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D-98587によって描かれたSCP-2493-JP-1のスケッチ
アイテム番号: SCP-2493-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2493-JPの影響を受けた対象の早期確保を目的に、██町には常に50人前後の財団関係者が監察員として潜伏する他、該当地域の警察署にエージェントを配置させ、対象を捜索します。対象が発見された場合は即座に確保され、Bクラス記憶処理が施されます。
SCP-2493-JP-1と目される実体の存在する地底湖への入り口は金属製の柵と有刺鉄線によって封鎖し、周辺地域にカバーストーリー「有毒ガスの噴出」を流布させた上で一般人の立ち入りを禁じます。
説明: SCP-2493-JPは異常な性質を有する明晰夢です。SCP-2493-JPは愛知県瀬戸市██町を中心とした周辺の市街地でのみ確認されており、当該地域以外では確認されていません。SCP-2493-JPを発現した人物(以下、対象と呼称)が主張したSCP-2493-JPの内容は軽度の個人差はあるものの概ね一貫しています。SCP-2493-JPの内容は以下の通りです。
- 対象は曇天時の早朝もしくは夕暮れの様な「青暗い」と表現される住宅街に立っている1。周囲の建造物に異常な点は見られないものの、人間を含めた生命体は確認できない。
- 視界の中に人型実体(以下、SCP-2493-JP-1)を確認する。SCP-2493-JP-1は体格や髪型、服装などから8歳前後の女児と推定されるが、顔面が鼻部を中心に歪曲しており、目や口は本来の形状・位置から明確に逸脱している。SCP-2493-JP-1の顔面を視認した対象は強迫性の高い忌避感を抱く。
- 対象はSCP-2493-JP-1が接近している事を理解する。SCP-2493-JP-1の接近速度は非常に緩慢である。接近時、対象の視界内からSCP-2493-JP-1を排除する試み(SCP-2493-JP-1の位置する方向と逆の方向へ振り向く等)は全てSCP-2493-JP-1の「瞬間的に視界内へ移動する特性」によって失敗する。
- 最終的にSCP-2493-JP-1は対象の周囲50cm程度まで接近する。対象の忌避感はこの瞬間明確に増大し、睡眠中の肉体には全身の硬直が見られる。
- 対象は覚醒する。
覚醒した対象はSCP-2493-JPに関する記憶を完全な形で記憶し、対象に強い精神的ストレスを齎します。
SCP-2493-JPを認識した対象に共通する事項として、SCP-2493-JP以降の睡眠時に「遠くから響くような」と表現される水滴の落下音を幻聴する症状が挙げられます。この幻聴は睡眠時に必ず発生し、レム睡眠・ノンレム睡眠の状態及び深浅、睡眠時間の長短に影響される事はありません。当該状態にある対象の開頭手術を行った所、異常な点はあらゆる計器において発見されませんでした。無意識下にある睡眠時に特定の幻聴を必ず確認する科学的メカニズムは判明していません。
この水滴音を認識し続けた対象にはうつ病に酷似した気分障害の症状が見られる他、睡眠に対する強い忌避感を報告します。また、この状態が2週間以上継続すると、SCP-2493-JP内で確認される区域から130m南に位置する██池への認識が改変され、██池に行きたいというやや強い欲求に駆られます。この影響は各脳機能にも影響を及ぼす可能性が考えられています。この症状は時間経過と共により強いものとなりますがBクラス記憶処理により対処が可能です。
その後、対象は不定期なタイミングで突発的に██池への移動を開始します。対象は到着後、██池西側30m程度の位置に存在する洞穴へ移動し、内部への侵入を試みます。洞穴は地下300m程度まで続いており、この際対象は最深部に存在する地底湖まで光源の有無に関わらず移動する事が可能です。地底湖の畔まで辿り着いた対象は水面に頭部を水没させます。この際、対象の顔面は不明な原理によって鼻部を中心に歪曲し頸椎部を境に捻じ切れます。対象の捻じ切れた頭部は地底湖の中心部に向かって「強い力で吸い寄せられる」と表現されるような形で水中を移動します。残された身体はそのまま放置される為、地底湖の沿岸には常に頭部の無い死体が散乱しています。
発見経緯: SCP-2493-JPは1972年。愛知県瀬戸市在住で愛知県精神医療センターに入院していた岩尾朔太郎氏の証言がきっかけとなり発見されました。当時、愛知県精神医療センターに所属する精神科医として潜伏していた財団のエージェントが岩尾氏から得た証言が具体的かつ詳細であった事と、その後行われた現地調査や周辺住民の聞き込みから、岩尾氏が訴えていた症状と符合する点が複数発見され、収容に至りました。
岩尾氏の証言をきっかけに、SCP-2493-JPに関連した症状を訴えた対象の実例数を調査したところ、██町内で同一の症状を有する人物が23人確認されました。SCP-2493-JPが██町内にのみ発生するという限定的なものであったため、周辺住民にカバーストーリー「幻惑性のガス」を流布し、記憶処理を施しました。
補遺1: 以下は愛知県瀬戸市██町内の民族資料館に保管されていた██町の郷土史に関する資料の提供時に録音された音声ログの抜粋です。
インタビュアー: 遮主席研究員
対象: 化野智津夫2(以下、化野氏)
補足: 当ログはSCP-2493-JPに関連すると目される██池の調査の一環として民族資料館での資料提供中に記録されたものである。
<記録開始>
[不要な会話を削除]
遮主席研究員: こちらの資料は?
[卓上に資料を挟んだ本が置かれる]
化野氏: これもここの古い資料の一つだわ。分かる?この当たりに見えとる……薄くなっとるけど池がね。書かれとるんだわ。
遮主席研究員: 池というと、██……
化野氏: あぁ違う。それとは別の奴。
遮主席研究員: 近くに別の池があったんですね。
化野氏: 先代の館長先生からよう聞いとったんだけどもねぇ……あぁそうだそうだ。この辺りは酷い土砂崩れか地震か何かがあったとかで、池は埋もれてまったらしいんだわ。
遮主席研究員: なるほど。
[沈黙]
化野氏: まぁねぇ。こんなもんはもう見ん方がいい。良くないわ。
遮主席研究員: どうしてですか?
化野氏: [少しの沈黙]理由は聞かんといかんのか?
遮主席研究員: 出来れば是非。
化野氏: [無言]
遮主席研究員: 化野さん?
化野氏: 遮さん、だったかね?あんたの言う風土史の研究ってのにここの事は必要なんかい?
遮主席研究員: はい。ここの土地は先程拝見した資料からも確認できましたが、周辺地域との歴史的な風俗の差異が明確です。出来ればもう少し詳しいお話を伺いたいのです。
[沈黙]
化野氏: まぁ、あんたの熱心な所は伝わったけどもね。……じゃあ、これからはこれ[人差し指を口に当てる]にしてもらやぁ。
遮主席研究員: 分かりました。資料には残しません。
[少しの沈黙]
化野氏: [溜息]、若いあんたにゃあ聞き馴染みない事かも知れんけど……忌み地って奴だがね。
遮主席研究員: 何か謂れでもあるんですか?先程資料で見た池に。
[化野氏が資料本の頁を捲る]
化野氏: これ、分かる?
[化野氏が資料を指差す。示した部分には池の畔で項垂れる人間と、刀で首を切断されている人間の姿が描かれている]
遮主席研究員: これは……?
化野氏: 首を斬られとるでしょう。これね。どうも罪人とかでなく……病気だったって先生は言うとったんよ。
遮主席研究員: 病気……ですか。
化野氏: 先代の館長先生はこの辺りの昔話もよう知っとる人でな。この辺りじゃ昔、悪い夢を見たら必ず死ぬって話があったらしいんよ。夢を見たら水の音が寝てる時に聞こえるようになって、いつの間にやら池の畔で仏さんって事が続いたらしい。
遮主席研究員: [無言]
化野氏: 死んだ奴の首は全部繋がっとらんかった。で頭からは白っぽい水が吹き出とったらしい。これ見た奴が、池の水が原因の病なんじゃないかーって騒ぎ出したんよ。
[化野氏が資料を指で辿る]
化野氏: で、この絵みたいに、池の前で夢を見た人の首を、ちょんと切った。全員切り落として池に沈めて、もう二度と池の水を使わんようにした。
化野氏: でも治らんかったんだわ。夢を見る奴は一向に減らんかった。それで絵に繋がるってくるんよ。
遮主席研究員: もしかして、その後も首を切り続けたって言うんですか?
化野氏: だから忌み地。私らの前の代で伝え聞かせんようにしたで、今はもう知っとる人はおらんと思うけどねぇ。池も無くなってまったし。
遮主席研究員: なるほど。ちなみに、夢の内容は記されていなかったんですか?
化野氏: 内容?……あぁ……一つだけ書いとったなぁ。
遮主席研究員: 何と?
化野氏: 童が笑っとった。と。
補遺2: 1980年12月4日。██町での長期的な滞在実験によってD-98587が対象となる事例が報告された為、対象となった人物が洞穴内に侵入して以降の行動を記録する事を目的とした実験が行われました。D-98587の後方に無人探査機を配備させ撮影した結果、洞穴は地下300m程度まで続いており、最深部には幅50m、奥行132m、水深20mの地底湖が確認されました。この過程で地底湖内に侵入した探査機が不明な実体と接触しました。以下は探査ログの内容です。
探査ログ-2493-JP
当探査ログは財団の所有する水陸両用の小型探査機がSCP-2493-JPの影響下にある人物(D-98587)の動向及び洞穴内部の調査を目的に撮影された映像を記録化したものである。探査機は洞穴の入口付近で担当職員が遠隔操作を行った。
0:00: 探査機は洞穴の入口で起動し、内部に侵入する。
9:08: D-98587、地底湖の存在する空間に到着。
9:50: D-98587が湖の水面に自身の頭部を浸水させる。
10:24: D-98587の顔面が歪曲し、捻じ切れる。
10:35: 対象の身体の痙攣が止まる。D-98587完全沈黙。
10:58: 探査機が水中に侵入。D-98587の頭部から流出した血液を辿り移動を始める。
11:47: 湖底に探査機が到着。湖底には人間の頭蓋骨が散乱している。頭蓋骨の構造はいずれも極度に顔面の構造が歪曲している。
12:29: 湖底に頭蓋骨と泥以外の存在が確認される。外見上は乳白色の液体。
14:15: 湖底の乳白色の液体が目立つ。GPS信号と確認された地底湖の地形から、中心に近づくにつれて乳白色の液体が集合していると目される。サンプルを入手。
15:33: 湖底中心部に到着。乳白色の液体が部分的に消失しており、不明な人型実体が確認される。実体の容姿等は報告されたSCP-2493-JP-1に酷似している。

確認された実体
16:22: 実体はD-98587の捻じ切れた頭部から流出した乳白色の液体を吸収している。恐らくは脳髄液と推定される。顔部分の撮影は周辺の環境的要因等から不可能であった。
18:09: 実体に複数回接近を試みる。吸収以外の反応は無し。
18:23: 地上との接続状況不備により探査機の通信途絶。
19:35: 接続回復。GPS信号は地底湖内北部から確認された。
20:02: 探査機のメンテナンスを目的に探索を中断し、地上へ帰投するルートを算出する。
20:26: 移動開始。
21:21:湖中心部を通過。実体が消失している。D-98587の顔面が映像に瞬間的に観測され、SCP-☓☓☓☓-JP-1と同様の歪曲が見られる。
21:40: 湖底から乳白色の液体が急速に上昇する。視界不明瞭。
22:01: 視界が明瞭になる。水音とスクリュー音以外の不明瞭なノイズが僅かに確認される。
22:36: 進行方向に不明な影が瞬間的に確認される。同地点に該当する障害物はそれまでの映像で確認されなかった。
23:08: 探査機の視界が荒ぶる。未確認の障害物に衝突したと目される。
23:15: スクリューの動作に不備。運転不能のまま湖底に接着。
24:41: ノイズ。笑い声。
25:19: スクリューが復帰。接着地点から浮上し始める。
25:23: 再度通信途絶。以降通信は確認できず。
探査ログの後、洞穴内部から流出する水蒸気や██池の水から地底湖内で確認された乳白色の液体と同質と見られる液体が確認されました。また地底湖の位置はSCP-2493-JPで観測される住宅街の直下に存在する事が判明しています。
地底湖内の実体を対象に確認されたところ、全ての例に於いてSCP-2493-JP内で確認したSCP-2493-JP-1そのものである事を報告しました。この事からSCP-2493-JP-1と当該実体は強い関連性を有すると推測されています。また探査記録を管理していた調査チームが通信途絶部分の映像を確認していた所、以下の画像が検出されました。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:4294355 (25 Jun 2019 23:27)
批評モドキ
村を封鎖する程度のことは書いておいた方が良いのではないでしょうか
いきなり対象と言われても対象がよくわかりません、その前に「SCP-☓☓☓☓-JPを発現した人物(以下、対象と呼称)」などとした方が良いかと
それと「立っている」ではなく「直立した状態で意識に気がつく」とした方が良いかもしれません。
時間経過系なのかが気になりますね、時間経過系ではないのならば「不規則的に」とかそういう台詞を入れてもいいかもしれません
SCP-☓☓☓☓-JP-2-aの部分になにも書かれていないのは意図的でしょうか?意図したものでないのならDクラスと同じ様に[無言]とした方が良いもしれません
総評
正直なぜEuclidなのかがわかっていません、Euclidならば収容は一応可能なのか、夢ならば何か条件があるのか、条件があるのなら財団は多くを把握できている為その条件を把握できているようだ、しかしそれでは収容状態になく一般人にも発現してしまうのではないか?という感じになりました。内容自体はいいのですが批評状態であるにもかかわらず未完成の状態になっている為、評価が行えません。十分に性質を理解できてない為NVという評価を下させていただきます。
記事作成頑張ってください。応援しています。
追加批評
この後にSCP-☓☓☓☓-JPの発生条件を出すと良いかもしれません。特別収容プロトコルで触れられてる場所は封鎖理由と封鎖場所のみですからキチンとした財団の把握してるSCP-☓☓☓☓-JP発生条件を書くと良いと思います。
この村がいつから記録として存在するか、以前はこの様な事があった痕跡はあったか、伝承に関連性のありそうなものはあったのかなど村自身に対しての調査記録を載せると言うのはどうでしょう、そう言うのを入れることにより、より物語に入り込める様になるかもしれません。
拝読しました。
この村に入りたくない……恐ろしい。
怖い夢は早く忘れたいのに忘れさせないところが本当に酷い(褒め言葉)
気になったところ
この村の情報が少なすぎと感じます。既に廃村か病気による疎開で消滅してるなど情報が欲しいです。
また、そのような情報がなくても過去の記録が意図的に消えていたなど情報があれば良いと思います。
ここだけ司令部が太文字になってません。
読んでみた感想としては、「パニックホラー映画」を見ているみたいだと思いました。
何か恐ろしいことが起きたけど結局何もわからない、謎が多すぎてまた見るということが出来ない、そんな気持ちです。
なぜ、パニックホラーだと思ったのかと言うと演出が怖いと思った瞬間ですぐに起きているからです。記事ではDクラスがSCP-XXXX-JP-2-aと会話していて突然豹変した直後に突然に大量のSCP-XXXX-JP-1などが現れるのがまさにパニック映画みたいだと思いました。(日本ホラーは、不気味なシーンや見ている人にこのあと何が起きるのかと想像をかきたてる演出が多くあるから長く続く怖さがあります。)
インタビュー記録は何回か行っている方が良さそうにも思えましたが、ホラー要素が減ってしまうような気がしたのと文章が長くなってしまうので面白くないと思いました。
記事の異常性は特に変えた方がいいような部分はなく、文章もきちんとなっているので読みやすかったです。
応援してます!
間違えて2回してしまったようです……。
すみませんでした。
すみません……企画終了まで時間がないので、箇条書き・順不同でガーッと書きます。
内容は不気味ホラーで好きです。画像のフックも効いてますね。