SCP-☓☓☓☓-JP「久遠の待ち人」

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輝ける姫

SCP-☓☓☓☓-JP-1

アイテム番号: SCP-☓☓☓☓-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-☓☓☓☓-JPの情報はレベル3のセキュリティクリアランスの下秘匿され、外部への漏洩が確認された場合は記憶処理やデータの削除等然るべき措置が取られます。

月に一度、エアロゾル観測機を用いてのSCP-☓☓☓☓-JPの探索が行われます。

説明: SCP-☓☓☓☓-JPは静岡県富士市の上空に発生している空間異常です。SCP-☓☓☓☓-JPが発生している富士市上空に宇宙空間は存在していません。より正確に言えば、富士市上空一帯には対流圏より先の大気構造が確認されていません。財団が進出できたSCP-☓☓☓☓-JPの最高到達地点は約100キロの地点までですが、理論上は無限の距離を有する地上5000m程度の大気空間が形成されているとされています。

SCP-☓☓☓☓-JP内部では非異常性の上空5000m地点と同様、雲の発生を始めとする大気現象が確認されていますが、10000mの地点から上の地点では原因不明の激しい上昇気流が常に発生しています。またSCP-☓☓☓☓-JP内部は外界と同様に昼夜が存在し、そのサイクルは日本の標準時に準拠します。地上から観測したSCP-☓☓☓☓-JPは一般的な空と凡ゆる点で一致し、相違点を発見することが出来ませんでした。また、宇宙空間から観測した場合においてもこの空間を認知する事は出来なかった事から、SCP-☓☓☓☓-JPには認識阻害に類する異常性の存在が認められていますが、詳細は不明です。

SCP-☓☓☓☓-JP内部の地上100km地点には、岩石を主成分とする球状の大型物体(SCP-☓☓☓☓-JP-1)の存在が財団の探索によって判明しています。SCP-☓☓☓☓-JP-1の外見は月に非常に酷似している他、月と同等の重力を発生させていますがその具体的な発生原理は不明です。また、直径が3.474kmと正確に月の1000分の1の大きさである点や地球と同一の大気を有する点、表面が例外なくススキ(学名:Miscanthus sinensis)に酷似した植物に覆われている点など、本来の月との相違点が複数見られます。

SCP-☓☓☓☓-JP-1には一体の人型知的生命(SCP-☓☓☓☓-JP-2)が存在し、知能レベルは現生人類の知能指数と同等か、あるいはそれ以上と推定されます。SCP-☓☓☓☓-JP-2は人類の価値観に照らし合わせて非常に整った容姿をしており、視認した人物からは軒並み「人間離れした美しさ」と表されます。

またSCP-☓☓☓☓-JP-2はSCP-☓☓☓☓-JP-1の表面部分に存在するススキに酷似した植物を自由に操作する事が可能で、集約させ様々な形へと変形させ、防衛や攻撃に転じる事が財団の調査により発覚しています。SCP-☓☓☓☓-JP-2は自身をこの操作によって作り出した複製体であるとし、本体はSCP-☓☓☓☓-JP-1の中心部に冷凍保存されていると主張しています。事実、SCP-☓☓☓☓-JP-1の中心部には生命反応が確認されていますが、その質量には複製体であるSCP-☓☓☓☓-JP-2と若干の相違が見られます。

発見記録: 2016/7/25 SCP-☓☓☓☓-JPは県内の大学に勤務するエージェント█が富士山頂で行った大気調査によって偶然発見されました。エージェント█は当初、富士山頂からの大気の流れを観測する為複数のゴム気球を用いた観測実験を行なっていましたが、その内の一つが富士市上空で通信途絶となり、不審に思ったエージェント█が財団の調査チームを派遣しました。一行は気球の捜索を30人体制で行ったものの発見する事は出来ず、調査は1週間で打ち切られました。それから3週間後、富士市上空から行方不明となっていたゴム気球が市内に落下したという情報が入り、すぐ様エージェントが回収に向かいました。ゴム気球に搭載されたカメラは破損が見られたものの、記録媒体は無事であったために映像を抽出する事が出来ました。録画された映像において、SCP-☓☓☓☓-JPの様子とエアロゾル観測機の高度限界を遥かに超える32200mと表示された高度計の目盛りが確認された事から異常性が発覚し収容されました。

補遺: 以下はDクラス職員(D-20432)を用いて、初のSCP-☓☓☓☓-JP-1の有人探査を行った際に撮影された探査記録を文章化したものです。SCP-☓☓☓☓-JP-1への到達の為、有人小型ロケットをSCP-☓☓☓☓-JP内まで護送し、高高度から射出しました。

<探索記録-04:200█/11/15>

被験者: D-20432(日本人)

オペレーター: 讃岐博士

付記: SCP-☓☓☓☓-JP内上昇中の記録は省略。

<記録開始>

(ロケットがSCP-☓☓☓☓-JP-1に着陸する)
D-20432: 到着したぜ。先生。

讃岐博士: それでは探索を開始してください。大気に異常は見られない為、支障は無いはずです。如何ですか?

D-20432: 少し空気が薄いな。だが問題ねえよ。[少しの沈黙]しかし何つーか、すげえ景色だ。

讃岐博士: 何が見えますか?

D-20432: あーっと、そうだな。まず見えるのはススキか?ススキみたいな植物がずっと続いてる。辺り一面だ。んで空は完全に宇宙だな。太陽も星も、地球も全部見える。

讃岐博士: 人工的な物体は見えますか?

D-20432: いや、何も見えない。代わりに人工的と言えるかどうかは怪しいが、このススキ、薄らと光ってるようだ。おかげで辺りは明かり無しで見渡せるがよ。

讃岐博士: 了解しました。それでは周辺の探索を始めてください。

(中略)

D-20432: 先生、目の前に何かがいる。

讃岐博士: 距離や容姿など現在確認できる情報を求めます。

D-20432: あぁ、距離は…大体130mってとこだ。双眼鏡で確認しているが、あれは…女か?見たとこは完全に人間だ。服装だが、よく分からんな。何処と無く発光している様にも見える。

讃岐博士: それはこちらに気付いていますか?

D-20432: ずっと此方側を見てるな。どうやら気付いているらしい。ただこっちに近づいてくる様子は無いな。接近するか?

讃岐博士: 許可します。新たな動きがあれば報告して下さい。

D-20432: 了解。

(D-20432はこの後、SCP-☓☓☓☓-JP-2に15mまで接近した)

D-20432: 失礼、此方の声が聞こえるか?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: お待ちしておりました。地方のお方。

D-20432: お…おう。待ってたのか…?

讃岐博士: D-20432。あなたのバイタルが異常な数値を示しています。どうしましたか?

D-20432: [小声で]よく見たら…すげえ美人でよ…。

讃岐博士: ふざけているのですか?

D-20432: ふざけてねえよ!

SCP-☓☓☓☓-JP-2: あの…。

D-20432: …いや、すまねえ。気にしないでくれ。…あんたは待ってたって言ったな?それは俺たちのことをか?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 厳密に言えば、あなた方を…というより、人類が此方へと到達する事をお待ちしていました。

D-20432: …アンタ。ここにそんなに長い間いたってのか?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: はい。今から1312年前と11ヶ月ほど前から、私はここにいます。

D-20432: [沈黙]

讃岐博士: D-20432。情報を聞き出して下さい。

D-20432: [少しの沈黙の後、小声で]あぁ、分かってるよ。

D-20432: なぁ、俺のことは伝えただろう?アンタの事も聞かせてくれ。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 私はかつてこの空間に存在した文明、あなた方からすると異星文明という事になるのでしょうが、その王族の末席を汚す者です。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 本物の私はこの下、この█████(未知の言語の為解析不明)の中心に冷凍保存された状態で存在します。現在貴方の前に居るのは、姿だけを似せた分身のようなものです。

D-20432: あー、つまりアンタは宇宙人って事か?マジでSF案件だな。でもよ、王族なのにこんな所に一人だけってのはどういう事だ?他の奴らはどこに居るんだ?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: [沈黙]私はかつて罪を犯しました。貴方達の住む星を美しいと思ってしまったのです。

D-20432: 変わった罪だな。普通地球を見たら「綺麗だ」とか言うだろ普通。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 彼らから見れば私の思想は異常なものに思えたのでしょう。ですが私も王族の一人でしたので、民はわたしを殺す権限を持ち得ず、また父母も殺す事は躊躇って居られました。故にここに永久に留め置かれる、という結論に至ったのでしょう。ですが私にとってこの判決はむしろ僥倖とも言えるものでした。

D-20432: それは、アンタが長い間ここで待ってた理由と関係があるのか?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: はい、私はある人達と再会する事だけを望み、此処まで待ち続けて来たのです。

D-20432: ある人達?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: はい、かつてあの美しい星へ流された折、身寄りの無い私を付きっきりで育てて下さったお二方。名前は思い出す事叶いませんが、それでもあの方々と暮らしていた日々は思い出す事が出来たのです。

D-20432: [沈黙]なぁ、分かるだけで良い。その思い出を話しちゃくれないか?

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 分かりました。朧げでしか無いのですが、とても可愛がって下さった事だけは覚えているのです。時と共に変わりゆく空と山々の色。飛ぶ鳥の力強さも、花の香りも、その素晴らしさを教えて下さったのがあの方々なのです。母船で見る事の出来なかった豊かな色彩がそこにはありました。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: そうして私が大人になってから、私を思ってか更に多くの事を施して下さったのです。でも、私は既に満たされていました。重ねられる愛を少し煩わしく思う程に。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 母船が迎えに来た時、私は酷く後悔したのです。あの方々ともう居られない。それは嫌だと。あまりに稚拙で、大きな想いでした。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: だから私は父に懇願したのです。あの方々を私と同じにして欲しいと。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 懇願の果て、父は不死の薬を差し出して下さいました。彼らに渡し、私は記憶を消されました。

D-20432: …ん?アンタ覚えてるじゃ無いか。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: えぇ。誠に不思議な話なのですが、帰郷して間もなく、地上から謎の粉が舞うという珍事があり、その折に記憶が薄らと戻ったのです。その後、粉が舞う度、私の記憶は取り戻されて行きました。

D-20432: [沈黙]そうなのか。で、その世話になった二人と出会いたいと。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: えぇ。あの方々に渡した薬。あれを飲めば肉体も心も朽ちる事は無くなります。今もご存命なのでしょう?久しく見ぬ地上の貴方、もしよろしければお二人を此方に連れてきては下さいませんか?

D-20432: [沈黙]

讃岐博士: D-20432。聞こえますか?

D-20432: なあ先生。俺は、答えて良いのか?

讃岐博士: 現段階での返答は難しい、と伝えて下さい。…それに反する言論以外はあなたの自由です。

D-20432: すまねえ先生。恩に着る。

D-20432: 分かった。取り敢えず探してみるよ。ただこっちも探すのに時間がかかるんだ。それは我慢してくれ。

SCP-☓☓☓☓-JP-1: 本当ですか!?ありがとうございます!お待ちしていますね!

D-20432: …あぁ。待っててくれ。

<記録終了>

付記: この後、SCP-☓☓☓☓-JP-1の協力もありD-20432を乗せた探査ロケットは無事帰還した。D-20432は調査後の身体検査において健康と判断されたものの、通常業務復帰後、欠陥やミスが複数回に渡って報告された為、カウンセラーによる心理チェックが行われています。

補遺: 探査記録より発覚したSCP-☓☓☓☓-JP内での粉塵発生事象に関する最新の報告から、SCP-☓☓☓☓-JP-1が報告した粉塵の発生時期と富士山の噴火が発生した時期が一致する事が判明しました。同時期の富士山の火山灰を精密検査した結果、通常火山灰には含まれない未知の物質が発見され、実験の結果、当該物質には細胞の成長をリセットさせる効果及び認識の保持能力を向上させる効果がある事が認められました。


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