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巍巍鐵甲城
憑欄望海聽無意
本是遠春風
猶念舊時
你我遊學中庭
初夢呵
酒染群櫻千萬朵
店中弦接三世報國情
一朝聞上宣
芳華各自飄散
繽紛參道旁
彼此道聲再見
戎車揚起十方塵土
稻荷之神躍進離離黍
欲將若港的蜃樓追逐
輪盤絞起帝國奇虎
無人堪御之
巍巍ぎぎたる鐵甲城てつかふじやう
欄らんに憑つき 海うみ望のぞみて 無意むいに聽きく
本もと 是これ 春風しゆんぷう 遠とほからむ
猶なほも 舊時きうじを念ねんじ
你なんぢと我われと 中庭ちゆうていに遊學いうがくすることを
初夢はつゆめや
酒さけ染そめし 群櫻ぐんあう 千萬朵せんばんだ
店中てんちゆうに弦げん接つぐ 三世さんせい 報國ほうこくの情じやうを
一朝いつてう 上宣じやうせんを聞きき
芳華はうか 各自かくじ 飄散へうさんす
繽紛ひんぷんたる 參道さんだうの旁そば
彼此たがひに 再見さらばと聲こゑを道いふ
戎車じゆうしや 十方じつぱうの塵土ぢんどを 揚あげ起おこし
稻荷之神いなりのかみ 離離りりたる黍きびに躍進やくしんす
將まさに若港わかみなとの蜃樓しんろう 追逐ついちくせむと欲ほすれば
輪盤りんばん絞しぼり 帝國ていこくの奇虎きこ起たつ
之これ 御ぎよするに堪たへる人ひと無なし
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おお 我らが巨大なる軍艦よ
手すりに寄りかかり 海を眺めて漠然と風音を聞く
海上には 春風が届くはずもないというのに昔のことを思い出す
君と僕は同窓の仲
初夢を教えあい
花見の酒席で杯を交わす
遊郭の三味線の音に 報国の大志を語り合ったそして 軍の招集がかかった
まだ若い僕らは 戦場に駆り出されることになった
桜舞い散る参道の傍で
僕らは互いに別れを告げた戦車は土埃を巻き上げて
戦争は国を疲弊させていくばかりだ
若港1の蜃気楼を追い求めて
帝国は最後の超常艦隊を送り出したそれを操る術は 誰一人として分からなかった
鏘鏘鐵甲城
海波切裂剖深怨
斜霧自痕生
浮世濁浪滔滔
誰聞隱處淒號
斟下一攏薄暮
迎風寂寞微搖
處處浩宇熾燃
代代悲歡焚遍
銹槍靜臥於此寒奩
枯黃舊時寄念
今人拂去老兵遺思
輕試且去征遠
征遠須臾止
漫漫鐵蓮發
野砲轟不滅
異術未能拔
悄飲風光喧鬧忘
虛煙醉臥沒天涯
再沽六文錢
鏘鏘さうさうたる鐵甲城てつかふじやう
海波わだつみ 切きり裂さきて 深怨しんゑん剖わかつ
斜霧しやむ 痕あとより生しやうず
浮世うきよ 濁浪だくらう 滔滔たうたうたり
誰だれぞ聞きく 隱處いんしよの淒號せいがうを
一攏ひとすぢ 薄暮はくぼを 斟くみ下おろし
風かぜに迎むかへ 寂寞せきばくとして 微かすかに搖ゆれたり
處處ところどころ 浩宇かうう 熾燃しねんし
代代だいだい 悲歡ひかん 焚くべて遍あまねく
銹槍しうさう 此この寒奩かんれんにて靜臥せいがすれば
舊時きうじの寄念きねん 枯黃こわうにさす
今人こんじん 老兵らうへいの遺思いし 拂はらひ去さりて
輕かるく試ためせば且まさに征遠せいゑんに去さる
征遠せいゑん 須臾しゆゆにして止やみ
漫漫まんまんとして 鐵蓮てつれん 發はつす
野砲やはう 轟とどろかせど 滅めつせざれば
異術いじゆつ 未いまだ 拔ぬくに能あたはず
悄しづかに風光ふうくわうを飲のみ 喧鬧けんたう忘わすれ
虛煙きよえんに 醉臥すいがし 天涯てんがいに沒ぼつす
再ふたたび 六文錢ろくもんせんなるを 沽かはむ
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おお 我らが勢いよき軍艦よ
海を切り裂いて 海中の怨霊を呼び覚ます
忌々しい霧は航跡から生まれる浮世の浪は濁り渦巻く
凄惨な悲鳴は誰の心に届くというのか
ならばいっそ 夕暮れ色を酒として酌み
向かい風に寂しく立ち尽くすのみ戦禍はすべてを巻き込み
人々の憂いも喜びも すべて焼き尽くす
棚の奥にしまわれた錆びた銃に
添えられた思い出の花は萎んだ
それでも 先人の遺志を破って
その銃を持ち 戦場に赴くしかないしかし 戦はすぐ終わってしまった
海上に現れた鉄蓮2は 艦隊の行く手を阻んだ
大砲では役に立たず
異術をもってしても敵わなかった
やがて 水平線の景色を眺め しばし喧騒を忘れて
ごうごうと立ちのぼる硝煙の中で 酔いつぶれて逝った六文銭の渡し賃も 酒に使おう
漠漠鐵甲城
星夜泣露滴靜破
暫醒亦蒙蒙
惟顧青嵐凝波
蒸於澹澹秋水
遊塵溶菲菲
析作殘櫻滿江北
片片裂血痕
零落如雨任枯萎
忽覺身乍寒 誰奪我軍袍
卻望一老婦 掛之枯木梢
梢揚淋淡赤 衣下新芳澆
兩顧時莞爾 拈花哂寥寥
誰泣渺茫絕伊人
誰歌悠悠故土曲
誰恨刀兵重難持
惟有浮棺迷途客旅
迎風落淚 睹月流哀
更驚妖氛結影 不知何所欲
瞬目瞥厄間
漠漠ばくばくたる鐵甲城てつかふじやう
星夜せいや 露つゆに泣なき 滴しづく 靜しづけさ破やぶる
暫しばらく醒さむれど 亦また蒙蒙もうもうたり
惟ただ 青嵐せいらんの 波なみ凝こらすを 顧かへりみて
澹澹たんたんたる秋水しうすいにて蒸むす
遊塵いうぢん 菲菲ひひたるに 溶とけ
析せきして 殘櫻ざんあう作つくり 江北かうほく滿みつ
片片へんぺんとして血痕けつこんに裂さけ
零落れいらくすること 雨あめの如ごとく 任まにまに枯かれ萎しをる
忽たちまち 身みに乍にはかに寒さむさを覺おぼえ 誰だれぞ 我われの軍袍ぐんはう奪うばふ
卻かへつて一いち老婦らうふを望のぞみ 之これを掛かけて枯木こぼくの梢こずゑに
梢こずゑ揚あがりて 淡赤たんせき淋したたり 衣下いかの新芳しんはうに澆そそぐ
兩顧りやうこする時とき 莞爾くわんじとして 花はなを拈つまみて寥寥れうれうとして哂わらふ
誰だれぞ泣なく 渺茫べうばうとして伊人いじんと絕ぜつすることを
誰だれぞ歌うたふ 悠悠いういうとして故土こどの曲きよくを
誰だれぞ恨うらむ 刀兵たうへいの重おもき 持もち難かたきを
惟ただ 浮棺ふくわん有ありて 迷途めいどの客旅かくりよなす
風かぜに迎むかへて淚なみだを落おとし 月つきを睹みて哀あいを流ながす
更さらに 妖氛結影えうふんけつえいに驚おどろき 何なんぞ欲ほつする所ところやも知しらず
瞬目しゆんもくすれば 厄間やくかんを瞥べつす
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おお 我らが寂しげな軍艦よ
流星は露となり 滴り落ちて静寂を破る
眠り人は目覚め しばし朦朧とした目を凝らすと 青い霧は段々と形となり
目前には広々とした川が現れた
空を舞う灰塵は美しく
桜の花びらとなって 川に浮かぶ
その一枚一枚は 血染めの色をした
雨のようにはらはら落ちて 散っていく途端に肌寒く感じた 誰かが僕の軍服を剥がした
振り返って見れば ひとりの老婦人がそれを枯れ木の枝にかけているところだ
枝は微かに揺れ 軍服から淡い赤の血が滲み出て 木の根元の花々を濡らした
もう一度その老婦人を見れば 老婦人は花をひねって 無言に微笑した誰かが 愛する人と別れることを泣いている
誰かが 故郷の歌を高らかに歌っている
誰かが 軍刀と銃の重さを恨んでいる
水上に浮かぶ棺は 途に迷う旅人を載せていた
向かい風に落涙し 月を見て悲しみを零す
周囲に怪しい影が現れ 思わず息を呑む瞬く間に あの世が見えた気がした
悠悠鐵甲城
白衣漫遊兀蕩蕩
如霰缽中橫
撥曳聲聲狂
弦斷霎時成空妄
渺渺玄霧開
舟出猶見故人相
末屆學子 覲見先輩
昔聞太平洋上 疾霆虺虺
慨歌淪幽冥 如櫻散且碎
吁嗟乘神艦 微撫諸法印
帝國造於新 帝國造於末
本部至善終品
未祭以血以靈
然無有所愧焉
輪盤絞命將盡
渡鳥有歸日 征夫去不還
奔鹿逃飛矢 生民更剖肝
幸哉大夢終落幕
皆歸此地笑團圓
殘香沾影隨
悠悠いういうたる鐵甲城てつかふじやう
白衣はくい 漫遊まんいうすること 兀蕩蕩こつたうたうとして
霰あられの如ごとく 缽中はちちゆうに橫よこたはる
撥はね曳ひきて 聲聲せいせい狂くるひ
弦げん斷たたりて 霎時せふじ 空妄くうまうと成なる
渺渺べうべうとして 玄霧げんむ開ひらき
舟ふね出いでて 猶なほも見みる 故人こじんの相かおを
末屆まつかいの學子がくし 先輩せんぱいに覲見きんけんす
昔むかし聞きく 太平洋上たいへいやうじやう 疾霆しつてい 虺虺ききたるを
慨歌がいかす 幽冥いうめいに淪しづむことを 櫻さくらの如ごとくして散ちりて且かつ碎くだくることを
吁嗟ああ 神艦しんかんに乘のり 微かすかに撫なで 諸法印しよほふいんを
帝國ていこく 新あたらしきに於おいて造つくり 帝國ていこく 末すゑに於おいて造つくりたる
本部ほんぶの 至善しぜんなる 終品しゆうひんぞ
未いまだ 血ちを以もつて 靈れいを以もつて 祭まつらざれど
然しかし愧はぢる所ところ 有あらざりしや
輪盤りんばん絞しぼる 命いのちぞ 將まさに盡つきむ
渡鳥わたりどり 歸かへる日ひ有あれど 征夫せいふ 去さりては還かへらず
奔鹿ほんろく 飛矢ひしを逃のがれて 生民せいみん 更さらに肝きもを剖わかつ
幸さいはひ哉かな 大夢だいむ 終つひに落幕らくまくし
皆みな 此地このちに歸かへりて團圓だんゑんを笑わらはむ
殘香ざんかう 影かげの隨まにまに沾うるほす
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おお 我らがさすらう軍艦よ
肌着のまま 宛て所もなく彷徨い
まるで鉄鉢に横たわる霰のように狂おしい音は弾けども
弦が切れれば すべてが水の泡になろう
濃く立ち込めた黒い霧が消え
船の前に故人の姿を見る「小生 先輩方に会えて とても光栄に思います
先輩方の太平洋上での勇姿は かねてより聞き及んでおります
惜しむらくは 海中に沈み 桜のように散ったことでしょうああ この神艦に乗ってからというもの 兵装を使う機会もなく
帝国が作った最新鋭にして最後の超常艦艇
艦政本部の最終兵器は
誰の血にも濡らされずに 誰の魂も奪うことはございませんでした
けれども恥じる気持ちは一切ございません
帝国の命運が すでに尽きたのならば」渡り鳥は 去ってもいずれ帰ってくるけれど 軍人は 一度去ると二度と戻らない
奔る鹿は 弓矢を避けようとするけれど 民は 戦争から逃れられず苦しむだろう
幸いなことに この巫山戯た夢はようやく幕を閉じ
皆 この地に帰って 団円に笑い合うそして残り香は 影とともに消えていった
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3699277 (01 Aug 2018 16:16)
原文:http://scp-wiki-cn.wikidot.com/ending
主に訓読法や「まぢでわからない」ところのご指摘をしていただければ(人来るのかなこれ