SCP-2614-JP - 傀儡蛸

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第二版


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SCP-2614-JPの一例。SCP-2614-JPから伸びる紐状存在を視認出来た場合は担当職員まで連絡して下さい。

特別収容プロトコル: SCP-2614-JPの周囲500m圏内を立ち入り禁止とし、繋がる一般道は全て封鎖して下さい。地元自治体及び関係各所へはカバーストーリー「大雪山国立公園の一部」を流布して下さい。

SCP-2614-JP内から非人間自律駆動個体が脱出を試みた場合、無人ガンカメラにより即刻終了もしくは破壊されます。

SCP-2614-JP内の調査にはレベル4以上のセキュリティクリアランスを保持する担当職員による許可が必要です。

住人が不可抗力によりSCP-2614-JPから退去せざるを得ない場合、同数の職員をSCP-2614-JP内に滞在させて下さい。

説明: SCP-2614-JPは北海道上川郡に位置する旧有英地区です。

SCP-2614-JPは石炭産業衰退による過疎化を原因として放棄されており、インフラ整備はなされていないにも関わらず、電気水道及び光通信が問題無く使用可能な状態に保たれています。

SCP-2614-JP内部の建築物及び人工物は、開拓記念石碑やフェンス等一部を除いて放棄当時の有英地区と一致しません。全ての建築物はハニカム構造を主軸とする形状で建造されており、主用建材はカーボンファイバーを中心とする素材、壁材は不明な樹脂素材により構成され、内部に一切の骨組みが存在しません。電柱等のインフラや各建築物内の電化製品も当時の物とは著しく異なります。特筆すべき点として、"家"や"電話"と言った、同じ種類の製品間での世代差はほぼ見られませんでした。

SCP-2614-JP外から持ち込んだ物品は内部の物品と同等となる様変化します。

SCP-2614-JPと外部との境界は、内部に固有の舗装材と通常のアスファルト舗装道路の境界によって認識可能です。人工物の無い林間に存在する境界は識別不能です。

SCP-2614-JP内では影の様に見える非人間自律実体(以下"SCP-2614-JP-A")が無数に活動しています。SCP-2614-JPはそれぞれが特有の形状、行動パターンを有しており、日常生活を送る人々の影だけが活動している様に見えます。SCP-2614-JP-Aに対し何らかの干渉を行う事は不可能であり、また周辺の事物に対し対し物理的・精神的を問わず一切の働きかけを行いません。

SCP-2614-JP-Aは身体各部から紐状組織が伸びており、それらは張り詰めたまま上方へと伸びています。しかし、この紐状組織もまた影としてしか認識出来ず、加えて限られた人間しか目視する事が出来ません。紐状組織を目視可能な条件は不明です。

これまで3名のみ、SCP-2614-JP-Aから伸びる紐状組織のもう一端に、空中に浮く軟体類の様な生物が繋がっていたと報告しています。報告事例が少ない事は当該軟体類(以下"SCP-2614-JP-B")が移動しており、位置によって影として映り込むかどうかが変化する為と見られています。

SCP-2614-JP内部には6名の人間が居住しており、内5名が放棄前からの住人、1名が2010年代に移住した住人です。

以下、住人に行われた聞き取り調査の記録です。

インタビュー記録2614-JP-a

対象: 鉄線氏

実施者: 黒種研究員

<記録開始>

[世間話の為省略。]

黒種研究員: こちらには結構長い事いらっしゃるんですか?

鉄線氏: いや、10年経つか経たないかくらいじゃねえかな。

黒種研究員: じゃあここが整備されなくなってからですね。

鉄線氏: その筈だな。めんどくせえ近所付き合いとかねえとこに住みてえと思ってよ、色々回ってたら見付けたんよ。

黒種研究員: さっきも仰ってましたが、便利な所ですね。

鉄線氏: ああ、建物は壊れないし家電は最新式、いやそれより使い易いし、色んな物が新しくなるしな。食べ物に困るかと思ったが、いつでも色んな保存食が置いてあるから飢えねえし。

黒種研究員: 誰も整備していないみたいですけどね。

鉄線氏: そうなんだよな。まあ、便利だから別に考える必要ねえかと思ってよ。詮索するのも野暮ってもんだろ?

黒種研究員: 成る程。そう言えば、プロパンガスの類が見えないのですが、火は?

鉄線氏: えーっと、オール家電とか言うんだったか? それっぽくてな。コンロも全部IHよ。

黒種研究員: そうなんですね。鉄線さん、外には出ないんですか?

鉄線氏: 町のか? 必要無いから行かねえなあ。親は死んじまってるし、カミさんとも離婚して子供も向こうで独り立ちしてるだろうし。仕事は退職してるし、ネットも使えるし。

黒種研究員: 基本的に往来はしないと。

鉄線氏: そうなぁ。あ、前に一回映画見に行ったよ。4Dの。あればっかはパソコンじゃ見れねえからねぇ。

黒種研究員: そうですか。所で鉄線さん、この影達を見て、恐ろしいとは思いませんでしたか?

鉄線氏: ただの影だろ? 何もして来ねえし。

黒種研究員: 肝が据わってらっしゃるんですね。

鉄線氏: 当然、最初はびっくりしたさ。でも、只のストリートアートみたいなもんだと思えば何とも無え。

黒種研究員: 成る程。それから、こちらに鉄線さん以外の住人は?

鉄線氏: あっちにじいちゃんとばあちゃんの夫婦、あっちにもう1組夫婦、で、奥さん先亡くなったじいしゃんがすぐそこに住んでるな。

黒種研究員: 住民の方達は、この街について何か仰ってましたか?

鉄線氏: いんや? ふつーの田舎だっつーだけよ。特に違和感も難も感じて無いそうだし。あ、1個変な事言ってたっけな。

黒種研究員: 何でしょうか。

鉄線氏: 「ここ10年位で随分寂れちまった」ってずっと言ってるよ。でも10年前にはもうこんな感じだったけどな。

[重要性が低い為省略。]

<記録終了>

放棄前からの住人に聞き取り調査を行った結果、全員がSCP-2614-JPの現状を認識していませんでした。また、放棄前からの住人は放棄当時から加齢を見せておらず、また当時から現在までの時間経過を認識していません。即ち、当時からの住人5名は全員「有英地区が近年過疎化してしまった」と認識しています。

以下、黒種研究員以下探査チームによる長期滞在捜索で発見された異常物品の一部です。

種別: 道路舗装材

概要: アスファルトに類似した外観の金属、非金属複合材。約1cm径の多孔質セラミック片同士の隙間をアマルガム1を主材とする軟性金属で充填した物。

コメント: 非常に吸音性が高く、また微小な破損に対しては空気中から取り込んだ水銀と細孔内に充填された金属質イオン溶液を結晶化させる事で修復している。水が小さな亀裂に浸入し凍結する事で大きく押し開かれると言うのがアスファルトの主な破損要因であるから、大変素晴らしい構造である。

種別: ポスト

概要: 手紙を投函する投入口の他に、スキャン専用の投入口がある。通した物は葉書、封書を問わず文面や模様を完全にスキャンされ、送り先に最寄りの郵便局で印刷、自動で折り畳まれ同様の形状に成形される。

コメント: 郵便とFAXのハイブリッドの様なシステム。詳細は不明だが紙質まで再現される。受取人への直接送信では無い事、通常の投函口が残されている事から、手紙と言う風習への根強い支持が伺える。ただ、これを印刷出来る郵便局はSCP-2614-JP内の2箇所のみである。因みに現金の複製は出来なかった。

種別: 信号機

概要: 赤に点灯する際、道路上に鉄門扉の様な形状のネオンホログラムが表示される。

コメント: 分かり易い。ただ、急な信号変更により急ブレーキで誤って突出した際、事故を起こした様な感覚に陥る。

種別: 無し

概要: SCP-2614-JP内には電線が存在しない。恐らくは遠隔給電システムを採用していると思われる。

コメント: 世界システム2が実現されているらしい。

種別: 自動ドア

概要: 電力を必要としない自動ドア。パネルに乗った人の重さによって扉が動くカラクリ式であり、原理は現行製品とほぼ同様と思われる。

コメント: 開閉スピートが著しく早く、また挟まっても痛く無い程軽量。

種別: 自動清掃機

概要: iRobot社製自動清掃機"ルンバ"に類似。現行機種よりやや小型であり、吸引力が高まっている。

コメント: 幾つものモード設定があり、埃と塵だけを吸う、必要と思われる小物を除いて吸う、落ちている物全て吸う、から選ぶ事が可能になっている。

種別: 菓子

概要: 株式会社不二家製菓子"カントリーマアム"と同様の成分、包装。

コメント: 現在の商品に比べ体積が減少している。

種別: プラモデル

概要: バンダイ製プラモデル。UG3と記載されている。

コメント: パーツの数が現行製品の1.5倍に増えている。

種別: 突撃銃

概要: 現行のКала́шников社製突撃銃"AK-12"に類似。AK-28と記載。

コメント: SCP-2614-JP外から持ち込んだ機動部隊の装備が、いつの間にか変化していた。これまでの命名規則が踏襲されているならば、2028年に開発された製品と言う事になる。

種別: スマートフォン

概要: 現行のapple社製スマートフォン"iPhone"に類似。やや大判、iPhone 17と記載。搭載されているチップセットはA184、ベンチマークスコアは約36005。現在のアプリと互換性のある物が非常に少なく、SCP-2614-JP外では起動しないアプリが大半。

コメント: SCP-2614-JP外から持ち込んだ私物のiPhone 6sが、いつの間にか変化していた。充電口はUSBでは無くLightning。

SCP-2614-JP内部では、各物品が現在より文明レベルの高い品に置き換わっていると考えられています。

SCP-2614-JP内部に元々存在する物品の破壊や食品等リソースの消費は不明なタイミングで復旧されます。SCP-2614-JP外部から持ち込まれた物品やリソースはSCP-2614-JPの影響を受けるものの上記の復旧は行われません。また、SCP-2614-JP内部から持ち出された物品は不明なタイミングで消失します。

SCP-2614-JP内部では路上清掃用を始めとする複数種の自律駆動個体が稼働しています。これらが外部へ進出した事例はありませんが、進出し一般人に接触する収容違反の可能性がある為警戒が必要です。

調査は継続中です調査は中止されました。SCP-2614-JP内での長期調査は許可されません。

補遺: SCP-2614-JPは遺構巡りを趣味とする萩研究員が付近の炭鉱を巡る為訪れた際、過疎化が進んでいるにも関わらずほぼ全人工物の技術レベルが非常に高い物に置き換えられている事から発見、収容に至りました。萩研究員の調査記録によれば、発見時は建築物がより現代的であった様です。

追記1: SCP-2614-JP探査チームがSCP-2614-JP内に滞在中、境界が約8cm"こちら側"に移動している事が判明しました。

実験の結果、境界の移動距離は内部に存在する人間の数に比例する事、侵入した人員がSCP-2614-JPから退去すると境界は移動前の位置に戻る事が明らかになっています。

追記2: SCP-2614-JP内でアパート常和203号室のみ、SCP-2614-JPの影響を受けていない事が確認されました。

当該空間は、原稿用紙や文具、公募ガイド等執筆用具が多い以外至って一般的な一人暮らし用の部屋です。夢百合 昇藤かみひさを名乗る住人が借りていた模様ですが同名の人物は確認出来ず、ペンネームだと考えられます。

同室より大量のSF小説の原稿と共に、血痕が付いた以下の文章が発見されました。都都逸と思われます。日常的で無い読みにはルビを付しました。

出で来起きよと 天之瓊矛あまのぬぼこ旱星ひでりぼし夜の 燃えもせず
薊ありたれ 願うは昨夜よべあさ見飽きたれ 燕石つばめいし
アクネメネスの 砂原さはらに萌えた 誰も求めぬ 水瓜よ
葉見ぬ花見ぬ 赤らむ目にも 待てど暮らせど 悲願無し

立てば飛べんと 跡濁さんと 竹さえ生えぬ 紙吹雪
遺骸越さんと 気分たごうて 未来見共が すげの後
くるりくるりと 踊る阿呆も 歩く姿は 桃の百合
天蓋超えぬ 狐火なるか 雷落ちて 失せし毒

右手に持つは 茶の万年と 左に持つは 諏訪の蔓
有象無象の 夢想をあやし 育つ物かや 杜若かきつばた
気色覚けしきおぼゆる べかんめりとて 気色覚ゆる のみなりと
万寿あらんと 地獄の類 赤き雲の夜 死人しびとのみ

シャスタ聞くのか 無粋の歌よ 傀儡くぐつ踊るか 神ぞ知る
蛸の足なる 都ぞ何処 過ぎる栄華の 青と死す
三千世界の 烏は死して 陽を運ぶ者 つい
道忘れ果て かんざし一つ 水子衆みつくしの宮 野松明のだいまつ

追記3: 鉄線氏が急性虫垂炎により財団フロント法人経営の病院に搬送された際、SCP-2614-JPの拡大が確認されました。

追加調査により、SCP-2614-JP内に存在する人数が6人未満になった際、SCP-2614-JPが能動的に拡大する事が判明しています。拡大ペースはSCP-2614-JP内に存在する人数に依存し、0人で5cm/sに達します。この拡大は不可逆的であり、SCP-2614-JP内に6人以上の人員を配置しても拡大前の大きさに回復しません。

断片的な情報より、SCP-2614-JPは形而上生物(以下"SCP-2614-JP-α")の影響を強く受けていると断定されています。

SCP-2614-JP-Aは"文明"の概念その物と推測されます。また同情報より、SCP-2614-JP-BがSCP-2614-JP-αの形而下写像である可能性が高いです。

SCP-2614-JP-Aは人間の"文明"に対する認識を変容させXK-クラス:シナリオを誘発する危険性が高い事、拡大により新たに人間を取り込むペースが許容範囲を超え半永久的な拡大を継続してしまう可能性が否定出来ない事等から、EuclidからKeterへとオブジェクトクラスが変更されました。

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利用ガイド

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