Tale「我が父へ」

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この手紙は貴方の為に認めます。これが貴方の元へ届くことはないでしょう。届いたとしても貴方が心打つようなものではないでしょう。それでも僕は貴方にこれを送ります。きっとこれは僕の自己満足です。

既にご存知だと思いますが、最近ようやく昇進しました。セキュリティクリアランスがレベル4へ上がりました、本部でも反映されている筈です。そして多くのアノマリーがカバーストーリーで包まれているという事実を知りました。ただただショックでした。勤務時間外に熟読し、頭に叩き込んだ特別収容プロトコルが当然のように虚構で包まれているなんて。ああこのオブジェクトはこんなに恐ろしいものだったとか、あのオブジェクトは本当はこんな危険性があるんだとか、ろくな事実が無いのです。僕には友人が居ます。貴方も知っているかもしれません。彼は未だクリアランスレベル3です。もし帰国する際彼が昇進していなかったら僕は彼とどうやって話をすればいいのでしょうか?見ている世界が違う彼と、今まで通りの会話は出来るのでしょうか?

「昇進をする度に暫く休暇を取る職員が多い」と貴方は以前言っていましたね。その理由が今なら分かります。きっと気持ちの整理を付けるためでしょう。アノマリーについて包み隠さず語り合っていたかつての同僚に虚偽を交えて言葉を紡ぐことを義務付けられる覚悟を持つ為なのでしょう。

だから僕は貴方に伝えたかったのです。辛かったでしょうと。貴方は僕よりも多くの権限を持っています。きっと僕より辛い現実があるのでしょうね。貴方の「現実」を理解出来、愚痴を零すことが出来るようにはなりません。

でももし、それを理解出来る日が来るとしたら、それは貴方にとっては喜ばしいことなのでしょうかね?

P.S. なぜ俺はこんなものを書いた?父さんはそもそも職員じゃあ無い。……ああ、そうだ、思い出した。アレか。まぁ、このザマじゃ恥だけのブツは砂漠のド真ん中にあるオアシスみたいなものだ。束の間の平穏だったな。
……こんなクソみたいなポエム書かせやがって。とうとう懲りたのかね。それとも俺を画面の前でヨシヨシしてくれるだけのアバターだと思い込んだのかね?そうであるなら寧ろいいかもな。そうしたら、もしかしたら、いつかは"愛するべき我が父"様の「現実」に殴り込みに行けるのかもしれないんだ。

それが喜ばしいかは別としてな。俺にとっても。


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  1. portal:4411949 ( 25 Mar 2020 07:21 )
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