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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの中心から半径1000mの地点に高さ30mの防護柵を設置してください。また中心から見て半径1000m~1500mの地点の地面に電熱線を敷設し、常時電気を流すようにしてください。週に2回電気を止め、電熱線を敷設したエリアを清掃してください。この清掃は必ずDクラス職員によって行われます。一般人がSCP-XXX-JPに近づいた際は、カバーストーリー「石油採掘施設」を流布し、SCP-XXX-JPに立ち入らせないようにしてください。
SCP-XXX-JP上を人工衛星が通過しないよう、各国首脳および研究機関に協力を要請してください。やむを得ず、SCP-XXX-JP上を人工衛星が通過する場合は、観測を中止するかSCP-XXX-JPに該当するエリアの画像を差し替えるようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは、リビア砂漠中心部に位置する異常現象の発生するエリアです。SCP-XXX-JPは半径1000mの円形となっており、SCP-XXX-JPの範囲より外では後述の異常現象は発生しません。SCP-XXX-JPの存在する地点は、オアシスから遠く交通の往来が極めて少ない地点になります。そのため、一般人にSCP-XXX-JPの存在が発見されることがありませんでした。
SCP-XXX-JPでは、中心から500m内のエリア(以下、SCP-XXX-JP-A)と、SCP-XXX-JP-Aの外縁からさらに500mのエリア(以下、SCP-XXX-JP-B)で異なる異常現象が発生します。
SCP-XXX-JP-Aでは、時期や周囲の天候に関わらず黒色の雨が常に降り続いています。雨水の成分調査の結果、雨水はアメリカの█ ██・███カンパニーから販売されている『██・コーラ』と同一であることが判明しています。この事実を受け、財団は全世界にある█ ██・███カンパニーの工場を全て調査しましたが、各工場で異常な現象が確認されることはありませんでした。また、過去に遡っても異常な現象が発生した形跡はないと判明しています。
雨雲から降下したコーラの雨水(以下、コーラ)は地面に到達すると、浸潤することなく地面を流れていきます。この時、コーラはSCP-XXX-JPの中心から離れるように流れていき、SCP-XXX-JP-Aの外縁からSCP-XXX-JP-B内へ流れ込みます。
SCP-XXX-JP-Bへ流れ込んだコーラは、一時的に反重力性質を獲得します。同時にコーラは、降雨時のように水滴の状態となります。水滴となったコーラは上空へ昇っていき、雨雲へ吸収されます。雨雲へ吸収されたコーラは反重力性質を失い、後に雨雲から雨水としてSCP-XXX-JP-A内へ再び降下するというサイクルを続けています。
SCP-XXX-JP-A内で発生するコーラは、腐敗することがないという性質を除き、一般的な『██・コーラ』と違いがありません。味や効能も通常の『██・コーラ』と変わらず、人体に害はありません。そのため、飲料として摂取することが可能です。コーラの摂取後SCP-XXX-JP内に約2時間滞在することで問題なく体内に吸収されます。但し、コーラをSCP-XXX-JP外へ運び出す試みは、コーラの消失を招くため成功していません。Dクラス職員にコーラを2L摂取させ、直後にSCP-XXX-JP外へ出す実験も行われましたが、SCP-XXX-JP外へ出る前と後でDクラス職員の体重が2kg減少し、Dクラスの胃や腸からはコーラが検出されないという結果になりました。
SCP-XXX-JP内では、周囲の砂漠地帯と異なり植物が繁茂しています。コーラが降り注いているにもかかわらず植物が存在できる理由は現在も判明していません。コーラが常に地上を流れているため地面の乾燥が起こらず、植物の生長に必要な水分が補えているという説、何らかの改変が行われている説等が唱えられていますが、憶測の域を出ていません。
SCP-XXX-JPの中心には、遺体と故障した小型飛行機が存在しています。小型飛行機にあった身分証明書から、遺体はメキシコ国籍を持つ23歳の男性、███████████████(以下、男)であるとみられています。この遺体は腐敗の徴候を見せず、また移動をさせることができません。小型飛行機の中に残っていた遺留品の調査から、この男がSCP-XXX-JP内で数日を過ごしていたことがわかっています。また、男は毎日日記をつけており、異常現象の発生時の様子も記載されていました。
以下、男の日記からの抜粋です。
2019/6/14
クソ、暑さで今にも気が狂いそうだ。しかし、あのジジイ、マジでクソみてえな機体渡しやがったな。何が『ワシが整備した最高の機体』だ。ちょっと走ったら急にガタガタ言い始めて、墜落じゃねえか。この天才パイロットの俺じゃなきゃ死んでたところだ。あいつ帰ったら覚悟しとけよ。あー自分の機体が整備中だからって他の機体に浮気するんじゃなかったな。
意識を保つためにさっき言った独り言をここに書いてっけど、マジでむなしいな、これ。あーさっさと誰か俺を見つけてくれ。
2019/6/15
ドアがぶっ壊れて閉まんなくなった。マジで何なんだよこれ。戻ったら慰謝料請求だわ、ふざけんな。
戻ったらとか書いたけど戻れんのかこれ。昨日から飛行機一つ通りゃしねえ。もしかしてここ砂漠の中心じゃねえか。だったらヤベえな。いや、そうだとしても飛行機くらい通るだろ。いつも邪魔だと思うほど飛んでる癖に、肝心な時にいねえとかクソだな。まあ、食料と水はあるし何とかなるだろ。
2019/6/16
ツイてねえ、水がクソだった。腹が痛え。コーラ1飲んだから何とかなるか。クソ、腹痛の時に田舎のお袋がコーラを持ってきてくれたのを思い出しちまった。あークソ誰か通ってくれ。
2019/6/17
さすがコーラだわ。めっちゃ効いた。さすが『世界で一番安全な飲み物』だな。薬にもなるとか最高かよ。もう水は飲まねえ、コーラだけで生きるわ。けどコーラはそんなにねえな。食料はあるけど飲み物無いとキツいぞ。クソ、空からコーラでも降らねえかな。
2019/6/18
マジで降った。でも瓶じゃねえのかよ。いや、もうなんでもいいか。天からの恵みありがたく受け取るぜ。
2019/7/9以降、日記に記述はありません。
以上の記述から、異常現象は男が軽度の現実改変を起こしたことで発生したものと考えられています。しかし、既に男が死亡し確認ができないことから、現在も推測の域を出ていません。
現場の状況を見るに男の死因は、SCP-XXX-JP内に自然発生したサバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)を大量に飲み込んだことによる窒息死あるいはショック死とみられています。SCP-XXX-JP発見時、小型飛行機内は約10万匹のサバクトビバッタの死骸が詰まっており、男は身動きが取れない状態でした。
SCP-XXX-JP内は継続的にコーラが循環し、植物が繁茂することから、現在もサバクトビバッタが大量発生し、約8000万匹以上のサバクトビバッタがSCP-XXX-JP付近に存在しているものとみられています。そのため、エジプトを中心に各地でサバクトビバッタによる蝗害および生態系の破壊が発生しています。SCP-XXX-JPを高い塀で覆うなどの対策がなされていますが、現在のところ有効な手段は確立されていません。
リサイクルコンテスト2019のTsukiyomizuku様の「逆さ雨」をリサイクルさせていただきました。
タグ: euclid scp-jp 場所 天候 移動不可 外部エントロピー 現実改変 液体 重力
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:4052664 (18 Jun 2018 18:44)
いつもお世話になっております。
SCP下書きが完成しましたので、ご意見をいただきたく思っております。
・手記に違和感はないか
・ストーリー展開に無理はないか
・オチに意外性はあるか
・誤字脱字などはないか
などが気になっております。
感想などでも構いません。見ていただけると幸いです。
抜けです。
SCP-XXX-JP-A内ではないでしょうか?
短いながらもしっかりと異常性とバックストーリーが作り上げられていてよいと思いました。ただ、若干の違和感は残ります。
男がコーラを望んだから、というストーリーはわかりますが、なぜ最後に水になるのかという部分が若干のしこりです。水になる部分がバッタの大増殖につなげるための無理なお膳立てにも見えます。この異常性なら」降ってくるのは雨水でいいのではないでしょうか。もしくは、雨水ではなくちゃんとした飲料水が降ってくれば男の願いがかなった結果というようその代わりになるかもしれません。
ご覧いただきありがとうございます!
バックストーリーが突飛でかなり心配でしたが、評価いただけて良かったです!
→どちらも修正いたしました!
→ご指摘いただいた通りですね…
という流れで「一部が水になる」異常性を入れたためか、バッタのお膳立てのような感じになっていますね…
できる限りコーラにこだわりたいので、「コーラのおかげで地面が乾燥しないから植物が育つ」というメカニズムにしてみました。
科学的に正しいかが私には不明なので、これでも無理筋な感じが出てしまうようならば、アドバイス通り思い切って水に変えてしまおうかと思います。
違和感の部分は、自分では気付きづらい部分なので指摘いただけて非常に助かりました!
本投稿まではまだ掛かりそうですが、頑張って調整していきます。ありがとうございました!