1. 重要なポイント
面白い記事を書くこと
当たり前です。が、これがかなり難しいです。お題と照らし合わせながら無理なく面白いものを作るのは簡単ではありません。実際に私は無コンで上手くいかなかったし嘘コンには参加もできませんでした(記事が書けなかったので)。特に難しいのが、次のポイントにも通ずるのですが「記事単体として面白いだけでは足りない」ということです。読者の多数に「お題とよく合致した内容だ」と思わせなければならないからです。この視点が不足すると、素点が高くても二次投票でまくられてしまうかもしれません。こればっかりは実力勝負です。ファイト!
お題について真剣に考えること(超重要)
毎年夏コンにはお題が出ますが、これをないがしろにしてはいけません。たとえば「(記事の主題)は、見方を変えれば(お題)かもしれません」みたいにディスカッションに書かないといけないようなタイプの記事は、その記事がどれだけ面白くても二次投票で負けてしまうでしょう。影あるところに影あり、1=1です。最もお題に相応しい内容にするにはどうするべきなのか、徹底的に考えて記事を書く必要があります。お題について意識したい2点を挙げます。
テーマへの解答がわかりやすく示されていること
お題に対する著者なりの解答は読者に対しわかりやすく示されているべきでしょう。4年目以降の各コンテストの優勝記事について「お題へのわかりやすい解答」という視点から見てみます。
この記事は「死」というお題に対し「死の死」という単純明快かつ強力な答えを提示した名作であり、お題の要素をもっとも強力なインパクトで叩きつけることに成功した事例です。記事の内容自体も良質ながら、二次投票でも最大値である80点を獲得しました。他の記事も死に通ずる内容ですが、死を絡めるだけでは足らず、死せる死を描くことが最適解だったのです。これがもし生コンで「死の死は見方を変えれば生でしょう~」とお出しされていると、きっと優勝していなかったと思います。まったく最適解だと感じます。すごい。
この年のテーマは「悪」であり、あくまでも感覚的にはわかりやすく書きやすいテーマでもありました。二次投票は恐らく読者にとってわかりやすく「最悪」だっただろう記事にuvが集中しています。SCP-1970-JPは「墜落のループ」「宇宙空間における閉所恐怖・孤立」「手のひら返しされて結局助からない(特にVillain/Vice/Evilな要素)」あたりが主な悪だったのでしょうか。最適解を出すというよりも、肌感覚でもっとも悪と思わせられる記事を書くことが大事なコンテストだったと思います。
無要素は補遺の引用部に集約されているように思います。この年のお題は書き手にとっても読み手にとっても自分なりの答えを持つのがとても難しいように感じました(Fennecistはお題に対していろいろよくわからなくなって、素点ギリギリ二次点6で終わりました)。優勝記事のSCP-1645-JPは二次投票で最大点を獲得したわけではありませんが、記事自体の出来が非常によく素点の力で優勝しています。お題が難問のときは、TwitterやDiscordで読み手がお題に対しどのような考えを持っているのかリサーチするのがよさそうですね。
思い返せば「嘘」というテーマには意味怖的内容が抜群に相性よかったのだろうと思います。SCP-2616-JPはまさにそんな記事で、明快に「嘘」というテーマに沿った内容でした。同率一位のSCP-2144-JPに素点では負けていましたが、二次投票で113点ももぎ取り優勝に至りました。読み終わってから「嘘」に気づいて面白い記事だ! と思ってしまったら、そのまま二次投票でuvを入れざるを得なくなる記事だったのです。嘘というテーマに嘘をもって答える、最適解を導き出した記事だったと思います。
修正&追記: 勘違いしたまま、SCP-2616-JPが単独優勝したものだと思い書いていました。申し訳ありません。
無並みに難問だった年だと思います。夜というワードから連想できる要素が果たして「夜以外でも成立してしまわないかどうか」というところに着目できるかが鍵だったと考えています。連想されやすい「寝る」「夢」「怪談」などの要素は「夜」でなくとも行えるし体験できてしまう事柄であり、それだけを夜要素として提示するのは解として不足があったのでしょう。SCP-2332-JPは夜にしかできない行動である「夜更かし」をメインの夜要素に据え、副次的に「深夜」「睡眠」「寝かしつけ」の要素を盛り込み、素点では2位に負けていても二次点で勝利を掴みました。まさしく「夜」な記事だったというよりは、読み手が夜要素を否定できないような内容だったのが功を奏したのでしょう。
最適解を出せるかどうか考えること
結果論としてですが、先に挙げた5つのコンテストについて2つに分類します。
- 死、嘘: 最適解(と思われる要素)をはじき出せる
- 悪、無、夜: 最適解(と思われる要素)をはじき出せない
前者はそのまま、「死」と「嘘」に対する最適解を出した記事が優勝したコンテストです。後者はお題自体が漠然としすぎているために、書き手と読み手で最適解と思える要素の擦り合わせができないタイプのコンテストです。今年度の「Q」は個人的に後者に分類されるお題、かつ難問であると考えています。このようなコンテストでは「最低限、読み手がお題を否定できない」「お題を連想できる要素を多く含める」の2点を重要視するとよさそうです。もちろん、あなたが「Q」に対する最適解を考え付くのであれば、それを実行するべきです。
先に書いた通り、これは結果論として分類している話なので、必ずしも正しいわけではありません。たとえばSCP-2000-JPコンテスト「変遷」は、テーマだけでは後者に分類されるように今も思います。しかし優勝記事は2000でなければ成立しないという最適解を導き出した記事であり、結果としては最適解を導出できるコンテストであったともいえます。ここで大事なのは、自分の中でお題がどちらに分類されるかを考察し、それにあった要素の組み立てを行うべきだ、ということなのです。
二次投票は「らしさ」が絶対ではないこと
- 加筆予定 -
2. 意識したほうがいいかもしれないポイント
優勝記事の共通項
絶対にならえ! というわけではなく、考えてみれば共通していたような気がする部分です。
現実世界にありそうな雰囲気・リアリティ
共通記事: 悪、無、嘘、夜
SCP-1682-JPを除いて、優勝記事は共通して「現実世界にありそうな雰囲気」を持っています。財団世界ではなく、この現実世界のどこかで起こっていそうな雰囲気です。特にわかりやすいのはオブジェクトの位置する場所です。
- SCP-1970-JP - 月周辺
- SCP-1645-JP - 北海道██町
- SCP-2616-JP - 赤石山脈(南アルプス)小河内岳
- SCP-2332-JP - 日本国北海道[編集済]
また、SCP-1645-JPのようにインターネットが絡んだり、SCP-2332-JPのように新型コロナウイルスが登場したり、このような「アノマリーが身近にいる・あるかもしれない」と思わせる要素は読者の想像を掻き立てるいいファクターになりえます。加えて、どの記事も画面遷移がなく、長大な文量がない点も特筆すべきです。現実世界でTikTokのようなショート動画や2分程度の長さの楽曲が流行しているように、長く壮大でカロリーの高い記事は意外と好まれない傾向にあるのかもしれません。(失敗したSCP-1404-JPなんか壮大だしクソ長いレスバだったしなぁ……)
記事冒頭に画像がある
共通記事: 死、悪、嘘、夜
基本ですが、かなり重要です。画像は記事の顔とも言えます。一番最初に記憶に残るような画像があれば、仮に記事を後で読もうと思った読者ですら頭の片隅で憶えてしまうでしょう。よって、印象的な画像を記事冒頭に持ってきましょう。面白そうな文章から始まるのも良いとっかかりにはなりますが、それを創出するのは簡単ではありません。しかし画像を使うのは、それに代わる簡単な方法なのです。
特定のGoIやカノンを利用していない
共通記事: すべて
どれも記事の中で話が完結していますし、GoIやカノンなどの知識を必要としないで読み切ることができます。SCP-1682-JPの亜財団はGoI的だったり、SCP-1970-JPの外宇宙部門はカノン的だったりも思いますが、やはり記事を読めば理解できるよう書かれているかそもそも深く触れていないため問題にはなりません。GoIやカノンを利用すれば記事に深みを持たせることができるのは確かですが、必ずしも読む人皆んながその知識を有しているわけではありませんし、読み進めるうえでわからないことが出てきてしまっては読む手が止まってしまいます。そういう点では、GoIやカノンを大きく利用することは諸刃の剣だと思っていいのかもしれませんね。
それは本当に"提言"なのか
やっぱり提言、書きたいですよね。
しかし、壮大なスケールの記事は提言でなくとも沢山ある時代です。提言のつもりで書いた記事でもノーマルナンバーでやってみてもいいかもしれません。もちろん、提言であることで箔がつくのも事実ではありますが、提言ですら増えまくっている事実を考慮すると、果たして提言として出すことで目立つのかどうかというのも気にしたいところです。
3. コンテスト関係なしに気を付けたいポイント
読みやすい?
そもそも読みにくかったら、読まれません。
よく私が指摘するのはCSSテーマによる読みにくさです。特別さを演出するためにCSSテーマを使うことは問題ありませんが、読みにくくなってしまうことは問題です。複数名(できれば普段絡まないようなサイトメンバー)に下書きを見てもらい、贔屓目を除いたうえで意見を貰ってみるといいでしょう。思っているより、その下書きは読みづらくてウケが悪いかもしれません。もちろん、読みやすいならなんぼ見た目をかっこよくしてもいいんですよ。読みやすいなら。
文章に関して、難しい漢字を使うことで読みにくさに繋がります。特に「軈て(やがて)」や「齎す(もたらす)」とかはよく見かける気がします。かっこいい文章にしたい気持ちを抑え、冷静に読みやすいのかどうかを意識したいです。
読みやすいかどうかという点では、キャプションや画像サイズ、表などの要素にも気を付けたいです。パソコンとスマホを持っているならの話ですが、もしあなたがパソコンで執筆しているなら、下書きをスマホからも確認してみましょう。その逆もまた然りです。表は特に、スマホから見るととても見にくくなりがちです。果たして本当に表でいいのか検討し、引用構文や箇条書きなどに変えることも試してみてください。
特別収容プロトコルはちゃんとしてる?
あまり特別収容プロトコルが重要視されない風潮があると思っています。しかし、ここをしっかり書けるとかっこいいです。ちゃんと書いてください(願望)。これはよく
ukarayakaraさんに言われたことですが、たとえばオブジェクトが特定の地点に固定されている場合、そのオブジェクト周辺の地面ごと移動できないかどうか試行する必要があります。こういった見落としがちな点まで考慮して、財団職員になったつもりでどうオブジェクトを大衆から遠ざけるか考えましょう。
折り畳み必要なの?
基本的に折り畳みは何かしらの効果を狙って利用するのが吉で、乱用するのはよくないと考えています。折り畳みの中に長大な文章が隠されていて、それを読み終わっても次の折り畳みにもまた長いコンテンツがあると、読みたくなくなりますね。最初からどの程度この記事は長いのかを見せておけば、読み手に心構えさせることができるでしょう。読者にサラサラと読み進めてもらえるように意識したいですね。
4. 正直どうでもいいかもだけど意識してもいいかもなポイント
コンテストが開始したらさっさと投稿する
まあ、理想です。できたらいいですけどね。
今までのコンテストを見てて、開始直後と終了直前が最もアクティブメンバーが多く、評価が動きやすいように感じました。しかし終了直前の駆け込み投稿は、記事の多さから読み手側も疲弊しているので読まれにくいように思います。話題にでもならない限りは、早く出すほどよく見られ評価されるのは間違いなさそうです。
記事の見た目
これも話半分に思ってほしいです。
たぶん読み手は同じようなものが連続すると徐々に飽きてしまうので、記事の見た目で周りとの差をつけるというのもひとつの手かもしれません。全体的に警告表示やCSS派手目な記事が多いようなら、あえて自身はシンプルな見た目の記事にするとか、逆にシンプルな記事が多いようならACS使うなど、かっこいい見た目の記事として出すとか。そういう感じです。あるいはどちらにも属さない「フォーマットスクリュー」で勝負するのもいいですね。その場合は記事の発想や構成から難易度が高まるので難しいですが。
宣伝する
良記事は勝手に伸びると良く言われますが、それにしたって宣伝は大事だと思います。すべてのサイトメンバーが普段からサイトを覗きに来ているわけではないので、できるだけその他のSNS(特にTwitter)の人たちの目に触れるようにできたらいいです。「記事冒頭に画像を使う」と同じで、宣伝するときも画像を掲載しましょう。インパクトのある画像なら、目に触れやすくなることでしょう。
5. 最後に
真に受けないでください。ここに書いたのはいうなればすべて「要素」、ある東方風自作曲の動画にならうなら「記号」みたいなものです。要素だけでは作品は面白くなりきれません。あなたなりの味つけが必要です。音楽におけるディストーションのように、鮮やかな歪みを持たせなければいけません。ここで見たことは頭の片隅に置く程度でいいでしょう。記事が完成したら、それがあなたなりの解答だったのだと自信を持ってください。
おまけ(川柳)
保存時は 忘れるなかれ "ACS"
Ctrl+(A→C→S)
うお~、夏コン頑張るぞ~! えい、えい、むん!
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