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アイテム番号: SCP-2130-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2130-JP-1は一般的なプラスチック製収納ケースに格納し、サイト-81██内の標準的収容ロッカーに保管されます。新しいSCP-2130-JP-1が回収された場合、担当者は当該オブジェクトの製造番号を管理システムに記録してください。SCP-2130-JP-1を用いた実験はセキュリティクリアランスレベル3の権限を持つ職員の許可のもと、Dクラス職員を用いて行い、実験終了時にクラスA記憶処理を行ってください。SCP-2130-JPを視認した人物(以下、曝露者)にはクラスA記憶処理を行い、曝露のトリガーとなったSCP-2130-JP-1を回収してください。回収計画が大規模になることが予想される場合は、カバーストーリー「海賊版カートリッジの押収」を適用してください。
説明: SCP-2130-JPは、任天堂より販売されたゲームボーイアドバンスソフト「ポケットモンスター サファイア」に発生する異常なゲーム内イベントです。SCP-2130-JPの発生したカートリッジ(以下、SCP-2130-JP-1)は、これまでに75本回収されています。SCP-2130-JPに曝露すると、曝露者は当該ゲームをプレイ済みであるかどうかにかかわらず、SCP-2130-JPを正式に実装されたイベントのひとつとして認識します。また曝露者は、曝露後に正常なカートリッジをプレイすることで、正常なカートリッジをSCP-2130-JP-1へと変化させます。曝露者が持つこの異常性はクラスA記憶処理によって消失します。一方、SCP-2130-JP-1はソフトリセットや外部機器による正常なデータの上書きを行っても異常性を消失しません。
SCP-2130-JPの曝露はイベント発生時のゲーム画面の視認によってのみ生じます。したがって、シナリオの書き起こしや曝露者を通じての口頭説明、イメージ図の描画などではSCP-2130-JPに曝露しません。この性質を利用して、曝露者へのインタビューを通したSCP-2130-JPに関する情報収集を行うことが可能です。
SCP-2130-JPが発生すると、マップ上の特定の地点に、正常なカートリッジには存在しないエリア(以下、SCP-2130-JP-A)およびキャラクター(以下、SCP-2130-JP-2)が出現します。SCP-2130-JP-Aは、当該ゲームにおける一般的な「ひみつきち1」と同一のマップチップが使用されており、外観から見分けることは不可能です。SCP-2130-JP-Aの内装も、一般的な「ひみつきち」に準じたマップチップおよびグッズで構成されていますが、マップ切り替え時に左上に表示される地名が「ミオのひみつきち」と表記されます2。SCP-2130-JP-2のプロフィールは、後述の理由により一致しない点が多数見受けられますが、外見および以下の特徴が共通しています。

実験参加者のDクラス職員によって描かれたSCP-2130-JP-2の外見
SCP-2130-JPは、曝露者がイベントを見た回数に比例してイベントの長さ、および会話量が増加します。Dクラス職員を用いた実験の結果から、現在の収容プロトコルではこのイベントを4段階のレベルに分類しています。またSCP-2130-JPの特徴として、レベル4イベントの内容がプレイヤーごとに様々に分岐することが挙げられます。以下は実験に参加したDクラス職員によるイベントの概要、およびSCP-2130-JP-2の発話の書き起こしです。
レベル1(1回目の曝露)
119番道路5の特定のポイントにSCP-2130-JP-A入口が発生。内部に主人公が進入すると、SCP-2130-JP-2が話しかけてくる。
「あら…… みつかっちゃった!」
「ここは わたしの ひみつきちなの よかったら いつでも あそびに きてね」
通常の「ひみつきち」ではゲーム内に現れたアバターとポケモンバトルが可能だが、本イベントでは上記の会話文が表示されるのみでバトルは不可能。
レベル2(2回目の曝露)
主人公が119番道路の特定のポイントを通過した際、強制的にイベントが発生する。
「ごぼごぼ…… だ だれか……!ごぼぼ……!!」
119番道路の川で溺れているSCP-2130-JP-2を発見し、主人公が救助する。
「げほげほ…… ひええ たすかった…… きゅうに あしもとが くずれちゃったの」
「もう だいじょうぶ! それより おれいを したいから ちょっと ついてきて!」
ダンジョン進入時のSEが鳴り画面が暗転、SCP-2130-JP-A内部に移動する
「たすけてくれて ほんとに ありがとう!」
データ上に存在するアイテムのうちいずれかを入手6。
「ここは わたしの ひみつきちなの よかったら いつでも あそびに きてね」
レベル3(3回目の曝露)
レベル2イベントが発生。2度目の来訪時に話しかけた際の会話文が変化する。
「え? どうして いつも ここに いるのかって?」
「……じつは わたし かえるところが どこにも ないの」
「とおい とおいところで おとうさんと はぐれてしまって ずっと さがして いるの」
「わたしは あるひとに ホウエン7まで つれてかえって きてもらったけど なぜか おうちも なくなっていて……」
「だから ここを おうちの かわりにして おとうさんを さがして いるの」
「もし なにか しっていたら おしえてね」
上記の会話を聞いた後の会話文
「わたしの おうちは キナギタウンで そだてやさんを していたの」
「でも なぜか おうちが どこにも なくて だれも しらないって……」
「もし なにか しっていたら おしえてね」
Dクラス職員を用いた実験により、4回目以降の曝露ではすべてレベル4イベントが発生することが確認されました。以下はSCP-2130-JPのレベル4イベントの抜粋です。レベル4イベントはレベル3イベント以前と比較して長く、会話量も膨大であるため、概要のみ記載します。詳細なシナリオおよび会話文は付録を参照してください。なお、以下の記録に存在する人物、地名、企業名は一部を除き全て当該ゲームに登場するものであり、異常性は確認されていません。
財団はSCP-2130-JPについて、これまでに██件の実験を実施しており、そのうち██件でレベル4イベントが確認されています。実験で確認されたレベル4イベントは全て異なる結末を迎えており、イベント内におけるSCP-2130-JP-2の立場も、イベントによって様々に変化します。その結果、SCP-2130-JPについて曝露者同士が会話をすると、様々な点での会話の齟齬が発生します。さらに、4-2イベントに示されるように、SCP-2130-JP-2はゲーム内に正式に存在する会社やキャラクターと相関関係を持つことがあり、コンテンツの同一性を毀損する危険性が指摘されています。
発見経緯: 当オブジェクトは、20██/██/██、ゲーム紹介を主な内容とするブログ「██」がSCP-2130-JPについての記事を公開したことをきっかけに把握されました。記事内容は、「"発売されて20年以上経ったゲームなのに、なぜかネットにほとんど情報が載っていない不思議なイベント"として、SCP-2130-JPの内容を簡潔に紹介し、有識者に詳細情報を求める」というものでした。
当該記事のコメント欄では、「結末・その結末に至るまでの経緯が間違っている」「もらえるアイテムが間違っている」といった議論が展開されていました。これらの書き込みをもとに、財団はSCP-2130-JP-1の回収および曝露者への記憶処理を行いました。当該ブログの執筆者はポケットモンスターシリーズのカートリッジの蒐集家であり、レベル4イベントへの曝露が確認されました。この人物により収集されていた全てのカートリッジ(██本)に異常性が発生していることが確認されています。
実験記録SCP-2130-JP: 当オブジェクトの異常性の詳細を把握するため、以下の実験が計画、実施されました。
- 実験担当者
- ██研究員
- 目的
- 複数人でのSCP-2130-JPの視聴時の異常性について記録する
- 方法
- SCP-2130-JP-1をセットしたゲームボーイアドバンスをニンテンドーゲームキューブに接続してゲーム画面の外部出力を行い、財団内のローカルネットワークを利用してライブ動画配信を行う。Dクラス職員3名を用意し、1名にゲームボーイアドバンスを渡して配信させ、もう1名は配信担当の付近に待機して配信担当と同一の画面を視認させる。残りの1名は別室で当該配信を視聴させる。
- 備考
- 配信担当および待機担当のDクラス職員は非曝露者であり、別室での配信視聴を担当するDクラス職員はレベル3イベントの曝露者であった。
- 結果
- レベル4イベントが発生した。実験終了後の検査で、実験参加者全員の曝露レベルが4に達していることが確認された。
- 考察
- 仮に遠隔地であっても、曝露者がSCP-2130-JPを視認していれば曝露レベルの進行が起こることが明らかになった。また、SCP-2130-JP発生時の画面を共有することで、非曝露者の曝露レベルが急激に引き上げられることも分かった。
補遺: ██博士(情報災害部門)より、当オブジェクトが携帯ゲーム機の通信機能によって異常性を拡散させる可能性が指摘されました。これに基づき、当オブジェクト収容のきっかけとなった「██」の執筆者が所持していたゲームソフトのうち、「ポケットモンスター サファイア」と通信可能なものを対象として、外部機器を用いたデータ解析が行われました。その結果、任天堂より販売されたニンテンドーDSソフト「ポケットモンスター パール」██本の内部プログラムに、コメントアウトされた異常な記述(以下,SCP-2130-JP-3)が追加されており、その内容からSCP-2130-JPとの関連が疑われました。記述内容は付録を参照してください。
注意:SCP-2130-JP-3が発現する箇所は、通信機能利用時に不正なデータの検出および処理を行う重要なメソッドです。SCP-2130-JP-1の予期せぬ破損を防ぐために内部プログラムを直接編集する実験は禁止されています。実験担当者は注意してください。
追加実験SCP-2130-JP: 上記の現象を受け、SCP-2130-JP-1と「ポケットモンスター パール」の通信機能を用いた追加実験を行いました。
- 実験担当者
- ██研究員
- 目的
- 通信機能を介した際のSCP-2130-JPの異常性の詳細を確認する
- 方法
- ニンテンドーDSのダブルスロット機能を利用する。ゲームボーイアドバンススロットにSCP-2130-JP-1、DSスロットに正常な「ポケットモンスター パール」をそれぞれ挿入する。非曝露者のDクラス職員に「ポケットモンスター パール」を起動させ、通常通りプレイさせる。その際、出現するモンスターや入手した道具等を記録し、最後に「パルパーク13」を利用したデータの転送を行う。
- 結果
- プレイ中に異常性は確認されなかった。
- Dクラス職員はSCP-2130-JPに曝露しなかった。
- 「ポケットモンスター パール」の内部プログラムに、SCP-2130-JP-3が追加された。
- この実験に使用したSCP-2130-JP-1において、SCP-2130-JP-Aの存在を除く全ての異常性が喪失した。
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シリーズ-JP所属
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JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6991850 (12 Dec 2020 10:15)
見ていただきありがとうございます.以下,現在気にしている点です.
是非ともよろしくお願いいたします.
・説明: 等の部分のスペースが半角スペースではなく全角スペースになっています。
・ストレージサイトからの引用画像にライセンス表示がなされていません。
私が見た限りではこれ以外の特に違和感のあるフォーマットの崩れは見つかりませんでした。
私は元となったゲームをプレイしたことがあるので客観的に見れているかは自信がないですが、少なくとも私は理解することができました。ゲーム内イベントを説明するという都合上どうしてもこのような書き方になってしまうと思いますし、レベル4イベントについての説明も特に問題ないと思います。これに関しては私以外にプレイしたことがない方の批評を募った方がいいかもしれません。
オチとなっているであろうβの下りがいまいちピンときませんでした。これが元となったゲーム内の設定を前提としたオチであるのか、あるいは単純に私の読解力不足なのかは判断できないのですが、もう少しオチを明示的にしてしまってもいいのかなと思いました。現状のまま投稿されたらNVだと思います。
私からは以上です。投稿を楽しみにしております。
お読みいただきありがとうございます! 頂いたご意見をもとに,フォーマットの修正を行いました.
ありがとうございます.実験記録βを再読して,内容が曖昧で,ややミスリーディングであることを確認しました.個人的に,本稿のテーマが「ひみつきち」であることを考慮して,あまりオチを明示したくない気持ちがあるのですが,それが裏目に出てしまったかもしれません.実験記録βを省略することを前提に,インタビュー記録を追加する方向で改稿してみようと思います.
使用した画像のライセンスです.
インタビュー記録を追加しました.思っていたよりも記事が長くなったので,どこか簡潔にできるところがあるか検討しています.2,3日考えて,問題がなさそうであれば投稿しようとおもいます.
投稿を取り下げ,改稿中です.読後感の良いオチを検討しています.
指摘があった部分,ちょっと足りていない部分
改稿前はキャラクタの能力の二重性を表現しようとしていたのですが,どちらかというとバックグラウンドを明示する形式のほうがいいのかもしれないと考え中です.