Hurricane-Lilyの提言 - Οὐρανός

クレジット

タイトル: SCP-001-JP - Hurricane-Lilyの提言
著者: ©︎falsehood
作成年: 2021

アイテム番号: RB-413 SCP-001	Level 5/001
オブジェクトクラス: Ticonderoga¹	Classified

SCP-001-A内の銀河例。

代替簡易規則² 特別収容プロトコル: SCP-001-Aは保護されています。決して危険性を高めるあらゆる行為を行わないで下さい。

SCP-001の使用にはO5評議会、倫理委員会、異常性審議会それぞれによる全会一致の決議が必要です。また、SCP-001使用に関わる発議はO5評議会員により行われる事が推奨されます。

説明: SCP-001は無限の拡大性及び縮小性を持つ無限次元構造です。

ジェーン・ドゥ女史。

SCP-001-Aはジェーン・ドゥ或いはPre.O-14と呼称される、医学的には32歳のゲルマン系女性です。しかし、少なくとも128年以上生存している事が確認されています。ジェーンは本名ですが、ドゥは偽名であると語っています。ただ、この偽名を使用し始めた時期及び本名は不明です。SCP-001-Aは一見して妊婦であると判断出来る体型をしています。Pre.O-14は後述するRe:birthインシデントに由来します。

SCP-001-BはSCP-001-Aの子宮内に存在するミクロバース³です。SCP-001-Bは観測し得る全てに於いて、我々が内在する宇宙(以下"基底宇宙"と定義します)と同様です。即ちSCP-001-B内にもまたSCP-001-Aが存在します。

今後、便宜上1段階"内側"に存在するSCP-001-Bをn-1番目、同様に1段階"外側"に存在するSCP-001-Bをn+1番目と呼称します。ただし、SCP-001-Bには始点も終点も存在せず、また連続して存在している為、この呼称は不正確である事に注意して下さい。

後述のC-section・プロトコルを実施する事により、n-1番目のSCP-001-B内に存在する物品(以下"対象")をn番目のSCP-001-Bへ"取り出す"事が可能です。この際SCP -001-B間の物理定数の不一致が原因となり、約71%の確率で、n番目のSCP-001-Bに存在する同物体の28%前後の大きさで出現します。またn+1番目のSCP-001-Bで同様の処置が行われる事により、結果として対象を縮小する事が可能です。

補遺: SCP-001は、財団の前身組織であるRBO(Replaced technology Barter Organization:代替技術の交換機関、以下RBOに統一)により製作されたオブジェクトです。

当時基底宇宙の周辺には無数の宇宙(以下"オムニバース"⁴)が存在し、それらの相互作用により拡大、縮小、消滅等が発生すると言う予測が存在しました。他宇宙との相互作用、若しくは何らかの終末シナリオが発生した他宇宙からの影響により基底宇宙が予期せぬタイミングで消滅するXK-クラス:世界終焉シナリオ発生の可能性があり、それらは基底宇宙内部からの観測は不可能であるとの仮説が有力視されていました。

旧RBO一部勢力の発案により、基底宇宙をオムニバースから"切り離す"処置"QV仮説"⁵の研究が提唱され、理事会過半数の賛成により承認されました。この際、およそ半数がオブジェクトの過度な加工を問題視し反対していた事は特筆すべきです⁶。

当時研究されていたパラテックの中に、基底宇宙を無限繰り返し構造とする技術であるヴォルフガング手法⁷が存在したものの、失敗による空間断裂に起因する基底宇宙消滅のリスクが無視出来ない為に凍結されていました。その後再検討の結果、新規技術の導入によりリスク低減が図れると判断され研究を再開、QV処置の具体的方策として転用され実用化に至りました。

QV処置の詳細についてはこちらの資料を参照して下さい。資料が散逸しており確認されていません。現在資料の再分類が進められています。

QV処置の問題は多層宇宙の境界面の設置場所であり、当時の研究では生体内に設置する事でのみ境界面を安定化させる事が可能でした⁸。選考の結果、当時顧問博士⁹に任じられていたジェーン女史の胎内を第1次実験環境とする計画が承認されました¹⁰。

第8次実験までにSCP-001の生成、安定化の成功したと判断されました。ジェーン女史は胎内を仮設実験環境から初期実働環境へ再指定され、SCP-001の正式運用が開始されました。

SCP-001の定常的な運用実績をもってQV処置は完遂されたと見なされ、次いでヴォルフガング手法についての発議が行われました。同手法は物理的破壊によりXK-クラス:世界終焉シナリオを引き起こす可能性の高いオブジェクトを"取り出す"事により脅威を軽減する為に発案された物であり、先述の様にプロジェクト凍結を経て部分的実用化がなされていた事から、追加研究予算投入及び実用化試験が承認されました。

境界面が強固に安定していた事も影響し研究は早期に終結、ヴォルフガング手法が実用化されました。

以下、ヴォルフガング手法により実施された施策の内代表例です。

SCP-169	[データ削除済み。]
SCP-682	2度に渡る"取り出し"実施により約8%までの縮小に成功。財団戦闘資産による制圧が可能になった。
SCP-1682	複数回"取り出し"が行われたが、1度の"取り出し"につき99.42%まで縮小している事が判明。
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