nullの入り口はいつだってヌルヌルしている

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは漏洩の危険性が無い容器に充填された後、サイト-81██に設けられた低危険物収容ロッカーに収容されます。

SCP-XXX-JPを使用した実験はレベル2以上のクリアランスを持つ職員2人からの許可が必要です。また、設備、人員、情報の消失の危険性から、実験は必ず屋外でおこなって下さい。

説明: SCP-XXX-JPは粘性と潤滑性を有したポリアクリル酸ナトリウム水溶液です。SCP-XXX-JPの異常性は、対象の入り口の縁全体にSCP-XXX-JPを塗布することで発現します。SCP-XXX-JPを塗布された対象内部の物質は消失し、対象は内部に物質を保持することができなくなります。SCP-XXX-JPを生体に塗布した場合、対象の生命維持活動に関わる骨や内蔵などに対しては異常性は発揮されません。SCP-XXX-JPが水分を保持しており、SCP-XXX-JPが対象の入り口に接触し続けていれば、対象に対するSCP-XXX-JPの異常性は持続します。

実験記録XXX-JP-1 - 2020/01/18

対象: ███助手のマグカップ。

実施方法: 対象の口にSCP-XXX-JPを塗布し、水を注入する。

結果: 水が対象に弾かれ入らなかったが、注入開始から約6秒後、対象の口から内部に水が入った。

分析: 蓋をするのと同様な弾かれ方だった。また、水によってSCP-XXX-JPが流されたことで対象に対するSCP-XXX-JPの異常性が失われたものだと思われる。-██博士

実験記録XXX-JP-2 - 2020/01/20

対象: 底に穴の空いたマグカップ。

実施方法: 対象の口にSCP-XXX-JPを塗布し、底から水を注入する。

結果: 水が対象に弾かれ入らなかった。

分析: 塗布した場所から何も入れることができないのではなく、塗布した対象の内部に何も入れられなくなるようだ。-██博士
ちょっと!嫁さんがくれたコップが使いもんにならなくなっちゃったじゃないですか!-███助手

実験記録XXX-JP-3 - 2020/01/21

対象: 味噌汁が入った魔法瓶。

実施方法: 対象の口にSCP-XXX-JPを塗布する。

結果: 対象内部の味噌汁が消失。

分析: 元々中に入っていたものは消えてしまうのか。しかし、今日に限ってウォーターサーバーが壊れてるとはな。-██博士
まだ魔法瓶と味噌汁使ってるんですか?早く返してくださいよ!-███助手

実験記録XXX-JP-4 - 2020/01/24

対象: レタス、挽肉、チーズ、サルサが盛り付けられたタコス。

実施方法: トルティーヤの縁にSCP-XXX-JPを塗布する。

結果: レタス、挽肉、チーズ、サルサが消失。

分析: 対象が筒状でなくてもSCP-XXX-JPの異常性は発揮されるようだ。-██博士
僕の夕食になんてことするんですか!もう僕のものには触らせませんよ!-███助手

実験記録XXX-JP-5 - 2020/01/29

対象: D-63362。

実施方法: 対象の肛門にSCP-XXX-JPを塗布する。

結果: 対象が呼吸困難を訴え、SCP-XXX-JPを拭き取った。対象の食道、胃腸内の便や食物などが消失。

分析: 対象内部の空気までも消失したのだろう。しかし、消化器官内が真空になったにも関わらず対象に損傷は無かった。また、対象の内臓などが消失していないことから、あくまで対象の内部に異常性が発揮されるのであって、対象自体は影響を受けないようだ。健康診断に使えるかもな。-██博士
わざわざ肛門に塗るとかホントに趣味悪いですね。-███助手

実験記録XXX-JP-6 - 2020/02/02

対象: D-63362を入れた透明なコンテナ。

実施方法: D-63362に通信機、GPS発信機を装備させ、対象の内部から扉の縁にSCP-XXX-JPを塗布する。

結果: D-63362が消失。通信、位置特定はできず、D-63362は行方不明となった。

分析: 本当に消滅したか、別世界に飛ばされたかだろう。-██博士
対象の外側が『内部』だと認識されるか正直ヒヤヒヤしましたよ。-███助手

補遺1: 2020/01/17、東京都港区、エージェント・████がSCP-XXX-JPの異常性を発見、回収に至りました。以下は同日に行われたSCP-XXX-JPの所有者である███ ██のインタビュー記録です。

インタビュー記録-XXX-JP

<録音開始>

██博士: 落ち着いたのならインタビューを始めたいのですが、どうですか?

███ ██: まぁ、はい。もう大丈夫です。

██博士: ではまず、SCP-XXX-JPは何回使用しましたか?

███ ██: えっと、[溜め息]5回、いや6回だったと思います。

██博士: SCP-XXX-JPを入手した場所と時期は?

███ ██: 3年前、私が大学入学のとき、兄が、送ってきたんです。私が一人暮らしをし始めたアパートに、です。兄は考えが変…というか結構変わっていて、その荷物の梱包剤が全部シロツメクサだったりして、なんでこんなもの送ってきたんだとも思ったんですけど。私が████大学に入るってことを親から聞いたのか、色々と心配してくれたみたいで。襲われそうになったらこれを、自分の…その…アソコに塗れば、大丈夫だって。それを塗った中には何も入れないって。そう書いてある手紙と送ってきてくれたんです。

██博士: SCP-XXX-JPの異常性については知っていたのですね。お兄さんはどこでSCP-XXX-JPを手に入れたと言ってましたか?

███ ██: すみません、詳しくは分からないのですが。手紙には、『仕事のツテで手に入れた。』と書いてありました。

██博士: お兄さんの名前と職業、住所は?

███ ██: 兄は、███ 一郎って名前です。それでえーと確か、今は民俗学の研究をしていたはずです。住所は、群馬県███郡██村████だったと思います。研究のためにそんなとこに住んでるらしいですけど。

██博士: 他にSCP-XXX-JPやそれに関するお兄さんのことについて詳しく教えて欲しいのですが。

███ ██: すみません、わからないです。ここ最近兄とも連絡を取ってないので。

██博士: そうですか。では最後に、先程はなぜ取り乱していたのですか?あなたを急にここに連れてきた我々が怖かったとか?

███ ██: …怖かったんです。それだけです。

██博士: ではインタビューを終[音声が███ ██に遮られる]

███ ██: あの!

██博士: ん?

███ ██: ええと、あのローションは返してくれますよね?

██博士: インタビュー前に我々がどのような組織なのか説明したはずですよ。野暮なことは聞かないで下さい。

<録音終了>

インタビュー後、███ ██にクラスC記憶処理を施し、帰宅させました。また、███ ██の自宅からは、██████社製のラブローション製品の容器1に充填されたSCP-XXX-JPが、合計で4053mL回収されました。

補遺2: 2020/02/04、群馬県███郡██村を調査し、村から3km程離れた山中にSCP-XXX-JPを合計で389L保管している小屋が発見されました。また、隣接されている小屋の扉にはSCP-XXX-JPが塗布された痕跡がありました。

███ ██の兄である███ 一郎は発見されませんでしたが、SCP-XXX-JPが保管されていた小屋から、封印をされた封筒が回収されました。以下は封筒に入っていた手紙の文章です。

███ ██へ

██がこれを読んでいるとは思えないけど、まずは謝りたいんだ。██を置いてこの世界から離れる兄ちゃんを許してくれ。
誰が悪いとかそういうのはないんだ。全部兄ちゃんが悪いんだ。
だから、██は物狂いの兄の言い訳を聞いてくれるだけでいいんだ。

どこに行っても何かと比べられるこの世界で生きていくのが嫌になったっていうのが死にたくなった一番の理由。
最初は、小学生の時、母さんに「お兄ちゃんなんだからちゃんとしなさい。」って言われた時だった。
些細なことかもしれないけど、母さんは心底から兄ちゃんを見てるんじゃなくて、「一番最初に生まれた息子」として兄ちゃんを見てるんだと感じた。
人が相対的に物を見るのはしょうがないけど、それがホントに嫌だった。
あの時から段々と順番が、順位が、数字が、嫌いになっていって。
徒競走も勉強も研究も、好きなことをしてるはずなのに、どこかで誰かに比べられてるんだと思ったら楽しめなくなってきちゃった。

それでも自殺は考えられなかった。母さんや父さんや██を置いていけないし、兄ちゃんの死に方が比較されるのも嫌だったんだ。


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