カノン

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SCPにおいて、カノン (Canon) とはいくつかの意味を持つ語である。

1. 公式設定 - 本来の意味。英語圏のフィクション用語の1つであるが、これもまた宗教用語の”正典” (canon) から転用されたものである。 (例: 財団にカノンはない)
2. 設定 - 設定全般に対して使う。だいたい”解釈”とイコール。”ヘッドカノン”とニアリー。SCP財団にカノンはないということは、ある意味ではすべてがカノンとも言える。 (例: この記事のカノンではこれが正解なんだ / カクタスのカノンではSCP-343の正体は神ではない / 日本支部理事の”鵺”には様々な見方が存在し、中には鵺が少女というカノンさえある)
3. シリーズ/世界観の類語 - 今でもたまに使われることがある。初期のENwikiでは、例えば”クラシカル・リバイバル”はミニカノンと称されていたし、NYC2013ハブでは既存のカノンとしてクラシカル・リバイバル、Mr.コレクター、ゲームデイなどの名が上がっていた。
4. 合作企画 - 3の用法から派生した、シリーズ/合作体系の一種。”カノンハブ”に掲載されているカノンはこれに当たる。

さてここで定義4のカノンの話をしよう。「3著者5記事」という基準はあれど、このカノンが具体的に何かはカノンハブでは語られていない。JPコミュニティでは一般に「世界観」「If世界」のこととして認識されているが、これが正しい認識と言い難いことはNYC2013を見ても、カノンハブ-JPを見ても明らかである。

ENの「How to Contribute」より以下の文章を抜き出してみよう。(実は昔JPにもこの翻訳があったが、今回は自前で訳す)

カノンは財団世界のある特定の側面、要注意団体、平行宇宙、別解釈について掘り下げることのできる合作Taleシリーズです。

基本的にはこの認識で問題ない。要するにカノンとは、何らかの特定の要素を中核に据えた合作企画である。その要素が”If世界”であったり、”何処かのサイト”であったり、”ストーリープロット”であったり、”テーマ”であったりする。

次に、namiwiki (韓国のアニヲタwikiのようなもの) におけるカノンの解説を見てみよう。なお、以下はGoogle翻訳を修正しただけのものであり、正確性は保証できない。

ここで言うカノンとは、何らかの特定の主題や設定を中心とする合作Taleシリーズである。一般的な世界観とは異なる”Ifもの”的な設定も可能である。この意味のカノンは、2013年に開催されたニューイヤーコンテストの際やそれ以後に作られたものであるが、同コンテスト以前にも”テイルズ・オブ・ミスター・コレクター”や"The Lombardi Tales"といった類似するものが存在していた。

カノンにはプロットや設定が堅く固定されたものもあれば緩いものもあり、堅いカノンに新たな作品を投稿する場合は、カノンを管理する著者たちの審査を受ける必要がある。

もう一つの特徴として、絶対終わらない点がある。今となってはほぼ更新されていないカノンも多いが、いまだ関連作品の作成は行える。2020年にはそうしたカノンを復興させるべく”カノン復興コンテスト”が開催された。

ほぼ完璧である。ただし、当初はTaleのみを受け付けていたカノンも、今ではSCP記事やGoIフォーマットも参加可能であるので、「何らかの特定の主題や設定を中心とする合作シリーズ」がより正しい。

なお、ENではカノンといえばTaleシリーズからの派生であるのだが、JPではある日ふらりと輸入されてきた存在である。当時も非”別世界”型のカノンはそこそこ和訳されていたのだが、カノンとは通常の財団世界とは大きな差異点を持つものという認識が根強かったように思える。

最初JPにはカノンが2つ存在していたが、その片割れである「2013年忘年会」がカノンから外された理由の1つにもこのことが挙げられていた (ただ実際には、”2013年”の話しかできないじゃん！”というのが分類変更理由としては大きい)。こうして別世界系代表格である「わるいざいだん」しかカノン-JPが無くなったことは、よりJPコミュニティにおける「カノンは別世界」の認識を固めていった。当時のJP公式TwitterBotや諸エッセイを見ると、ものの見事に「カノンは別世界/普通の財団世界とは異なる世界」のように書かれているものが多いように思われる。(”カノンは世界観”はあながち間違いでもないが、一部のテーマ型カノンはこれでは説明しづらい点に留意する必要がある)

なおこの要因についてはENの「マッケンジー博士の用語集」でカノンとはオルタナティブ・ストーリーだと書いていたところも大きいだろうし、EN側でも”カノンは異世界”論者が一定数いることには留意する必要はある。

ODSS、扶桑紀の登場によって”カノンは異世界”派はある程度減ったかに見えたが、未だその認識は根強く、最近執筆されたアニヲタwikiの”カノンハブ”の項目でさえこの認識であった。

なお、”ハブ”にはシリーズの意味はなく、ただ複数ページへのリンクをまとめたページのことを指すので、タイトルから既に微妙である。まあカノンに他の意味があることを考えれば、口語としてこの言葉が生まれたのも頷けるところではあるのだが。

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現在SCP-ENには40個のカノンが存在し、SCP-JPには17個のカノンが存在する。他ではRU、KO、CN、FR、PL、ES、TH、DE、CS、ZHに存在しており、特にCNはカノン数がJPに次いで多く、DEはJPでも知名度のあるカノンを2つ抱えている。

なお、JPは長らく”わるいざいだん”1つしかカノンを有さなかったのであるが、2019年のODSS登録から徐々に機運が高まり始め、2020年初頭に扶桑紀が続き、そして1998年とスシブレードというJP2大巨頭が現れた結果、以後1年間のカノン大ブームが発生、続々カノンが増殖していき支部中1位にまで上り詰めたという流れがある。

そのため、JPコミュニティでのカノンへの注目には大きな高まりを感じている。このページを書き始めた理由もそこにある……のかもしれない。

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