庵武楼図・夢幻宴(ごっちゃ混ぜTale×GoIF)
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Foundation Collective
MAINTAINED CONSCIOUSNESS
維持され続ける意識

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Fiat Mundus Rationabilis
"世界をより理に適ったものへと"

クローラー: SCP BOT | クエリー: アンブローズ | サーチ: FC SUBNET
オプションフィルタ | アンド: 和食 | セキュリティクリアランス: レベル1以上


    • _


    いらっしゃいませー。

    明晰夢を体験するのは、ファリゲにとっては初めてのことだった。無論、夢界のアンブローズ・レストランに足を踏み入れるのも初めてのことである。

    彼女は物珍しそうに店内の様子を見回す。厨房を取り囲むようにカウンター席が設置されており、通路を挟んで向こう側にはテーブルがいくつか置かれている。さらに店の奥の方を覗くと、そこには長い座卓の座敷席があり、すぐ傍の壁には百鬼夜行の浮世絵が描かれている。灯籠の柔らかい光に照らされる中、浮世絵の構成要素は出現と消失を繰り返す。もう片方を見ると、個室につながるだろう真っ直ぐな廊下が一本伸びており、廊下奥のガラス窓の向こうには日本庭園らしき景色が見えた。

    店内には人影はまばらだ。それもそのはずで、今は食事の時間帯ではないからだ。ファウンデーション・コレクティブ、エリア-8175の職員食堂になりつつあるこのレストランは、まださほど忙しくはない。店内にいる数名の客の多くは人型でない姿をしており、夢界にまだ慣れないファリゲはどうも落ち着かない気分だ。

    彼女は適当にテーブル席に座った。卓上にある「本日のお薦め」と描かれたメニューをしげしげと見つめ始める。以前にもアンブローズ・レストランに関する案件を取り扱っていたが、夢界ではアンブローズの料理は現実よりもさらに狂気じみたものになるようだ。もし事前に、これらの料理が十分に安全であると説明されていなければ、この怪しげな料理名を見て注文できるほどの度胸は彼女に断じてない。

    そして彼女は、事前に説明されている通り、もっと狂気じみた真似をここでしなければならない。

    色々と考えを巡らせている間に、着物姿の店員がやってきた。店員の頭は、まるで5本針の目覚まし時計のようだった。

    いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいますか?

    そしてファリゲはハッと気づく。今はまだ任務中であるということを。

    ええと、こちらの握り寿司盛り合わせを一つください。

    握り寿司盛り合わせ、お一つですね。飲み物はいかがなさいますか?

    彼女はしばし考えて、そして遠慮がちに答えた。

    ヴィユー・ポンタリエはありますか?

    店員の顔に――それが顔と呼べるのならば――困惑の表情が浮かんだのを彼女ははっきりと見た。安定した速度で回転し続けていた5本の針は、僅か一瞬だけ止まっていたが、店員はすぐ気を取り直して返事する。

    かしこまりました。では、ご注文は以上でよろしいでしょうか?

    以上です。よろしくお願いします。

    さて、彼女はつい先程、和風料理店でアブサンを注文した――しかしこれから起こるであろうことに比べれば、まだ狂気じみた真似のうちには入らない。

    しばらくして、一杯の酒精が卓上に置かれた。夢界のアンブローズが例え和風料理店でもアブサンを用意しているのは別に驚くべきことではない。ましてやこのレストランはコンセプトレストランだ――それは、目の前にあるこの一杯のアブサンが、おそらく現実には存在しない100年熟成のヴィユー・ポンタリエの概念であることを意味する。

    任務中に酒を飲むことは彼女のスタイルではないが、なにせ必要な手順であると言われているのだ。彼女はグラスを持ち上げて、100年熟成のヴィユー・ポンタリエの概念を一気に飲み干す。

    そして、彼女はひどく酔ってしまった。


    お待たせいたしました。握り寿司の盛り合わせでございます。

    待ちなさい。

    はい、なんでしょうか?

    ここ最近、スシブレードというゲームにハマっていてね。一つ、お手合わせしてもらえないかしら?

    お客様、当店ではスシブレード対戦の申し込みを一切受け付けておりません。メニューにも書かれているはずですが……

    はぁ?冗談じゃない!天下のアンブローズが客にそういう態度でいいのかしら?客の要望を全て満足させるのが流儀ではなくて?はっきり言っておくわ。対戦してくれないと、私は帰らないわよ?いい?

    お客様……あぁ困ります、お客様!

    さあ、せっかく夢界の珍しいネタが揃えてあることだし、この10貫の寿司からお互いの駒を選ぼうかしら。先に選ばせてあげるわよ。あなた、弱そうだし。

    お客様……わたくしが、弱そう、ですか?

    あら、そうではなくて?伊達にスシブレーダーやってないから、人を見る目には自信があるわよ?

    ……わかりました。少々お待ち下さい。

    店員はそう言って、キッチンに戻っていく。

    ファリゲとて店員に強く当たるのは本望ではない。彼女は酔ってはいるが、そもそも酔ったからってそんな酔い方をする人種でもない。すべては通過儀礼だ、などと彼女が考えているうちに、店員はまた舞い戻ってきた。スシブレードの土俵とボトルのようなものを手に持って。

    ボトルのラベルには、「Vieux Pontarlier」という綴りの文字が書いてあった。

    店員はテーブルに叩きつけるように土俵を置くと、ファリゲが飲み干したグラスを一掴みで奪って、ボトルから緑色の液体をそこにそそぐ。そして――

    がぶがぶがぶがぶがぶがぶ……っぷはーっ!

    ……あなた、それはなんの真似かしら?

    人が黙ってりゃゴタゴタゴタゴタと……あたしゃ弱いだと?いいさ、あんたに付き合ってやるさ。オネイロイ・ウェストで名を轟かし、未だ負けを知らないこの「穿つ針のメリッサ」がな!

    ……聞いたこともない名前だわ。それはそうとして、やる気になったみたいね。

    勝手に言ってろ!あたしが先に選んでいいって言ったよな?後悔するなよ!このコロッケイワガニ……いや、クラブロン三世で相手してやる!

    ……いいわ。なら私は、ムカイムカデクジラ……アエリアナックルで出るわ。準備はいい?

    あんたこそ、不意をつかれて負けても知らないわよ?

    3、2、1、へいらっしゃい!!!


    両者のスシブレードは激しく回転し、土俵へと放たれた。

    最初に攻勢を仕掛けたのは、ファリゲのアエリアナックルだった。

    巨大なネタと見合わぬ速度で、それはあたかも流星の如く、店員メリッサのクラブロン三世に重い一撃を見舞う。いや、一撃などではない。二撃、三撃……流星群のように反撃の隙さえも与えず、的確に、それでいて無慈悲に、アエリアナックルは相手にダメージを与え続ける。

    クラブロン三世の回転はみるみるうちに遅くなり、勝負ははやくも決まりそうな様子であった。

    「早い」もの勝ちとはよく言ったものだわ。アエリアナックル、トドメを刺して頂戴。

    優勢にあるアエリアナックルは、最後のトドメを刺そうと唸り始め、溜めの体勢に入った。対してクラブロン三世は、もう視認できるほどに速度が低下している。まるで死刑が宣告されたように、力を溜めに溜めたアエリアナックルは勢いよくクラブロン三世へと翔け、両者が激突するその瞬間――

    「回生・再起動せよ」リジェネ・ブート・アゲイン

    アエリアナックルの溜め技をまともに食らったクラブロン三世は、回転が完全に停止した……と思いきや、それはゆっくりと、けれど確実に反対の方向へ回り出した。左回転である。

    ……何が起こった!?左回転……まさか!

    その「まさか」だよ。クラブロン三世は表裏一体――カニであると同時に、コロッケでもあるさ。そしてあんたのしつこい攻撃のおかげで、クラブロン三世はたった今、コロッケーナ三世に生まれ変わったのよ。

    ……私の攻撃を利用して、回生しただなんて!?

    ここからは、あたしのターンさ。

    要素「アブサン」特定完了。対象 235 体。

    クラブロン三世、いやコロッケーナ三世は激しく左回転しながら、金色の揚げかすを周辺に撒き散らす。アエリアナックルは回避が間に合わず、その撒菱とも言える揚げかすはシャリに付着してしまう。心なしか、アエリアナックルの回転が僅かに低下しているように見える。

    ……小癪な真似を!ってなにこれ、滑るっ…!

    それは揚げかすの油さ。言っておくけど、ただ滑るだけってわけじゃないわよ?その油はシャリに染み込んで、やがて米粒の粘着を取る。あんた、またさっきみたいな重い攻撃を仕掛けたら、シャリが空中分解するか、ネタが分離するかだぜ?

    くっ……卑怯な……!

    そしてこいつはコロッケさ。スシブレーダーならどういう意味かわかると思うぜ――そう、「闇」の連中が使う邪道ネタの強さは、こいつにもあるってわけだ。

    要素「スシブレード」特定完了。対象 2 体。

    コロッケーナ三世はさらに揚げかすを撒きながらアエリアナックルに接近し、その周りで円を描くように動く。アエリアナックルは反撃に動こうにも、油に邪魔されて軌道を外してしまう。相対するコロッケーナ三世も決して近づかず、戦況が膠着しているように見えたが、アエリアナックルのシャリに油が完全に染みるのも時間の問題だ。

    しかし、緊迫の状況にも関わらず、ファリゲはここで不敵な笑みを浮かべた――

    「再構築せよ・貪り喰らう者」グリーディ・リコンストラクション

    今にもシャリと分離しそうなアエリアナックルのネタは、その言葉に呼応するように、突如として巨大化した。巨大化したそれはゆっくりと形を作り、そこに現れたのは、今にもコロッケーナ三世とそのスシブレーダーをもろとも飲み込もうとする海獣であった。

    む……ムカデクジラ!?うそ……なんで……?

    今日のネタに、どうもウロボロスソースが付けてあるわね。

    ま、まさか、再構築……いや、でも、それはあまりにも……

    さあアエリアナックル。喰らいなさい――

    海獣はゆっくりと口を開き、そして飲み込む。

    店員メリッサのコロッケーナ三世も、店員メリッサも――そしてファリゲ自身も。

    あっ?えっ?うそ、待っ――

    そして二人が消失し、その場に残ったのは、一枚のムカイムカデクジラの切り身だけだった。


    対象 2 体の強制浮上措置を開始…

    覚醒認証をスキップ…

    データレイヤーへ接続…

    アバターを再構築…


入店→アブサン飲んでスシブレード→ブリーフィング→作戦実行→誘導成功、対象捕獲
画像出典(by Chris & Mayet Palacio, Edited)

画像2(by joker177, Edited)
p51氏による「来なよ腹鳴らそうぜ」

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執筆者: BenjaminChong
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最終更新: 14 Nov 2020 16:29
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