コンテストSCP-JP 「アイデアノート」

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8152の高脅威度Safeオブジェクト収容室のロッカーに収容します。現在、SCP-XXXX-JPを用いた実験は無期限停止中です。SCP-XXXX-JP-Aは部屋の四方にスクラントン現実錨を設置した特殊人型収容室に収容されます。収容担当職員はSCP-XXXX-JP-Aの監視を行い、不審な行動があれば即座にサイト-8152管理者へ連絡をして下さい。また、SCP-XXXX-JP-Aは具体的な異常性が判明し次第、ナンバーを独自のものに再度指定します。

説明: SCP-XXXX-JPは異常性を有したB5サイズのノートです。表紙と裏表紙は██████社が販売しているものと非常に類似しており、ノート内部は回収時点で4ページ分が使用されています。

SCP-XXXX-JPの具体的な異常性は現在判明していませんが、これに架空の物語や架空の人物などの内容を筆記すると、筆記したものと同様のアイデアが書かれている情報媒体が消失し、人々の記憶から消失すると推測されます。これはSCP-XXXX-JPの収容以前の所持者(以下、「SCP-XXXX-JP-A」と呼称)に対し行った最初のインタビューを元に推測されたものです。

SCP-XXXX-JP-Aは30代半ばの人型実体で、失踪届が出ている作家の████氏である可能性が高いです。SCP-XXXX-JP-Aは何らかの現実改変能力を有して居ることが判明しており、その能力によりSCP-XXXX-JPの異常性を創造したと証言します。SCP-XXXX-JP-Aは財団を認知し、敵対する何らかの団体に所属していると思われます。SCP-XXXX-JP-Aはサイト-8152周辺にて不審な動きをしていた所を財団のエージェントに発見されました。その後対現実改変アノマリー包囲装置によりSCP-XXXX-JP-Aを捕縛し、その際に彼が所持していたSCP-XXXX-JPも確保しました。

以下がSCP-XXXX-JPにて収容時点で記述されていた文章の一部です。

  • 文書1: 吸盤のようなものを用いて頭部に装着するプロペラ。プロペラの直径は人の頭を上から見た時のそれと同様ほどのものであるが、これを装着してプロペラを回転させることで装着者は空を飛ぶことが出来る。
  • 文書2: ある日老人の男性が竹を切っていると、竹の中にとても小さな少女が居た。少女は男性とその妻の養子となり美しく育つが、後に少女は月の住民だということが分かる。最後は月の住民達が彼女を迎えに来て、彼女は育て親である老夫婦に別れを告げる。
  • 文書3: ある少年と少女は愛し合っていたが、互いの家族が仇敵であった。更に少年は諍いに巻き込まれ街を追放され、少女は異なる相手との結婚を家族に決められてしまう。それでもお互いが結ばれたいと考えていた少女は薬で仮死状態になり自らを死んだことにした後に、少年と駆け落ちする策を考えていた。しかし少年は少女が本当に死んでしまったと勘違いを起こし仮死状態の少女の前で自殺してしまう。目を覚ました後にそれを知った少女はそれに酷く悲しみ、後を追った。
  • 文書4: トラックに轢かれて死亡した筈の少年が、魔法の存在する異世界に迷い込み新たな人生を始める。少年はトラックにはねられるより前の記憶を保持し、更にその世界に存在するあらゆる魔法を自由に行使できる能力を手に入れる。

上記の文書を別紙に写し異常性を有さない財団職員200名とDクラス職員2000名、一般市民のインタビューにより内容を確認させたところ、文書4を除いて上記の文書の内容を思い付いた、元から知っていたという者は居ませんでした。また文書4については、複数名の職員が「以前このような話を考えたことはある」と指摘しています。また、現段階ではSCP-XXXX-JPが原因と思われるインシデントは確認されていません。

インタビュー記録XXXX-JP-A - 日付2020/██/██

対象: SCP-XXXX-JP-A

インタビュアー: 雲狩博士

備考: SCP-XXXX-JP収容から2回目、敵対組織とノートについての更に詳細なインタビュー。

〈記録開始〉

(敵対組織については新たな情報が得られなかったため省略。)

雲狩博士: 質問を変えよう。以前のインタビューでお前の持っていたノートの特性は分かった。ノートに書かれていた文章も確認している。あれは君が書いたものか?

SCP-XXXX-JP-A: ああそうだ。最高に滑稽だった。世界で何千何万と描かれ演じられた悲劇の内容が、一瞬で忘れ去られたんだ!

雲狩博士: それはいつ書いた?

SCP-XXXX-JP-A: そんなに昔じゃない。あれを作ったのが最近だからな。

雲狩博士: その「アイデア」が人類にとって貴重な物なら、我々でも予期しないことになる可能性が高い。それを狙ったのか?

SCP-XXXX-JP-A: 安心しろ、なにも書けば全てが消せるとは言っていない。例えば歴史資料の一部……そうだな、人の伝記や既に現実に存在する発明は消せない。ただし和歌や源氏物語みたいなもんはもし書いたら消えちまうだろうな。

雲狩博士: つまり、フィクションであるものはほぼ確実に消えるということか?

SCP-XXXX-JP-A ああ、使ってみる気になったか?

雲狩博士: 我々はあくまで異常物品を保護する団体だ。

SCP-XXXX-JP-A 財団ってのは人類の為に行動してると聞いたんだけどな。

雲狩博士: 何故あれの使用が人類の為になるのか理解できない。

SCP-XXXX-JP-A: (10秒程の沈黙)娯楽ってのはさ、無限にあると思うか?

雲狩博士: 無限?

SCP-XXXX-JP-A: 物語ってのは起承転結に様々な要素を入れて完成するものだ。幸せな日常、非日常、登場人物の明るいや暗いやらの個性、敵の意見と味方の意見、勝敗、締めくくり方。要素は多い。作家ってのはその中でも「面白い要素の組み合わせ」を追求している。ゲームや音楽だって同じさ。そしてその「面白い要素の組み合わせ」は限られているんだ。

SCP-XXXX-JP-A: 人類が何百何千とそういう「面白い要素の組み合わせ」を作り終えてしまったら、その後は「1部にはウケる組み合わせ」や「ただ要素を適当に詰めたツギハギ」しか生まれないだろう。理論的には、いつしかどれもやり尽くされてしまう。いわゆるネタ切れだ。それでも作家は物語を綴るが、きっと有識者や残存する文献を掲げた奴らが、それは既出だとツッコミを入れるだろう。完璧に一致していないパターンでも焼き回しと言われてしまう。そしていつかは焼き回しと幾番煎じだらけの作品しか生まれない、つまらない世界だ。その日はすぐには来ないだろうが、ある日突然文明が滅んで支配者がリセットされる……なんて事でも起きない限り、それはいずれやってくるとおもっている。

雲狩博士: それを阻止すべくこのノートを作り利用した、と?

SCP-XXXX-JP-A: そうすれば、ネタ切れなんてものは起こらないからな。面白い物語やゲームを常に新鮮な状態で楽しめるんだ。映画を観て、その映画が面白くて「記憶を消してもう一度観たい」と思った時に、本当にもう一度観ることが出来るんだ。素晴らしいアイデアだろう?

雲狩博士: ……動機は聞けた。これでインタビューを終了する。

〈記録終了〉

終了報告書: SCP-XXXX-JP-Aが述べた「筆記されたフィクションの内容の記憶及び記憶媒体が消失する」という特性についてはインタビュー前に行われた調査の件もあり、事実であると考えて良いでしょう。しかし、実在の人物や既存の発明などに影響を及ぼす可能性は未だ否定できず、更にSCP-XXXX-JPの影響範囲を鑑みても安易に検証するべきではないと考えます。それは彼の主張していた用途についても同様です。もし遠い未来が存在し、彼の危惧していることが本当に起こったとしてもそれは人類の存亡とは関係の無いことです。存亡に関係すると仮定しても我々には記憶処理という手段が残っています。



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