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アイテム番号: SCP-3650-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: その異常性と過去の実績から、SCP-3650-JPの存在する名古屋四戸ビルヂングは財団日本支部の特別サイト-1999に指定されています。一般社会には過疎化したビルとして偽装し、映画館に通じる通路は鉄柵によって一般人の立ち入りを防ぎます。一般人が侵入した場合は記憶処理を施した後に解放します。
説明: SCP-3650-JPは愛知県名古屋市中区の名古屋四戸ビルヂング(現在は廃墟)内の映画館「名古屋大世界館」第三劇場で発生する異常です。
SCP-3650-JPは毎週土曜日の20時に活性化し、投影設備が存在しないにも関わらず、スクリーン上に不明な原理で映像が投影されます。映像は毎回異なる内容が上映されますが、共通事項として様々な要因による世界終焉シナリオの一部始終であることが挙げられます。
活性時、劇場内のスクリーン手前には50代と目される黒いタキシード姿の日本人男性(以下、SCP-3650-JP-1)が出現し、上映内容に関する前説を行います。また上映終了後には5分間程度の対話が可能です。過去に行われたインタビューから、映像は全て並行世界線上で発生した事態の記録であり、他の並行世界にも同様にSCP-3650-JP及び「大名古屋世界館」第三劇場が存在する事が判明しています。
上記の性質から、SCP-3650-JP-1には映像に関連する財団の既知・未知のアノマリーについて質疑応答を行う事ができ、これによって世界終焉シナリオを引き起こしうる███体のアノマリーの収容及び███回に渡る世界終焉シナリオの回避に貢献しました。
以下はSCP-3650-JP-1の上映作品に対する前説の一例です。なお当該例におけるアノマリーは調査の結果、基底世界に存在しない事が判明しています。
これより上映いたしますのは、とある1本の桜の木のお話。
日本人の皆様なら誰もが愛する桜。私も大好きでございます。しかしながらここは世界の終わりを皆様にご覧いただく劇場……。ただの桜ではございません。
ある日、一人の男が薪採りの為に冬の雪山を歩いておりました。息も凍るほどの極寒の中、彼は奇妙なものを見たのです。
白い白い雪原の中にあって、静かに、そして鮮やかに咲く江戸彼岸の桜の花を。
その桜は幾度季節を越えようと、常に小さな花を目一杯に咲かせる、不散の桜だったのです。
人々は長年その桜を愛でながら、その理を追求し続けました。桜の周りの気温が常に同じである事、桜の中に莫大な熱が存在する事。
そして……己の周囲以外の凡ゆる熱を奪い、宙にまで枝を伸ばす星の寄生種であった事を。
地球は熱を失い、徐々に凍ってゆきました。
世界の終わりが近づく中、残された人類は一体どんな決断をし、どんな結末を迎えるのか?
悲しくも優しく、恐ろしくも温かい。
桜舞い散る穏やかな、そんな終末。
それではご覧いただきましょう。
最後までごゆるりとお楽しみくださいませ。
補遺: SCP-3650-JP-1に対し基底世界の終焉シナリオに関する映像を視聴する事が可能かを確認した所、SCP-3650-JP-1は「世界の終焉は突然起こるからこそ作品として成立する」とした上で回答を拒否しました。SCP-3650-JP-1に対するこの質問は世界終焉シナリオ回避のため継続して行われます。
補遺: 2019年12月7日、SCP-3650-JP活性時にSCP-3650-JP-1の出現が確認されず、代わりに以下の内容が記述された手紙が発見されました。
来場者の皆様
本日をもちまして当映画館は閉館いたします。
長年の協議の結果、これまでにない新たな切り口をようやく見つける事ができました。これは私と、他の全ての私の永遠の使命です。
これまでにない大作をお送りする事ができそうです。これより撮影を開始致します。
最後に、長年のご愛顧誠に有難うございました。
よき終末を。名古屋大世界館
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:4294355 (25 Jun 2019 23:27)
スクリーン右下というのが画面内の右下であるのか、あるいは画面から外れた3次元空間であるのか、読み取れないように思います。
現状ではDV寄りNVかなと思います。魅力的な設定だとは思いますが、無数の世界終焉シナリオとその解説を描写したTale作品として終末銀河旅行があり、本作は終末銀河旅行の媒体を鉄道から劇場のスクリーンに変更し、また具体的なK-クラスシナリオの描写を省いたように感じられました。別にインタビューを行ってSCP-XXXX-JP-1に喋らせる必要は必ずしも無いと思います(神秘性も薄れると思いますし)が、おそらくSCP-XXXX-JP-1は映画のクリエイターかそれに関連する立場の人間なのでしょうから、映画作品としてのK-クラスシナリオと現実の問題としてのK-クラスシナリオを見比べることによって生じる感覚的差異であったり、クリエイターとしてK-クラスシナリオに向き合う矜持であったり、そうした部分を追求する必要はあるのではないかなと思います。
本作の魅力や差別化のポイントは映画・劇場を題材としているところでしょうから、そこに焦点を当てて、K-クラスシナリオと結び付けて展開や設定を膨らませられると良いのではないでしょうか。ショートコンに投稿するにしても字数にはかなりゆとりがあるように思います。執筆頑張ってください。
まだ1000文字程度余裕があるため、SCP-XXXX-JP-1が映像を解説する様子を描写すると良いと思いました。
まるで活動弁士のようにダイナミックなのか、あるいはニュースアナウンサーのように淡々とした様子など、それだけで、このオブジェクトがどういう意図を持っているのか読者がイメージしやすくなるかと思います。