPは焼却以外の方法1により組み立てが不可能となった場合、損壊地点から一番近くに存在する、3枚以上の異常性を有しない段ボールがまとめられている場所に転位します。転移した際SCP-1147-JPは転移前の損壊状態は完全に回復した状態で現れます。
SCP-1147-JPは関東圏において█件発生していた、転居の際に身に覚えのない荷物が混じっていたという報告例に目を付けた財団エージェントにより発見されました。SCP-1147-JPは現在まで██枚発見され、サイト-81██に█枚保管されています。また新たに発見されたSCP-1147-JPは焼却処分されます。
実験記録1147-01-1 - 日付20██/█/██
付記: 実験対象にはサイト-81██への人事異動が決定された財団職員を起用しています。
対象: D-1365 D-1366 D-1367
実施方法: SCP-1147-JPの異常性は告げず、荷造り用の梱包資材にSCP-1147-JPを紛れ込ませる。
結果:
対象 | SCP-1147-JPの中身 |
D-1365 | 無し |
D-1366 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスA記憶処理薬 |
D-1367 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスC記憶処理薬 |
分析: 初期報告内容と異なる結果となりました。対象がDクラス職員であることを踏まえ再度実験を申請します。
実験記録1147-01-2 - 日付20██/█/██
対象: D-1381 D-1382 D-1383
実施方法: SCP-1147-JPの異常性は告げず、荷造り用の梱包資材にSCP-1147-JPを紛れ込ませる。
結果:
対象 | SCP-1147-JPの中身 |
D-1381 | 無し |
D-1382 | 無し |
D-1383 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスA記憶処理薬 |
分析: 具現化した物品はDクラス由縁と考えられますが、箱の中身が無い者との差に説明がつきません。具現化した記憶処理薬の製造番号はいずれも未来の日付を表しています。成分分析の結果、現在財団が使用しているものと完全に一致しました。
実験記録1147-01-3 - 日付20██/█/██
対象: D-1413 D-1414 D-1415
実施方法: SCP-1147-JPの異常性は告げず、荷造り用の梱包資材にSCP-1147-JPを紛れ込ませる。
結果:
対象 | SCP-1147-JPの中身 |
D-1413 | 無し |
D-1414 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスB記憶処理薬 |
D-1415 | 無し |
分析: 異常発現のトリガーが荷造りの際というだけであって、転居に関連するものが出現するわけではないかもしれません。次回は一般職員に協力を仰ぐ形で再度実験を申請します。
実験記録1147-01-4 - 日付20██/█/██
対象: 坂口研究員 岡林研究員 エージェント・大山
実施方法: SCP-1147-JPの異常性は告げず、荷造り用の梱包資材にSCP-1147-JPを紛れ込ませる。
結果:
対象 | SCP-1147-JPの中身 |
坂口研究員 | 化学専門書 フライパン 睡眠導入剤 |
岡林研究員 | 裁縫箱 ミネラルウォーター 葉酸サプリメント クラス█-██記憶処理薬 |
エージェント・大山 | 無し |
分析: エージェント・大山を除き、一般人と同等の結果が得られました。具現化した物品に関し、坂口研究員は料理に興味がある旨の供述を行いましたが、岡林研究員は心当たりがないと供述しています。クラス█-██記憶処理薬は財団職員が退団する際に用いられるものであることに留意して下さい。なお一部職員に対するインタビューの詳細は「インタビュー記録1147-JP」を参照してください。
実験記録1147-01-5 - 日付20██/█/██
対象: D-1477 D-1478 D-1479
実施方法: SCP-1147-JPの異常性は告げず、荷造り用の梱包資材にSCP-1147-JPを紛れ込ませる。
結果:
対象 | SCP-1147-JPの中身 |
D-1477 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスD記憶処理薬 |
D-1478 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスB記憶処理薬 |
D-1479 | 無し |
分析: 当サイトではミーム侵襲が懸念されるようなオブジェクトは収容されておらず、収容予定も現在のところありません。また過去の被験者も含め、全ての被験者の行動記録を逐一報告するよう求めていますが現在まで特筆すべき報告例はありません。次回実験では新入Dクラス職員ではなく、他サイトから人事異動が予定されているDクラス職員を被験者として申請します。
実験記録1147-01-6 - 日付20██/██/██
対象: D-897 D-976 D-1021
実施方法: SCP-1147-JPの異常性は告げず、荷造り用の梱包資材にSCP-1147-JPを紛れ込ませる。
結果:
対象 | SCP-1147-JPの中身 |
D-897 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスA記憶処理薬 |
D-976 | Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスA記憶処理薬 |
D-1021 | 自動拳銃 安楽死執行許可に関する証書 Dクラス職員用作業服 GPS発信機 クラスF記憶処理薬 |
分析: D-1021の開封実験時に事案が発生しました。詳細は事案記録を参照してください。なお証書の発行は未来の日付となっており、承認欄のサインは財団倫理委員長の正式なものであることが確認されました。拳銃は自殺用であるとする見方が有力です。
事案記録1147-JP: 当該事案は20██/██/██ 実験記録1147-01-6における被験者D-1021によるSCP-1147-JP開封実験時に発生しました。実験当時、現場にはD-1021と2名の保安員の他、実験室の隣に配置された監視室に3名の研究員による立会がされていました。D-1021がSCP-1147-JPを開封した瞬間、オブジェクトを中心として衝撃波が発生し、実験室内の監視カメラ等の電子機器は全て破壊されました。またこの時発生した衝撃波により保安員1名が死亡、研究員を含む4名が重軽傷を負った他D-1021が消息不明となりました。オブジェクトの真上には、直径約1mの穴が屋上まで貫く形で空いていました。監視カメラが破壊される直前の映像には、開封されたオブジェクトから出てきた黒い霧のようなものがD-1021の全身を瞬時に覆う様子が映し出されていました。後の解析でD-1021に取り付けられていたGPSは、サイト-81██から約300m離れた地点で通信が途絶えていることが分かりました。
終了報告書: 追跡調査の結果、██県██市内の空き家に不法侵入していたD-1020を発見・保護しました。発見時のD-1020の服装は、財団雇用以前に服役していた刑務所の制服を着用していました。また財団在籍時の記憶を完全に喪失していることが判明しました。本事案を受け、今後選定される被験者は事前に精神鑑定テストを受けることが決定され、Dクラス職員の起用は特別な事情の無い限り避けることとします。
分析: 今回の事案はD-1021自身の意思による脱走であると私は考えます。彼にどのような未来が待ち構えていたかなど全く分かりませんが、想像に難くありません。脳裏に焼き付いた恐怖や憎悪というものは完全に消し去ることは出来ない、ということなのでしょうか。-磯谷研究員
補遺1: 日付20██/█/██ 事案発生後保護されたD-1021に対して行われたインタビュー記録です。
インタビュー記録1147-JPー█
対象: D-1021
担当職員: 磯谷研究員
<記録開始>
[重要度が低いため中略]
磯谷研究員: えっと、少々整理しますが気付いた時には██市の以前住んでいた自宅付近にいたと。そしてそこにはもう既に他の方が住んでいて、持ち物も何もなく途方に暮れていた。雨風をしのぐ為に適当な空き家に潜んでいたと。
D-1021: はい、そんな感じです。
磯谷研究員: 念の為の確認ですが、意識が戻る以前貴方は何処で何をしていたか分かりますか?
D-1021: ……刑務所にいました。
磯谷研究員: そうです。何か疑問に思うことは?
D-1021: 私は、あの刑務所で一生を終えるはずでした……今も何故、あの場所にいたのか全く分かりません。
磯谷研究員: 些細な事でも構いません、何か思い出すことはありませんか?
D-1021: 強いて言いますと……不思議な夢を見ていました。
磯谷研究員: どのような夢ですか?
D-1021: やけにはっきりと、今もはっきりと覚えています。真っ暗な空間にスーツ姿の男が一人立っていました。顔は……もやのようなものがかかっていて、良く見えませんでした。その男……彼はとても興奮したように話しかけてきました。私は身動き一つ取れず、彼の話を聞くだけしか出来ませんでした。えっと、このまま続けても平気ですか?
磯谷研究員: えぇ、全てお聞かせ下さい。
[以下D-1021の証言をまとめた内容となります]
「初めまして██[D-1021の苗字]様、突然のご訪問失礼いたします。我が社の試供品を使用してこんなにも強い願いを込めて戴いたのは貴方だけです。貴方の願いに大変感銘を受けまして、是非お会いしなければと僭越ながら思い、馳せ参じました。申し遅れました、わたくし「夢」を取り扱う会社で広報を担当しております西川と申します。我が社の商品はいかがでしたか?貴方の使用されたこの夢見る段ボールでは、叶えたい夢を先取りさせていただいております。箱の中に現れるのは、次の新たな生活を迎える時、貴方にとって正に必要となるものばかりです。必ずや訪れる輝かしい未来に備え、そして存分に活用してください。私共は貴方の新たな生活を、夢を陰ながらに応援して参ります。」
D-1021: ……といった事を彼は一方的に捲し立てて消えていきました。私には何のことやらで。
磯谷研究員: ありがとうございます。その男が現れたのはそれっきりですか?
D-1021: はい。
磯谷研究員: わかりました。これ以上ないようでしたらインタビューは終了とさせていただきます。
D-1021: あの……こんな私にも……。
磯谷研究員: 何ですか?
D-1021: こんな私にも、彼が言っていたような明るい未来が本当に待っているのでしょうか?
磯谷研究員: そうですね……貴方に未来を変える権利があるか、私には分かりかねます。
<記録終了>
終了報告書: 本オブジェクトには要注意団体の関与が疑われますが、現在まで有力な手掛かりは発見されていません。なおD-1021は財団へ再雇用となりました。
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C-
- _
注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。
- portal:4428753 (17 Dec 2018 12:45)
ご批評いただけますと幸いです。よろしくお願いします。
この記述は全体のストーリーに沿っていないと思います。「思い出」は過去を連想させるので、本来のオブジェクトの特異性に至ったときに若干混乱しました。
「SCP-XXX-JPの異常性は、被験者が自身の荷物を梱包するためにSCP-XXX-JPに触れることで発生します。段ボールという性質により、接触事例の多くは住居移転の作業時に確認されます」
クリニカルトーンに沿うとこういったような文章が適していると思います。「引っ越し」というワードはインタビューの際に出すといいでしょう。
最終的に何を注目させたいか定まっていないような印象を受けます。エージェント・大石の「無し」を見せたいのか、補遺2のDクラスの末路を見せたいのか、オチが二つに分かれています。「未来に必要なものを出現させる」という親切な特異性の残酷さをより見せるような表現を選択してみてください。
ありがとうございます。改稿いたしました。
このオブジェクトのコンセプトとして、財団という存在の特殊性を際立たせたかったといった意図がありました。
確かにこの言葉が適当かどうか悩んではいました。未来に関連させるため「夢もしくは希望」という表記にかえさせていただきました。
ほぼそのままですが、若干ニュアンスを変えて使用させていただきました。インタビュー以外での「引越し」という言葉を転居などの別の言葉に置き換えました。
私の狙いではエージェント大山の実験結果に焦点を当てるつもりはあまりなく、エージェント大山へのインタビューは異常性のイメージの補足が狙いでした。オチとしてはあくまでもDクラスの末路、としたいので実験記録以下の構成を見直しました。結果的に要注意団体を出す形になりましたが、効果的となっているか不安ではあります。
最近投降した記事です。
有難いことにレートはプラスで残っているのですが、より良い評価をいただくのにどうすれば良いかご意見をいただけませんでしょうか?
レートの中身を見るとUVとDVが拮抗している、というわけではなくNVが圧倒的……なように見えます。
私としてもどこをどう改善すれば良いか、客観的なアイデアが思い浮かばない状態です。