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2021_02_11.wav
これは、父親から聞いた、祖父の話です。
怖い話を知っているかと聞いたら、話してくれました。暑い夏の日、暗い、月の出ていない、葬式帰りの夜でした。
父親は汗を拭うと、「初めに」と前置きして静かに語り始めました。
詳しくは覚えてはいないけど、それは呪いについての話でした。
えらく現実味のある、隣で占いをやっている女性を非難しているような、しかしあくまで冷酷なまでに静かな口調でした。呪いと言ってもスピリチュアルな話では無く、それはおまじないに似たモノでした。
呪いの本質は内面にあり、まじないとはちょっとしたキッカケを与えるに過ぎない。病気による発熱はその本質では無い。という例えを出していた気がします。
当時私は中学生でした。学校に行き、学校で苦痛を受け、家に帰り苦痛を受け、苦痛のまま眠りに落ちる、疲れた中学生でした。だから、その時は聞いたクセに自分で切ったスイカで食べながら半分は聞き流していて、あまり記憶に残していませんでした。
でも、ちらと見た、前置きを語り終えた後の親父が一瞬携えた表情の、すりガラス越しに見た泣き顔の様な曖昧な悲痛さを感じて、多分、これから語られる話は聞かなきゃいけないんだなって、そしてそれはきっと聞いちゃいけない話なんだなって、思ったんです。
父親は、一つ、深呼吸とため息の合間を取ったような息を吐いて、また語り出したんです。
アマチュア無線を、祖父はやっていたのだと言います。
当時はネットが無い時代、無線を飛ばしあい、見ず知らずの人と会話したり、知り合いと話をしたり、使いようによっては海外のラジオを聞いたりできる技術だったと言います。
祖父はその中でも周波数の発掘を趣味にしていたそうです。警察無線や誰が聞いているかも分からない個人ラジオ等を発掘して、それをチップに組み込んで、誰が買うかも知れない市場に流し込む事を趣味にしてたらしく、機械に馴染のある家系に似つかわしい人間だと思いました。
当時、アマチュア無線は下火気味になり、あまり発掘の甲斐を感じず無線にも離れていた頃でした。
ある日、ある音を拾ったらしいんです。
女の悲鳴だと、言います。甲高い悲鳴では無く、枯れた喉で必死に振り絞って助けを求めている様な、呻きに近い、女の声。
音はそれだけしか聞こえず、狭い、2畳半ぐらいの部屋で、一人、女の声。
偶に、何かに抵抗するような音が聞こえる事から、縛られているとも感じたようでした。
1980年代前半の全盛期においてそのような音を拾う事はよくある事だったそうですが、当時はやはり衰退期。新鮮な情報に飢えた祖父は、乗ってしまった、と言います。
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任意A任意B任意C- portal:4340581 (02 Nov 2018 16:12)
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