カノンハブ-CN"コールド・スタート ハブ"翻訳下書き

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元より、正常性は不朽不滅の真理ではない。正常性とは一輪車に乗るジャグラーの手の上で舞い踊る鶏卵である。僅かな外力を加えるだけでこの均衡は崩れ、地へ落ち、パリンと砕けるのだ。


第八次オカルト大戦は財団とカオス・インサージェンシーの戦争に端を発し、主な参加者の相次ぐ退場で幕切れとなった。この戦争に勝者はなく、大戦後のある日、どちらかの力が制御を失ったのか、それとも強烈な超常の力が合わさり生まれた自然現象なのかは知れぬが、未曾有の大災害があらゆる超常組織もろとも人類文明をほとんど全て滅ぼした。生き残った人々はこの災害をアポカリプスと呼んだ。


見慣れたあの世界正常性は闇夜に沈み、帰ってこない。生存者たちはこの事実を受け入れるしかなかった。厄介なのは、かつて正常性に相対していたのは正しく、最早存在しない参戦者たちであったことだ。生存者は文明の廃墟の中を手探りで前に進むが、道は暗く先は見えない。人口が急減し、アノマリーが大量に逃げ出したポストアポカリプス時代新世代では、在りし日を求める道のりは遙かに長く、平坦でない定めにある。


災禍を前に、生きようと懸命にもがく人がいれば、自己追放に必死な人も、虚無の中に意味を求める人もいる。また、いつだってほんの一握りの人間は正常性の復活を試みている。ポストアポカリプス時代の荒野の上で、ヴェールの霧が再度覆う中、生き残った者旧世代人と荒野に生まれた者新世代人は誰もが出口を探す。


これは世界の終わりともいえる。だが文明の廃墟の上で、この世界はコールド・スタートゼロからの始まりを経験しているのだ。

On the ruins, we rise up.

作品リスト

アポカリプス時代/旧世紀の終わり

世界の塵の中で
日は完全に昇った。空は晴れ渡っている。

オリーブの枝は台風の目へと漂う
1日目の太陽は地平線へと沈んでいく。かつて死の証しだった氷雪は、今や生命をもたらす河の水へと変わりはじめた。

海と彼女の夢。
人類の朝日がいつも通り昇ってきて、廃墟の中で文明が建て直されるって信じてる。

最も偉大な武器
「最も偉大な」がオチの今回の作戦は、ここで竜頭蛇尾に慌ただしくピリオドを打った。

あなたと一緒に
あなたとわたしが手を繋ぐのは生きる重圧ゆえなどでなく、結局のところ愛なのだ。

病毒蔓延る荒野にて
嵐が田野に吹きすさぶ轟音の中、彼は長いこと黙っていた。何か言いたかったのかもしれない。けど私たちが眠りにつくまで、とうとう彼も答えることはなかった。

ポストアポカリプス時代/新世代

アンブローズ・塵と夢の酒場・メニュー
ご安心を。こちらは塵と夢から私たちが初めて作ったものではございませんので。

補足設定/その他

君は問う
「それってなに？」といつか君は問う。そのとき、私はどこにでもいる。

SCP-CN-2570 - ワイルダーの子供達
激しい交戦もなく、死して帰らむと家を守るでもなく、戦争とは我等に見せられたパントマイムでしかなく、ふわりと過ぎ去ったのだ。

ストーリー背景

ストーリーの背景には全世界を巻き込んだオカルト大戦があります。戦争は2047年の末に勃発し、1年余り続きました。戦争は財団が懸命に守った正常性を徹底的に引き裂き、ヴェール下の物理法則にそぐわない全ては——多種多様なアノマリーも、それらを創り出した組織も——白日の下に完全に曝されました。

この戦争の規模がこれ程に拡大し、攻撃も激しくなると、わずか1年の内に私たちがよく知っている規則的で安定した普通の生活は永遠に過去のものとなりました。全世界の人口は戦争前の100億付近から8桁代まで急減し、政府の停止を宣言した国家は200余りあった内の4分の3を超えました。それ以外にも、ヴェールの崩壊に伴い、元々各大組織がしっかりと確保していたアノマリーは崩れた壁を越えて世にのさばりだし、かつて食物連鎖の頂点でふんぞり返っていた人類は超自然の力を前に子羊の如く為すがままにされました。更に最悪なことに、各種超常兵器の濫用は地球の生態環境を徹底的に破壊し、「アポカリプス」と呼ばれる大災害が全面的に勃発しました。海面が数十メートル急上昇し、沿岸の都市は完全に沈没、食料生産のほとんどが停止し、予測できない極端な気候は辛うじて生き延びた人達へ泣き面に蜂の状況を味わわせたのです。

SCP-2000が破壊され、一切合切が完全に打開不可能な窮地に面して、財団は解散を告げ、約200年に及ぶ歴史に幕を下ろしました。解散する前、財団は全世界の生存者へ向けて、かつて機密情報としていたデータベース中の一万余りのアノマリー報告書を公開しました。そうしてなるべく多くの生存者が生き延びられる助けとなり、人類文明が続くよう報告書に希望を託したのです。

私たちの物語はこうした背景に基づいて展開されます。見渡す限りが破壊された後、人類文明の先はどこへと向かうのでしょう？

執筆ガイド

読者の皆様、コールド・スタートへようこそ。これはSharethesilence、Enzo_Stamatis、Rye Travis、MDYw_RainTreeそしてCaroyalKKaiaが共同発起したカノンです。どんなお話なんだって？下を読んでください。

何が起きたの？

見て分かる通り、この世界にある超常組織はあれやこれやの理由で殴り合って自らを滅ぼし、同時に世界を滅茶苦茶に壊しました。非常に、非常に、非常に多くの人が亡くなり、あらゆる超常組織もほとんど滅亡しました¹。頭に一撃喰らった人々が起きたことに反応した頃には、世界はじきに滅ぶところだったのです。それでもなお生活は続きます。なので、人々はこんな状況下で何かをしなければなりません。これこそ私達が話し合うべき内容なのです。

どんな設定を守ればいいの？

私たちがよく知っているアド・アストラ・ペル・アスペラのカノンとは異なり、コールド・スタートには上述したおおまかな背景のみがあり、人類文明が終末に生き、再び発展する過程のタイムラインは具体的には描かれていません——つまり、このカノンを基に人類文明の運命の行き先をあなたが望む方向へ導いてもよいということです。私たちカノンの発起人は背景のオカルト大戦や“アポカリプス”に詳細な説明を与えてはいません。そのことを念頭に置けば、あなたが想像した戦争と災いの場面、更にはそれらが勃発した理由を創作のインスピレーションの第一歩としても構いません。

自分の作品をどう創ればいいの？

“コールド・スタート”カノンの基本要素は2つ、1つ目は「終末」、2つ目は「財団の欠落」です。言い換えると、あなたの物語において、この2点の内の少なくとも1つにフォーカスする必要があります。これを基礎として、あなたのイマジネーションを好きなように発揮して構いません。以下は参考となるでしょう（ただし、これらの通りに書けという意味ではありません）。

• 旧世紀の半ば荒野で、災厄から生き残った人々。
• ポストアポカリプス時代の文明の影での、新世紀の人々の暮らし。
• ポストアポカリプス時代に残るアノマリーはどのようにして存在しているか。
• 同上、ただしアノマリーを収容する/取り合う人々を描く。

財団とインサージェンシーは共倒れして、世界は半ば荒野と成り果てた、というのが私の構想しているアイデアです。無論GOCとUIUは巻き添えで吹き飛んだものの、数多のアノマリーは残り、人による管理が必要。だから元研究員と一般人が前に出て、多種多様な方法でアノマリーを片付ける。素寒貧の財団よりも振る袖がない。裏庭のガレージ、埠頭のコンテナ、アイスクリームカーに、捨てられた屋内プールを使ってアノマリーを収容するのはとてもcoooolだとずっと思っています。各大組織の関係が悪化する経緯を辿るという方向性も執筆できることでしょう。——Sharethesilence

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  批評コメント批評コメント

  
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  snoj 18 Sep 2023 13:38

  厄介なことに、過去と正常性は最早存在していない参戦者を相手としていたのだ。

  何かよく分からないので、こういうことかも？
  →厄介なのは、かつて正常性に相対していたのは正しく、最早存在しない参戦者たちであったことだ。

  ウイルス蔓延る荒野で在病毒肆虐的荒原上

  ウイルスは素っ気ないので、　病毒蔓延る荒野にて　みたいにすると物語的だと思います

  dhueguang 23 Sep 2023 08:26

  査読ありがとうございます。修正しました。

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1. portal:3704020 (25 Jun 2018 15:07)

Footnotes

1. 完全に滅亡したわけではないということです。ただ、トップを失った大型組織は少なくなく、散り散りになった少数メンバーの団体が残りました。