【SCP下書き】『雨障み』

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの発生が確認されている地点は、定点カメラで常時監視を行ってください。SCP-XXX-JP発生条件が整った場合は、SCP-XXX-JP発生地点付近の職員1名へ連絡を行い、待機をさせてください。SCP-XXX-JPの発生が確認された場合、SCP-XXX-JP-Aに対しプロトコル「道案内」を行い、SCP-XXX-JP-Aを異常性の影響下から離脱させるようにしてください。

説明: SCP-XXX-JPは、鉄道駅周辺で待ち合わせを行っている人物が周囲から視認されなくなる現象です。SCP-XXX-JPは現時点で雨天時にのみ発生しており、特に降雨量の多くなる6月の時期に顕著にみられます。

SCP-XXX-JP発生時、発生地点周辺で待ち合わせを行っている人物(SCP-XXX-JP-A)は、待ち合わせ相手(SCP-XXX-JP-B)を含む周辺の人物から視認されることがなくなります。加えてSCP-XXX-JP-Aは、SCP-XXX-JP-Bを視認することができなくなります。そのため、SCP-XXX-JP-AとBは、SCP-XXX-JPの発生中に会うことができず、待ち合わせが失敗に終わります。この現象は、SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bが異性同士でないと発生しないものとみられています。

SCP-XXX-JPの影響から脱する方法は、現在のところ3つ存在しています。1つは、SCP-XXX-JP-Aが、SCP-XXX-JP発生地から30m以上離れた場合です。2つ目はSCP-XXX-JP-Aが他人への接触を図った場合です。3つ目は、SCP-XXX-JP-Aが何らかの方法で、他人へ自分の場所を伝えることができた場合です。3つめについては、厳密な場所の伝達は必要でなく、対象がSCP-XXX-JP-Aの位置をある程度推測できれば足りることが判明しています。このどれかが達成された場合、SCP-XXX-JP-Aは異常性の影響から脱することができます。

SCP-XXX-JP-Aは、写真や映像に映した場合は、視認をすることが可能であることが判明しています。そのため、写真でSCP-XXX-JP-Aの位置を確認した人物が、SCP-XXX-JPの影響外へ誘導し、SCP-XXX-JPの影響から離脱させることが可能です。

SCP-XXX-JPは東京都原宿駅で発見されました。SCP-████-JPの調査のために原宿駅を監視していたエージェント・碓氷が、映像では確認できるが直接視認ができない人物を発見したことが発見の端緒となりました。当初、その人物が現実改変者である可能性を考慮し、エージェント・碓氷が接触および拘束をしました。財団の調査の結果、当該人物は一切異常性を持たないことが判明したこと、および原宿駅以外の駅舎周辺でもSCP-XXX-JPの発生が確認されたことから、SCP-XXX-JPは駅舎周辺で発生する異常現象であると断定し、調査がなされました。

SCP-XXX-JPが発生する地点が明確に把握できないこと、発生条件が非常に簡単に満たされてしまうことから、オブジェクトクラスはKeterに指定されました。しかし、SCP-XXX-JPの異常性が比較的危険性が低いものであることに鑑み、財団はカバーストーリを流布し、「待ち合わせは会えないことも多い」と一般市民に認識をさせることにしました。そのため、SCP-XXX-JPが初めて認知された1954年以降、文学作品やラジオドラマ、テレビドラマ等で、待ち合わせで男女がすれ違い、会うことができないシーンを意図的に入れ込み、SCP-XXX-JPが日常的に発生しうることであると認識させることとしました。

補遺: 1990年後半からSCP-XXX-JPの発生頻度が大幅に減少しました。これは、SCP-XXX-JPの影響下にある人物が、携帯電話で自身の場所を伝えることができるようになり、自発的にSCP-XXX-JPの影響下から離脱するケースが増えたためです。

また、財団の規模が拡大したことに伴い、SCP-XXX-JPの発生しうる駅舎を監視し、SCP-XXX-JP-AをSCP-XXX-JPの影響下から離脱させることが可能になりました。以上のことから、SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスはEuclidへと変更されています。

レベル4以上の職員のみ閲覧可能