SCP-XXXX-JP【死者より、愛する貴方へ】

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SCP-XXXX-JP

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの収容はその特異性の影響で確立することが出来ません。担当職員はカバーシナリオ[都市伝説]を適応して下さい。

説明: SCP-XXXX-JPは██県██市に存在する██████中学校の敷地内に植えられている枯れた梅の木です。一般的に家族と称される存在が亡くなっている人物がSCP-XXXX-JPに触れると上記の存在からの声が聞こえると報告がされます。又SCP-XXXX-JPの話を聞いた人物は、SCP-XXXX-JPに触れたいと考え、現在位置とSCP-XXXX-JPとの直線距離の近さに比例して触れたいという意欲が増していきます。

SCP-XXXX-JPは20██/█/██に休暇中のエージェント████がSCP-XXXX-JPの噂を聞き、興味を持った事がきっかけで発見されました。収容をする際、収容に関わっていた職員全員が拒否反応を示しました。この事からミーム汚染の疑いがあると推察されました。

収容実験XXXX-1 20██/██/█

対象: SCP-XXXX-JP

方法: D-19935に対し、従わなければ終了させると予め伝えておき収容させる。

付記: 収容手段は予め伝えてあります。

結果: D-19935は拒否反応を示し、再度終了の峰を伝えても拒み続けた。

備考: 少なくとも収容の提案や思考、強制させる事は出来る事が分かりました。

収容実験XXXX-2 20██/█/█

対象: SCP-XXXX-JP

方法: 自動ロボットを用いる事による遠隔操作での収容。

結果: 開始直後、ロボットが停止し遠隔操作の機械が故障した。

備考: 数回程同じ実験を繰り返しましたが、結果は同じでした。

補遺1: 上記の実験から、収容に対する拒否反応はミーム汚染では無く、現実改変ではないかと推測しました。

補遺2: 未だにSCP-XXXX-JPが存在していて、GOCが姿を見せていないことからGOCがSCP-XXXX-JPの破壊を行えていない事が推測され、現実改変の疑いが濃厚になりました。

以下はSCP-XXXX-JPに対する接触実験です。

実験記録XXXX-1 20██/█/██

被験者: 40代女性(数年前息子がベランダから転落死している。)

結果: 息子の声で「お母さんは悪くないよ。」と言われたと報告。

実験記録XXXX-8 20██/██/██

被験者: 10代男性(去年祖母が脳卒中が原因で亡くなっている。)

結果: 「いつも見守っているよ。」と言われたと報告。

実験記録XXXX-13 20██/█/██

被験者: ███博士(先月妻¹が乳がんが原因で亡くなっている。)
結果: 「落ち込んでないできちんと職務を全うしなさい！」と叱責を受けたと報告。

実験記録XXXX-17 20██/█/█

被験者: 20代女性(数年前父親が交通事故が原因で亡くなっている。)

結果: 「晴れ着姿が見れなくて残念だ。」と言われたと報告。

補遺3: SCP-XXXX-JPの発見当初、根本に手紙を発見しました。以下はその内容です。

母さんへ

まず、こんな形でしか伝えられなくてごめん。
ここで話すのは恥ずかしいから。
あの時、俺は自殺しようとしていたんだ。
会社では上司に有る事無い事言われて、友人とも疎遠になって、唯一の拠り所だった母さんも死んで、何もかも嫌になってさ、それで、気がついたらここに来てたんだ。
多分、思い出に残ってたからだと思う。
母さんこの梅の木は私が一生懸命手入れしていた木だなんて言ってたっけ、なんて事を思い出してたら、段々と木に触りたくなってきたんだ。
触れたら、母さんの声が聞こえてびっくりしたよ。
馬鹿なことしてないで頑張りなさい。だとか、ちゃんとしてる？だとか聞こえて、死んでも母さんは変わらないなって、思わず笑ったよ。
母さんにずっと見ててあげるから、味方でいるから頑張んなさいって言われたときは、すごく救われたよ。
おかげで、もう少しだけ頑張れる気がしたんだ。
その日から少し経ってからこの木で死んだ人の声が聞こえるって噂が流れて、相変わらず母さんは人を惹きつけてるんだなぁって思ったんだ。
時間が出来たら、また来るよ。
ありがとう、母さん。

███より