日本国籍財団職員、エスパニョル・ヌートリア勲功章受賞

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速報

日本国籍財団職員、エスパニョル・ヌートリア勲功章受賞

公開日 2020年5月14日18:30
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自警団を率いる来栖監視官(写真右側。撮影・円谷3等調査官)

本日、スペイン王国臨時政府元首、レオノール女王陛下が、イベント・オッタル時にスペイン国内で活躍したエスパニョル・ヌートリアに対する「エスパニョル・ヌートリア勲功章」の授与式典を行った。スペイン国内ではセイル・アヒージョ・リュドリガ空軍中将を始めとするエスパニョル・ヌートリア246名が受勲を受けたが、日本からはスペイン旅行中にイベント・オッタルに被災し、エスパニョル・ヌートリアとなった財団職員、来栖朔夜倫理委員会監視官と、フェーズIII現実改変者であるためエスパニョル・ヌートリア化を免れた、円谷まどか3等調査官がそれぞれ2等、3等章の受勲を受けた。
両名の受勲理由は、イベント・オッタル時にパニック状態に陥った財団サイト-ES41及び周辺の一般市民の騒擾状態を収拾し、周辺住民を財団サイトに受け入れるよう倫理委員会9人委員会を通して監督者評議会と粘り強く交渉し、受け入れに成功したこと、周辺住民と避難民の対立を防止したこと、そしてイベント・オッタル終了後、マナによる慈善財団のアドバイザーとして長期に渡り現地の復興に協力したことが上げられる。
我々は来栖監視官に直接取材を申し込んだ。以下、インタビュー全文を掲載する。

――受賞についてのご感想は?
「はっきり申し上げますが、私は成すべきことと信じたことを行ったまでです。高レベルセキュリティクリアランスと倫理委員会監視官・RAISAリエゾンの経験がなければ、ここまでうまく物事を進められず、ただ途方に暮れていたでしょう。私は、その意味で財団に感謝しています。受賞は誇らしく思えますが、それ以前に自分がなすべきことを成し遂げられたことに誇らしさを覚えています」
――イベント・オッタル発生時のことについて教えて下さい。
「正直なところ、最初は何が起こったのか全くわかりませんでした。いきなり自分がカワウソになったら、普通発狂してもおかしくありませんよね? 周りの財団職員も、周辺住民も、みなそんな状態でした。でも、私には強い信念がありました。『こんな理不尽を、黙って見過ごすわけにはいかない。絶対克服し、打倒してやる』その信念にすがりつき、正気を保ったんです。それに、あの子――円谷まどか3等調査官がいてくれたから、彼女が大きな心の支えになりました」
――スペイン支部において日本支部職員が主導権を握るという異例な行動を行ったわけですが、抵抗はありませんでしたか?
「多くのエスパニョル・ヌートリアと化した財団職員は、大混乱状態でした。茫然自失するかパニック状態に陥るかで、比較的正気でいられたのはその時私だけだったんです。私は財団サイトES41のAICとまず対話し、臨時指揮権を得られるかどうか問い合わせました。財団共通クリアランスのおかげで、なんとか対話は成立しました。なら、後はスペイン支部の頭越しに、監督者評議会と交渉すれば、主導権は握れると確信しました」
――監督者評議会は通常1財団職員の要請を聞く立場にはないですが、どうやって交渉に持ち込んだのですか?
「私は倫理委員会監視官です。また、AICは私よりスペイン支部では高い権限を持つ存在だったため、AICを説得し、倫理委員会9人委員会に対して交渉を行ってもらい、9人委員会のルートで監督者評議会を説得してもらいました。これは私の成果ではなく、財団サイトES41のAIC、『コロラド』の成果です。彼にも、栄誉は与えられるべきです」
――監督者評議会は結果的にあなたにサイトES41の全権を任しましたが、その時の彼らの反応はどうでしたか?
「そこまで上のことは、『コロラド』も9人委員会も教えてくれませんでした。ただ、時間が惜しいので即断だったようです」
――その後どうなされましたか?
「まずは、AICとAICの操るロボットによって収容体制を維持しつつ、パニックに陥った財団スペイン支部職員を正気に戻すため粘り強い説得を行いました。サイト管理官のゴンザレス氏は、サイト管理官になるだけあって、すぐに立ち直ってくれました。後は、彼が主導して財団職員の秩序を取り戻しました。とはいえ、大半の職員は士気が極めて低かったため、私とゴンザレス管理官は職員を叱咤激励して立ち直らせましたが、完全に発狂していた職員に関しては終了するしかありませんでした」
――栄光の影の犠牲ですね。
「はい。未だに、あれは私が取りこぼした命だと思って悔やんでいます」
――話を変えましょう。サイト内で困ったことはありませんでしたか?
「そうですね、人間用に設計された機器の殆どは私も含めたエスパニョル・ヌートリア化した財団職員には扱いきれず、何をするにもAICの介護が必要でした。唯一人間の姿をしていた円谷3等調査官は、広いサイトES41内で人間の手がどうしても必要な場面で引っ張りだこでした」
――そのような大変な状況下で、サイト運営を継続するのみならず、周辺住民の収容まで行うのはオーバーワークではありませんでしたか?
「はっきり言ってそうでした。しかし、私は、はっきりと確信していました。『人類は暗闇から逃げ惑っていた時代に戻ってはいけない』と」
――”管理者”の言葉ですね。それに従ったと。
「はい。ですがそれは私の信念でもありました。ですから、ゴンザレス管理官に、周辺住民を収容し、安全と衣食住を与えることで――衣は余計でしたね、混乱を解消するよう説得したんです。あの時機能していた組織はあの地域ではサイトES41だけでしたから、そうする義務が財団にある、そうでなければ、パニックで大勢の人々が死傷すると強く訴えかけたんです。ゴンザレス管理官は『当然だ』と強く頷き、それを行いました。この頃になると、私は1財団職員、しかもRAISAリエゾン権限でしか発言できないよそ者になっていました。叙勲功績の大半はゴンザレス管理官にあります」
――では、その後はRAISAリエゾンとして記録を取ることに専念したのですか?
「いいえ。ゴンザレス管理官は私のことをいたく気に入り、何かというとアドバイスを求めるようになりました。私は彼の補佐として、主に民生関連のアドバイスを行いました。あと、未だ不安が拭いきれない周辺住民とよく話をし、異常事態だからこそ結束しなければいけないと、強く説得していきました」
――そのころなだれ込んできていた避難民と周辺住民の対立阻止ですね。
「はい。様々な場所から、サイトES41へとエスパニョル・ヌートリアが集まってきました。彼らは皆、自身がこうなった理由付けを求め、デマにすがっていました。財団の陰謀に違いない、GOCの陰謀に違いない、ポーランドに次ぐ神格災害で、みんな神格存在に食べられてしまうに違いない――最後のは真実だったわけですが、ともかくそういう噂話を持ち込んできて、周辺住民を再びパニックに陥れようとしたんです」
――そこであなたはどうなされましたか?
「私は、ゴンザレス管理官が避難民を集めて演説する後ろにいました。ゴンザレス管理官は、声を張り上げ、『サイトES41は貴方達の安全を保証し、食と住居を提供する』と力強く説得しました。大半の避難民はそれで落ち着きを取り戻しましたが、一部の財団陰謀論者はしつこく『財団は信用できない』と主張し、『こんな奴らのところにはいられない、みんな別の場所に行こう』と扇動しました」
――そこであなたの出番となったわけですね。
「はい。私は無我夢中で前に出ました。彼らに対し『財団がそれを行った証拠はないのに、貴方達は無責任なデマで人々の心を惑わせている。もし貴方達の言っていることが嘘なら、貴方達は無責任なデマで大勢の人々を安全な場所から苦難の旅路へと送り出そうとしている』と強く批難しました。私は人間が――エスパニョル・ヌートリアですが――弱く、脆いものだと知っていましたが、同時に、それを克服しなければならない、しなければみんな不条理に負けて死んでしまうとも考えていたんです」
――そしてあの事件が起きたと。
「ええ。彼らの大半は押し黙りましたが、一部は激高し、獣性をむき出しにし、私に襲いかかろうとしました。しかしその私をかばうように、私が普段粘り強く接していた周辺住民たちが立ちはだかったのです。彼らは狼狽し、そして戦意を失い、『お前たちは騙されているんだ!』と捨て台詞を吐いて立ち去っていきました。彼らがどうなったかは知りません。混乱の中で死んでなければいいのですが」
――その事件がきっかけで、ゴンザレス管理官はあなたを中心とする周辺住民の自警組織を作ろうと思い至ったわけですね。
「はい。私がそれなりに周辺住民の支持を集めている事に気づいたゴンザレス管理官は、再びこのようなことがないように、避難民たちを周辺地域で臨検し、過激派を締め出す事を考えました。私は内心、『犠牲はもうこれ以上出したくない』という思いでいっぱいでしたが、それが最善をつくすことになることも理解していました。ですから、その提案に乗ったのです」
――結果的には正解でしたね。
「はい。他の地域ではパニックや陰謀論による共同体の崩壊やカルト化、フェーズIV現実改変者によるエスパニョル・ヌートリアの奴隷化など、様々な脅威が存在していました。もちろん、あのUE-1129が最大の脅威でした。それらから逃げてくる避難民たちを選り分け、適応できそうな者たちだけを選り分け、受け入れていくためには、そうするほかなかったのです――私の一番嫌いな言葉ですが。自警組織で最大の戦力になったのは、円谷3等調査官でした。彼女は私にギアスを超えた最大限の助力をしてくれ、現実改変能力を私達のために使い続けてくれました。それがどれほどの助けになったかは、いくら感謝してもしたりません」
――そして、イベント・オッタルが終了したと。
「そうですね。イベント・オッタルがふたりのエスパニョル・ヌートリアの英雄によって、UE-1129が倒されたことで収束したニュースは、財団経由で私達のところにも伝わりました。正直、備蓄食料も尽きかけ、円谷3等調査官も疲弊しきっていた頃でしたから、これ以上持たないと思っていた矢先でした。あの英雄たちが、スペインを救ったのです」
――イベント・オッタル終了後、ほどなくしてJOVEのスペイン平和活動部隊がスペイン国内に入ってきました。その時あなたは、イベント・オッタルの開始から終了を見届けた財団職員として、彼らのアドバイザーになりましたね?
「あれは、JOVEが現地の状況を理解し、エスパニョル・ヌートリアを単なるアノマリーとして扱わないようするため、どうしても必要なことでした。私はJOVEのスペイン平和活動司令官、ルナール中将と会談しました。そこで、私達がいかにして秩序を保ったか、いかにして自己の尊厳を守ったか、いかにしてそれらをスペイン全土に広めていくか語りました。ルナール司令官は、アノマリーと化した――今ではアニマリーと呼びますが――私の言葉を広い心で受け入れてくれました。そして、私にこういってくれたのです。『よく頑張った。後のことは任せてほしい』と」
――ですが、あなたはそれを断りましたね。
「はい。私は、スペインでヒュマノとエスパニョル・ヌートリアの対立が拡大する可能性をルナール司令官に告げました。そして、差し出がましいですが、私の経験を生かしてアドバイザーにさせてくれるよう頼んだのです」
――その頃にはもう財団の指揮系統は復活していたと思いますが、独自の判断だったのですか?
「そうです。私は、財団規則を超え、ひとりのエスパニョル・ヌートリアとして、できる限りのことをしようとしました。そうでなければ、自分を蝕んだあの理不尽、アニマリーの呪いに打ち勝てないと思ったからです」
――理不尽に打ち勝つ。それがあなたの原動力なのですね。
「ええ。繰り返しますが、『人類は暗闇から逃げ惑っていた時代に戻ってはいけない』のですから――たとえアニマリーになったとしても」

来栖監視官の口調は静かで、なめらかなものだったが、インタビュアーはその奥底にある強いバイタリティと人間の尊厳に対する矜持、不条理に抗い打ち倒す戦意を強く感じた。これこそが、「プルス・ウルトラ」――スペインの国是「彼方へ」を支えた原動力であり、人類の進歩を支えた原動力であり、未だ多くの脅威と驚異に向き合っている我々が持つべきものだと、思えてならない。


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